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2019.10.07

【観戦記】19年第28節:浦和 2-1 清水 ~ ダブル達成で残留へ向けて一歩前進

・前日16位鳥栖と17位松本が共に勝ってしまい、浦和は鳥栖とはわずか勝ち点1差、自動降格圏にいる松本にも勝ち点4差に迫られてしまいました。今後の厳しい試合日程&対戦相手の手強さを考えれば、浦和同様残留争いの渦中にある清水に対しては、是非とも勝っておきたいところ。勝てば内容はもはや何でもいい。

・位置づけが非常にはっきりした「6ポイントマッチ」でしたが、浦和は見事清水に逆転勝ちして勝ち点を35にまで積み上げて10位に浮上。超重要な試合に勝ち、しかもリーグ戦での勝利は超久しぶりということもあってか、試合後の朝井さんの声は感極まって明らかに上ずっていました(笑)

・依然16位鳥栖との勝ち点差は4に過ぎないのでまだまだ予断は許しませんが、自動降格圏にいる松本との勝ち点差は再び7に広がり、残りは6試合しかないことを考えれば自動降格の恐れはぐっと小さくなりました。

・さらに鳥栖との間に5チームも、特に浦和より得失点差が悪いチームが2つ(清水・湘南)も挟まり、今後それらが星の潰し合いを演じる羽目になることを考えれば少し楽になったのかなと思います。というか、昨今の試合内容を見れば残留争いの仮想敵はもはや鳥栖ではなく、鳥栖に勝ち点で並ばれた15位湘南だという気がしてなりませんが、とにかく非常に有意義な勝利でした。

・「6ポイントマッチ」に勝ったことの意義はいくら讃えても讃えすぎることはないのですが、試合内容に目を転じると、それはもう残留を争うべくして争っているチーム同士らしい塩試合。DAZNで高みの見物を決め込んでいる他サポの方々には噴飯ものの試合だったかもしれません。

・浦和は6割以上、特に前半は7割以上ボールを支配していたようですが、「ボールを支配されるよりは支配したほうがだいぶマシだが、支配したからといって何かが起きるわけではない」という残念な傾向は相変わらず。また広州恒大戦から中3日ということもあってか、平日に試合のない清水と比べてコンディションが良くなく、デュエル・空中戦とも苦戦しているスタッツ通り、動きは質・量とも低調だったように見受けられました。

・結局浦和の決定機はカウンター(41分橋岡→武藤、45+2分橋岡→興梠)とセットプレーからの流れ(75分橋岡)だけで、「ボールを持ちたがる割には決定機はカウンターでしか作れない」という「浦和の逆説」はこの試合でも健在でした。

・ところが、清水は浦和以上にボールを持たされると何もできないチームで、ビルドアップは浦和の前プレに苦しんで実に稚拙。ほぼカウンター一本槍のチームで、しかも相手のミスを誘発するような仕組みがあるようには見えず。さらに頼みのドウグラスの出来が非常に低調だったためか「いきなりドウグラスへの縦ポン」もあまり機能することなく、カウンターによる決定機は前後半で1本ずつあっただけ。総シュート数たった4本では勝ち点3を望むには無理がありましょう。

・傍目にはどう見ても塩試合。でももはや勝てばなんでもいいのだ。シーズン序盤=オリヴェイラ監督時もそんな試合の連続でしたが(苦笑)。

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・浦和のスタメンは広州恒大戦から中3日にも拘らず、ファブリシオ→武藤と一人入れ替えのみ。発熱による体調不良をおして広州恒大戦に出ていたファブリシオはベンチにもおらず、さすがにもはや無理が効かなかった模様。清水はヘナト・アウグストが前節湘南戦で故障し、代わって六平が出場しましたが、他はいつもの面々。ドウグラスは体調不良との報もありましたが、案の定アジジでスタメン出場。

・清水は基本4-4-1-1、守備時4-4-2。時折FWやSHが前から追って来ましたが、興梠やシャドーへの縦パスを入れさせないという程度の意味合いしかなくて実効性が高いとは思えず、浦和も失点が怖いせいか無理はせずに、関根を軸に専ら左サイドから攻撃。ところが関根のキレが今一つで対面のエウシーニョに苦戦して、決定機には至らず。ただ左サイドは終始攻勢でエウシーニョの前方進出を阻んでいましたから、ここは両者痛み分け。

・いかにも残留争いチーム同士の一戦らしい、よく言えば緊張感に溢れ、悪く言えば両者ビビりまくりな試合展開はどちらかといえば「引き分けでも可」という清水ペース。しかも非常に拙いことに、先制点が清水に転がり込んでしまいました。

・19分そこまで清水には全く何もやらせていなかったにも関わらず、二見のロングスローからのこぼれ玉をドウグラスに叩き込まれてしまいました。ドウグラスは終始ボックス内の密集から離れたところでこぼれ玉を狙っている風でしたが、最も危険なFWを浦和の選手達が誰もケアしていないという不思議・・・

・先制した清水は自陣に引き気味になり、浦和は一層ボールを持たされる格好に。しかも27分にはカウンターを食らって河井に際どい一発を浴びてしまいました。先制されてしまうとその後一気にガタガタっと崩れてしまいがちな浦和だけに、前節鳥栖のように一気に相手が畳みかけて来られれば危なかったかもしれませんが、幸いにも清水の消極的な試合運びにも助けられて大崩れせず。「敗者のメンタリティーの払拭」がこの試合一番の収穫かも。

・ボールを持たされると何もできないが、カウンターだけは様になるのは浦和の仕様。41分岩波が高い位置でパスカット→橋岡スルーパス→武藤裏抜けからシュートの決定機はGKに阻まれましたが、前半終了間際のロングカウンターでエヴェルトン右へ展開→橋岡クロス→興梠ヘッドが決まって前半のうちに追いつけたのは「妙に焦る試合展開にならずに済んだ」という意味ででかかったと思います。

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・同点に追いつき、後半になっても浦和がボールを持たされる展開に変わりなし。46分長澤、62分武藤とミドルシュートを試みるもいずれも枠外。最もファブリシオが必要とされそうな試合展開なのにファブリシオがベンチにもいないという巡り合わせの悪さ・・・ 逆に56分には3対4のカウンターを食らってしまいましたが、西澤のシュートは岩波がブロック。

・62分という早い時間帯に武藤を下げて杉本を入れたのは、武藤が天皇杯から4連闘ゆえでしょう。ただ杉本も相変わらず機能しているとは言い難く、67分ポストプレーで長澤のシュートを引き出したくらい。

・双方攻めあぐみ気味の試合、有体に言って塩試合でしたが、試合を決めたのはセットプレーからの流れ。75分FKから浦和はボールを繋ぎ、相手のクリアボールをボックス内で拾った橋岡が豪快に叩き込んで浦和逆転!!

・すかさず大槻監督はエヴェルトンに代えて阿部を投入して逃げきり体勢に。清水も2枚替えでテセ&川本を入れて4-1-4-1に布陣を変え、サイド攻撃を仕掛けてきましたが、浦和以上にボールを持たされると何もできず。AT突入間際に浦和右サイドからの松原クロスが途中から突入のドゥトラに合う場面がありましたが、シュートは宇宙開発で万事休す。

・なお63分に飛び出した大誤審。ボックス内に突入した橋岡と競り合った松原は手を高々と上げて明らかにボールをコントロールしていたように見えましたがなんとノーファウル。ハンドを取らない理由があろうはずがなく、主審も副審も見逃したとしか思えないのですが・・・松原のハンド見逃しが勝敗に直結しなかったので大騒ぎになりませんでしたが、Jリーグの審判団のレベル低下は本当に深刻。前日の豊田@鳥栖のオフサイド&ハンドダブル見逃しもお粗末でしたが。

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-----興梠-----
--武藤----長澤--
関根-青木--エヴェ-橋岡
-槙野--鈴木--岩波-
-----西川-----

(得点)
45+2分 興梠 慎三
75分 橋岡 大樹

(交代)
62分 武藤→杉本(杉本1トップ、興梠左シャドー)
76分 エヴェルトン→阿部
90+1分 興梠→柴戸(5-3-2化)

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-----ドウグラス----
西澤---河井---金子
---竹内--六平---
松原-二見-ファン--エウシーニョ
-----大久保----

(得点)
19分 ドウグラス

(交代)
62分 ドウグラス→ドゥトラ
78分 河井→川本
78分 金子→鄭大世(竹内アンカーの4-1-4-1へ。テセがCF、ドゥトラが左SH)

 

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