老郷@平塚 ~ タンメン
東海道本線平塚駅を北側へ出て、駅から西へ伸びる商店街も尽き、怪しい店が並ぶ一角に立地。2時過ぎという中途半端に往訪したので、先客10、後客1といかにもランチタイムもおしまいといった感じの客入りでした。屋号は「ラオシャン」と読むようです。
店内の券売機ボタンを見ると、なんとはメニューはタンメン、みそ麺、ギョウザの3種類しかありません。しかも餃子はともかく、麺類にも7人前までボタンがあるのが謎過ぎ。とりあえず「タンメン(600円)」を注文。
店内は縦長コの字型カウンター15席と4人卓×1、2人卓×1。卓上には酢と自家製っぽいラー油のみ。繁忙期も過ぎたせいか、店は大将と婆さんの二人だけで切り盛りしていました。
この店は「タンメン」といっても一般的な野菜たっぷりの「タンメン」とは何から何まで違っていて、まず丼一面を覆うワカメがとにかく目立ちます。
しかもスープが非常に個性的。化学調味料不使用なのはともかく、なぜか酸味が効いているのが特徴。その酸味にマスクされてベースはよく判りませんでしたが、酸味も鼻に突くほどではないせいか、全体のバランスが取れていてなかなかの完成度。
ただ残念ながら麺を絡めて食べ進むにはいささか弱い。そこで大活躍するのが卓上のラー油。配膳時に婆さんが「ラー油入れて食べてください」と一声かけていましたが、ラー油を入れることで酸味が後退し、スープの旨味やコクが一気に前に出てくるような気がしました。ラー油の底に溜まっている「何か」の効果なのか、香ばしさすら加わりますし、とにかくラー油を加えることで初めて麺のスープとして完成する感じ。
麺がこれまたユニーク。並太ストレートですが、かん水不使用だそうで、しかも柔らか目で白っぽいせいかまるで冷麦みたいな感じ。見た目通りつるつるかつしなやかな食感が特徴です。
具は大量のワカメの他、刻み玉ねぎ、メンマ。値段が値段なのでチャーシューなと肉類はなし。
ユニークさでは右に出るものがない珠玉の一杯でした。
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