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2019.08.05

【観戦記】19年第21節:浦和 2-2 名古屋 ~ 残念なチーム同士の乱打戦

・シュート数16対17というスタッツ通りの乱打戦。浦和は2点ビハインドからの同点劇、しかもATに入ってからの同点劇だったので試合終了後のスタジアムは凄まじい興奮に包まれましたが、残念ながら前半の試合内容が悪すぎて、前節鹿島戦よりは遥かに「負けなくて良かった」という色彩が強い試合だったと思います。34分の決定機をジョーが決めていれば浦和は負けていた可能性が高く、それ以外にも西川の好守でなんとか救われた場面が目立ち、同点弾を決めた関根より西川をMOMと評価してもいいくらい。

・名古屋はほぼ2週間ぶりの試合だったのに対し、浦和は鹿島との激闘から中3日、しかも前節に続いてナイトゲームでも給水タイムが設けられるような過酷な環境下での試合でコンディション面で浦和の不利は免れませんでしたが、それにしても前半の浦和の出来は酷すぎました。しかも前節に続いて試合開始早々セットプレーから決定機を許す始末。

・前節はセルジーニョのヘッドがバーを叩いて事なきを得ましたが、今節は完全に崩されて失点。体力的な問題というより集中力の問題でしょうな、これは。戦前は「名古屋の試合勘のなさ」を指摘する向きもありましたが全然そんな様子はなく、むしろ浦和のほうが試合勘がないと言われても仕方がない試合の入りでした。

・この件についてはさすがに大槻監督も激オコプンプン丸(死語)で、試合後の記者会見でも「ゲームの入りのところ、あの失点からはじまって、思うようにいかない前半があり」「我々には隙があったり、入りのところ、もしかしたらゲームの前のウオーミングアップを含めて、もう少し考えなければいけないのかなというところを感じています。」と、今週のトレーニングでのシバキ上げを予感させるようなコメントを連発。

・また前節故障したマウリシオの代わりに鈴木を起用したのはともかく、中3日を考慮してか長澤→ファブリシオ、エヴェルトン→柴戸と入れ替えたものの、この両者の出来がイマイチ。また橋岡はWBとしては攻撃力が無さすぎて完全にブレーキ。さらに柴戸がようやく攻撃面で持ち味を出し始めたと思ったらなぜか大槻監督は長澤に代え、その長澤が危険な位置でボールロストを繰り返してこれまたブレーキと化すなど、「使える選手層が薄い」という意味で今後の連戦に向けて不安が募る側面が見え隠れした試合でもありました。

・あんまりな試合の入りといい、選手起用&交代といい、もうちょっとやりようはなかったのか? かなり手強い相手になんとかドローに持ち込んだならともかく、自陣で自爆ボタンを連打するような相手にホームで勝てなかったという残念な思いも少々残る試合だったと言ってもいいでしょう。

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・繰り返しますが、試合の入りは最悪でした。2分太田CKからの流れで、こぼれ玉を拾った前田が浦和左サイドで青木と対峙。青木は前田の鋭い動き出しに全く付いてゆけずに簡単に振り切られ、前田の折り返しを和泉が難なく詰めていきなり名古屋先制。前半の前田の切れ味は凄まじく、対面の槙野は前半を通じて文字通りチンチンにされてしまいましたが、この辺りはコンディションの差が如実に表れたのかも。

・浦和は反撃に転じようにもファブリシオがボールの受け手としては全く機能せず、周囲とも噛み合わず。また武藤もお疲れなのか、90分を通じてびっくりするくらいボールロストが多くて反撃はままならず。名古屋はこの2名をボールの奪いどころとして狙っていたのでしょう。また守っても浦和は前からハメに行くのか、後ろで守備ブロックを作って我慢するのか判然とせず、中途半端に追いかけては名古屋のパス回しの前に後手後手に回り続ける始末。

・25分の失点場面はその後手後手の典型。アプローチすれども簡単に交わされるの連続で、最後はジョーのスルーパスでシャビエルが岩波の裏に抜け出してどフリーでクロス→ファーでどフリーで前田シュートという完璧すぎる崩しを食らってしまいました。岩波は中へ突っ込んできた和泉が気になったのか、早々にシャビエルに付くのを諦めて中へ走ったのが謎過ぎ。

・34分には太田CKからの流れでシャビエルの浮き球パスを受けたジョーがボックス内で西川と一対一になる絶好機がありましたが、ここは西川がビッグセーブ!これが決まっていればその時点で事実上試合終了となっていた公算が高く、この試合の分岐点でした。

・しかも、この辺りから名古屋の動きが怪しげに。前回の浦和戦以来名古屋はなんと9試合連続で勝っていないらしく、勝ち点欲しさに汲々とするあまり(?)自陣に5-4-1の守備ブロックを敷いて守りに入り始めました。自然浦和がボールを支配する時間帯が長くなり、前半のうちにボール支配率で浦和が逆転。

・浦和は2点ビハインドに陥ってからファブリシオを興梠の位置を入れ替えては見たものの、基本的にボールを持たされ気味。38分右サイドに流れた青木からのクロス→ファーで興梠ヘッドの決定機があったくらい。ATに前田の強襲をなんとか凌いで前半終了の気配ムンムンでしたが、そこで自爆ボタンを連打するのが名古屋。

・ファブリシオの浮き球パスをカットした吉田がボールコントロールを焦ったのか、なぜか自陣深い位置でボールロスト。すかさず関根が拾って反撃に転じ、最後は裏抜けに成功した武藤クロス→ファーでどフリーの興梠ヘッド。守備の人数はいるのに武藤も興梠も自由にしている辺りが実に名古屋。半ば儲けもののような形で浦和が息を吹き返しました。

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・慣れないことはするものではないのか、浦和にボールを回され続ける名古屋はなぜか後半になって運動量が激減。浦和はセカンドボールを悉く拾って敵陣に迫るものの攻撃にアイデアがないのか、52分に右サイドからボックス内に侵入した柴戸が枠内シュート、さらに53分バイタルエリアで前を向いたファブリシオがミドル枠内強襲という見せ場があったくらい。

・大槻監督は61分攻撃面で全く役に立たない橋岡を諦めて早々と山中を投入。さらに67分柴戸に代えて長澤を入れるものの、先述のようにこれが大失敗。ところが風間監督の動きも不可解で、71分CB宮原に代えて長谷川を入れ、WB前田&CB和泉で右サイドを守ろうとする謎采配。

・浦和は74分ファブリシオこの日最大の見せ場(=バイタルエリアから単騎ドリブルでボックス内突入)があったもののシュートは枠を捉えきれず、とうとう大槻監督はファブリシオを諦めて杉本を投入。「山中千本ノックシステム」で反撃を試みましたが、どういうわけかそんなシンプルな攻撃を試みずに「ちょいミシャ」っぽいコンビネーションプレーに拘る始末。それどころか83分名古屋にきっちりボールを繋がれて途中投入の相馬に決定機を許すテイタラク。ここも守備は後手後手。

・ATに入るとヘロヘロの両チームがカウンター合戦。そしてAT+3分についに「山中千本ノックシステム」が火を噴き、右サイドから中へ飛び込んだ関根がヘッドで同点に。この場面スローインからのリスタートで名古屋守備陣の集中が切れているっぽい。ニアの興梠&杉本に注意がいくあまりに関根へのマークが遅れています。

・ラストプレーではカウンターが炸裂。関根が長い距離を走り、自陣深い位置での中谷のクリアミスも手伝って岩波・山中とシュートを撃ちまくったもののいずれも決まらずに試合終了。

・ホームで2試合とも引き分けて積み上げた勝ち点はわずかに2。これでは上位進出なんて夢のまた夢ですが、負けるよりははるかにマシで、相手にも勝ち点を与えていないので順位が大きく下がることもなく、まさに中位で終わるべくして終わる感じ。現状ではそんなに上は望めない。関根復帰効果が絶大なのはこの3試合で明らかになりましたが、金もアイデアも伝手もない中村GMはもうこれで満足なんでしょうなぁ、たぶん。

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-----興梠-----
--ファブリシオ---武藤--
関根-青木--柴戸-橋岡
-槙野--鈴木--岩波-
-----西川-----

(得点)
45+2分 興梠
90+3分 関根

(交代)
61分 橋岡→山中(山中が左WB、関根が右WBへ)
67分 柴戸→長澤
76分 ファブリシオ→杉本

・横浜M戦以来のスタメン出場となったファブリシオ。持ち味の高精度ミドルに加え、74分の自身の決定機や20分の関根クロス→ファーで橋岡の決定機に繋がったドリブル進出など、前を向いた時の怖さはかなり昨年の好調時に戻ってきましたが、DFを背負っている際には恐ろしいほど何もできず、おまけに周囲となかなか噛み合わないポポ状態。シュート精度が高い分ナバウトよりははるかにマシですが、個人能力を上手く活かせていないという面では似たり寄ったり。

・杉本は「山中千本ノックシステム」のターゲットになる時はともかく、なんでコンビネーションプレーを発動する時は「譲り合う心が通う歩道橋」になってしまうんだろう? 最後もシュートを撃ちにいかずにクロスだし。合コンの時にみたいにがっつり行けや、がっつりと!!

・故障明けの大分戦以降橋岡がリーグ戦ではずっとスタメンで起用されていますが、WBとしてはあまりにも攻撃力が無さすぎて、この試合のように早い時間帯にビハインドに陥ると辛いのなんの。大槻監督の今季最大のタスクは「世代交代」で、降格の可能性が大きく遠ざかった今となってはもう目先の勝ち点なんて度外視して橋岡を我慢して使っているようにしか見えないんですが、宇賀神や森脇は今後どうなるんだろう?

・21分橋岡がジョーに蹴られた場面。ジョーは足を引っ込める素振りがなく、「車屋ルール」なら一発レッドのはずですが、ボールを蹴りだしたジョーの足が遅れてやってきた橋岡を蹴る格好になっているので、イエローは無しなのかも。現地では同時に起きた地震で、それどころではなかったのですが。埼スタは地盤が悪いせいか、結構揺れた気がしましたが、場内アナウンスは一切地震に触れず。

・ラストプレー、岩波のシュートがシミッチの手に当たったのをハンドと判定するのはかなり無理があり、試合終了後に大槻監督が激怒しているのはおそらく関根のドリブル突破を和泉がボールに全くチャレンジせずに単なる体当たりで止めたのに家本主審がファウルすら取らなかったのが原因かな? 本件に関しては大槻監督に「夜道に気を付けろよ」とか「夜に月が出ているとは限らんで」とか「娘さんいたよなぁ」とか言われても仕方ないと思いますが。

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-----ジョー-----
--シャビエル---前田--
吉田-ネット---シミッチ-和泉
-太田--中谷--宮原-
-----ランゲラック----

(得点)
2分  和泉
25分 前田

(交代)
57分 吉田→相馬
71分 宮原→長谷川(長谷川が右シャドー、前田が右WB、和泉が右CBへ)
79分 前田→金井

・名古屋は丸山と米本が故障離脱中なので守備駒にかなり無理があるみたいで。

 

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