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2019.08.24

【観戦記】19年第24節:浦和 1-2 松本 ~ 大槻監督も「終わりの始まり」なのかね、これは・・・

・神戸戦に続いて連敗。かつここ5戦勝ちなし。前節は浦和の「ビジネスモデル(と呼ぶに値するのかどうか判りませんが)」がすっかり時代遅れになったというか、いかにいい加減なものであるかが明らかになったような気がする、いうなれば中長期的視点からダメージが残る負けでしたが、今節の負けは「浦和はリーグ戦とACLを並行して闘う力なんてもはや全くなく」、しかも大槻監督の力不足が明るみになったという、短期的な視点からダメージが残る負けでした。

・中3日でアウェー上海上港戦が控えているせいか、大槻監督は神戸戦からマウリシオ→森脇、岩波→橋岡、関根→山中、青木→阿部、エヴェルトン→柴戸、武藤→ファブリシオ、杉本→柏木となんと7名もスタメンを入れ替えて松本戦に臨みました。思えば6月末のアウェー大分戦もアウェー蔚山戦で難しいミッションを見事完遂して中3日で再び遠距離移動を伴う試合ということもあって、スタメンを7名も入れ替えてきましたが、結果はともに敗戦。

・天皇杯でもフルターンオーバーを敢行して、大学生相手にも大苦戦するグダグダの試合内容ながらトーナメントらしく「勝てばよかろう」とやり過ごせましたが、リーグ戦はそこまで甘くはなく、上位の大分には完敗。そして残留争いに両足をつっこんでいる松本にも敗戦。

・リーグ戦は16位鳥栖との勝ち点差が6あって残留争いがまだ現実的とは言い難い状況なので、ACLに色気を出すのは理解できます。ゆえにターンオーバー自体は是としても、大分戦同様所定の作戦を遂行する上でより妥当なメンバーを選んでいたか、あるいはそもそもこのメンバーでやる作戦自体が妥当だったか、となると疑問符がつきまくる印象を受けました。具体的に言えば「この面子でちょいミシャを続ける意味はないのでは?」「3-4-2-1のまま闘う理由なんてないのでは?」という気がしてなりませんでした。

・しかも、極端に得点力が低く、先制された試合では全く勝てない松本相手に早い時間帯に先制して必勝態勢を築きながら、相手の出方の変化に対応できずに逆転負け。手駒に応じた策が取れないことといい、残念ながら負けが混んできて、監督就任時に最も懸念された大槻監督の経験の無さが露呈し始めたように思えます。大槻監督もオリヴェイラと似た「気合注入型」監督で、戦術は幅が狭くて見るべきものが無い、短期的な効果しか見込めない監督なのかもしれません。

・そして大槻監督が今期タイトルなし&ACL圏に届かずに終わった場合、中村GMはどうするのか? オリヴェイラ監督更迭自体は理解できるとしても、その後任がなんでトップチームで監督をやったことがない大槻さんなのか理解に苦しみましたが、その大槻監督を「目先の結果がどうなろうが、将来の浦和を支える人物」と見込んで来年以降もじっくり見守るのか? あるいは、これまでと同様「結果が出なければポイ捨て」なのか? 無論「ポイ捨て」路線なら必然性がまるでないにも関わらず大槻監督を慌てて招聘した中村GMのクビが飛ぶのは必定。

・この敗戦を受けてフロントはぼちぼち旗をくくるべき時に来たと思います。夏休みも終わろうとする時期ですし「作文」が出ても良さそうなものですが・・・

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・松本が前節ど全く同じスタメンだったのに対し、浦和は先述のように前節神戸戦から7名もスタメンを入れ替え。前3人が興梠・ファブリシオ・柏木の組み合わせだったので「柏木トップ下の3-4-1-2」かなと思ったのですが、布陣はいつも通りの3-4-2-1でした。また森脇を天皇杯水戸戦で試行した「3バック中央」に置いたのも目を惹きました。

・試合の入りはホーム鹿島戦以降では最も良く、その良い時間帯のうちに浦和は先制に成功。松本は5-4-1の守備ブロックを敷き、かつ最終ラインを案外高い割に保とうとしているものの前からのプレッシャーはさほど強くなく、浦和の前3人へのパスコースを消す程度。その松本の出方を見て、浦和はシンプルに松本最終ラインの裏を突く手に出て、それが見事に奏功しました。

・12分柴戸縦パス→興梠がボックス内シュートに持っていた場面がその萌芽。13分槙野縦パス→山中敵陣深い位置から中へ折り返し→興梠ポスト→柴戸ミドルも似たような狙いを感じました。そして19分森脇縦パス→宇賀神フリック→橋岡裏抜けからクロス→ファブリシオが橋内の前に出てスライディングで流し込むという、「ちょいミシャ」っぽい見事な形で先制しました。

・25分にはCKからの流れで興梠→ボックス内でファブリシオに絶好機があったが、ここは守田が好セーブ。これが決まっていたら浦和楽勝だったと思いますが・・・

・とはいえ、早めに先制点が取れた浦和は攻め急いでカウンターを食らう恐れが少なくなり、攻めに出ざるを得なくなって選手の間隔が開きだした松本相手にパスを回しやすくなったが、残念ながらここ数試合と同じくただパスを回しているだけ。しかもちょいミシャ式の権化=柏木パス回しの潤滑油のごとく機能しているものの、山中やファブリシオがどうにも噛み合わず、パスミスあり、しょーもないボールロストありとグダグダ模様で決定機を作れず。

・特にファブリシオは前を向いてナンボの選手で、中盤で相手を背にしている状態ではボールロストが多く、その割にはボールを持ちたがり、しかも献身的に守備をするわけでもないのでおよそシャドーには不向き。前を向いた時にはくねくねドリブルである程度相手を剥がせ、かつ高精度のミドルを持っている(73分にバイタルエリアから強烈な枠内シュート!)ので、2トップの一角というかセカンドストライカー的な役割が最適に見えるのですが、なんで大槻監督は3-4-2-1での「ちょいミシャ」に拘るのかなぁ?? 前節1トップで起用した杉本共々、駒自体は悪くないのに使い方がいかにも硬直的でせっかくの駒を活かせていないように見えて仕方がありません。

・先制したとはいえ浦和はなんだかなぁな時間が長く続きましたが、松本はそれ以上に悲惨。ボールを奪っての阪野へ当てたところで、そこは浦和CB陣は全く危なげなく対応。阪野の前に出て対応する場面が目立ちました。またやたらCKを得たものの、17分にCKからの流れでパウリーニョのミドルシュートが枠内を襲ったくらいで他は完全に不発。

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・いかにも中下位チーム同士の試合らしく、全く持って見どころの少ない内容で時間が経過していたところで、不運極まりないことに柏木にアクシデント。大槻監督は当初宇賀神→関根の交代を用意していましたが、柏木のアクシデントを受けて64分急遽武藤を投入せざるを得なくなりましたが、残念ながらこれがケチのつけ始め。柏木と武藤ではタイプが違いすぎて、浦和は潤滑油の切れた歯車のようになってしまいました。せめてエヴェルトンがいればと思うのですが・・・

・ここを勝負どころと見たのか、反町監督は65分藤田に代えて町田を投入し、パウリーニョアンカーの3-3-2-2っぽいフォーメーションに布陣を変更。それまで同一フォーメーションのミラーゲームでしたが、相手の出方の変化に浦和の修正が追いつかない間に浦和は立て続けに失点を喫してしまいました。

・75分の失点はどフリーの町田が左へ展開→高橋クロス→阪野ヘッド。阪野には槙野と森脇の二人が付いていましたが、阪野のヘディングシュートが槙野に当たってたまたま西川の届かないところへ飛ぶというやや不運なものでしたが、「ボックス内で森脇と阪野が競り合う羽目になる」という森脇のセンター起用にとって最悪のシナリオが具現化したものとも言えるような。それまでの森脇の出来は出色で、相手によっては十分使えそうですが、阪野のようなJ1.5レベルでのハイタワーにやられたのはちょっときつい。

・またそれ以前に町田を掴まえきれず、さらに高橋に簡単にクロスを上げさせてしまったほうが罪深いような気もします。

・ここまで松本に決定機らしい決定機もなかったのに、不意に同点に追いつかれたことで大槻監督は宇賀神→関根、ファブリシオ→長澤と投入しましたが、共に全く機能せず。特に長澤はボランチと言い、シャドーと言い、大槻監督下では途中投入で機能した試しがなく、なんで杉本投入=山中千本ノックシステムを採用しなかったのか不思議でなりません。

・83分の失点も深い位置でのスローインを受けた町田が基点。町田からのパスをフリーで受けた永井に槙野が付き切れずに簡単にクロスを上げられ、中央で阪野が囮になり、逆サイドから突っ込んできた高橋には関根が付き切れず。高橋のボレーは見事でしたが、浦和の守備はやられるべくしてやられるという悲惨なもの。

・あとはドン引きになった松本守備陣に手も足も出ず、ATにはホイッスルを待たずにそそくさとスタジアムを後にする観客も目立ち出して、案の定そのまま試合終了。途中までどう見ても負けるはずの無かった試合をひっくり返され、試合終了後のスタジアムは怒号に包まれましたが、それも当然でしょう。

・この日の観客は27000人ちょっとと3万人を大きく割り込みました。しかもビジター自由席が満席近い状態での数値。サッカーををシンプルに見せ、楽しんでもらうという浦和のポリシー自体は間違っていないと思いますが、そのサッカー自体に見どころがなく、結果も出ず、そもそも目一杯闘っているようにも見えない。客寄せパンダになるような世界的名選手がいるわけでもない。こうなると浦和のやり方では客がガタ減りになるのは必然ですなぁ・・・ ポリシーに見合うだけの投資を根気よくやらずに、行きあたりばったりにだらだらと運営しているだけのクラブの末路。

・大槻監督が昨年の暫定監督時に「ホームゲームで闘うことの重要性」を熱く説き、それがファン・サポーターの全幅の信頼を獲得していた所以になっていたはずですが、ああいうのはやはり短期的な効果しかないんでしょうなぁ・・・

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-----興梠-----
--ファブリシオ---柏木--
山中-阿部-柴戸-宇賀神
-槙野--森脇--橋岡-
-----西川-----

(得点)
19分 ファブリシオ

(交代)
64分 柏木→武藤(故障による交代)
76分 宇賀神→関根
79分 ファブリシオ→長澤

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-----阪野-----
--セルジーニョ---永井--
高橋-藤田-パウリーニョ-田中
-水本--飯田--橋内-
-----守田-----

(得点)
75分 阪野
83分 高橋

(交代)
65分 藤田→町田
82分 セルジーニョ→宮阪
90+3分 阪野→高崎

 

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