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2019.09.18

【観戦記】ACL2019・準々決勝第2戦:浦和 1-1 上海上港 ~ 勝つも地獄、負けるも地獄、苦渋の準決勝進出

・リーグ戦は第20節磐田戦の勝利を最後に4分3敗と全く勝てず(しかも毎試合失点!)、特に第24節松本戦の敗戦が響いて第26節終了時にはとうとう15位に転落し、16位鳥栖に勝ち点4差と迫られてしまいました。

・9位神戸との勝ち点差がわずか1という団子状態ながら、浦和は団子組の中では得失点差が清水に次いで極端に悪いのが響き、鳥栖・清水と続くリーグ戦の結果如何ではいよいよ20年ぶりのJ2降格がちらつき出す非常に厳しい状況に立たされています。従って「もはやACLどころではないだろう!!」というのが正直なところです。

・ただいざACLの舞台に立つと妙にテンションが高くなってしまうのもまた事実。そんな思いを少なからずの方々も抱いているのか、シーチケ対象外の試合にも関わらず、観客数は直近のC大阪戦を大きく上回りました。またキックオフ直前に「一回あたり200万円」と噂される3Dビジュアルが掲げられたことに象徴されるように、応援のボルテージも普段のリーグ戦とは段違い。

・ACL準々決勝勝ち抜けに成功すれば、残留争いのカギを握る清水戦の前にACL準決勝第1戦が入って、中3日で清水戦を闘う羽目になる。かといって負けてしまうと自信を失ってただでさえ悪いチーム状態が一層悪くなってしまうかもしれない。まさに「勝つも地獄、負けるも地獄」。

・とはいえ、負けて得るものなんて実はあんまりない。負ければ少々日程が楽になるかもしれないが、自信が失われるダメージのほうが遥かにでかい。「苦渋の選択」ならぬ「苦渋の準決勝進出」というのもなんか変な気がしますが、ACL準々決勝勝ち抜けを極力前向きに捉えたいと思います。

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・スコア上は1-1のドローに終わりましたが、AFCのサイトによるとシュート数で18対6、うち枠内6対2と浦和が圧倒。また浦和のデュエル勝率60.5%、空中戦勝率68.6%と球際でも強さを見せ、内容は浦和が完勝といっていいでしょう。もっとも浦和は毎度毎度のことながら追加点が取れず(GKイエン・ジュンリンの好守を褒めるべきか)、また失点パターンはこれまた毎度お馴染みの形で、結局またしても勝てなかったとネガティブな見方も出来ましょうが。

・内容で浦和が大きく上回ったのは端的に言って「欠場した外国人選手への依存度の差」。具体的に言えば、浦和はマウリシオ不在がほとんど痛手にならなかったのに対し、上海は攻めてはフッキ(イエロー累積)、守ってはアフメドフ(故障)の欠場が大きく響いたように感じました。どちらかといえばアフメドフ不在の影響がでかくて、上海の中盤は終始スカスカのように感じられました。

・今の浦和は相手に終始ボールを回されるとか、逆に相手の守備ブロックの前でボールを持たされるような状況下では極めて弱い一方、相手の守備が緩くて攻め合いになるような状況下ではそこそこ強いので、この日の上海は浦和には組み易い相手だったかと。

・また巨漢CFアルナウトビッチがほとんど何の役にも立たなかったのも上海には大誤算でしょう。まさか鈴木に完封されるとは!

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・上海は戦前予想通り、第1戦後半で猛威を振るった4-1-2-3のフォーメーションでスタート。6番(ツァイ・フイカン)がアンカーですが、本来左IHのオスカルが中盤を浮遊するので4-2-1-3にも見える感じ。

・第1戦をアウェーゴール2つ付きのドローで折り返した浦和はこの試合勝てばもちろん、0-0ないし1-1のドローでも勝ち抜け可能という立場でしたが、如何せん毎試合失点を重ねているテイタラクで「守ろうとして守れる」チーム状態ではないことを自覚してか、いつも通りに前がかり気味に試合に入りました。スタメンはC大阪戦から汰木→橋岡、阿部→エヴェルトン、武藤→ファブリシオと3名入れ替え。

・フォーメーション上ミスマッチが起こりやすいせいか、どちらの守備もあまり嵌まらずに攻め合いの様相を呈しそうになった中で最初に決定機を掴んだのは上海。7分オスカルが浦和右サイドからクロス→アルナウトビッチがどフリーでヘッドと目も当てられないというか、浦和お馴染みの失点パターンを作られてしまいましたが、幸いにもシュートは枠外。

・しかし気の毒にも25分右IHの20番(ヤン・シーユエン)が負傷退場。この辺りからボールポゼッションで勝り、球際での競り合いにも勝るる浦和が相手を押し込み出し、35分エヴェルトン右サイドのスペースへ展開→橋岡クロス→ボックス内から長澤シュートの決定機(GKが好守)。ついで39分関根が左サイドを単騎持ち上がり、そのまま縦に抜けると見せかけて切り返してクロス→ボックス内で興梠がどフリーでヘッド。これもGKが阻みかけましたが、ボールの勢いが勝ってなんとかゴール!!

・関根は連日の無理使い&無駄遣いが祟ってC大阪戦ではキレが失われているのが明白だっただけに、個人的にはこの一戦でのスタメン起用はどうかと思いましたが、比較的元気だった前半のうちに得点に絡んだことで大槻監督の賭けは珍しく吉と出ました。もっとも案の定後半はほぼ消えてしまいましたが・・・

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・浦和先制で2点以上取らないといけない羽目に陥った上海は後半頭からフォーメーションを3-4-2-1と第1戦前半の布陣(オスカルが左シャドー)に変えてきましたが、それでも浦和の攻勢は止まらず。56分ロングカウンターで関根縦パス→興梠→長澤→橋岡と右サイドへ展開して橋岡がボックス内に突入する決定機がありましたが、でかいGKがシュートコースを上手く消していたのか、橋岡は撃たずに横パスを選択して逆に上海のカウンターの基点となる始末。

・そして60分浦和の失点場面。後半初めてのピンチらしいピンチでしたが、ゴールライン際で橋岡を背に11番(リュ・ウェンジュン)が粘って、後方の21番(ユーハイ)に戻し、ユーハイはどフリーでクロス→ファーに4番(ワン・シェンチャオ)が飛び込んでゴール。WBが深い位置まで下がってしまった際のその前のスペースを使われての失点、そしてファーでWBなりシャドーなりが見るべき選手を離してしまっての失点。もう何度同じような失点場面を見たことやら。

・同点に追いつかれたとはいえ浦和優勢の戦況はなんら変わりなく、61分長澤が戻したボールを受けてボックス内へ突入した橋岡のシュートがバー直撃、68分長澤縦パス→橋岡クロス→エヴェルトンスルー→興梠シュート(やや力なくGK正面)、70分ロングカウンターで長澤縦パス→興梠シュート(GK横っ飛びでセーブ)と立て続けに決定機を迎えましたが、追加点はならず。

・終盤の失速もこれまたお馴染みの光景ですが、大槻監督は78分エヴェルトン→柴戸、83分関根→阿部、86分ファブリシオ→武藤と「とにかく守りきる!」というメッセージ性の強い交代を順次敢行。エヴェルトンに代えて最初に投入されたのが阿部ではなく、またヘロヘロの関根を代える際に宇賀神投入ではなく柴戸を左WBに出したのが不思議でしたが大過はなく、パワープレー気味にロングボールをバンバン入れてきた上海に対して最終ラインを下げ過ぎずに的確に対応。ヒヤッとしたのは89分のCKでユーハイのヘッドだけかな?

・冒頭に記したようにどこまで今大会のACL準々決勝勝ち抜けを喜んで良いのやら、苦笑いを浮かべながら自分の中で上手く消化しかねていますが、なんとかここで得た自信をアウェー鳥栖戦での大一番に活かしてほしいものです。

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-----興梠-----
--ファブリシオ---長澤--
関根-青木--エヴェ-橋岡
-槙野--鈴木--岩波-
-----西川-----

(得点)
39分 興梠
60分 ワン・シェンチャオ(上海)

(交代)
78分 エヴェルトン→柴戸
83分 関根→阿部
86分 ファブリシオ→武藤

・青島ビール賞は興梠に渡りましたが、次点というものがあれば橋岡でしょう。久しぶりにゴールキックのターゲットとなって相手に競り勝ちまくり、機を見て対面のSBなりWBなりの裏へ全速力で駆け上がる橋岡の姿が堪能できました。これでクロス精度なりシュート精度なりが上がれば言うことなしですが、そうなってしまうと海外行きが確実というアンビバレント・・・

 

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