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2019.08.19

【観戦記】19年第23節:神戸 3-0 浦和 ~ これが浦和の「終わりの始まり」なのか?

・「(ボールを)持って悪し、持たされて悪し」と攻守とも全くいいところがなく、「よく3-0で済んだなぁ」と思わざるを得ないくらいの惨敗。神戸のチーム作りに中長期的なポリシー、一貫性があるとはそんなに思えませんが、とにかく金はある、そして海外に強いネットワークを持っているのは確か。金に糸目を付けずに次から次へとビッグネームをかき集めてきた成果がとうとう花開いたような気がしてなりませんでした。

・一方、金はそこそこ持っているけれども、金の自由が利く巨大スポンサーが付いているわけではなく、しかもダゾーンマネーにはすっかり乗り遅れて「金の優位」は失われ気味。そんな中で相も変わらず浦和はテキトーに監督を選び、テキトーに選手をかき集めて、だめなら監督をすげ替えて、また選手をかき集めるの繰り返し。海外とのパイプは今や完全に「ポンテ頼み」でしょぼいのなんの・・・

・シュータンが愚行を繰り返しているうちに金もすっかりなくなってしまったのか、今夏神戸が飯倉・フェルマーレン・酒井と補強すべきポジションに大金を叩いて有力選手を集めたのに対して、浦和は事実上関根を買い戻しただけに留まりました。

・ダゾーンマネー登場以来のJリーグの潮流の変化に取り残され、これまでのチーム作りがそもそも「一貫していい加減」な上に、とうとう金も尽きて身動きが取れなくなった結果がこの試合結果、試合内容となって表れたような気がしました。まさに浦和の「終わりの始まり」。いや「既に終わっている」だろうという見方もあるかもしれませんが(苦笑)、それぐらいの衝撃的な負けっぷりでした。

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・浦和は久しぶりに杉本を1トップに起用。今週の練習での杉本の調子がよほど良かったのかもしれませんが、残念ながらこれは攻守両面に渡って大失敗。もうこの「ちょいミシャ」仕様での杉本1トップは諦めるべきと思わざるを得ないほど、ほとんど機能しませんでした。

・浦和はいつものように前から追っていっても交わされるだけと割り切ったのか、神戸がボールをGK飯倉に下げた時以外はほとんど前から追わず、自陣に5-4-1の守備ブロックを作って防戦するリトリート主体の守備で臨みました(試合後のコメントを見る限り、意図的に引いたのではなく、前から行こうにも行けなかった感じですが)。

・しかし、神戸をリスペクトし過ぎているのかボールの奪いどころが定まらずに大苦戦。特にイニエスタとサンペールには最初から最後までこれといった手が打てなかったように見受けられました。相手の駒の質に大きな差があるものの、ピッチで起こった現象はアウェー横浜M戦の前半とほぼ同じ。正直大槻監督の修正能力にはがっかりさせられました。

・またこの試合を通じて不可思議だったのは浦和の選手がやたら滑ってこけていたこと。ノエスタの芝に慣れていないがゆえでしょうが、時間が経過してもこけ続けて、これでは試合になりません。

・浦和はなんとかボールを奪い返して反撃に転じようにも杉本が全くボールを収められないので、また神戸にぐるぐるボールを回される羽目に。16分にはイニエスタからのスルーパスで古橋の裏抜けを許すピンチ。これ以降浦和はスピードがある古橋に悩まされ続けることに。

・20分にはイニエスタの自陣深い位置からの縦パス一本で古橋が裏抜け。ここはなんとか槙野が追いついてCKに逃げたものの、そのCKをフェルマーレンのヘッドがポスト直撃。

・浦和は給水タイムを挟んで25分くらいから、大槻監督の言葉を借りれば「少し配置を変えたり、前の行き方を少し修正したりして」ようやくボールを握れるようにはなり、また杉本にいきなりボールを預けるのを諦めて細かくビルドアップを試みてはいましたが、パスミスが多くてどうにもならず、神戸のカウンターを許すこと二度三度。38分岩波の緩い横パスを古橋にボックス内で拾われそうになってヒヤリ。浦和の攻撃が様になったのは39分槙野が左から右へ大きく展開→関根が酒井を交わしてシュートを撃った場面だけ。

・たとえ内容がズタボロであったとしてもスコアレスで折り返せればまだ良かったのですが、前半終了間際にとうとう失点。浦和が神戸を押し込みながらも決定機どころかシュートすら撃てない状況下でなぜかちょろちょろ槙野が攻撃参加していたのが完全に仇となってカウンターを食らい、イニエスタの縦パスを受けた田中のシュートこそなんとか西川が防いだものの、そのこぼれ玉を古橋に詰められてしまいました。

・CBがほとんど攻撃参加しないのは「ちょいミシャ」の「ちょい」たる所以だと思っていましたが、この試合で散見された槙野の攻撃参加は現状百害あって一利なし。あれを大槻監督が許容していたなら酷い話だと思います。

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・先制点を取られた浦和は明らかに前掛かりというか前のめりになりましたが、それでも攻撃が形になったのは51分宇賀神クロス→杉本ヘッドのみ。あとは関根が独力突破を繰り返すも決定機には至らず、逆にカウンターを喰らいがちなのは相変わらず。52分にはフリーでボールを受けたイニエスタに楽々ボックス付近まで運ばれた挙句、シュートがポストを直撃! 56分には岩波の緩い横パスを奪われて古橋の裏抜けを許す場面も(西川が飛び出してシュートは撃たせず)。

・そしてついに59分サンペールからの大きな展開で西→田中と浦和左サイドに攻撃の基点を作られて、最後は山口にどフリーでボックス内への飛び込みを許して失点。いくらなんでもサンペールをフリーにしすぎだろうと思いますが、浦和の守備が完全に破綻しているというか、底割れしてしまったことを如実に示すかのような神戸の素晴らしいゴールでした。

・大槻監督はたまらず59分宇賀神→山中、64分エヴェルトン→柏木、74分興梠→ファブリシオと立て続けに代えるも、後半立ち上がりの反撃で体力を使い果たしたのか、全く攻撃の形は作れず、ボールは奪えずと、もうサッカーの体をを成していない状態に。「みんな戦意喪失していた」という柏木の見立て通りでしょう。

・78分には浦和右サイドからカットインしてきたイニエスタに対して、既に一枚イエローをもらっている岩波はズルズル下がるばかりで何もできずにシュートを撃たれる始末。このシュートは角度がなくて西川が難なくセーブしましたが、「どうせやられるなら、ひと思いにイニエスタ様にばっさりやられたほうがマシ!!」との思いが通じたのか、最後はPKでイニエスタがゴールを決めてケーキにイチゴを乗せる格好に。

・PKは自分のクリアミスをカバーしようとした岩波が田中の両足をスライディングで払っているように見えるのでやむを得ないと思いますが、ここは岩波を責めるより、むしろサンポール→山口→イニエスタと中盤で簡単にボールを回されて、イニエスタにバイタルエリアで自由を与えているほうが重罪でしょう。それくらいこの時間帯の浦和はダメダメでした。その辺をなんとかしようと思ったのか、88分柏木が一人でサンポールに猛然と突っ込んだもののあっさり交わされ、途中投入の藤本にポスト直撃弾を浴びる一幕も。もうダメにダメ押し・・・

・アウェー横浜M戦の前半、ホーム名古屋戦の序盤、そしてこの試合と能動的にボールを動かしてくる相手には手も足も出ず、かといって浦和がボールを持ったところで何が出来るというわけでもなく、アウェー札幌戦のようにカウンターを狙われてしまうという八方塞がり状態。次節ホーム松本戦はボールを持たされる展開になろうかと思いますが、この試合を落とすと完全に残留争いに巻き込まれてしまうので、どんな形であれ勝ち点を掴み取ってほしいものです。

・もうACL、ルヴァン杯、天皇杯、何それ???という感じですなぁ、試合内容的には・・・

A017

-----杉本-----
--興梠----武藤--
宇賀神-青木-エヴェ-関根
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(交代)
59分 宇賀神→山中
64分 エヴェルトン→柏木
74分 興梠→ファブリシオ

・浦和は天皇杯から中2日ですが、天皇杯からの連闘はGK西川のみ。前節札幌戦からのスタメン入れ替えは前述のように長澤→杉本のみ。さらに関根と宇賀神の左右を入れ替えた(というか両者の本職に戻した)のが目を惹きました。

・杉本のスタメン抜擢は完全に凶と出ましたが、長澤を入れたところで大差はなかったような・・・人の問題でどうにかなるような差ではなかったかと・・・

A016


---田中--古橋---
---イニエスタ--山口---
酒井--サンポール----西
-フェルマー--大崎-ダンクレー-
-----飯倉-----

(得点)
45+1分 古橋
59分 山口
86分 イニエスタ(PK)

(交代)
78分 酒井→小川(足がつったため)
83分 古橋→藤本
90分 イニエスタ→安井

・神戸は14日に獲得したばかりの酒井がいきなり左WBでスタメン出場。ドイツからに復帰したばかりでコンディションが良かろうはずかなく、「どうせあの方からのFAX指令やろ」と高をくくっていましたが、予想以上に動けていて、後方のフェルマーレンとのコンビで関根を封殺。酒井といい、フェルマーレンといい、これまで穴とみられていたポジションを大金を叩いて補強して、それが短期間で機能するのは!!

・同じく夏に補強したGK飯倉もこれまた見事な出来。CBと並ぶくらいの位置まで前に出てきてビルドアップに参加し、浦和が前からハメようにもハメられない一因を作っていました。また浦和の攻め手はないに等しいので、飯倉名物の「やらかし」もその兆しすらなし。前任の前川が酷すぎたので、もう飯倉は神扱いでしょうなぁ、これは。

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