【ネット短感】20年第3節:浦和L 1-0 日テレ ~ やろうとしたことがきっちり嵌まって勝つことの喜び
・浦和のスタメンは前節から上野→塩越の入れ替えのみ。大逆転勝ちした前節後半の布陣をベースにした模様。
・序盤から共に前から厳しくプレッシャーをかけあう展開でしたが、浦和はせっかく高い位置でボールを奪ってもその後ずっと狭い局面でごちゃごちゃやっている感じだったのに対し、日テレは縦パスでシンプルに浦和のDFライン裏を狙って前半2回決定機。17分水谷のボールロストから三浦→遠藤、22分には清水→植木の抜け出しを許してしまいましたが、共にシュートは枠をわずかに逸れて事なきを得ました。
・給水タイムを挟んでようやく浦和も反撃に。それでも高い位置でボールを奪ってなかなか決定機は作れず、日テレ守備陣を崩しきれないので水谷や菅澤がミドルシュートを試みるもGKを脅かすには至らず、良い形でサイド攻撃を仕掛けてもクロス精度が残念。
・前半浦和唯一の決定機は34分長船の縦ポンで猶本が村松に競り勝ってボックス内に突入したもの。体のぶつけ合いにやたら強くなった猶本の面目躍如といった形でしたが、シュートはやや角度が厳しくてGKにぶつけてしまいました。
・森監督は後半頭から猶本に代えて清家を投入。清家は開幕戦だった千葉戦で故障したものの、思いのほか軽傷で済んだようで、この試合でいきなりベンチ入り。しかも森監督はその清家を後半投入してから勝負だと考え、良いとは言い難い前半の試合内容でもスコアレスでの折り返しなら無問題と思っていたようです。
・ただ試合を決定づけたのはその清家ではなく、清家に代わって前線に上がった高橋はな。しかもそれまでの4-2-3-1ではなく、かなりはっきりとした4-4-2に布陣を変えてでかいのを前に2枚並べ、前から圧力を一段と強めたのがものの見事に奏功しました。
・54分、柴田&栗島で中盤高い位置で圧力をかけてボール奪取→縦パスを受けたはながDF2人をぶっこ抜いてどフリーの菅澤へクロス→菅澤渾身の一撃は残念ながらGK正面。
・しかし、その直後の55分、日テレは浦和2トップの圧力を受けながらもGKからなんとか細かくビルドアップしようとしたものの、GK山下が背後から栗島のプレッシャーを受けている宮川へわざわざパスを出したのが命取りに。菅澤のシュートはいったんGKが弾きましたが、こぼれ玉を塩越→はなと冷静に繋いで浦和先制!!
・63分に長谷川の縦パス一本から植木の裏抜けを許し、最後は小林に押し込まれそうになる一幕がありましたが、そのシュートもわずかに枠外。
・先制した浦和はさすがに徐々に運動量が落ちて高い位置でのボール奪取はかなわなくなり、チャンスらしいチャンスは67分はなFKがバーを直撃した場面くらい。
・日テレが3選手を代えて攻勢に出るものの浦和ベンチは全く動く気配がなく、「電池切れで逆転負け」というシナリオが脳裏をかすめなくもなかったのですが、浦和の選手達は高い位置でのボール奪取こそ出来なくても、パスコースを限定するなど日テレに自由なビルドアップを許さない最低限のタスクを見事完遂。
・パスコースが限定されているので後ろの選手が予め相手の意図を読んでボールを奪取しやすい。またボールを奪取した後はぽーんと蹴らずにボールを繋いで時間を稼ぎ、休みを入れるという、まぁどこかの残念なチームが全然出来ていないことをちゃんとやり通して見事逃げ切り勝ちに成功しました。
・シュート数こそ14対5と大差が付きましたが、決定機の数自体は似たようなものでしたし、前半の決定機を日テレが決めていれば完敗を喫していたかもしれない際どい勝利でした。しかし、前から懸命にプレッシャーをかけ続けて相手のミスを誘うという、ゲーム当初からの狙いがきっちり嵌まっての勝利は格別。運ではなく、個人技でもなく、多少人が入れ替わっても再現性のある勝利は実に嬉しいものです。
-----菅澤-----
猶本---水谷---塩越
---栗島--柴田---
佐々木-南--長船-はな
-----池田-----
(得点)
55分 高橋はな
(交代)
HT 猶本→清家(清家が右SB、はながFWへ上がって4-4-2)
・毎試合出来が悪いとは思えない猶本が前半だけで代えられてしまうのが不思議でしたが、森監督の目からすれば猶本は周囲の選手とのコンビネーションがまだまだとのこと。個人的には明らかにチームのノッキング材料になっていない限りは異物がいても良いんじゃないかと思いますが・・・かつてのミシャサッカー時の原口のように・・・
・ゆずほ、徐々に無双化。タッチ際での足裏を駆使しての妙なボールキープ、妙なルーレット。そして妙なくねくねドリブル。しかも個人技で自己満足に陥ることなく、ちゃんと周囲は見えていてコンビネーションが出来ている。これまた猶本とは違った意味でやや異質な選手だと思いますが、浦和の起爆剤になるまで秒読み段階といったところでしょうか。
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