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2020.09.06

【TV観戦記】20年第14節:C大阪 3-0 浦和 ~ 毎度毎度同じ形でおしまいDEATH!!

・コンディションの差では埋めようがないくらいチームの実力差があり過ぎ、かつ「3年計画」とやらでその差が埋まる可能性も一切感じられない酷い試合でした。

《スタメン》

・週央に試合がなかった浦和はスタメンもベンチも全く前節と同じ。神戸戦からベンチ外が続いている宇賀神は故障中の模様。

・ルヴァン杯から中2日のC大阪は丸橋→瀬古、庄司→松田、前川→藤田、奥埜→清武、西川→坂元、メンデス→都倉と6人入れ替え。リーグ戦前節からの比較だと、奥埜→木本、高木→柿谷、メンデス→都倉と3人入れ替え。なお試合後の監督コメントによればデサバトとメンデスは故障中とのこと。

《試合展開》

・基本フォーメーションが4-4-2同士のミラーゲーム。3分右SB松田からの低いクロスはわずかに柿谷&都倉に合わず、8分松田のクロスが清武に通るもシュートは大きく枠を逸れて事なきを得ましたが、早くも「浦和殺し」の形を2度作られる不穏な立ち上がり。

・前回ルヴァン杯での対戦では浦和の前からのプレッシャーが効いてC大阪に容易にビルドアップを許さないだけでなく、何度も高い位置からのボール奪取に成功しましたが、この試合はそれほど前からハメに行く様子はなく、またたまに前から追っても簡単に相手に交わされてしまいました。

・ロティーナ監督が前回の大苦戦を踏まえて「浦和にボールを持たせればええやん」と割り切ったせいかどうか判りませんが、試合は自陣にきれいな4-4-2の守備ブロックを敷くC大阪に対して、浦和がややボールを持たされ気味に推移。関根が左サイドで裏抜けしたり、山中が鋭いクロスを入れる場面を作ったものの決定機には至らず。長澤やレオナルドが強引に中央をこじ開けようとするもシュートは枠を捉えられず。

・C大阪も立ち上がりに好機を得て以降はさしたるチャンスを作れず、どちらもセットプレーからの流れにしか可能性が感じられないという非常に堅い内容で前半終了。

・C大阪は後半頭から柿谷→奥埜と交代し、前半よりは攻撃のギアを一段上げた感じに。そして48分、左SH清武から右SH坂元へサイドチェンジ、坂元からファーへのクロスに都倉が合わせるという典型的な「浦和殺し」でC大阪先制。もうサイドチェンジの基点(清武)がどフリーとか、ファーへのクロスに対してマークが外れているとか、ここまで毎度毎度お馴染みのパターンで失点するかね、フツー・・・

・浦和は相変わらずC大阪の守備ブロックの前に手も足も出ず。63分関根→武藤、興梠→杉本と早めに入れ替え、武藤や山中が盛んにクロスを入れるも簡単に跳ね返されるか、さもなくばわずかにFWに合わない場面の連続。浦和がカウンターから縦に速い攻撃を仕掛けようにも相手のディレイが巧み、かつ浦和の攻め以上に相手の帰陣が早くてどうにもならず。

・73分長澤に代えて汰木を投入した直後に、右SH坂元の鋭いドリブル&切り返しで山中が豪快にぶち破られ、坂元の折り返しがデンのオウンゴールを誘発。この場面そもそも藤田にいとも簡単にサイドチェンジを許している点では1失点目と同じやられ方ですし、山中のサポートに入っていたはずの汰木が結局クソの役にも立っていないという意味では非常に頭が痛い失点だったかと。山中&汰木という単なるベニヤ板の2枚重ねなのか、左サイドは・・・

・1点返すのさえ絶望的と思われたのに2点目を取られてはもはやこれまでと大槻監督は観念したのか、80分にはエヴェルトン→青木、橋岡→岩武と入れ替え。およそ点を取りに行く姿勢とは程遠い、試合を諦めて次節へ向けて替えの効かない選手を休ませる意図としか思えない「敗戦処理」的な選手交代を敢行。

・これだけでも十分お恥ずかしいのですが、AT+3分には相手のロングフィードに対してなぜか西川と岩武がお見合い。猛然と詰めてきた藤尾を西川は交わせずにボールを奪われ、がら空きのゴールに流し込まれる大失態。藤尾はこれがJ1初出場かつ初ゴールとのこと。

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《総評》

・浦和は守っては同じ失点パターンを繰り返し、攻めてはボールを持たされると手も足も出ない。しかもC大阪はルヴァン杯の苦戦からしっかり修正してきたのに対し、浦和は無為無策に終わる。もともと実力差がある上に監督の能力差がでかすぎて、コンディションの差くらいではどうにもならないという印象が強い試合内容、試合展開でした。

・おまけにコンディションでは浦和が圧倒的に有利にも関わらず、総走行距離は浦和のほうが約3km少ないというありさま。

・試合後に槙野は「正直、僕たちはアクションよりもリアクションサッカーをしていますので、どちらかというと自分たちで相手を崩す練習よりも、今日に限ってはC大阪がどういうふうに攻めるかというのを抑える練習をやってきたつもりです。」と語っています。

・その結果、攻撃面については槙野は「自分たちがボールを保持する中で、どうやって崩すか、どうやってゴールに向かっていくかのアイデアが少し足りないのかなと思います」といい、長澤は「全員の共通認識で、ボールを奪ったとき、相手が守りのブロックを作る前に攻め切るというところは狙ってはいたんですけど・・・相手よりも速く出せなかったなという印象ですね。」と語っていて、縦に速い攻めが封じられ、ボールを持たされると辛い現状もちゃんと認識しているようです。

・しかし、槙野が「自分たちとしては負けの中にもたくさん収穫があったゲームだったかなと思います。」「相手のしてくることを抑えることはできましたけども」と語っているのが謎過ぎ。偶然やられたとか、相手が巧すぎたとかではなく、あれだけ毎度毎度同じような形で失点を喫しているのに、「抑えることができた」とか「収穫があった」という認識を持っていることが非常に不可解です。

・あれだけ同じ形でやられにやられても、大槻監督が「こちら側のボールを届ける質だったりのシンプルなミスからの失点でしたので、非常にもったいなかったです」という認識を持っているのもこれまた珍妙。ミスではなく、限りなく構造的な破綻だと思いますが・・・

・この試合に限らず、今の浦和は基本的に守備からチームを作ろうとしています。その大方針自体にケチをつけるつもりはないのですが、それにも関わらずこうも毎度毎度同じような形で失点を喫している惨状を見ると、「大槻監督はしっかりとしたグランドデザインを持ち、それ自体は選手にも伝わっているが、グランドデザインを形にする術を持っていないのではないか?」と訝しくなります。

・もっともそのグランドデザインを実現する手駒が欠けている(端的にいえばSB&SH)気の毒さは否めないので監督ばかり責めても仕方ないのですが、手駒が揃っていなくてもチームが成長する姿がはっきりと見え、かつ結果もそれなりに出したミシャ1年目みたいなのを思い起こすと、現状のパフォーマンスは非常に寂しいと言わざるを得ません。

・「練習なりコミュニケーションなりでやりたいことを選手に植え付ける能力に乏しい & やりたいことを実現できる手駒がない」って2011年のゼリコとほぼ同じ気がしてなりません。次のオフも金がないのでたいした補強は見込めないでしょうし、このまま来年残留争いに両足突っ込む羽目にならねばいいのですが・・・

・そしていくらなんでも「ヒガシ、キヨタケ、パッパッパッ!!!」よりはマシと思いたいのですが・・・

《選手評等》

・お粗末極まりない試合内容ゆえ敢闘賞も殊勲賞もなし。

・興梠は完全にレオナルドのチャンスメークに徹していて、シュートどころかシュートチャンスすらない有り様。それでもチームが勝てればいいのですが、ほとんど決定機らしい決定機はない、相手GKを脅かすような場面がゼロに終わるとなると、この「レオナルド頼みのなんとかサッカー」の閉塞感はハンパないのなんの・・・

・そして選手を代えれば代えるほど得点の匂いは消えてゆく・・・

・宇賀神小破を受けて山中がスタメンに復帰しましたが、連戦をこなす過程で山中の代わりの目途は付いているのかなぁ?

・解説播戸はしゃべり過ぎ、かつ少々おふざけが入るので嫌いな人は嫌いだと思いますが、個人的には全く解説していない木村とか頓珍漢な人間力よりはマシという印象でした。また雷雨のため試合開始が30分遅れた影響でハーフタイムに入るはずのBSニュースが吹き飛ぶというアクシデントにも関わらず、播戸がしゃべりで間を繋いでくれたので、NHK的には神様扱いだったかも(笑)。

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---レオナルド-興梠---
関根--------長澤
--エヴェルトン--柴戸---
山中-槙野--デン-橋岡
-----西川-----

(交代)
63分 興梠→武藤(武藤が左SHへ)
63分 関根→杉本(杉本がFWへ)
73分 長澤→汰木(汰木が左SH、武藤が右SHへ)
80分 エヴェルトン→青木
80分 橋岡→岩武

---柿谷--都倉---
清武--------坂元
---藤田--木本---
片山-瀬古--ヨニッチ-松田
-----ジンヒョン----

(得点)
48分 都倉
74分 OWN GOAL(デン)
90+3分 藤尾

(交代)
HT 柿谷→奥埜
62分 都倉→鈴木
83分 清武→丸橋
83分 木本→西川
86分 坂元→藤尾

※写真は試合とは全く関係がありません。

 

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