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2019.09.02

【DAZN観戦記】19年第25節:湘南 1-1 浦和 ~ せめて前向きに考えたい勝ち点1

・ズタボロの前半をなんとか1点リードで折り返し、後半は湘南にチャンスらしいチャンスを与えず、久しぶりの勝ち点3がほんのり見えてきた時間帯になんだかよく判らないPKを取られて勝ち点2がスルリとこぼれ落ちてしまいました。

・PKはエヴェルトンが梅崎を後方から倒しているように見えるのをファウルとみなしたのでしょうが、梅崎が簡単に転んでファウルをもらいにいっているようにも見え、しかも「これを取るならアレも取れよ!!」というシーンがちらちらしてならない、所詮Jリーグの笛だからなぁ、しかも「恐怖のあ行主審」だしなぁ、な諦念に近い気持ちしか沸いて来ない判定でした。

・ただ試合内容からすれば前半が酷すぎて、前半のうちに同点どころか逆転されていても全く不思議はありませんでした。ひとえに湘南のシュート精度の低さ、端的に言えば野田のあんまりな「J1.5」っぷりに助けられたようなもので、試合内容からすれば勝ち点1は妥当どころか御の字といっても良いくらい。浦和と勝ち点が同じで、残留争いの渦中にある湘南に勝ち点3を与えなかったことで最低限のタスクは果たしたと前向きに評価すべきでしょう。また大槻監督が珍しく早めに選手を代えて、劣勢を挽回できたのも積極的に評価していいと思います。

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・とはいえ、前半のあんまりな試合内容から目を反らすわけにもいきません。ACLアウェー上海上港戦から中4日なら大きな問題はないと踏んだのか、浦和のスタメンはファブリシオ→武藤、関根→山中と2名を入れ替えただけ。上海上港戦でベンチ外だった宇賀神がこの試合もベンチ外だったのが謎で、故障でなければ同じくベンチ外だった柏木同様、ルヴァン杯に色気を残した結果なのかもしれません。そして宇賀神ではなく、山中をスタメン起用したのが大失敗でした。

・浦和の立ち上がりは珍しく上々で、3分には杉岡橋岡が大きくサイドチェンジ→武藤折り返し→興梠が詰めて幸先よく先制。しかし、浦和の攻勢は10分くらいで沙汰止みとなり、その後は防戦一方に。

・不思議だったのは3-4-2-1同士のミラーゲームでポジションのミスマッチはないはずなのに、浦和の守備が全く嵌まらなかったこと。基本フォーメーションが同じなだけで、浦和がバランス重視=ポジション固定的なのに対し、湘南は流動的かつ上下動が激しいので浦和がマークすべき相手を掴まえきれなかった結果なのかもしれませんが、とにかくこれには参りました。

・前ハメが効かないので高い位置でボールを奪えず、球際でも競り負け、セカンドボールは全く拾えないという惨状ゆえ最終ラインが下がって苦戦。なんとかボールを奪回しても、湘南の激しいプレッシャーを受けてビルドアップはままならず、簡単にボールを奪回されてまた攻撃を浴びてしまうの繰り返し。西川は途中から細かく繋ぐのを諦めたのか、ゴールキックは全部ロングボールを蹴っていましたが、頼みの橋岡が杉岡に競り勝てないので蹴りだす相手に困った挙句、悉く湘南ボールになってしまう惨事に。

・波状攻撃を浴びる中で山中の裏は常時狙われていて、左サイドの守備はボロボロ。壁パス一発で簡単に裏を取られてしまう山中の守備は困ったものですが、初めて起用した選手ではあるまいし、これはもう「一人示現流」的な選手をスタメンで起用した監督の責任でしょう。13分松田クロス→野田どフリーでヘッド、39分齊藤クロス→野田どフリーでボレーと浦和左サイドから2回似たような形で決定機を許してしまいました。

・14分にはセンターサークル付近で齊藤に詰め寄られたエヴェルトンがボールを失ってショートカウンターを食らうという、湘南戦で最もやってはいけない形=球際の弱さを象徴するような形で決定機を許してしまいました。

・また切り替えの速さも湘南に遠く及ばず。19分には浦和が攻めきれずに湘南ボックス内でボールを奪回されたところからロングカウンターを食らって野田のシュートまで持っていかれてしまいました。なおこのロングカウンターの契機はボックス内でエヴェルトンが倒されたところから始まっていて、梅崎のを取るならこれも取れよという気が少々。

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・山中のあんまりな出来を見てさすがに業を煮やしたのか、大槻監督は山中を早々と諦めて後半頭から関根を投入。しかもあまり意味がなく、中盤がスカスカになる元凶でしかなかった前プレを控えて、5-4-1のリトリート色を強めた守備へ転換したように伺えました。

・選手交代が往々にして後手に回り勝ちで、失点してようやく選手を代える傾向が強かった大槻監督にしては珍しい(誰が見てもそこを修正するわなと思えるものであったにせよ)積極的な動きで、しかもそれが奏功。これで湘南の攻め手はほとんどなくなってしまい、左右からクロスを入れては浦和CB陣に淡々と弾き返されるだけに。

・一方浦和は後半立ち上がりに西川ロングフィード→興梠頭で反らしたボールを拾った武藤がボックス内突入という単純極まりない形で決定機。そして58分浦和のロングカウンターによる決定機、エヴェルトン縦パス→武藤が左サイドを疾走して横パス→興梠のシュートはGK秋元がセーブ→こぼれ玉を武藤が拾うもシュートは枠外。特に後者の決定機を逃したのが結果的に勝ち切れない一因になってしまいました。

・大槻監督は72分に武藤に代えて途中まで用意していたファブリシオではなく柴戸を投入。「守りきれ!」というメッセージを判りやすく伝えた点では意味のある交代だったと思います。84分の杉本投入は、DAZNでは興梠自身が要求したと言っていたのでやむを得ないものなのでしょう。

・しかし「守りきれ!」との指示は伝わっているっぽいものの、柴戸&杉本投入は効いているとは言い難く、疲弊した浦和は自陣深い位置でのファウルが続出。これが伏線なのか、自陣深い位置からのスローインを受けてボックス内に突入した梅崎にPKを与えてしまって逃げ切りに失敗。

・試合内容が芳しくない上に、なんだかよく判らないPKを取られて選手もイラついたのか、激昂したマウリシオはATに報復行為で一発レッドでもおかしくない愚を犯し、槙野も試合後に暴言でも吐いたのかイエローをもらってしまいましたが、これらは「恥の上塗り」でしかないしょう。

・16位鳥栖に勝ち点4差と迫られ、しかも得失点差で大きなビハインドを抱えた浦和は残留争いにどっぷり浸かったと言わざるを得ない厳しい状況に陥ってしまいました。

・残り9試合で「残留争い組との直接対戦は少なく、上位陣との対戦を多く残している」というのは順位ほど力の差はないJリーグではそんなに気にする必要はない(残り試合で浦和の勝ち目が薄いのはおそらく鹿島と川崎くらい)と思いますし、チーム状態の悪さで浦和が突出しているわけでもないとも思いますが、ここに至ってはリーグ戦最優先と腹をくくらざるをえないでしょう。

・そして、こんな試合の直後は「もうACLもとっとと負けて、残留争いに専念したい!!」と思うのですが、いざACLの試合を迎えると「なんでもいいから勝てぇぇぇぇ!!!」になってしまうんだよなぁ、これが・・・(つД`)

・2011年以来久しぶりに足を突っ込んだ本格的な残留争い。この過程の中で誰もが「リーグ戦とACLの二兎を追う」なんて、今やクラブの能力にも体力にも全くそぐわなくなった馬鹿げた目標に別れを告げることになるのでしょう。その馬鹿げた目標を掲げたフロントがどうなるのかはさっぱり判りませんが。

-----興梠-----
--武藤----長澤--
山中-青木--エヴェ-橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
3分 興梠

(交代)
HT 山中→関根
72分 武藤→柴戸
84分 興梠→杉本

-----山崎-----
--野田----松田--
杉岡-金子--齊藤-岡本
-大野--坂---山根-
-----秋元-----

(得点)
90分 梅崎(PK)

(交代)
58分 松田→梅崎
75分 野田→菊地
78分 岡本→古林

・湘南は前節仙台戦から鈴木に代わって、出場停止明けの大野がスタメンに復帰しただけ。

※写真は試合とは全く関係がありません。

 

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