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2020.08.25

マウリシオ選手&ファブリシオ選手、ポルティモネンセへ期限付き移籍

・昨日マウリシオ選手及びファブリシオ選手がポルティモネンセへ期限付き移籍することが公表されました。移籍期間は共に来年6月30日まで。

・両者の移籍は先週あたりからポルトガルのメディアで話題になっていて、かつ二人の仲介人の来日まで確認されていていたので、全くのガセではないだろうと思っていたところ案の定。両者とも今年になって出番が激減しており、しかもコロナ禍に伴う入場料収入激減でとにかく金がない浦和としては年棒の高い両外国人選手を手放さざるを得なかったものと思われます。

・ただ超意外だったのは、両選手ともポルティモネンセへの完全移籍ではなく期限付き移籍だったこと。出場機会が極めて限定的と判断された高額選手ですから、本来は契約期間がそれなりに残っているうちに売却して獲得に要した金額を幾何なりとも回収べきでしょう。特にラファエル・シルバ放出に伴うビッグマネー(6.5億円との噂)を注ぎ込んで獲得したファブリシオは。

・両選手の残り契約期間がどの程度あるのか判りません(ファブリシオは獲得時に5年契約との噂あり)が、レンタル期間終了=契約期間も満了でゼロ円移籍という最悪シナリオにもなりかねません。

・もっともコロナ禍は世界中の話で、どこのクラブも大なり小なり経営面でダメージを受けており、ポルティモネンセもその例外ではないでしょう。ポルトガルのメディアでは「二人はポルティモネンセでプレーしている選手の平均を大幅に上回る給与を得ているとして、ポルトガルに復帰するためには、あらゆる面での努力が必要であると伝えている。」という話もあり、浦和にとってのベストシナリオ=完全移籍に応じられるだけの金はポルティモネンセにもないものと目されます。

・それゆえ浦和は移籍金獲得は諦めて、目先の年棒負担削減&レンタル収入確保だけで手を打ったのでしょう。浦和はとにかく経営が苦しく、ベストシナリオに固執して破談になるよりは、確実に目先のコストカットになるほうがマシと考えたのかもしれません。

・今季の出番の少なさを考えればレンタル放出はやむを得ない話だと思いますが、両選手とも大金を注ぎ込んだけれども鳴かず飛ばずに終わった選手ではなく、それなりに大活躍した時期もあり、ところ変われば力を発揮できる可能性が十二分にあるだけに少々残念な気もします。

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・マウリシオは2017年8月にCSマリティモから完全移籍で加入し、スル銀カップがデビュー戦。幸か不幸か監督がミシャから堀へ入れ替わる時期に加入したので本来の獲得目的は判然としませんが、この年のCBは加賀&永田を放出し、イリッチは風になり、岡本のレンタルバックを見送って田村をレンタルで獲得するに留めたのでCBの層が薄かったのは確か。

・そして加入直後から最初は3バック中央、堀監督が4バックに転換した後も主に阿部とのセットでCBの一角を確保し続け、同年のACL優勝の原動力になりました。ただ皮肉なことにACL決勝第1戦で出場停止になったのが仇となったのか、第2戦はベンチスタート。おまけにCWCの初戦でもベンチスタートになり、しかもクソみたいな内容で負けたせいかマウリシオが滅茶苦茶怒っていたのが強く記憶に残っています。

・堀→オリヴェイラと監督が代わり、再び3バックになった2018年もマウリシオは主力中の主力として活躍していましたが、故障明けで天皇杯準決勝に出場した無理が祟ったのかなんと決勝戦は欠場。うーん、なんか巡り合わせが悪いというかなんというか・・・

・2019年オリヴェイラ→大槻と監督が代わってもなおしばらくは主力扱いでしたが、雲行きが怪しくなったのが9月にたまたまリーグ戦・ACL準々決勝と連続して出場停止になってから。それ以降3バックの中央は鈴木に取って代わられがちになりました。

・そして4バックに転換した今年はもともと余り気味だったCB陣にさらにデンが加わり、そのデンが早々に主力に定着したこともあってベンチに入るのも難しくなってしまいました。コロナ禍で奥さんやお子さんと離れ離れになったままなのが相当辛かったようで、メンタル的な問題を抱えていたのかもしれません。

・マウリシオは見るからにACL向きの屈強な体格でハイボールは確実に跳ね返し、前に出てボールの受け手をガンガン潰し、しかもロングフィードも巧い実に頼もしいCBでした。ただスピードが無いので裏を取られると弱く、ここがハイライン志向の今年の大槻監督には合わなかったものと目されます。前に出て潰したがる性癖も一歩間違えればラインを乱す元凶になりがちですし。またいつも無表情のインスタとは対照的に、プレー中は割と瞬間湯沸かし器系で、無用なイエローカードも少なくありませんでした。

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・ファブリシオは2018年5月末にポルティモネンセから完全移籍加入。同年の目玉商品マルティノスはお話にならず、3月に獲得したナバウトはスタメンで使うには力不足という状況下、「とにかく点取り屋を取れ!!」とのオリヴェイラ新監督の要望を受けてラファエル・シルバマネーを握りしめたシュータンがさして探し回ることもなく、安易にポンテルートに乗っかって獲得したものと思われます。

・デビューは7/22のアウェーC大阪戦。シャドーの一角というか、興梠1トップよりはやや下がり目のセカンドストライカー的なポジションに入りました。

・そして初ゴールはその次のアウェー広島戦。試合終了間際のカウンターチャンスでファブリシオが突如広島ゴールを急襲。終了間際の、試合の趨勢には全く関係のない「ケーキにイチゴを載せた」ようなゴールでしたが、デビュー戦でも垣間見せたミドルシュートの威力&精度の高さを早くも結果に結び付けて、その後もゴールを量産。

・磐田戦ではミドルシュートだけではなく、シュート精度というかシュートを撃つ瞬間の落ち着きっぷりがJリーグレベルから突き抜けていることを見せつけてハットトリック。風貌がウルトラマンに似ていることも相まってデビュー早々赤者の心を鷲掴みに。「ファブリシオ!ファブリシオ!よー、来たのぅ!!」とチャントはなぜか広島弁風味。

・ところがファブリシオの運命が暗転したのは9/1ホームC大阪戦。この試合開始早々に左膝前十字靭帯損傷、内側半月板損傷の重傷を負ってしまいました。ファブリシオは当初全治7ヶ月と診断されましたが、実際に戦線復帰したのは翌年5月になってから。それも成績不振に喘ぐオリヴェイラが「ファブリシオの一発」に夢を託して無理やり復帰させたような塩梅で、放つシュートには精度も力もなく、夢破れたオリヴェイラはあえなく更迭。大槻監督に代わってからファブリシオはほぼACL要員としてスタメン出場するものの、浦和デビュー時の輝きを取り戻すには至りませんでした。

・大怪我を負った後は本調子に戻るまで長い年月を要するのはよくある話なので、ファブリシオの勝負は今年からだろうと思っていたのですが、残念ながら大槻監督が今年取り組んでいる4-4-2ではファブリシオの居場所がありませんでした。

・2トップの一角として使い道がありそうですが、点取り屋としての期待はレオナルドが一身に担っている格好。そしてその相方は頻繁に中盤に下がってボールを引き出すような仕事が要求されているようで、ファブリシオには全く不向き。仕方なくSHで2試合使ってみたものの、守備意識の低さが災いしてか大槻監督の眼鏡に叶うことはありませんでした。まぁどう見てもサイドアタッカーではなく、ゴールに近いところに置いてナンボの選手でしたし。

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・インスタの様子を見ている限り両選手共それなりに日本で、そして浦和で楽しそうでしたし、肝心のプレーでも向き不向き、得手不得手は致し方ないにしても悪い印象はほとんどありませんでした。一応期限付き移籍ですが、両選手のコメント&浦和の置かれている状況から察するに浦和復帰の可能性はほとんどないものと思います。これまでありがとうございました。

 

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