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2020.08.20

【DAZN観戦記】20年第11節:G大阪 1-3 浦和 ~ コンディション万全のはずの相手がなぜか自爆ボタン連打(笑)

・前節は文字通りの「不思議な勝ち」でしたが、今節はなぜか相手が自爆ボタンを連打しまくるという意味での「不思議な勝ち」でした。

《スタメン》

・浦和は前節広島戦から中3日にも関わらず、スタメンは汰木→長澤、柴戸→青木の2枚入れ替えのみ。ベンチに興梠が復帰し、武富と柏木がベンチ外に。

・一方、G大阪は第10節が鳥栖のコロナ禍により試合中止となったため、8/12のルヴァン杯第3戦から中6日と浦和に比べてコンディション面ではるかに有利。しかもそのルヴァン杯第3節はグループリーグ敗退決定後の消化試合だったため、主力は全く出場していないというおまけつき。

・第9節横浜C戦のスタメンと比較するとアデミウソン→渡邉、キム・ヨングォン→高尾の2枚入れ替え。

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《試合展開》

・3-1-4-2のG大阪に対し、浦和は前節広島戦後半で見せた5-4-1のような奇策は打って来ず、いつもの4-4-2の構え。日程が厳しい&真夏の一戦ということもあってかリトリート主体に守っていましたが、G大阪が最終ラインからのビルドアップに怪しげなところを見せた時だけレオナルドを筆頭に前から厳しくプレッシャーをかけていました。

・4分いきなりその前プレが嵌まって決定機。バックパスを受けた東口からの横パスを受けた三浦にレオナルドが絡んで敵陣深い位置でボール奪取。レオナルド→武藤→長澤と繋いで決定機を掴みましたが、長澤のシュートは昌子にブロッされて得点ならず。

・11分にはその前プレがあっさり交わされて浦和右サイドを破られ、絶体絶命の大ピンチを迎えましたが幸い宇佐美のシュートはバー直撃。宇佐美の裏にさらに2人余っていたので失点しなかったのが不思議なくらいで、終わってみればここが勝敗の分かれ目だったのかも。

・G大阪は浦和よりは前からプレッシャーをかけてくるものの、浦和はそれに引っかかることはありませんでした。危なかったのは7分デンの縦パスを受けたエヴェルトンが後方から矢島に絡まれてボールロストした場面くらいでしょうか。ただショートカウンターを食らわないのは良いとしても、相手にしっかり5-3-2の守備ブロックを作られてしまうとたちまち攻め倦みがちになるのはいつものこと。

・ところが先制点は意外な形から。24分橋岡からの縦パスをバイタルエリアで受けて前を向いた関根からボックス内のレオナルドへパス。レオナルドはフェイントでDFを複数人引っかけたのでそのまま自分で撃つと思いきや、より体勢の良い関根に戻し、関根のシュートは小野瀬にわずかに当たってコースが変わる運も味方してゴール!!

・ただこのゴールもボールを回して相手守備陣を崩したというより、高尾なり三浦なりに浦和が前からプレッシャーをかけてパスミス、コントロールミスを誘ったところから始まっていますからどちらかといえばショートカウンター気味であり、4分の決定機と同じ狙いが嵌まったもの。

・さらに33分高尾の横パスを高い位置で武藤がカット。武藤の浮き球パスが藤春のボックス内ハンドを誘発してPK。この場面藤春の足はボックス外だが、広げた手は中っぽいという何とも微妙なものでしたがハンドはハンド。レオナルドは超ゆっくりとした助走でGKが動くのを見定めて逆を取るという妙技でPKを難なく決めて2点目。

・G大阪は両WBを高く張り出してサイドチェンジを交えながらワイドに攻めてきましたが、浦和はSHが極端に下がらず、守備ブロックをスライドさせて対応。この辺は試合後に武藤が「やはり今日に関してはサイドハーフが前節と違ってウイングバックの選手に引っ張られずに前にポジションを取れたことがポイントだったと思います。」と語っており、相当意識してやったようです。

・G大阪は38分左サイドに流れた宇佐美のクロスからのこぼれ玉に井手口が反応する決定機がありましたが、GK西川との距離が近すぎたのが災いしてか西川難なくセーブ。41分には右WB小野瀬からのクロスが大外の左WB藤春へ通る、浦和守備陣が最も苦手な形を作りましたが、藤春のシュートは明後日の方向へ。

・2点ビハインドを受けて宮本監督は後半頭から渡邉→アデミウソン、小野→遠藤の2枚替えを敢行。しかもそれだけでなく、なんと布陣を遠藤&井手口の2ボランチによる4-4-2に変えてきました。

・この布陣変更の趣旨はアンカー回りを使われるのが嫌だったとか、WBの裏を突かれるのが嫌だったという守備重視のものではなく、点を取りに行く趣旨だったようで、実際50分遠藤縦パス→アデミウソン→矢島の良い形を作りましたが、前半と比べて目に見えて攻撃が良くなった印象は全くなく、むしろアデミウソンなり宇佐美なりが強引にミドルシュートを放つ場面ばかりが増えただけという気も。

・逆に浦和は57分昌子の緩い、緩すぎる横パスを敵陣深い位置でカットした長澤→武藤で3点目。武藤のシュートは角度がやや厳しく、お世辞にもシュート精度が高いとは言い難い武藤には容易ではなかったと思いますが、三浦の股を抜いて見事に決めてくれました。というか、武藤への三浦の対応があらゆる面で最初から最後まで謎だらけ。東口がブチ切れたのも納得。

・その直後の60分G大阪はCKからのトリックプレー(浦和守備陣は全く予測していなかったようで完全に無警戒=全員棒立ち)で井手口が豪快なミドルを決めたものの、攻撃の手詰まり傾向は変わらず。

・浦和は64分、67分と連闘でお疲れの武藤・関根・エヴェルトンを順次下げて、杉本・汰木・柴戸を入れる判りやすい守備固めを敢行。68分西川→レオナルド→杉本のロングカウンターが決まっていれば文句なしだったのですが、自分でDFを交わしてそのまま撃っても何の文句も言われなかったであろうレオナルドのお膳立てを杉本は決められず(つД`)

・70分G大阪は宇佐美を諦めてパトリックを投入。当然ながらハイボール攻撃が増えてきたのを見て、大槻監督は80分岩波を投入して5-4-1に布陣を変更し、82分三浦→福田の決定機を許したくらいで、さしたる紛れもなく難なく逃げ切り勝ち。G大阪はパトリックがいくらハイボールに競り勝とうとも、中央を固める浦和が悉くセカンドボールを拾ってしまうので、パトリック投入自体何の意味もありませんでした。

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《総評》

・繰り返しになりますがこの試合は両チームのコンディションに差があり過ぎ、浦和は引き分けでも御の字という試合でした。ところが終わってみれば井手口に一発を食らっただけで全く危なげない完勝。いくら相手が自爆ボタンを押しまくったおかげだとはいえ、完勝には違いありません。

・しかも相手の自爆ボタン連打は偶然でもなんでもなく、ある程度は浦和が誘発したもの。それゆえ今節の勝利を「不思議な勝ち」と片付けてしまうのはかなりミスリードかもしれません。

・総員ヘロヘロの浦和は基本リトリート守備ながらも、G大阪が最終ラインからのビルドアップに怪しげなところを見せた時だけレオナルドを筆頭に前から厳しくプレッシャーをかけていましたが、その方針がチーム内でしっかり意思統一され、かつ行くべきところ行かないでもいいところの見極めが上手くできていました。前節と違って、今年取り組んできたこととの連続性、そしてその成長が感じられる良い試合でした。

・試合後武藤が「今日は前にしっかりプレッシャーを掛けるところは掛けていくことを意識していました。そういった狙いがはまった部分もあったと思いますし、ショートカウンターから流れをもってこられたと思います。」と満足げ。

・浦和の狙いがある程度嵌まったとはいえ、G大阪の自爆ボタン連打はあまりにも酷すぎ。キム・ヨングォンの欠場は体調不良によるものだそうですが、終わってみればこの欠場がG大阪の最後尾からのビルドアップに支障を来す一因となったようですが、それにしてもG大阪っていつの間にこんなにビルドアップが怪しくなったのかなぁ??? カウンター主体だった長谷川監督の「負の遺産」が延々と尾を引いているのかなぁ???

・また不可解だったのは後半の4-4-2への布陣変更。試合後の宮本監督の話を聞いても「点を取りたかった」以上の趣旨は判然としませんが、遠藤は「練習ではしていないですけど」「ここ最近は3バックでやっていたのでいきなり4バックでやる難しさもあったと思います。」と語っており、少なくとも浦和戦用のオプションとして仕込んでいたものではなさげ。

・そもそも宮本監督が前半の出来に何の不満を持ったのか傍目には非常に不可解。G大阪は高い位置に押し出した両WBを軸に、サイドチェンジを交えながらワイドな攻撃の形が出来ており、決定機こそなかったものの浦和守備陣が苦手なファーへのクロス攻撃の形も出来ていました。

・浦和は守備ブロックをスライドさせて防戦していましたが、如何せん浦和は疲労困憊ですからあの形を続けていれば終盤は守備ブロックのスライドが遅れがちになり、おまけにパトリックを投入された日には目も当てられない惨状に陥っていた可能性は高かったと思います。しかし、宮本監督はなぜか出来かかっていた「浦和殺し」をわざわざ封印。

・遠藤は「相手のエリアに入ったときにもう少しアイデアが欲しかった。やはりバイタルエリアでボールを触る回数を増やせれば、相手の守備ラインも崩れるかなと思っていました。」「中からの攻撃を増やさないといけないと思います。」と語っていますが、浦和の守備は中を固めがちなのでその攻撃は相対的にはあまり怖くありません。

・また遠藤がぼやくように、G大阪は昔のような緻密な連動性を持った攻撃力がガタ落ちになったせいか「前目にタレントはいるもののただそれだけ」という、かつての浦和のようなチームになった印象を受けました。といってもあちこちからとにかく一発があるので怖いことは怖いのですが。

・今の浦和もたいがいですが、G大阪も今の順位ほど強くはない。そういう意味で似たもの同士、「ズッ友」なことを確認した感がある試合でした。

《選手評等》

・今の浦和は得点源が極端にレオナルドに偏っているので、勝った試合のMOMは大抵レオナルドにならざるを得ません。この試合も1ゴール1アシスト。前プレのゴーサインを出し、かつ決定機でも独善的にならずにより体勢の良い周囲の選手をちゃんと使える。いやはや本当に頭が下がります。

・またル杯C大阪戦以来のスタメン出場となった長澤も攻守に奮戦。SHは汰木&関根のセットが攻守のバランス的には最悪で、片方に長澤を入れたほうがはるかにマシな気がしてなりませんが、長澤がスタメンで出たC大阪戦とG大阪戦の内容が良いことを大槻監督はどう捉えるのかな?

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---レオナルド-武藤---
関根--------長澤
---エヴェルトン--青木--
宇賀神-槙野-デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
24分 関根
34分 レオナルド(PK)
57分 武藤

(交代)
64分 関根→汰木
64分 武藤→杉本
67分 エヴェルトン→柴戸
80分 レオナルド→岩波(5-4-1へ)


--宇佐美--渡邉---
--小野---井手口--
藤春---矢島--小野瀬
-昌子--三浦--高尾-
-----東口-----

(得点)
60分 井手口

(交代)
HT 渡邉→アデミウソン
HT 小野→遠藤(藤春を左SBへ下げて4-4-2へ)
62分 小野瀬→倉田
70分 宇佐美→パトリック
70分 藤春→福田

※写真は試合とは全く関係がありません。

 

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