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2020.08.30

【DAZN観戦記】20年第13節:浦和 2-1 大分 ~ 点を取るには金がかかる

・金がないチームにいる片野坂監督がとにかく不憫でならない試合でした。

《スタメン》

・浦和は興梠がついにスタメンに復帰して、武藤がサブに。他にエヴェルソンがスタメンへ復帰して青木がベンチへ。それ以外はスタメン・ベンチとも前節から変更なし。

・大分は前節ベンチ外だった小塚が渡に代わっていきなりスタメンに復帰。さらに高澤に代えて三平がスタメンへ。それ以外のスタメンは前節と全く同じですが、町田がベンチに復帰するなどベンチに若干入れ替わりがありました。

《試合展開》

・基本3-4-2-1でミシャテイスト漂う大分に対して、浦和は週央に試合がなかったせいか、神戸戦とは一変して序盤から前からプレッシャーをかけに行きましたが、パス回しの巧い大分にあっさり交わされてほぼ徒労に。大分はGKが高木ではなくいつの間にかムン・キョンゴンに変わっていましたが、これまた足元には自信がある模様。というか神戸の前川級はそうそうはおらんわなぁ・・・

・そして大分が最初の決定機でいきなり先制。右CB岩田から対角線上、高い位置でどフリーの左WB香川へ大きく展開。香川のクロスは橋岡にわずかに当たりましたが、こぼれ玉を小塚→三平と繋がれて失点。この場面、香川に対して橋岡がいったん寄せようとしたのに途中から中へ絞るという謎の動きにも参りましたが、そもそも岩田に対してノープレッシャーなのがなぁ。

・神戸戦ではサンペール放置が祟ってサイドに展開されて死亡。岩田はさらに深い位置にいるので制限はより掛けづらいのかもしれませんが、既視感アリアリの形で失点を喫するとは浦和には学習能力・修正能力というものが欠落しているのではないかとがっくり。

・これで自陣内ながら高めの位置に5-4-1とも5-3-2とも取れる守備ブロックを敷く大分に対して、浦和はボールを持たされる苦手な試合展開に。ただその割には縦パスがそれなりに入り、それを最前線で興梠が収めてくれるせいか、従来自社製品比では攻撃の形はそれなりに出来ていましたが、守備は相変わらず怪しくて16分深い位置から長谷川のクロスが最前線へ飛び込んだ香川に通ってヒヤリ。

・試合が大きく動いたのは給水タイムを挟んだ後のわずか5分間。28分エヴェルトンのスルーパス→レオナルドがCB鈴木を背負いながらボックス内突入もシュートはポスト直撃。29分左サイドから関根がクロス→ファーでレオナルドがワンタッチで中へ叩き、ボックス内に走りこんだ長澤がシュートを放つも飛び出したGKが見事ブロック。

・そして30分槙野縦パスを興梠がフリックで繋いだところからレオナルド→長澤→橋岡と左から右へ繋いで橋岡クロス→鈴木の背後を巧く取ったレオナルドのヘッドで同点。GKムンはシュートに反応するも弾き切れず。

・さらに33分ボックス手前で得たFK。山中の高速FKを橋岡がヘッドでわずかにすらせて一気に逆転。橋岡が触らなくても山中FKがそのまま枠を捉えていたような軌道でしたが、橋岡が触ったのでGKが反応できなかったのかも。でもぱっと見は山中のゴールで誰も橋岡が触っているとは思わなかったのか、得点後の橋岡は仲間からしばらく放置状態(笑)。

・しかし、大分の「浦和殺し」対策はなんら取られる様子がなく、37分岩田のサイドチェンジ→ファーで小塚が折り返して三平シュート(枠外)、39分長谷川が大きく右へ展開→右WB松本のクロスに三平がフリーで飛び込むもミートしきれず。43分には左サイドからの三竿のクロスにCF伊佐が山中の前に入ってヘッドという理想的な形を作りながらも枠を捉えきれず。

・逆転を許して「ボールを支配する」といういつもの試合展開になった大分は後半頭から小塚に代えて町田を投入して勢いを増し、46分左サイド奥深くに侵入した三竿のクロスを三平が山中の上からヘッドで狙うも枠外。60分には岩田のクロスに町田がどフリーでヘッドを放つも西川の正面。

・浦和も浦和で相手にボールを支配される展開には慣れっこで、55分中に絞った位置にいた関根が興梠ポストを使ってボックス内投入(シュートはGKブロック)、60分西川ロングフィード一発で興梠→レオナルドと得意のロングカウンターによる決定機も。

・意外だったのは60分興梠を早めに下げて杉本を投入したこと。興梠は故障明けなので無理をさせなかったのかもしれませんが、レオナルドのサポート役としては興梠の下位互換機的な武藤ではなく、レオナルドとの相性が良いとは言い難い杉本を入れたのは超意外でした。そして案の定杉本投入後浦和の攻撃は火が消えたようなありさまに。

・ただ武藤をFWとして投入しなかった意図は70分関根→汰木、長澤→武藤の2枚替えで明らかに。浦和は大分のサイド攻撃に対して「長澤ガンバレ」で対応(=頻繁に最終ラインに下がって5バックぽい形になることで対応)したため長澤の消耗が著しく、その長澤同様に頑張りが効く「どこでも武藤」をSHに入れることで手当てしたもでしょう。当然ながらこのポジションで武藤に得点は期待できず、「がってん寿司」はあえなく閉店ガラガラ。

・77分に岩波&岩武の「2枚岩」を用意した際にはいつもの5-4-1で逃げ切りと思いきや、下げたのはなんとデン&山中。デンは後半早い時間帯にシュートブロックで傷んだので大事を取ったのかもしれません。しかも4-4-2のままで逃げ切りを図るのかと思いきや、どう見ても最終ラインに6人いるという、後ろベタベタ張りで対応。

・大分も早めに選手を相次いで代えましたが、浦和のなりふり構わないベタベタブロックの前にクロス攻撃は悉く中央で弾き返され、ほとんど可能性が感じられないミドルシュートを散発的に放つのが精一杯。終盤惜しかったのは79分右サイドから松本浮き球縦パスに反応してボックス内に町田が突入した場面だけかも(シュートは力なく西川正面)。

Hashioka


《総評》

・片野坂監督が試合後「選手は今日のゲームに向けての狙いをしっかりと90分間やってくれた。選手のパフォーマンスに関しては僕自身も満足しているし、良いゲームができたと思う。」と語るように、試合前にデザインしたことを試合ではっきりと表現できたのは明らかに大分のほう。シュート数は8対12と大分が上回っており、決定機の数は似たようなものだったと思います。

・ただ残念ながらこれまた片野坂監督が試合後「浦和さんはFKで中に入るメンバーのゴール前のクオリティーも高く、点を取れるストライカーもたくさんいる。」と語り、大分にはそれだけのクオリティーの高い選手がいないことを暗に吐露した通り、フィニッシュに絡む選手のクォリティーの差が結果を左右した試合だったと思います。大分は藤本然り、オナイウ然り、J1で通用するFWがいなくなってからずっとその問題を抱えているような気がしますが。

・ミシャテイストを色濃く残す大分が、4-4-2の守備ブロックでボールサイドにわらわらと集まってくる浦和を深い位置からの大きなサイドチェンジ一発で交わし、ぽっかり空いたサイドからクロス攻撃、しかも穴になりがちな山中を狙ってクロスを仕掛けるという絵に描いたような「浦和殺し」を何度も披露して盛んにチャンスメーク。

・そんな攻撃を仕掛けてくるのは戦前から判り切っていたであろうのに、大槻監督はまるで無為無策、拱手傍観、徒手空拳で神戸戦の最初の失点と似たような形で失点を喫し、その後も後半半ばまで何度もやられかかりました。失点場面で橋岡が外に出ていち早くスライド対応できなかったのにはそれなりに理由があるようですが、こうも似たような失点を繰り返すとなると、場面場面の特殊事情では説明がつかず、「構造的な欠陥を全く修正できない」監督の手腕に疑問符を付けざるを得ません。

・またこの試合ではかなり前から相手にプレッシャーをかけにゆく場面が見受けられましたが、G大阪戦や神戸戦のような決定機どころかショートカウンターの芽さえ出来ずに悉く大分の巧みなパス回しで交わされ、結局体力を消耗し、あまつさえ陣形が前後に間延びする一因になっていたようにも見受けられました。

・大槻監督は「もう1つは開始から、うまくいかないことが何回かありましたが、前線から守備をしようというところ、スイッチを入れようとするところにチャレンジもしました。そこを選手がやってくれました。その分、少し最後の方で疲弊しましたが、そういったところが良かったと思います」と反省と同時にそれなりに評価しているようですが、ああいう中途半端な前プレは大分の餌食だというのは昨年のアウェーゲームで痛感したような気が・・・

・後半は右SHが下がるなり、場合によっては柴戸が最終ラインに入るという広島戦と同じような形でサイド攻撃に備えましたが、後ろが重くなるこの対策はリードしていたから出来ること。最後は両SHが下がって6-3-1で守りに入る奇策を見せましたが、これは大分の攻撃がサイド偏重なのでそれなりに嵌まっただけで中央突破のオプションがあるチームにはひとたまりもないでしょうに。

・対処療法の繰り返しでなんとか1失点に留めましたが、「3年計画」のはずなのにこんな目先の勝ち点に汲々とするような闘い方でチーム力が上がるのかなぁ? その意味では広島戦と同じような感想を抱きました。なんかやっていることがゲルトっぽいような気も。

・しかし、神戸戦に続いて早い時間帯に先制されたにも関わらず、その後名古屋戦のように立て続けに失点を喫しなかったことは前向きに評価して良いでしょう。

・また先制されて「ボールを持たされる」苦手な試合展開になりながらも、最前線にボールキープができる興梠が入るだけでそれなりに攻撃の形が作れるようになったところは明るい材料だと思います。デンは興梠目掛けて超高速縦パスをバンバン入れ、それを興梠が悉くピタッと収めてましたし。

《選手評等》

・MOMは1ゴール1アシスト、そして失点にもがっつり絡んだ橋岡で良いでしょう。クソ暑い中でのスプリント29回も驚異的。もっともアシストを記録する前に、11分、14分と良い形で敵陣に迫りながらロクなクロスを入れられず、レオナルドにボロクソに言われていたようですが(苦笑)。

・また柴戸の総走行距離12.3kmにも恐れ入りました。しつこい守備で何度も大分の攻撃の芽を摘む獅子奮迅の働き。ただ前半無人の荒野へのスルーパスは柴戸最大の課題そのものでした(苦笑)。

・今の浦和の攻撃はフィニッシュをレオナルドに全フリしているようなもので、その相方FWはレオナルドへの配球役、引き立て役でしかないので、興梠の二けた得点は今年は無理そう。攻撃の橋頭保としては無類の力を見せていましたが、ひょっとしてシュートゼロかなぁ?

・後半興梠に代わって投入された杉本。大槻監督は「最後に押し込まれて中盤が空いたところで、健勇が中盤の役割をやって、しっかり穴埋めをしてくれていました。本来彼は前でプレーする選手ですが、そういったチームの要求に応えてくれたことは、こちらとしては非常にありがたいと思っています。」と庇っており、確かに78分の2枚替え以降はそれで十分だと思うのですが、それ以前の18分間全く機能しなかった(特に本来の攻撃面で)ことをどう思っているのかなぁ? まさか最初から得点なんてハナから期待せず、超守備的FWとしてのタスクしか課してないとか???

・岩武は本職の右SBではなく、なんと左SBで登場。ところがこれは奇策でもなんでもなく、岩武は左でも練習していたとのこと。80分岩武のカットイン&ミドルシュート(しかも枠内!)は浦和後半最大の見せ場だったかも。SBはとにかく層が薄いので、岩武が途中交代であれ戦力となれば実に嬉しいもの。

・この日の山中は良くも悪くも山中らしい山中でした。神戸戦のような変に縮こまった、おるのかおらんのか判らんような山中よりは数段マシ。

・宇賀神が前節に続いてベンチ外(広島戦&G大阪戦の中3日での連闘が祟った?)なのが気になりますが、この試合のスタメン&ベンチメンバーが今季の主戦力という形に固まってきた気がします。フィールドプレーヤーは依然故障中の阿部を除けばいずれも大なり小なりチャンスをもらっており、真っ当な競争を経てのメンバー厳選だと思いますが、その結果ベンチにも入れなくなったベテラン選手、高額選手の去就がぼちぼち気になります(といっても夏の移籍期間は終わってしまいましたが)。

---レオナルド-興梠---
関根--------長澤
--エヴェルトン--柴戸---
山中-槙野--デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
30分 レオナルド
33分 橋岡

(交代)
60分 興梠→杉本
70分 長澤→武藤
70分 関根→汰木
78分 デン→岩波
78分 山中→岩武

-----伊佐-----
--小塚----三平--
香川-島川-長谷川-松本
-三竿--鈴木--岩田-
-----ムン-----

(得点)
9分 三平

(交代)
HT 小塚→町田
63分 伊佐→知念
63分 三平→渡
68分 香川→田中
82分 島川→刀根(刀根が左CB、三竿が左WB、町田がCH、田中がシャドーへ)

※写真は試合とは全く関係がありません。

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