« びっくり亭本家@南福岡 ~ 焼肉一人前 | トップページ | 鯛鯛@草加 ~ 真鯛白湯・醤油 »

2019.10.31

【観戦記】19年第31節:広島 1-1 浦和 ~ 大分戦の失態を糧に勝ち点1を取りに行ったか?

・浦和がACL決勝に進出したために、11/9(土)から大幅に前倒しとなった第31節アウェー広島戦。シュート数16対7というスタッツが示す以上に浦和は終始広島に圧倒され、6割以上ボールを支配されて自陣深くに釘付けにされて耐える時間が長く続きました。

・浦和はほとんど決定機を掴めなかったためスコアレスドローなら御の字と思っていたところ、思わぬ形で先制。しかし、あれだけやられっぱなしだった浦和がそのまま逃げ切れようはずもなく、オウンゴールという形ながらも終盤に追いつかれてドロー。一瞬勝利が見えただけに惜しい気もしますが、90分間の試合内容を通じてみれば勝ち点1を甘受するほかなかったと思います。少なくとも「勝ち点3を取りに行って全てを失った」大分戦よりははるかにマシ。

・今年の残留争いは既に死に体の18位磐田を除いて9位~17位の9チームが関わっているので、当然ながら残留争い組同士の星の潰し合いが多数発生します。。ゆえに残留争いとは無関係なチームから勝ち点3を取れればそれに越したことはありませんが、勝ち点1を奪ってちょっとだけ前に出るだけでも降格圏に転げ落ちる可能性は幾分減少します。それゆえこの試合での勝ち点1は悪くはない、むしろ試合内容からすれば上出来といって差し支えないでしょう。

・一方城福監督は「勝ち点1というのはなかなか受け入れるのが難しいゲーム内容だったと思います」と久しぶりに負け惜しみ全開(いや、負けてはいないどころか内容では圧勝ですが)のようですが、誤審で勝ち点を失ったわけではないのに「受け入れ難い」とは実に見苦しい。

・広島は圧倒的に攻め、シュートも放っていましたが、浦和の粘り強い守備の前に案外枠内シュートが少ない。守ってはほんのちょっとの隙を突かれてしまう。勝てる試合を引き分けに持ち込まれる要素もあったわけで、これを「受け入れ難い」とはまだまだ監督としての器が小さいようです。

001_20191031085801

・アウェー広州恒大戦から中5日と若干間が空きましたが、広島戦の後はなんと中2日でアウェー鹿島戦、中3日でホーム川崎戦、そして中3日でアウェーアルヒラル戦。「Jリーグの力を示せ」と言わんばかりのJリーグの素晴らしい計らいで強行過ぎる日程が組まれたため、相手との力関係なども踏まえながら、大槻監督もスタメン組成にさぞかし悩みに悩んだことでしょうが、結果はアウェー広州恒大戦と全く同じスタメン。

・但し、青木の故障を受けて阿部を引き続きスタメンで使っているため、守備が計算できるIHの控えがいないのが悩ましいところで、これが最後の最後ので追いつかれる遠因に。一方、広島はいつもの面子がゾロゾロ。

・基本フォーメーションは3-4-2-1、かつ守備時は5-4-1で極力最終ラインを上げて、時折前からプレッシャーと似た者同士の一戦でしたが、時間の経過と共に明らかに広島が優勢に。武藤の長期離脱に伴いファブリシオをシャドーに起用していますが、やはり武藤がいないと「前ハメ」はほとんど機能しないようで、浦和は早々とリトリート主体の守備に切り替えざるを得なくなったようです。

・16分には柏の単騎カットイン&シュートという得意パターンを一回作られましたが、それ以降は柏に見せ場はなく、このサイドで橋岡が互角にやれたことがこの試合をドローで終えられた主因といっても良いくらい。

・むしろ厄介だったのはボールキープが巧みなCFドウグラス・ヴィエイラ。シャドーの森島&川辺共々浦和最終ライン裏への飛び出しを絶えず狙っており、引いてボールを受けるシャドーに浦和CBが食いつきすぎて、その裏へヴィエイラに飛び出されるとか、楔のパスを受けたヴィエイラからシャドーへ展開してそのまま縦へ走り抜けるとか、もういかにも浦和守備陣がやられそうな場面がちらほら。

・30分には佐々木の縦パスを受けて鈴木を交わしたヴィエイラが西川と一対一に(西川が左足でセーブ)。40分にはヴィエイラへの対応に苦慮した鈴木にとうとうイエローカード。さらに前半終了間際には青山縦パス→楔を受けたヴィエイラが浦和右サイド奥へ展開→森島クロス→ファーで川辺ヘッドという広島の狙い通りの形を作られてしまいました(ヘッドはバーの上)。

・守備よりも悲惨だったのが攻撃。両WBは守るのに精一杯なせいか、WBからのクロス攻撃という浦和の得意パターンを作れず。それどころかそもそも守→攻の切り替えがあまりにも遅くて常に興梠が孤立。ボールを良い形で奪っても広島に上手くディレイされて、常に広島の守備ブロックが整っている中を攻めている格好。しかも止まっている選手の足元から足元へボールを繋ぐだけで、守備陣を崩す動き、アイデアといったものは全く見受けられませんでした。

024

・後半も立ち上がりこそ浦和が主体的にボールを動かす時間帯がありましたが、すぐに沙汰止みになって自陣で耐える展開に。52分こぼれ玉をボックス内で拾ったヴィエイラのポスト→川辺シュート、60分クリアボールのこぼれ玉を拾ったハイネルがボックス内からシュートと決定機を作りましたがいずれも枠外。

・そして66分には川辺のミドルがバーを直撃!!70分にはスカスカの中盤で縦パスを受けた川辺があっさり岩波を交わしてボックス内に突入。しかしシュートを撃たずにヴィエイラへの横パスを選択したのが仇となり、駆け戻った関根がなんとかシュートを撃たせず。失点こそ免れましたが、この辺の時間帯から浦和の最終ラインと中盤の間がぽっかり空く傾向が顕著になって、これが最後の最後で致命傷に。

・広島先制は時間の問題と思われた試合展開でしたが、城福監督は何を思ったのか滅茶苦茶厄介だったヴィエイラに代えてペレイラを投入。ペレイラは怪我明けで、試合後の記者会見ではペレイラの決定力に賭けたつもりだったようですが、結果的に却って決定機を作れなくなり、決定力もへったくれもなくなったような。当然この交代は浦和にとって大助かり。

・とはいえ浦和の攻撃はに相変わらず見るべきものはなく、61分エヴェルトンのボール奪取→長澤との壁パスを介して橋岡クロス→興梠ボックス内でキープ→ファブリシオシュートでこの日初めて浦和らしい形になったくらい。得点の臭いなんて微塵もありませんでしたが、75分ハイネルからエヴェルトンがボールを奪取してからのカウンターが炸裂。この時だけなぜか広島の帰陣が酷く緩慢で守備ブロックを作れないでいるうちにファブリシオがミドル。これは決まりませんでしたが、興梠→関根→長澤と繋いで、最後は後方から入りこんで来た岩波がフィニッシュ!!

・得点場面は現地ではてっきり偶発的なものと思ったのですが、試合後の記者会見で大槻監督は「打ったシーン、こういうふうな形での失点あるよね、広島さん、みたいなところはあったとおりだったので、良かったなとは思っています。」と語っており、意外にも狙った通りだった模様。でも、同じような形を何度か作ってそのうちの一回が決まったならともかく、一回こっきりだからなぁ・・・

・浦和が先制するなんて大槻監督ですら予想しなかったのか、大槻監督はすかさず守備固めに入らず、宇賀神を投入したのはなんと80分になってから。しかもやばそうなのはサイドではなく、どう考えても最終ラインと中盤の前のスカスカゾーンなんですが、手駒を見れば阿部なりエヴェルトンなり、あるいはファブリシオに代えてその辺りを埋めてくれそうな選手は見当たらない。これは監督も辛い。勝っている時のクローザーがいない。

・城福監督は同じく80分に稲垣に代えて清水を投入し、柏を右WBに回し、ハイネルを前に上げて、川辺をボランチに下げて猛攻。ただ広島の攻撃は次第に単純なクロス攻撃なり、無理やりな力攻めに頼る傾向が強くなり、相手に食いつきすぎる浦和守備陣の動きを逆手に取るような攻撃が減った気も。単純な攻撃に対しては「最後の最後でやらせなければ良い」と割り切った浦和守備陣が実に粘り強く対応。

・全員下がりすぎて82分にどフリーの川辺に際どいミドルシュートを撃たれましたが、これも枠外。このままなんとか逃げ切れるかと思いきや、88分ファブリシオのボールロストから食らったカウンター。エヴェルトンが中途半端に前に出てボール奪回に失敗したのも仇となって中盤がスカスカになり、森島、ついで川辺がそのスペースを疾走。ボックス内に突入した川辺は浦和守備陣に囲まれていたものの、焦った橋岡がクリアボールを豪快に自陣に叩き込んで失点。

・失点は思わぬ形でしたが、あれだけ中盤がスカスカで最終ラインの前のスペースを相手に自由に使われていれば遅かれ早かれ失点は避けられなかったでしょうし、橋岡を責めても仕方ないと思います。ただ中盤で守備が計算できる武藤&青木を欠き、これといった替えゴマがいない以上、「中盤スカスカ問題」は今シーズン終了まで浦和につきまとうのでしょう。

009_20191031085801

-----興梠-----
--ファブリシオ---長澤--
関根-阿部--エヴェ-橋岡
-槙野--鈴木--岩波-
-----西川-----

(得点)
75分 岩波

(交代)
80分 関根→宇賀神
90+1分 長澤→柴戸
90+4分 興梠→杉本

・山の中にあり、市街地とは気候が全然違うことで知られるビッグアーチ。この日はビッグアーチ名物の雨こそ降りませんでしたが、とにかく寒かった。山の冷え込みをなめすぎて長袖シャツ&薄手のジャケット一枚で大失敗。昼間の市街地は長袖シャツ一枚では暑いくらいだったのに・・・ 一方地元の方はさすが慣れたもので、中にはダウンジャケットを着ている方も!!

017_20191031085801

-----ヴィエイラ----
--森島----川辺--
柏--稲垣--青山-ハイネル
-佐々木-荒木--野上-
-----大迫-----

(得点)
88分 OWN GOAL(橋岡)

(交代
72分 ヴィエイラ→ペレイラ
80分 稲垣→清水(清水が左WB、柏が右WB、ハイネルがシャドー、川辺がボランチへ)
88分 ハイネル→渡

|

« びっくり亭本家@南福岡 ~ 焼肉一人前 | トップページ | 鯛鯛@草加 ~ 真鯛白湯・醤油 »