【TV観戦記】19年皇后杯準決勝:浦和L 3-2 I神戸 ~ 2点取られても3点取る、これが「浦和の責任」か!
・試合開始早々に失点し、すぐに同点に追いつきながらも後半再度突き放されるという苦しい試合展開。I神戸に与えたシュートはわずか6本しかなく、シュート数もCK数も浦和が圧倒していたのですが、「悪い試合内容ではなかったにも関わらず、決定力の差で負ける」という「I神戸戦あるある」な展開に陥りかねない試合でした。
・序盤に双方点を取り合った場面は前半の試合展開を象徴したもの。2分の失点はやたら高い位置にいる清家の裏のスペースを京川に突かれたのが契機で、前半の浦和は同じような形で何度も神戸に決定機を許してしまいました。一方9分の得点は南のロングフィードを受けて清家がI神戸最終ラインの裏抜けに成功したのが契機。これはこれで浦和の狙いがずばっと嵌まったものですが、前半に関して言えば「浦和は清家をやたら高い位置に押し出すリスクに見合ったリターンを得られていない」という印象を受けました。
・しかも、大宮のピッチ状態は劣悪。ボールを細かく繋ぎたがる浦和にとっては明らかにハンデで、実際浦和がボールを支配している時間、I神戸を自陣に押し込んでいる時間は長いものの、前半そんな状態から決定機を掴んだ場面は40分安藤クロス→ファーで佐々木シュートくらい。肝心の菅澤が決定機に絡む場面は清家シュートの跳ね返りを詰めた得点場面以外では19分佐々木クロス→中で菅澤ヘッドというシンプルな形があっただけでしょうか。
・悪いことに55分中盤でのボール奪取に失敗して京川スルーパスで増矢の裏抜けを許して失点。やたら高い浦和の最終ラインの裏狙いはこれまた前半からI神戸が繰り返していた形で、ここまでは絵に描いたような浦和の必敗パターンだったと思います。
・ところが、浦和はここからセットプレーで2点を奪って逆転勝ち。61分はCKからの流れで栗島浮き球玉パス→長船ポスト→清家がヘッドで押し込んですがさず同点。さらに77分塩越CK→南が後方から飛び込んでヘッド!! この試合でプレースキッカーは全部塩越が務めており、前半はアホほどCKを貰いながらも悉くI神戸にクリアされてしまう残念さでしたが、最後の最後で「かいしんのいちげき」が決まりました。
・ピッチコンディションが良くなくて自分の得意技が思うように繰り出せない時でも、セットプレーでなんとか勝ち切る。タイトルを獲るチームにはそういう強さが必須です。超久しぶりの対I神戸戦勝利で浦和はちょっとだけタイトルへの階段を上った気がします。
・また再度突き放されたことで森監督は早めに安藤→高橋、水谷→長嶋と代えて、前線を菅澤&高橋の2トップ気味に変更したのも効きました。この交代を機に菅澤に縦パスがバンバン入りだし、I神戸はやむなくファウルで止めざるを得ない場面が目立ちだしました。72分には塩越右へ大きく展開→長嶋クロス→菅澤の決定機があり、74分には菅澤が取られたファウルから塩越FK→こぼれ玉で菅澤に決定機。
・I神戸はずっと浦和にボールを回されているのが響いてか、終盤は足が止まってセカンドボールは悉く浦和のもとへ。浦和はボールがキープできる菅澤&高橋による「ダブルかしまる」で時間を潰しに潰し、I神戸に反撃らしい反撃を許さず(というかシュートすら撃たせず)難なく逃げ切り勝ち。
-----菅澤-----
水谷---塩越---安藤
---栗島--柴田---
佐々木-南--長船-清家
-----池田-----
(得点)
2分 中島(I神戸)
9分 菅澤
55分 増矢(I神戸)
61分 清家
77分 南
(交代)
57分 安藤→高橋(高橋&菅澤の2トップ気味になり、塩越が右SHへ)
67分 水谷→長嶋(長嶋が右SH、塩越が左SHへ)
・2失点とも浦和が構造的に食らいがちな失点パターンですが、1失点目はGK池田と佐々木が交錯してしまったのが痛手でしたし、2失点目は南の寄せが甘すぎたのが主因。共にやらずもがなな失点だったと思われるだけに、要反省。
【今日のゆずほ】
・大怪我が癒えてリーグ戦最終節にスタメン出場を果たしたゆずほ。なんと皇后杯でもそのままスタメンに定着して吉良に代わってレギュラー入りした格好に。
・選手交代に伴ってトップ下から左右SHとくるくるポジションを変えましたが、基本的にサイドに張るタイプではなく、インサイドでボールを持ちたがるタイプ。相手に囲まれてもボールキープがある程度できるのは判っていましたが、知らん間に運動量が増えてサイドに流れてボールを引き出せるようになったのは驚きました。またサイドに流れた後は積極的にドリブルで仕掛ける振りをしながら、後方からボックス中へ走りこんでくる選手を使うプレーが目立ちました。
・サイドから無理にクロスやパスを入れずに積極的にCKを取りに行ったように見受けられたのは作戦なのかも。そしてもはや全権委任状態になっているプレースキッカーとしてついにアシストを記録。
・ボールをキープし、かつ周りを活かすという役割に徹している以上致し方ありませんが、シュートはわずかに1本。シュートレンジはそこそこ広いはずですが、得点は来年までお預けかな? と思って調べたら皇后杯2回戦で1点取ってました(^-^;
| 固定リンク