« キッチンオニオン@川口 ~ ハンバーグオニオンバターソース | トップページ | 甲州屋 別邸@浦和 ~ 白胡麻担々麺 »

2019.12.22

【雑感】浦和2020シーズンへ向けて ~ 浦和は長い歴史にこそ向き合うべき

・先般の「2020シーズン 浦和レッズ 新強化体制記者会見」に続き、本日「トップチーム2019シーズンの振り返りと2020シーズンに向けて」という作文が浦和フロントから公表されました。それらについて、雑感をまとめておきます。

・「2019シーズンの振り返り」については公式にはとても本音を書けないでしょうから、あまりとやかく言いません。とはいえ「2チーム分に近い戦力を整え」と豪語している割には新戦力はほとんど機能せず、若手も伸びず、その結果ほぼ1チーム分の戦力でリーグ戦とACLを並行して闘う羽目になったことについてどう考えているのか気になります。

・また「最後までチームを十分に機能させることができず、選手の力も十分に引き出すことができませんでした。」「監督が変わる中で、チームの連携構築に時間を要し、チームパフォーマンスが薄まってしまった」って、監督交代自体が失敗だったと認めているような気がしてなりませんが(苦笑)。

・2019シーズンを「『時間をかけ、一貫したチーム戦術のオーガナイズ』ができていないという問題点が浮き彫りになったシーズンでありました。これは今シーズンに限ったことではなく、数年来の課題であり、改善できなかったことにより、チーム、選手個人の成長にも結び付けられませんでした。」と総括し、その反省を踏まえて浦和フロントは「2020シーズンは多くのことに取り組む必要がある中で、『闘う意義の再確認と浸透』と、『チームコンセプトの明確化』を重点にチームづくりを進めて参ります。」と抽象的な方針をぶち上げました。

・「闘う意義の再確認と浸透」に関連して(?)土田SDが頻りに「浦和の責任」というキーワードを強調していますが、こんなどうとでも取れるキーワードは個人的には見なかったことにします(笑)。

・「チームコンセプトの明確化」については記者会見で土田SDがやや具体的に語っていて、「ボールを積極的に奪い、味方のスピードを生かし、ボールをできるだけスピーディーにゴールに運ぶ。ボールを奪ったら短時間でフィニッシュまで持っていく回数を増やしていく、そういったフットボールを目指して参ります。」というもののようです。

・そして、それは今までやって来た「サッカーのような何か」からの大転換なので「これは短時間で成せるものではなく時間をかけ、確実に実行していくため、来シーズンからの3年の計画をつくりました」というのも仕方ない話だと思います。

・しかし、そんな新しいチームコンセプトの確立を3年かけて目指すなら、だれがどう考えてもそのコンセプトに沿った新監督の招聘から始めるのが筋のはず。なんで2019シーズンで失態続きに終わった大槻監督を続投させるかが謎過ぎます。この件については当然ながら記者会見でも盛大に突っ込まれていました。打ち出した方針と、それを受けての具体策が全くかみ合っていないと思います。

・またチームコンセプトを刷新する以上、それに合わない選手の放出(特に体力的にベテランは厳しいと目される)と新戦力への入れ替えが必須のはずですが、「選手の出し入れが、実は簡単ではない状況ではあります。選手の契約年数は、来年にまたがっている選手がほとんどです。」という制約があって(まだまだ続くよ、山道&中村前GMの呪い・・・)、血の入れ替えもままならない様子。これでは初年度の成績が振るわないのは既に自明のような・・・ というか、だから監督も代えられないのかという邪推に帰着するような・・・

・なお浦和フロントは今般「浦和における一貫したコンセプトの不在という課題」をさも「新発見や、エウリカや!!」みたいに語っていますが、残念ながら浦和はかなり昔からその課題を認識し、オフト時代然り、フィンケ時代然り、コンセプトの確立に努めようとしたけれども、残念ながらその都度挫折してきたという悲しい歴史を背負っています。

・この件について、亡くなって久しい森孝慈氏へのインタビュー記事を読み返すと実に感慨深いものがあります。浦和ってほぼ20年前、森氏をGMに招聘した際にも「プロチームとして10年近くになるのにレッズというクラブには積み上げてきた成果というものが全くない。」「いままでのレッズには成長への指針とスタッフの意思統一がなかった。森君に“レッズの憲法”を作ってもらい」という話があったのです。

・従って浦和は「過去コンセプトの確立にチャレンジしながらも失敗を繰り返したのはなぜか?」という、もう一段高い次元での反省がなされない限り、またしても途中で瓦解するだけだと思います。でもそんな長い歴史を踏まえた反省なんて立花社長には無理だろうなぁ・・・

・まもなく新しい年を迎えようかというタイミングで、わざわざ絶望感満載の作文を出していただいた浦和フロントの方々に厚く御礼申し上げます。

|

« キッチンオニオン@川口 ~ ハンバーグオニオンバターソース | トップページ | 甲州屋 別邸@浦和 ~ 白胡麻担々麺 »