“オシリが浮く”サッカー ~ 土田SDインタビューに関する雑感
・コロナ禍による約4カ月に及ぶ長い長い中断を経て、いよいよ明日J1が再開されます。身近な、日常的なサッカーが戻ってきます。もっとも感染対策の一環として目先2節は完全無観客、その後も観客5000人までといった制限が付き、しばらくはTVorネット観戦を余儀なくされるので「身近な、日常的な」というのはちょっと語弊があり、愛するクラブのパフォーマンスに一喜一憂する日々が帰ってくるというのが正鵠を射ているのかもしれません。
・というわけで、弊ブログも超久しぶりに「浦和レッズに関するチラシの裏の落書き」という本旨に立ち返ってみたいと思います。ちょうど良いタイミングで"Football ZONE web"に轡田氏による土田SDのインタビュー記事が掲載されましたので、まずはその件について書き散らしておきます。なにせ“オシリが浮く”サッカーというパワーワード付きでしたし(笑)
・といっても、土田SD就任当初にぶち上げたお話と大きく変わっている様子はなく、要は
◇3年計画で、1年目の今季はACLへの出場権獲得と得失点差をプラス2ケタにすること、3年目には常に安定して優勝争いをできるチームになり、リーグ制覇することが目標。
◇一貫したコンセプトを策定したい
の2点に尽きようかと思います。そして「一貫したコンセプト」をかみ砕いく中で飛び出したのが「“オシリが浮く”サッカー」というパワーワード。もっとも「スピード感や攻守の切り替えが必要。ボールを奪ったところから一気に数的優位を作って、最短でゴールに迫るプレー。そういうサッカーが、一番オシリが浮くと思うんですよ」ということなのだそうで、これも就任直後の談話から来るイメージとさほど変わったわけではありません。
・さすがインタビューしたのが轡田さんだけあって、土田SDの就任自体がただの「内部人事」であり、また改めて「一貫したコンセプト」を策定しようにも選手補強は変革のシーズンを印象付けるものではなく、そもそも昨季の成績から大槻毅監督の続投に疑問を呈す声も少なからずあったことをちゃんと突っ込んでいます。
・その指摘を受けてか、結果とコンセプトの定着という直ぐには両立しがたい困難なタスクを前に土田SDは「勝った、結果を残した、でも狙いとしているサッカーができていないではダメ。逆に狙いはいいけど結果は出ないとなれば、どちらを取るか。まず1年目はやり続けることを優先して結果をつけていきたい」と述べていて、コンセプトの定着に力点を置くニュアンスを滲ませています。
・まぁ正直個人的には1年目でACLへの出場権獲得なんて画餅も良いところ、これを掲げないと納得しない赤者が少なからずいるので言っているだけだと思っていますし、幸い今年は降格がないのでコンセプトの定着に重きを置くのは妥当だと思います。
・しかし、超過密日程でシーズン中にチーム立て直しの暇が全くないため、序盤戦で負けが混むと早々に優勝どころかACL圏入りも難しいとなると、降格もないのがある意味災いしてチームに早々と消化試合ムードが蔓延しかねません。そんな中で「コンセプトの定着」なんて上手く行くのか些か気になります。
・本来なんとかして相手に勝つ手段としてコンセプトを突き詰めるべきところ、勝利へのモチベーションが薄れゆく中でコンセプトの定着なんで可能なのか? 戦術やコーチング、トレーニング能力もさることながら大槻監督のマネジメント能力が問われる一年になると思います。
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