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2019.12.18

謎過ぎる大槻監督続投(5・了) ~ 若手育成にも失敗 & 時間を与える意味は?

(3)若手育成にも失敗

・大槻監督は就任時に中村GMから「世代交代」というタスクを押し付けられました。拙稿「何度も繰り返される愚行 ~ THIS IS URAWA!!」で記したように、「世代交代しながら勝つ」なんて言うのがそもそも無理難題。優勝を義務付けられたトップチームの監督は勝てないと当然クビになりますから勝負を度外視してまで若手を使うなんてことは難しく、せいぜい実力が同じなら若いほうを使うくらいのことしかできません。

・またそもそも世代交代しようにも、手元にこれといった若手選手がいないとどうにもなりません。ミシャ時代に世代交代を意識して20代半ばの選手を集めたはずですが、それぞれの理由で悉くいなくなってしまいました。オリヴェイラ時代に世代交代がなかなか進まなかったのは別にオリヴェイラが使う選手を固定したからではなく、そもそもベテランを脅かすような中堅・若手選手が少なかっただけの話で、むしろ選手編成の歪さ=フロントの責任が大だと思います。

・従って、今年活躍した若手が昨年からスタメンで起用され続けている橋岡だけに留まったことについて、大槻監督が多くの責めを負う必要はないと思います。

・ただ「世代交代」の旗印のもとにベテランになった森脇や宇賀神がまだまだ戦力になりうるにも関わらずあからさまに干された反面、昨年とは対照的にユース新卒がリーグ戦で一人もベンチすら出来なかったこと、大卒新人の岩武もほとんど戦力にならなかったこと、ユース卒2年目の荻原の出番は激減し、大卒2年目の柴戸も食いつきすぎるのが仇となって劣化の一途を辿っていること等々を考えれば、「無理やりベテランを干した割には実りはなかった」というのが今年の世代交代に関する偽らざる個人的な評価です。

(4)時間を与えても解決する気がしない - ACL決勝第2戦

・リーグ戦とACL、そして9月までは天皇杯やルヴァン杯までも併行して闘っていたので、浦和は中3日ないし中4日、酷い時には中2日で立て続けに試合をこなす羽目になりました。ゆえに、大槻監督は選手達のコンディションを回復させるのが精一杯で、フォーメーション変更を試そうにも、分析結果を選手達に落とし込もうにも、とにかくまとまった練習時間が全然取れなかったのは事実でしょう。

・それゆえ「大槻監督に時間を与えれば何とかなる!」というのが、今の浦和フロントの一縷の望みというか神風理論になっているのではなかろうと思います。だが、個人的にはその微かな望みを打ち砕いたのがACL決勝第2戦の惨敗だったと感じています。

・決勝第1戦と第2戦の間は超長距離移動を挟んでいるとはいえ丸々2週間ありました。第1戦は内容でこそボロ負けとはいえスコアは「0-1」に過ぎなかったので、その2週間を利用してホームでの第2戦での反撃は十分可能と信じていたのですが、残念ながら第2戦は結果・内容とも第1戦以上のボロ負け。特に第1戦でボコボコにされた左サイドの守備を第2戦で何の手当てもしていないことが試合開始10分も経たずに露呈したのが衝撃的でした。心が折れる光景でした。

・おそらく大槻監督に時間を与えたところで堀監督と同じ道を辿るだけでしょう。またいくら試合間隔は短いとはいえ、既に監督就任から半年以上が経過して戦績は上向くどころか下降の一途。一方8月下旬に磐田の監督に就任し、何の予備知識もないところからスタートしたはずのフベロが直近7試合で4勝1分け2敗と勝ち点を13も積み上げているのを見ると、監督に時間を与える意味とは何なのか?と思わざるを得ません。

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・何一つ良いことがなかった2019年も終わろうとする中、なぜか矢継ぎ早に浦和フロントが打ち出した諸施策を見た悲しみの余り、後ろ向きなことばかりつらつらを書き連ねて申し訳ありません。

願わくばこの悲観的な観測が悉くはずれ、素人集団だったはずの新強化部門は実は超有能だったり、時間を与えられた大槻監督が謎の覚醒を果たしたりして、2020年が浦和再生の一年になると嬉しいのですが。

 

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