« 焦がしごまみそラーメン@坂内 | トップページ | お肉たっぷり牛鍋膳@松屋 »

2020.10.25

【DAZN観戦記】20年第24節:浦和 3-1 C大阪 ~ ああ、汰木の抱き枕はまだか!!!

・柏戦で何かを掴んだとはいえ、今回の相手は守備がとにかく堅いC大阪。結果はともかく見応えがある試合、将来に繋がりそうな試合を見せてくれれば十分と思っていたところ、まさかまさかの完勝! しかも相手に先制を許すという超苦手な状況からの逆転勝ちとは!!!

《スタメン》

・どちらも週央に試合がなかったもの同士。浦和のスタメンは出場停止の宇賀神に代えて山中が入っただけ。柏戦から良い流れを掴んでいる上に、週央に試合がなかったのでスタメンを大きく弄らないのは当然でしょう。

・但し、ベンチにデン・岩武・伊藤・青木が入った一方、柏木・柴戸・関根が外れてベンチの面子はかなり守備的に。関根は今週の練習で別メニューだったという話があったのでベンチ外も納得ですが、柴戸のベンチ外には驚きました。

・C大阪のスタメンは前節からメンデス→豊川とこちらも1名入れ替えのみ。

・なおC大阪はFW都倉とSB松田が故障中。

《試合展開》

・立ち上がりの浦和はC大阪の攻撃を自陣深い位置でのファウルで止めてしまう場面が目立って芳しくありませんでしたが、11分カウンターから武藤の枠内シュートで終わった場面を契機に徐々に反撃。

・18分には相手を押し込んだ状態から左サイドから武藤→興梠→汰木と細かくパスを繋いで武藤の枠内シュートで終わった場面は仙台戦の先制点を髣髴させる形。C大阪の守備ブロックが整っている状態でも決定機を作れるなんて、ちょっと前の浦和の惨状からすればミラクルとしか言いようがありません。

・しかし、C大阪は立ち上がりからスピードのある豊川に浦和最終ラインの裏というか岩波と一対一で勝負させる狙いがチラチラ。解説岩政の見立てでは浦和が前からプレッシャーをかけてくるのを見計らって豊川に浦和最終ラインの裏を突かせているのことでしたが、7分には早くも瀬古が縦ポンで豊川を走らせる場面が。

・22分にはデサバトの縦パスで豊川が岩波を交わして最終ライン裏に抜け出てシュートを放つもGK西川がセーブ。しかし、28分西川ゴールキックを木本が跳ね返したところに豊川がいち早く反応。応対した岩波は豊川と激しく競り合った訳でもないのになぜか転倒してしまい、スピードに乗った豊川に槙野もあっさり交わされてついに失点。

・ここまでは怪我もあってか最近ようやく試合に出だしたばかりの豊川をいきなりスタメンに抜擢したロティーナ監督の面目躍如といった場面でした。逆に言えば、ここまで似たような攻めを何度も受けているにも関わらず全く修正できない浦和のトホホさ加減が浮き彫りになったとも。

・先制点を取られるといきなりヘナヘナになってしまうのが今年の浦和。おまけに相手は守備が固いC大阪とあって、ホーム3連戦3連敗を喫していた頃の浦和なら先制点を取られた時点でチーム内はもちろん埼玉スタジアム全体にどよーーーんとした空気が流れ出したと思います。しかし、柏戦で何かを掴んだ心理的影響は実にでかかったようで、この試合の浦和は先制されても全く下を向かず、さりとて焦って前がかりになることもなく、着実に反撃の機会を伺い続けました。

・失点直後の29分ヨニッチの縦パスを長澤がカットしたことを契機とする一連の攻撃で山中クロス→マルティノスヘッドの決定機。

・さらに32分片山の浮き球パスを長澤がカットしたところから武藤の縦パスを受けて汰木がボックス内突入。応対したCB瀬古が汰木の足を引っかけてしまい、汰木がPKゲット。仙台戦ではGKを巧くかわせずにPKをもらい損ねましたが、同じ試合の興梠のPKゲットを見て何がしか学ぶものがあったのかもしれません。34分興梠のPKは方向こそGKキム・ジンヒョンに完全に読まれていましたが、コースがGKの届かないところなので無事PK成功。

・44分にはC大阪が前からプレッシャーをかけてきたところを西川のロングフィードで裏返しての攻撃。長澤がボックス内にいるエヴェルトン(!)へのクロスこそ片山に弾き返されましたが、そのこぼれ玉をミドルレンジから山中が叩き込んで浦和が一気に逆転!! 山中のシュートはボックス内で武藤と対峙していた瀬古に当たってコースが変わるという運に恵まれたものでしたが、山中が中に絞った位置からミドルシュートを狙うのはよくあるパターンなので、得点は全くの偶然ではありません。

・浦和は後半に入ると前半よりも明らかに前からプレッシャーをかける場面が増え、なぜかマルティノスが前残り気味になって4-3-3っぽくなる場面が目立ちました。しかし、これがどうにも上手く嵌まらずにC大阪に簡単に交わされ、守備ブロックが整わないままの迎撃を余儀なくされるがちになり、なんとかボールを奪ってもただ蹴りだすだけに。

・この不細工な時間帯の浦和の狙いがなんだったのか、傍目からは判然としませんでしたが、浦和の前プレはそれなりにリスキーな反面、前半のようにシンプルな縦ポンで豊川にやられ続ける場面が後半はなくなったのは確か。

・しかも浦和の守備が整っているとは言い難い状態にも関わらずなんとかDF陣が奮戦してC大阪に決定機を与えず。47分SB片山から奥埜目掛けてフリーでクロスという「浦和殺し」の形を作られましたが、ここは岩波が奥埜に競って自由を与えず。クロスのターゲットとして期待されていたであろう奥埜は、そもそも「浦和殺し」の形があまりできないので、この試合を通じてほぼ無用の長物と化してしまいました。

・また守備がなんだかフワフワしている状態ながらも攻めの手数はC大阪より浦和のほうが多く、57分には前プレが嵌まって高い位置でのボール奪取から武藤に決定機。さらに58分にはC大阪の守備ブロックが整っている状態ながら、橋岡のクロスを武藤がヨニッチの背後に上手く走りこんでヘッド(わずかに枠外)。61分には山中CKの跳ね返りをアーク付近からマルティノスが際どいシュートと、これも練習しているっぽい良い形。

・C大阪は59分瀬古→藤田、65分奥埜→メンデスと代えて、69分バイタルエリアで清武が長澤と競り合いながら右サイドへ展開→片山がどフリーでクロス→ブルーノ・メンデスが橋岡の前に出てヘッドというこの試合最大の「浦和殺し」の決定機を作ったものの西川が辛うじてセーブ。昨年大暴れしたブルーノ・メンデスも今年はコンディションが良くないのかベンチ外になる試合も少なくなく、この絶好機を決められないようではこれといって特徴がないFWになり下がった気も。

・その直後に大槻監督は興梠→杉本、武藤→レオナルドと両FWを代えて勝負に。

・71分山中スローインを受けた汰木が左サイドコーナー付近で片山と坂元に囲まれて絶体絶命の状況に追い込まれながら、ゴールライン際ぎりぎりの超狭いところをドリブルで抜け出て片山を交わして窮地を抜け出しただけでなく、ボックス内でフリーのレオナルドへ折り返し。レオナルドはシュートフェイントで木本を転ばせ、その後も何人もシュートブロックを図るDF陣をものともせずにシュート。これはGKの正面を突いてしまいましたが、GKが弾いた玉をマルティノスが詰めて3点目。

・2点ビハインドになったC大阪は73分に坂元→高木、豊川→西川、丸橋→小池と一気に3選手を代えたもののどの選手もほとんど機能せず。80分清武が右サイドからクロスがボックス内のメンデスに通り、メンデス→西川→後方から走りこんで来た藤田がアーク付近からシュートを放つ場面がありましたが、浦和が中央で人垣を作るのはともかく、藤田のシュートをブロックしたのはなんと山中でした!!

・C大阪の反撃が実にしょぼい一方、浦和は最前線に残るレオナルドを軸としてカウンターをちらつかせ、84分には相手のバックパスを拾ったレオナルドが併走するマルティノスや杉本を一顧だにせず(苦笑)自らシュートを放つ場面も。

・85分にはちょっと傷んだっぽいマルティノスに代えて故障明けの青木を投入して試合を締め、相手に反撃らしい反撃も許すことなくそのまま試合終了。

Nagasawa

《総評》

・いやぁ、ここまでがホンマ長かった。ようやくトップチームもレディースに見せてもなんら恥ずかしくない試合が出来るようになりました!!!

・柏戦はいかにもDF陣が緩く、仙台に至ってはそもそもチームとして体をなしていない状態。それゆえ試合内容がどんなに良かろうが、今一つ浦和の状態好転を信じられなかったのが正直なところ。とにかく守備が固いC大阪相手には結果はともかく恥ずかしい内容でなければOKと思いながら見ていましたが、そんな相手に先制点を許すという最悪の状況に陥りながら逆転勝ちするとは!! 

・今年川崎以外には3点取られたことがないC大阪相手にまさかの3得点。しかも得点場面以外でも浦和が今季狙ってきたこと(=高い位置からのボール奪取&速攻)が随所に垣間見られ、内容的にも完勝といって差し支えない形での勝利でしたから喜びも格別。

・今年は長い長い中断明け後日に日に試合内容は悪くなり、来る日も来る日も実にしょーもない試合の連続。勝った試合はなんで勝てたのかよく判らない消化不良の試合だらけ。負けた試合はそれこそ悲惨極まりなく、先制点を取られたら最後、その後は反撃が実る可能性なんて全くしない上に往々にして大量失点。ACL圏入りなんてハナから夢物語と思っていましたが、得失点差がついにマイナス二けたに達するとは!!!

・従って降格がある例年のシーズンなら内外野の圧力に抗しきれずにシーズン途中で大槻監督のクビは飛んでいた可能性は極めて高かったと思います。昇格組の横浜FC戦に完敗し、おまけにホーム3連戦3連敗を喫したあたりでゴーーーーール!!だったのではないかと。

・しかし、幸いにも今年は降格がないので慌てて後任監督を見つけるインセンティブなんてまるでなく(=仙台・湘南・清水と同じ状況)、おまけに経営難ゆえ違約金を払いたくないというスケベ根性も手伝ってか(?)、フロントが大槻監督を信じる信じないとは何の関係もなく昨年からだらだらずるずる指揮を任せていたのがここへ来てついに開花するとは!!

・勝利はすべてを癒す。しかも広島戦みたいな勝ち点欲しさに汲々としたような勝ちではなく、相手とがっぷり四つに組んでの将来に繋がりそうな内容のある勝利。大槻監督は「やり続けることが大事」と繰り返し語っていますが、やはり勝たないと選手もサポもやっていることを信じられなくなってしまう。勝ってこそやっていることに自信が持てる。ゆえに強敵C大阪相手の完勝はさぞかし選手達の自信になることでしょう。ブレイクが遅すぎて残り試合が非常に少ないのが残念ですが。


《選手評等》

・1点目に直結するPKをゲットし、3得点目の契機にもなった汰木がMOMでもなんら差し支えないのですが、汰木は仙台戦でMOMにしたので、この試合はあえて長澤にMOM。

・前半から「清武殺し」に奔走。前半終了間際には怒った清武が長澤を後ろから削ってしまう一幕も。後半は長澤を嫌った清武のポジションが下がり気味になる場面もあって、とにかく長澤が清武に自由を与えなかったのがC大阪に「浦和殺し」の形をあまり作らせなかった主因だと思います。実際この試合唯一決定機な「浦和殺し」の形を作られた69分の場面は清武から右サイドへの展開が契機ですし。

・長澤はたとえ自分のファウルでも相手のファウルだとオーバーなジェスチャー付きで主張する様が実にACL仕様でした。清武相手だとやっぱりACLモードが入ってしまうのかも(苦笑)

・活躍の派手さという意味では長澤より圧倒的に汰木のほうが派手。3点目の契機となったドリブル突破なんてもうそこら中のオバハンがヌレヌレになってしまったのではないかと思われるスゴ技で、一刻も早く「汰木の抱き枕」の販売が待たれるところです。

・そしてもはやサイコロではないマルティノス。いつの間にかマルティノスの悪癖「コロコロ」もすっかり影を潜めてしまい、84分マルティノスが転がっている時は本当に痛いんだと判明して青木と交代。何の働きもしていないのにやたら痛がってピッチに転がっていたのは何だったのか・・・

・前半豊川にやられっぱなしで、失点場面では派手に転倒というぶざまな姿を見せてしまった岩波。鳥栖戦のPK献上もたいがいですが、スピードがあるFWはどうにも苦手なのかなぁ? 最適解がようやく見つかったスタメンを弄りにくいとは思いますが、このやられっぷりを見ると岩波だけはいつデンに代えられても不思議はないような・・・

・イエローをやたら出す主審だと早めに長澤に繰り返しのファウルでイエローが出て、それが試合に影響した可能性は否めませんが、この試合の西村主審は両チームに公平に少々のフィジカルコンタクトは流す笛でしたので、主審が試合結果を左右したというのはどうかと。負け惜しみの典型でしょう(笑)。

・DAZNの解説はなぜか岩政。浦和戦で岩政の解説ってあまり記憶にありません。岩政の解説は若干C大阪寄りな感じでした(そりゃこれまでがこれまでなのでC大阪のほうが解説のし甲斐があるのは否めませんが(苦笑))、浦和についてもそんなに頓珍漢ではなく、DAZNの解説陣ではかなりマシなほうだと判ったのもこの試合の収穫でした。


---興梠--武藤---
汰木--------マル
--エヴェルトン--長澤---
山中-槙野--岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
34分 興梠
44分 山中
71分 マルティノス

(交代)
71分 興梠→杉本
71分 武藤→レオナルド
85分 マルティノス→青木(青木がCH、長澤が右SHへ)
90+7分 山中→岩武
90+7分 汰木→伊藤


---豊川--奥埜---
清武--------坂元
---木本--デサバト--
丸橋-瀬古--ヨニッチ-片山
-----ジンヒョン----

(得点)
28分 豊川

(交代)
59分 瀬古→藤田(藤田がCH、木本がCBへ)
65分 奥埜→ブルーノ・メンデス
73分 坂元→高木
73分 豊川→西川
73分 丸橋→小池

 

|

« 焦がしごまみそラーメン@坂内 | トップページ | お肉たっぷり牛鍋膳@松屋 »