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2019.07.04

【観戦記】19年天皇杯2回戦:浦和 2-1 流経大 ~ 勝てばよかろう(ハァ・・・)

・天皇杯はとにかく「負けたら終わり」のトーナメントなので、内容がどうであれ勝つことが全て。この日は名古屋・札幌・湘南・松本とJ1の4チームもが格下相手に敗れており、中にはジャイアントキリングとは言い難い大差で敗れているチームもあるくらいなので、大槻監督が「最高の結果だと思います」と語るのも判らなくもありません。

・ただ試合内容はお粗末そのもの。大分戦の惨敗から中2日、そしてさらに中2日で仙台戦が控えているため、動ける選手をかき集めてなんとか11人を揃えただけという急造チームなので連携が覚束ないのは致し方ありません。また「不適材不適所」としか言いようがない、やり慣れないポジション、全く向いていないポジションでの起用を余儀なくされた選手も複数いて、チームとしてほとんど機能していないのもやむを得ないでしょう。

・しかし、大学生に気迫で負け、動き出しで負け、あろうことか当たり負けさえするってなんなん?? しかも個人技でスタジアムを「おおっ!!」とどよめかせていたのは流経大のほうだったという惨状。連携メロメロのプロチームが個人技でなんとか大学生をねじ伏せるというのは天皇杯にありがちな構図ですが、その個人技ですら見せ場を作っていたのは流経大のほうだったというのがこの試合で一番情けないところかと。大学生相手に明らかに格の違いを見せていたのは守っては鈴木、攻めては後半投入の杉本くらいでしょうか。

・そしてそのしょっぱい試合にさらに塩を加えるのが駒場の雰囲気。駒場はバックスタンドの低い屋根とか、狭くて薄暗い通路とかが良くないのか、何かどす黒いもの、陰惨な空気を濃縮する機能が標準装備されているようで、駒場初体験の選手達はざぞかしやりにくかったことでしょう。勝って当たり前の相手にただでさえやりにくさを感じているのに、スタジアムの雰囲気が悪くてプレーが委縮してしまい、それがやりにくさを増すという悪循環。

・勝ったとはいえ、どう見てもJ1のレベルに達していない選手が散見されましたし、「ちょいミシャ」システムではもはや使い道のない選手もいました。大槻監督が「レギュラーなんてない!」と息巻いても、使える駒は限定的なのがハッキリした試合といってもいいでしょう。もっとも使い道がない選手が少なくないのはミシャ以降監督が頻繁に代わり、しかもそのコンセプトになんら一貫性がないままやたら選手をかき集めたフロントの責任としか言いようがなく、選手は少々気の毒ですが。

Vs001

・先述のように大分戦の惨敗から中2日、そしてさらに中2日で仙台戦が控えているため主力級の大半はベンチにも置かず、大分戦からの連闘は柴戸、鈴木、ナバウトの3名のみ。普段ベンチスタートの面子だけでは頭数が足らず、ほとんどベンチにも入れない選手をも出撃させてなんとかスタメン11人を揃えた格好。なお福島と茂木はこれが今年初出場。流経大OBの宇賀神と武藤はベンチで威嚇要員でしょうか(笑) 試合前には「宇賀神先輩」「武藤先輩」とそれぞれ学生からコールがあり、両選手とも照れ笑い。

・浦和は3分直輝CK→鈴木どフリーでヘッドで幸先良く先制。格下相手にスコアレスのまま時間が流れるというのは「ジャイキリの元」なので、早々と先制点が取れたのは急造チームにとって幸いでしたが、まさか前半良かったのがそれだけになろうとは・・・

・浦和はいつもの3-4-2-1、流経大は4-3-3のフォーメーションでしたが、流経大は浦和の稚拙なビルドアップ能力を見越してか学生らしく前からガンガンプレッシャーを掛けてきました。

・さすがに浦和は自陣深い位置でボールを失い、致命的なショートカウンターを浴びるような愚こそ犯しませんでしたが、ビルドアップには四苦八苦。前目にボールを収められる選手が皆無なので致し方ないのかもしれませんが、序盤は流経大にボールを持たせ、ボールを奪った後に高い流経大最終ラインの裏を縦パス一本でナバウトに突かせるくらいしか攻め手がなく、しかもそれが嵌まったのは得点に繋がったCKを得た場面(直輝→ナバウト裏抜けからシュート)だけかな?

・残念ながらナバウトにスピードが無く、またこれといったパサーもいないのでパス精度が劣悪でナバウトが追いつけなさそうなボールだったり、飛び出してきた流経大GKに簡単にクリアされたりと、ほとんど可能性を感じないまま時間が徒過。

・先制されたとはいえ、明らかに自信をもって積極的にプレーしていた流経大は18分スカスカの中盤で簡単にボールを繋いでバイタルエリアから強襲する見せ場を作り、さらに19分に7番(菊地)が浦和右サイドを抉って角度のないところからニアサイドを強烈なシュートでブチ抜いて同点。

・この場面カットインしてきた17番に岩武と山田の二人が付いていながら止められなかったのがこの試合を象徴していたような。特に山田は足だけで突っ込んで、結局転ばされている有り様。後方から突っ込んできた7番のスピードに森脇はあっさりと置き去り。

・流経大は同点に追いついたためか、これ以降立ち上がりほどは激しく前から追って来なくなり、かつ浦和のあまりにも単調な攻めにも慣れてしまったためか、浦和は完全に攻め倦みの様相に。26分カウンターでナバウトが左サイドを疾走→逆サイドの岩武に展開してボックス内に突入するも決められなかった場面が唯一無二の決定機。

・この試合を通じて左WB茂木がフリーでボールを持つ場面が目立ちました。流経大は4バックのまま守っているので森脇など右サイドから大きく高い位置にいる茂木に展開すれば茂木がフリーになりやすいのは当たり前といえば当たり前ですが、残念ながら茂木は「ちょいミシャ」仕様のWBの適性が全くないのか、ボールを受けても何もできず。前に高さがないのに単純にクロス入れても意味ないでしょうに。流経大が慌てて守備ブロックをスライドさせないのとみると「こいつに持たれても無問題」とばかりに見切られて中を固められたような気も。

Vs003 

・あんまりな内容に大槻監督は業を煮やしたのか、後半頭から全く1トップに向いていないナバウトに代えて杉本を投入。しかし、杉本までなかなかボールが行かないので戦況は直ぐには好転せず、51分岩波縦ポン→汰木裏抜け&ループシュートが惜しかったのみ。それどころか、その直後に自陣深い位置からのドリブル進出&パス交換で中央を次々に破られる始末。守備の人数は足りていたはずなのに次々と破られる様って、もはやどちらがプロなのかわからんレベル!!

・怒りが収まらないであろう大槻監督は60分間とうとうあまりにもボールロストが多すぎて流経大の攻撃の基点と化していた山田も諦めてエヴェルトンを投入。これで「不適材不適所」は幾分解消され、杉本にボールを当てて、近くにいる汰木を流経大最終ライン裏に走らせる、あるいはサイドからのクロスで杉本の高さを使うという浦和の狙いもはっきりし始めました。

・74分左サイドから汰木クロスに後方から飛び込んだエヴェルトンのヘッドが決まって浦和ようやく2点目をゲット。ボックス内に杉本がいるのでエヴェルトンの飛び込みへの対応が遅れたのでしょう。また汰木のクロスには驚きましたが、汰木はこんなクロスみたいなのがコンスタントに挙げられるようになれば一皮むけると思います。対峙したDFも間合いの取り方が変わってくるでしょう。とにかくシュートに繋がらないドリブル馬鹿のままでは頭打ちかと。

・大槻監督は最後にOB宇賀神を投入して試合を締めようとしたものの、宇賀神は無謀にボールを奪いに行って失敗し、守備網に大穴を開ける始末で守備は最後まで不安定。大学生相手になんとか時間を潰しに潰して逃げ切りという、流経大の奮戦ばかりが目立つ試合でした。

・大槻監督は試合後の会見でこそ選手達を庇うどころか讃えている風でしたが、ハーフタイムのコメント「走らないで勝とうなんて甘い。もっと走りなさい。足を振ってますか。ファイティングポーズをとっていますか。相手はイヤがっていますか。当たり前のことをやりなさい。いまの敵は自分たちの中にある。覚悟を持って戦いなさい」というのが本音に近いでしょうなぁ・・・

Vs007

-----ナバウト-----
--汰木----山田--
茂木-阿部--柴戸-岩武
-鈴木--岩波--森脇-
-----福島-----

(得点)
2分  鈴木
19分 菊地(流経大)
74分 エヴェルトン

(交代)
HT ナバウト→杉本
60分 山田→エヴェルトン
85分 茂木→宇賀神

・実績から見て本来出番があって然るべき荻原がなぜかベンチにもおらず。小破なのかもしれませんが、ただでさえ汰木にベンチ入り競争で負けて出場機会が減っているのに何と巡り合わせの悪いことか。

・ユース卒の新人でベンチ入り出来たのはGK石井のみ。昨年橋岡&荻原が早々と出場機会を得たのと比べると些か寂しい話で、世代交代もなかなか上手く行きません。

・明大卒の二人はどちらも学生に圧倒される始末。特に柴戸の不振は目に余りました。大分戦でもいいところなく、そこから中3日での連闘がきついのかもしれませんが、それ以上にコンディションがズタボロのような・・・

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