武富孝介選手、湘南ベルマーレへの期限付き移籍から復帰
・昨冬のオフに湘南ベルマーレへへ期限付き移籍したばかりの武富孝介選手が、昨日突如浦和に復帰しました。
・武富は2018年に柏から完全移籍で獲得したものの、堀体制下で多少試行錯誤を繰り返しただけで、オリヴェイラ体制下ではベンチ入りすらままならなくなり、浦和在籍わずか1年でレンタルに出されてしまいました。タナボタ的に急遽ACL出場が決まった柏の主力選手がなんでACLがない、一介の中位チームでしかない浦和へ来る気になったのか謎としか言いようがありませんが、残念ながら武富にとってもクラブにとっても不幸な移籍になってしまいました。
・今年から湘南へ活躍の場を移した武富は、かつて曺監督の下で闘った経験が活きたのか、いきなりシャドーの一角で主力として大活躍。リーグ戦ではシーズン序盤に荒稼ぎして、現在5得点のチーム内得点王。なお直近2試合はベンチ外となっていますが、これは故障によるもので今回の移籍とは関係がなさそうです。
・従って何事もなければ武富が浦和に復帰する可能性は全くなく、レンタル契約切れと共にそのまま湘南へ完全移籍になるのが自然だったでしょう。
・ところが、今週になって突如曺監督に「パワハラ」の嫌疑がかかり、曺監督は「Jリーグの調査が終了するまで現場での指揮及び指導を控えること」になってしまいました。武富が「曺監督の元でプレーしたいと思い、今季もう一度ベルマーレに来た自分としては、一時的な措置とはいえこの先がどうなるか分からない状況のまま、100%サッカーに集中できるのか、チームのために力を出し切れるか、不安を覚えているというのが正直な気持ちです。」と語っている通り、現場は相当混乱しているものと推察されます。
・ただ浦和もシャドーの頭数はだだ余り。武藤だけが鉄板で、残る一角をファブリシオ・長澤・汰木・マルティノス、場合によっては興梠・エヴェルトン・柏木とも争わないといけません。全然出番をもらえなかったオリヴェイラ監督が去って、大槻監督にフラットな目で見てもらえる分、昨年よりはマシな状況かもしれませんが、浦和に復帰したところでこれまた茨の道。
・移籍ウィンドウの期限が迫る中で、武富が決断したのは浦和への復帰。もうこれは「浦和では試合に出られないかもしれないが、集中して練習できる分、湘南にいるよりは遥かに良い」と割り切ったとしか思えません。武富ももう28歳。もうプロサッカー選手としての折り返し時点はとっくに過ぎ、残り少ない時間を無駄に過ごしたくないという想いが強かったのでしょう。
・浦和としては武富の復帰は「補強の必要があまり感じられないポジションへの補強」としか言いようがなく、強いて言えば頭数はいるけれども武藤以外は「帯に短し襷に長し」な状況下で武富が上手く嵌まればラッキーという感じ。戦力補強的な意味合いよりは中村GMの武富への恩情措置といったほうが近い性格の話だと思います。
・しかも、先述のように武富は故障を抱えての浦和復帰だった模様。ACLの選手登録は終わっているので、9月上旬のルヴァン杯準々決勝で出番を伺う感じになろうかと思いますが、今回の武富の苦渋の決断が実り多いものであることをお祈りしております。
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