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2020.02.17

【観戦記】20年ルヴァン杯GS第1戦:浦和 5-2 仙台 ~ 今年の浦和のコンセプトは「ザルで殴打」なのか(苦笑)

・「大味」と評されても仕方がない試合内容でしたが、2020年シーズンの公式戦初戦を目出度く勝利で飾る、しかも昨年さっぱり勝てなかったホームゲームで勝つというのは格別なもの。

・攻撃面ではほぼ1ヶ月にもわたるキャンプで取り組んできたであろうことを何度も表現できた反面、守備は不安材料てんこ盛りという印象を強く受けましたが、それでも何をやりたいのか皆目判らなかった昨年よりは格段にマシ。治そうにもどこから手を付けたらいいのか判らないのが昨年だとすれば、今年は患部は判っているだけマシと言い換えでも良いでしょう、もっとも監督が治療法を会得してない可能性は拭えませんが(苦笑)。

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・それにしても攻撃は圧巻でした。ボールを失ったら素早く攻→守を切り替えてボール奪回を試みる。ボールを奪ったらこれまた素早く守→攻を切り替えてダイレクトにゴールへ向かう。このゴールを向かう際に結構人数をかける上に、ボールを持っている者、それをサポートする者の動きが上手く整理されているのには驚きました。いかにも練習で仕込まれた、デザインされた攻撃がちゃんと決まるなんてミシャ以来でしょう。3年ぶりの感涙です。

・4分にはスローインを受けた汰木がいきなり左サイドを深々と抉ってレオナルドの決定機を演出。8分には自陣で仙台の横パスを関根がカットしたところからのカウンターで杉本に決定機。そして9分岩波から右サイド高い位置でフリーの橋岡へ展開→浮き球縦パスを受けた関根が仙台最終ラインの裏を取ってカットイン&緩い横パス→どフリーのレオナルドが決めて浦和が早々と先制!! 仙台守備陣はことごとく関根を見てしまったようで、レオナルドは駆け引きもへったくれもなく、最初から最後までどフリーでした(笑)。

・18分に杉本が仙台のマヌケっぷりに乗じて追加点を決め、35分には自陣深い位置でボールを奪ってからのロングカウンターが炸裂。関根のスルーパスを受けた汰木が仙台守備陣を2人引き付けながらドリブルで仕掛け→外を杉本、中を山中が全力疾走してサポート→汰木から山中、そして最後はレオナルドが仕上げと実に見事なロングカウンターが決まりました。汰木にボールが渡った時点で周りの選手達が汰木からボールが出てくることを信じて走り出す、その姿が実に美しい。

・これで事実上試合終了と思いきや、41分、42分と浦和左サイドからのクロスを機に立て続けに失点。一転して試合はややこしくなりかけましたが、後半に入っても浦和の攻勢は止むことなく、49分山中クロスの跳ね返りに反応してボックス内に侵入した関根が常田に足を引っかけられてPKゲット。杉本がGKの届かないところに蹴りこんで4点目。

・その後は双方ルヴァン杯らしくお試し的に選手を相次いで代えて試合は大人しくなりかかりましたが、78分仙台のあんまりなパスミスに乗じたショートカウンターで途中投入のマルティノスが5点目。この場面、仙台のミスを誘発すべく浦和が上手く追い込んだようにも見えましたし、ボール奪取に成功した杉本からボールを受けたレオナルドが仙台守備陣を4人も引き付けて、左にマルティノス、右に杉本がフリーで展開する中、より体勢の良いマルティノスを使ったレオナルドの冷静さにも感服しました。

・浦和は最後まで攻め手を緩めず、終了間際に関根やマルティノスに決定機がありました。

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・昨年非常に得点力が乏しかった浦和が公式戦初戦でいきなり5点も取ったのですから、相手の状態がどんなに酷かろうが嬉しくないわけがありません。ただ攻→守、守→攻と目まぐるしくスイッチを切り替えて一直線にゴールへ向かう今年の浦和のスタイルはいかにもせわしなく、ベテラン選手にはきついでしょうし、それ以上に明らかに連戦や夏場には不向き。選手を適宜入れ替え、さらにへばっている際のセカンドプランも仕込んでゆかないと上位進出は難しいでしょう。大槻監督の手腕が問われるところです。

・またビルドアップは相変わらず怪しげで、横浜Mのようなプレッシャーがきつい上に囲い込みが巧い相手を上手くかわせるかどうか。逆にあえて浦和にボールを持たせる相手にどう闘うかはふたを開けてみないと判りません。

・攻撃はキャンプで仕込んでいたであろうことがちゃんと表現できた反面、守備は長々とキャンプを張ってもこんなものかと正直がっかり。まぁたかが一ヶ月で何もかも上手くゆく訳がないので生暖かい目で見守るしかないのでしょうが、2失点ともかなりお粗末。浦和左サイドから簡単にクロスを上げられ、上げられた先では中へ絞った橋岡が対応した結果、左SH田中がぽっかり空いてしまうという、なんかいかにも再現性の高そうな失点ガガガ。

・またこの試合を通じて非常に気になったのが、とても4-4-2のゾーン守備を仕込み中とは思えないくらい、やたらボールホルダーに食いつくこと。元々その傾向が強すぎる柴戸はまだしもCB鈴木すら食いついてしまう。また中盤でスライディングでのボール奪取を試みるとか何なんやろう?? 素早いボール奪回を試みるのは、やたら食いつくのと同義ではないはずですが・・・

・この試合は同じ4-4-2でのミラーゲームだったので必然的に一対一が多く発生した結果そうなったのかもしれませんが、フォーメーションが異なりギャップが生じやすい湘南戦でどう修正されるのか楽しみです。

・概してカテゴリーが下の相手でのTMは全勝だったけれど、無失点試合が一つもなかったのもよく判る内容だったかと。この試合の相手も監督が変わった上にFW長澤、FWデゲス、SHクエンカと大駒が怪我で壊滅した上に、FW赤崎、SH関口もおらず、前目は実質J2レベルなのに再現性のありそうな形で2失点。

・従って「勝って奢らず、負けて腐らず」。そんな日々が当面続きそうです。でもホームゲームでの勝利はとにかく嬉しいのです。それでいいのだ。

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---杉本--レオナルド--
汰木--------関根
---柴戸--柏木---
山中-鈴木--岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
9分 レオナルド
18分 杉本
35分 レオナルド
51分 杉本(PK)
78分 マルティノス

(交代)
70分 汰木→マルティノス
77分 柏木→青木
85分 山中→荻原

・戦前予想よりも若干お試し色が強いスタメン。長澤が小破して別メニューだったのには驚きましたが、興梠も練習でちょっと傷んだそうでベンチスタート(というか、それならベンチ外にすべきじゃないのか?)。そこでレオナルドの相方は杉本、左SHは汰木でスタート。

・杉本の出来は2980円の払い甲斐があるどころか、値上げしてもいいくらい。常にCBを背負わざるを得ない1トップと違って2トップの一角だと多少引いてボールを受けても良いのでフリーでボールを貰いやすいせいか、ボールの収めどころとして思いのほか機能している上に、敵陣にスペースがあると杉本のスピードが活きる。レオナルドが常に前残り気味で、若干引いた位置にいる杉本との噛み合わせも良い。

・杉本の1点目のミドル。柴戸がアーク付近で倒れているのでどちらもゲームを切りたそうにしてた(特に山中)のですが、主審が止めてないことに杉本がいち早く気づいたというか、仙台守備陣が集中切らせすぎというか、とにかくマヌケ感漂うゴールでした。マヌケなのは当然仙台。浦和はあんなゴールをしょっちゅう鹿島にやられていたので、仙台のマヌケさ加減が嫌ほど身に沁みています。柴戸を倒したシマオマテがなぜか激昂していましたが、全く意味不明。

・汰木は試合開始早々に対面の蜂須賀をぶち抜いて見せ場をつくり、3点目の原動力にもなりましたが、やはり戦前懸念した通り汰木&山中の縦並びは攻撃偏重かと。2失点とも左サイドからのクロスからですし、15分にはなぜか右SH道渕をバイタルエリアでどフリーにした挙句、ポスト直撃弾を浴びてしまいました。従っておいおい故障明けの武藤が左SHを無理やりやらされるような気がします。

・ボランチの一角に柴戸を起用したのにもびっくり。しかもその相方が青木ではなく柏木だとは!! 柴戸は例によって食いつきすぎ、動きすぎなので、その穴を相方が懸命に埋めざるを得ませんが、青木ではなく柏木にその役回りは無理すぎ。個人的には最悪の組み合わせだと思いましたが・・・

・新外国人FWレオナルドはいきなり2得点を上げ、またしても「信頼と実績の新潟ブランド」を裏付け。基本的に絶えずゴールを狙っている生粋のストライカーで、74分には鈴木のロングフィードをCB平岡と競り合いながらヒールで流し込んだり(平岡へのファウルを取られてノーゴール)、84分には足元が怪しいGKスウォビィクに猛然と詰め寄ってミスを誘う場面も。

・ただ「ボックス周辺でボールを受けたら仕事をする」タイプ、良くも悪くも「一人で出来た!」系ではなく、かなり周りも見えている様子で5点目がその象徴。しかも基本前残り気味ながら守備も大槻監督に「守備をがんばりすぎているぞ」と苦言を呈されるほど。このレベルの選手をどうやって岡野が発掘したのか実に不思議。

・またサブGKに福島ではなく彩艶が入ったのには心底驚きました。ルヴァン杯第2戦で起用されるかな??

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--佐々木--ジャメ---
田中--------道渕
---吉野--松下---
常田-平岡-シマオ--蜂須賀
-----スウォビィク----

(得点)
41分 田中
42分 田中

(交代)
53分 常田→パラ
69分 田中→石原
82分 佐々木→山田

・前述のように、仙台はFW長澤、FWデゲス、SHクエンカと前目の大駒が怪我で壊滅した上に、関口や富田が故障でキャンプ出遅れ。さらにFW赤崎も小破したのかベンチ外と前目が結構な駒落ち。

・従ってフィニッシュに精度を欠いて点が取れないのは木山新監督も覚悟していたと思いますが、結果はボールの失い方が悪すぎて大量失点という予想外の展開。特に左SB永戸の穴埋めには苦労しているようで、常田ではお話にならず、53分に早々と見切りを付けられてしまいました。

 

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