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2019.08.28

【TV観戦記】ACL2019・準々決勝第1戦:上海上港 2-2 浦和 ~ 価値あるアウェーゴール2つ

・前半の試合運びはほぼ完璧。敵失も手伝って前半のうちに2点リードを奪ったところまでは文句なしでしたが、後半相手の出方の変化に対応できず、あれよあれよと言う間にPKで2失点。後半の浦和に全く良いところがなかったことを思えば、引き分けもやむなし。アウェーゴールを2つも奪えたことで満足すべき試合だったと思います。

・浦和のスタメンは前節松本戦で大幅な選手入れ替えを敢行したこともあって、松本戦からの連闘は、西川・槙野・橋岡・ファブリシオ・興梠の5名のみ。シャドーに松本戦でベンチスタートだった武藤をスタメン起用せず、ファブリシオを連闘させたのが意外だったくらいで、総じてアウェー神戸戦からの3連戦で計画通りの布陣でしょう。

・試合は3分にいきなり動いて浦和が貴重なアウェーゴールをゲット。3分長澤のFKはGKイエン・ジュンリンが楽々キャッチすると思われましたが、その前で競った槙野が気になったのかなんとGKがポロリ。そのこぼれ玉にいち早く槙野が反応。いやはやこれはラッキーとしか言いようがないゴールでしたが、ゴールはゴール。

・ここから20分くらいまでなぜか衛星回線がズタボロでロクに試合は見られず、ピッチ上で何が起こっているのかさっぱり判りませんでしたが、音声を聞く限りは何も起こっていなかった模様。回線が安定したらしたで、今度は解説都並の「ジーコ話」に延々と付き合わされる、相変わらずの日テレクォリティー。

・自陣に5-4-1の守備ブロックを敷く浦和に対して、上海は反撃に転じようにもビルドアップに苦しんでなかなかFWまでボールが渡らず。たまにFWに入っても浦和CB陣が難なく対応。22分サイドに貼っているオスカルに繋いでクロスを入れる攻撃に可能性を感じたくらいでした。浦和は相手も3-4-2-1とミラーゲームなのでマークがはっきりして対応しやすかったのでしょう。

・新戦力のCFアルナウトビッチはフィットしていないのか、単にやる気がないのか、この試合を通じて良いところなし。フッキには相変わらず槙野がしっかり付いていて終始イライラ。イライラが高じて前半終了間際にファウル繰り返しでイエローをもらって第2戦はイエロー累積で出場停止。

・浦和も序盤はパスミスが続出しましたが、30分関根が相手のロングフィードをカットしたところからのロングカウンターが炸裂。長澤が縦ポンでシンプルに興梠をスペースに走らせ、興梠のシュートは当たり損ねっぽくて緩かったものの、バウンドしてGKがタイミングを取り辛かったのっか、GK横をすり抜けて浦和がアウェーゴールを追加。

・33分にも橋岡クロス→興梠ポスト→ボックス内で長澤に決定機がありましたが、長澤の枠内シュートはGKに阻まれました。

・前半全く良いところがなかった上海は後半頭から興梠に対して為すすべ無しという印象だったCB23番(フー・フアン)を下げ、11番(リュ・ウェンジュン)を左WGに投入し、20番(ヤン・シーユエン)をアンカーに据えた4-3-3に布陣を変更して大反撃。

・48分フッキFKからの流れで、浦和右サイドに出たオスカルから橋岡が上手くボールを奪ったところまでは良かったのですが、橋岡のパスを受けた興梠が簡単にクリアせずに無理に繋ごうとしてボールを再奪回される大失態。ドリブルでボックス内に突入するオスカルに守備陣が次々と翻弄された挙句、マウリシオがオスカルを引っかけてPKを取られてしまいました。PKはオスカルではなくフッキが蹴って難なくゴール。

・このゴールを機に試合の流れは一変して完全に上海ペースに。試合後の記者会見を読む限りでは大槻監督は上海上港の布陣変更を想定していたようですが、残念ながらその対策がチームに浸透していなかったようで、やや位置を下げたオスカルに中盤を蹂躙される始末。失点直後にロングカウンターを食らい、オスカル一人にドリブルで長い距離を持ち運ばれてフッキのシュートがポストを直撃する一幕も。

・大槻監督は長澤の位置を若干下げたようにも見えましたがさしたる効果はなし。疲労のためか自陣でファウルを犯す場面が増え、球際での競り負けも目立ち始めて反撃はままならず、69分上海に自陣深く押し込まれて波状攻撃を浴びた末に、11番のシュートがマウリシオの折りたたんだ手に当たったのがボックス内ハンドと認定され、またしてもPK。これもフッキが決めて同点。

・マウリシオは「身体を不自然に大きく見せている手または腕にボールが触れ」たわけではなく、「肩よりも上にある手または腕にボールが触れ」たわけでもないのですが、そもそも横を向いた状態の手に当たっているので「手または腕で意図的にボールに触れる」と取られたのかな? しかもこの判定に対して異議でも唱えたのか、マウリシオはイエローをもらって第2戦出場停止。

・残念ながら大槻監督の選手交代はこの試合でも後手に回ってしまい、同点に追いつかれてからエヴェルトンに代えて柴戸を投入し、3-3-2-2というかはっきりした3ボランチに。これで守備はかなり落ち着いたものの、反撃に転じる過程でパスミスが続出して上海のカウンターを許してしまうというなんだかなぁな展開に。特に78分興梠から槙野への緩いバックパスをアルナウトビッチに掻っ攫われた場面は即死ものでしたが、ここはなんとかマウリシオが上手く対応して事なきを得ました。

・同点に追いつかれた後に追加点を取りに行くのか、ドローで良しとするのか判然としなかったのもこの試合の要反省点。大槻監督がファブリシオに代えて阿部を入れて「ドローやむなし」との考えを選手交代に形で選手にはっきり伝えたのはなんと88分になってから。おまけに3連闘でヘロヘロの興梠はATになるまで放置。相手の出方の変化に対する対応や、選手交代の使い方とか、この試合でも大槻監督の経験の無さが垣間見えました。

・結局後半の浦和のチャンスらしいチャンスは89分マウリシオFKのこぼれ玉を興梠が詰めた場面くらいで、しかもシュートは枠外。

・浦和がアウェーゴールを2つも得てのドローなので浦和が若干有利な形での折り返しとなりましたが、上海は後半の闘いぶりに自信を持ったでしょうし、ほとんど差はないも同然でしょう。第2戦は上海はフッキ、浦和はマウリシオが不在と共に大駒を欠いての一戦となり、フッキを欠いた状態で攻めに出ざるを得ない上海に浦和がどう立ち向かうかが楽しみです。でもそれ以前にリーグ戦がなぁ・・・


-----興梠-----
--ファブリシオ---長澤--
関根-青木--エヴェ-橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
3分  槙野
30分 興梠

49分 フッキ(PK)
71分 フッキ(PK)

(交代)
72分 エヴェルトン→柴戸
88分 ファブリシオ→阿部
90+2分 興梠→武藤

・2017年に続いて、なぜかACLで輝きを増す長澤が個人的にはMOM。揉め事がある度にちょろちょろ顔を出す長澤の仕様はどこから来たのかな???

・一方柴戸はオスカルにしつこくまとわりつくなど、守備でワンワン系の良さを見せる一方、攻撃時のパスミスがあまりにも多くて参りました。長澤とは逆にACLに向いていないのかも。

 

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