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2020.07.09

【DAZN観戦記】20年第3節:仙台 1-2 浦和 ~ 芳しくない試合内容ながらFWの質の差で競り勝つ

《スタメン》

・共に前節から中3日。よってスタメンを大幅に入れ替えても不思議はなかったのですが、浦和のスタメン入れ替えは興梠→レオナルド、長澤→ファブリシオ、青木→柏木の3名のみ。前節酷使された柴戸は案の定連闘(つД`) サブも前節ベンチ外のマウリシオが入った反面、武藤がベンチ外になったのが目を惹いたくらいで、スタメン&サブトータルで見ると、レオナルド・マウリシオIN→青木・武藤OUTといったところ。

・阿部、エヴェルトン、槙野、鈴木といった主力級は中断明け以降ベンチにも入っていませんが、次節中3日で迎える鹿島戦に備えているのでしょうか?

・一方仙台はなんと前節から連続スタメンは関口・椎橋・吉野・小畑のセンターライン4人のみで一気に7人もスタメン入れ替え!!本来主力と思しきCF長沢、WG西村&ジャーメインはおしなべてベンチスタートでした。 ちなみに前回ルヴァン杯で対戦したメンバーでこの試合にスタメン出場したのはなんとCB吉野のみ。

・なおCBシマオ・マテやGKスウォビィクは故障でベンチ外。

---レオ--杉本---
汰木--------ファブ
---柴戸--柏木---
山中-岩波--デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
45+1分 レオナルド
83分 興梠 慎三

(交代)
62分 ファブリシオ→マルティノス
62分 柏木→長澤
68分 杉本→興梠
79分 汰木→関根
79分 山中→宇賀神

デゲス---赤崎---山田
--浜崎----関口--
-----椎橋-----
柳--金--吉野--飯尾
-----小畑-----

(得点)
49分 山田

(交代)
HT 浜崎→佐々木
61分 ゲデス→西村
61分 山田→ジャーメイン
73分 赤﨑→長沢
81分 柳→真瀬

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《試合展開》

・長い中断期間中の間に、仙台は基本フォーメーションを前回対戦時の4-4-2から4-1-2-3に大きく変えていて、しかも面子まで大きく弄ってきたので、中3日と時間もない中で大槻監督は仙台対策を立てづらかっただろうと思いますが、前半、特に給水タイムまでの序盤は完全に仙台ペースでした。

・立ち上がり早々に左サイドから汰木クロス→杉本ヘッドという浦和得意パターンでの決定機を掴みましたが、浦和の攻勢は以後給水タイム近くまでほぼ沈黙。

・特に右サイドは前半を通じて攻守ともさっぱり。ファブリシオと橋岡の連携が拙いのか、後方から大外を駆けあがってくる左SB柳にはかなりやられっぱなしで、9分には柳低いクロス→山田で危ない形を作られてしまいました。また左WGゲデスへの監視がいかにも甘く、ゲデスにいとも簡単にロングフィードを許す羽目に。19分にはゲデスからスルーパス→赤崎に決定機(シュートは西川が難なくキャッチ)。

・また序盤仙台が前から厳しくプレッシャーをかけてくるためビルドアップで一苦労。15分にデンが自ら持ち上がろうとしてボールコントロールに失敗してゲデスにカットされ、そのままショートカウンターを浴びた場面がその象徴でしょうか(浜崎のシュートはバーの上)。

・なんとかプレッシャーを回避しても、仙台の4-1-4-1守備ブロック形成が早くて浦和は汰木&山中の千本ノックしか攻め手がなく(それも23分山中クロス→レオナルドが形になった程度)、それどころか攻めきれずにカウンターを食らう場面も散見。10分にゲデスが深い位置から山田へ大きく展開してシュートを撃たれてしまいました(岩波が駆け戻ってブロック)。

・給水タイムを挟んでようやく浦和が安定的にボールを持てるようになりましたが、ただボールを回しているだけで、全く決定機を作れず。

・このまま前半終了かと思われた45+1分、左サイドを深く抉った山中からクロスをボックス内でレオナルドがCB金を抑え込みながらいきなり反転シュートを決めて浦和先制。大柄なFWワシントンは上体でマークに付いているCBを抑え込みながらの反転シュートが得意でしたが、レオナルドはなんと尻で相手を抑え込むという荒業でした!!

・後半も立ち上がりに仙台のミスを突いてカウンター→汰木カットインからシュートという見せ場がありましたが、その直後に浦和定番としか言いようがない既視感ありありの形で失点。前半から浦和の拙いビルドアップを狙い目にしていた仙台の目算通りとも言えますが。

・パスコースを制限されている橋岡が無理やり杉本に縦パスを出して杉本がロスト。そこからカウンターを食らって関口→浦和右サイドから赤崎に簡単にクロスを入れられ、ファーで山田がどフリーでシュートという「またこれかよ」な形で失点。

・カウンターを食らった際に橋岡は行方不明で赤崎の外にゲデスがどフリーになっているのも結構頭が痛いのですが、赤崎のクロスの先には山田しかいないのに山中はずーーーっとボールウォッチャーになっていて山田に気づかないのかも(つД`)

・55分山中クロス→レオナルドヘッド(バーの上)、56分柴戸が高い位置でボール奪取&自らミドルシュート、59分ショートコーナーから山中ミドルと再び浦和に流れを引き戻しかかったところで、60分山中CKからロングカウンターを食らうという、ミシャ時代によく見た「ドリフターズのコント」ばりの珍プレーが発生。

・基点となる関口を2,3人がかりで止められず、パスを出した先のゲデスはデンをあっさり突破。そのまま西川と一対一になりましたが、そこでなぜかゲデスは横パスを選択し、そのパスをなんとか駆け戻った岩波がクリアして事なきを得ました。ゲデスってチャンスメーク専用機でシュートには自信がないタイプなのかな?

・その直後に仙台は山田→ジャーメイン、ゲデス→西村、浦和はファブリシオ→マルティノス、柏木→長澤と当初からの予定通りっぽい選手交代を敢行。65分には汰木→レオナルド→マルティノスと左から右へボールを動かし、マルティノスがボックス内で意表を突くタイミングで巻いたシュートを放つ決定機がありましたが、GK小畑の好守に阻まれました。

・仙台もCKで金がほぼフリーでヘディングシュートを放つ場面が何度かと思いますが(浦和のCK守備は相変わらず怪しげ)、すべて枠外。

・共に決め手を欠く戦況を受けて浦和は79分に汰木→関根、山中→宇賀神と交代。仙台も73分赤﨑→長沢、81分柳→真瀬と代えましたが、その前の入替を含めて選手交代が奏功したのは明らかに浦和でした。

・83分高い位置でボールを奪回した浦和は左サイドから関根がカットイン→ボックス内でレオナルド→興梠と繋ぎ、興梠がCB金を交わして角度の厳しいところからねじ込み、これが決勝点に。金はしっかりマークに付いていたのに反転シュートを許して2失点なので悔しくて寝られないかも(苦笑)。またこの場面、興梠の巧さもさることながら、その前にレオナルドが2人を相手にしながら、シュートフェイントで一人転ばせているのも目を惹きました。

・興梠はこのゴールが浦和でのJ1通算100得点!! 興梠はなぜか仙台戦を得意中の得意としていて、仙台戦15試合出場16ゴール、しかも9年連続ゴールなんだとか。

・一方仙台は途中投入の選手がほとんど機能せず。浦和はとにかくクロス攻撃に弱いので、長身のCF長沢にサイドからバンバン放り込んでくるかと思いきや、そんな様子は見受けられず。CSKAモスクワから出戻りの西村は全く良いところがなく、正直ゲデスと代えたのが勝負を分けた失着と言っても良いくらいでした。

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《総評》

・攻守とも組織が整えられ、チームとしての狙いがプレーにはっきりと表現できていたのは明らかに仙台のほう。仙台は長い中断期間中に基本フォーメーションを大きく弄り、しかも前節からスタメンを7人も入れ替えているのに早くも「誰が出てもそれなりに」というレベルに達しているのには驚愕しました。

・首都圏各クラブと比べて仙台はコロナ禍のダメージが浅くて準備期間が長く取れただろうとはいえ、浦和が天皇杯等でスタメンを大きく入れ替えた時なんて目も当てられない惨状を再三繰り広げていますから、木山監督の手腕は並々ならぬものがあるのでしょう。

・従って序盤に何度もあった決定機を一つでも決めていればそのまま仙台楽勝だったかもしれません。しかし、いくら決定機を作ってもそれを決められるだけの選手がいないのが仙台の宿痾。積極的にボールを前に運べるようになったが如何せんシュートが撃てなかった渡邉監督時代よりはマシな印象を受けましたが、それでも監督が仕込んだことを勝利に結びつけることは難しいようです。シュート数はほぼ互角ですが仙台は枠内シュートが少なく、ブロックされたシュートが多いあたりにアタッカー陣の質の差が表れているように思います。

・一方、浦和は前節横浜M戦とは対照的にボールを持たされる羽目になった時の攻撃の手詰まり感、そしてカウンターを浴びた時のバタバタ感が如実に表れてしまった試合でした。また失点パターンは毎度お馴染みのものだった辺りもこの試合の印象が悪い一因でしょう。

・結局のところ仙台が決定機を外しまくったのに対し、浦和はレオナルド&興梠というJ1屈指のFWの力でなんとか勝ち点3をモノにしましたが、仙台にCBシマオ・マテがいたら反転シュートなんて許してくれなかったかもしれず、その点を含めて選手の質の差で勝ったような試合でした。

・ただ横浜M戦では不振を極めた関根、チアゴに完封されたマルティノスといった途中投入の大駒が2戦目で期待通りの仕事をしてくれたのは明るい材料でしょう。

・なお渡邉監督時代の仙台はあんまりなラフプレーの連続(=ラフプレーを繰り出さないと守れない!)に悩まされ、浦和にしょっちゅう怪我人が出ていましたが、木山監督になってラフプレーが激減したのにも驚きました。この点にも率直に敬意を表したいと思います。

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《選手評等》

・個人的なMOMは決勝点の興梠か、1ゴール1アシストのレオナルドか、甲乙つけがたいところ。

・ただ蒸し暑い環境下で中3日で連闘を強いられたせいか、個人レベルでは前節より出来が悪かった選手が少なくありませんでした。特に前節抜群の働きを見せたデンが自陣でボールロストしたり、ゲデスにいとも簡単に突破されたりとイマイチだったのが気になりました。柴戸も立ち上がりにイエローをもらったのが仇となってか、あるいは単にお疲れなのか、前節ほどは厳しく相手に当たれず。

・また先述のように右SHに入ったファブリシオは攻守ともほとんど機能しておらず、そこをどう手当てするのかが今後の課題になりそうです。大槻監督は山中or汰木の千本ノック攻撃に対してファーから飛び込むことをファブリシオに期待しているのかもしれませんが、現状ではその形がモノになる以上に右サイドの守備が破綻するリスク要因でしかないかと。

・とうとう仙台最古参となった関口は連闘にも関わらず、両チームを通じて走行距離最長という相変わらずの馬車馬ぶりを披露。またサイドアタッカーのイメージが強い選手にも関わらずIHもフツーにこなしており、得点場面にもしっかり絡みました。60分のコントは関口の頑張りが演出したようなものだけに、あれが決まらなかった際には膝から崩れ落ちたかも。

※写真は試合とは全く関係がありません。

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