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2020.10.19

【DAZN観戦記】20年第23節:浦和 6-0 仙台 ~ ああ、全試合仙台戦だったらみんな幸せなのに・・・(仮定法過去風)

・柏戦で掴んだ「何か」がもともと相性が良い仙台相手についに大爆発!! 全くケチのつけどころがない、仙台とは何回やっても圧勝間違いないパーフェクトゲームでした。

《スタメン》

・共に前節から中3日、かつ3連戦の最後ですが浦和はなんと前節とスタメン全く同じで、柴戸も関根もベンチどまり。デンはベンチにも入らず。前節ベンチ外の関根がベンチに入ったので鈴木大がベンチ外に。また控えGKが彩艶から福島に。

・柏戦の内容が良かったので、コンディションに大きな問題はない以上あえてスタメンを弄らなかったのでしょうし、長い長い試行錯誤を経てようやく大槻監督が最適メンバーを見出した結果なのかもしれません。

・言い換えればこれまで欠かせないメンバーと思われたデン・柴戸・関根が怪我や出場停止でスタメンから外れたことで一気に選手の序列が変わってしまったのかもしれません。

・大槻監督はすっかり「サイコロ博打」の魅力に取りつかれたようで、「組長というか胴元自ら博打にハマってどうすんねん?」という気がしないでもないのですが、この試合に関して言えばまさかサイコロが良い目しか出ない「インチキサイコロ」と化すとは!!!

・仙台は平岡→シマオ、パラ→柳、松下→田中、関口→石原、山田→クエンカとスタメン5人入れ替え。ベンチに故障明けの蜂須賀が復帰しましたがCB吉野、CH兵藤、FW赤崎&ジャーメイン&西村が怪我で苦しい布陣。クエンカは長期の故障明けでこれが今季初スタメン。CBアピアタウィアは流経大在籍中の特別指定選手。

Yuruki

《試合展開》

・DAZN解説柱谷氏は仙台のフォーメーションを4-4-2だと言っていましたが、クエンカのポジションがフリーダム過ぎてどう見ても4-4-2には見えないので、今季の仙台の基本フォーメーション4-2-1-3ないし4-2-3-1と解釈しましたが真相不明。また今の仙台は前から積極的にボールを奪いに行くスタイルで、浦和にとってはボールを持たされるよりは組みしやすい相手でした。

・立ち上がりは可もなく不可もなく、まさに五分五分でしたが、8分縦パスを出そうとしたCH田中を橋岡が高い位置でブロック。こぼれ玉を拾った武藤から左サイドに流れる興梠→ボックス内に入る汰木がヒールで流す→後方から突入した長澤が詰めると、見事な中央突破が決まって浦和先制!!

・この場面ショートカウンターというもともと今年の浦和が得手とする形ですが、刮目すべきなのはフィニッシュに関わる選手数が日に日に増えていること。柏戦ではミシャ以来の戦友で相性抜群の興梠&武藤のコンビネーションに汰木が絡んでくる場面が何度も見られましたが、先制点では長澤が、その後もCHの片方がしばしば前線に顔を出す場面が見受けられました。

・長澤も試合後「監督からボランチは1枚がバランスをとって、もう1枚はどんどん攻撃参加をするように、ペナルティーエリアの中に入っていくようにと指示はあったので、チームの狙いどおりだったかなと思います。」と語っており、それを忠実に実行した格好。

・また興梠と汰木がポジションを替えるかのように相互に斜めに走って仙台守備陣の穴を突き、その穴を広げる様も印象深いものが。

・浦和先制後は仙台がボールを支配し、浦和が4-4-2で構えてカウンターを狙う構図に。22分西川のロングフィード一発で汰木が仙台最終ライン裏に抜け出る決定機がありましたが、汰木は飛び出してきたGKスウォビィクを交わせず。汰木はこれまでボックス内で勝負するタイプじゃなかったからGKを交わす芸風が身に付いていないのかも。

・しかし、16分にエヴェルトンの縦パスから、29分には岩波のサイドチェンジを受けて汰木が左サイドを独走してクロスを入れるという似たような場面があって、前節からの好調を維持している模様。

・逆にマルティノスは序盤良くも悪くもこれといった見せ場がありませんでしたが、36分エヴェルトンが得たFKをマルティノスが直接決めて2点目。マルティノスのFKはジャンプした壁を越えて右ポストスレスレ、わずかに中へ突き刺さる見事なもので、もともと左寄りに立っていたGKスウォビィクはどうにもならず。

・このFKを得たのもボールコントロールに手間取る田中の背後を急襲したマルティノスの良い守備が契機。まさかマルティノスが守備で褒められる時代がクルトワ!!! この辺でもう「インチキサイコロ」の臭いがプンプン・・・

・さらに38分汰木が高い位置で椎橋の横パスをカットしてからのショートカウンターが炸裂。汰木のスルーパスを受けた興梠がボックス内でGKに倒されてPK。興梠は裏抜けした時点でGKをチラチラ見ていて、あかたも汰木に「PKのもらい方」を伝授しているようなしてなりませんが(笑)、その後自らPKを難なく決めて3点目。

・前半終了間際にもロングカウンターが炸裂。岩波のボール奪取からマルティノスが持ち上がって武藤へ縦パス。武藤はそのままボックス内まで持ち込んでシュートを放ちましたが枠を捉えきれず。どう見てもファーを併走するマルティノスに出したほうが得点の可能性は高そうで、ここは浦和の寿司屋のプレッシャーが悪いほうに働いたのかも。

・仙台は右SB飯尾を高い位置に押し出してクロス攻撃の形は時折見せるものの、浦和DF陣が今日も奮戦してなんら穴を開けることなく淡々と弾き返していました。木山監督は40分に左SB柳を故障明けの蜂須賀に代えましたが、仙台左サイドがボコられている訳ではないので傍目には全く意図不明。

・唯一危なかったのは13分仙台CKからの流れで飯尾のシュートで終わった場面ですが、そこに至る前にボールが明らかにゴールラインを割っているのを審判団が見逃したという一コマがあり、ゴールラインを割ったのを見てからボールを蹴りだしたつもりのエヴェルトンが激怒!! こんな形で失点した日にはせっかく築き上げた「あ行主審の良心」という家本主審の高評価が粉々になりかねないでしょうに。

・木山監督は後半頭からCH椎橋に代えて松下に代えましたが戦局に全く変化はなく、前半に続いて仙台が浦和を押し込みながらも何もできずに、浦和がひたすらカウンターを狙う展開。傍目には代えられて然るべきなのは田中のほうだと思いましたし、実際木山監督も「本来であれば90分ピッチに立ち続けるプレーではなかったと思います」という評価だったようですが、前半でもう敗戦処理と割り切って経験を積ませに行ったのかも。

・51分興梠のサイドチェンジを受けた汰木のクロスを興梠がやや難しい体勢ながらヘッドで決めて4点目。この得点、汰木のクロスもさることながら斜め後ろから飛んでくるクロスを、どフリーとはいえ前に出てきたGKにぶち当てずに正確にゴールに流し込むってどんな荒業やねん??? 柏戦ではイージーな決定機を2度外して興梠の衰えと疑ってしまいましたが、もともと難しいゴールのほうが決まるタイプなんだよなぁ、興梠は。

・それにしてもこの時の仙台DF陣は酷かった。全員汰木を見ていて後方から走りこんでくる興梠を誰も見ていない。シマオ・マテって昨年まではJ1屈指の屈強なCBという評価だったはずですが、今年長期離脱を経て悪いほうに別人と化していて、この試合では全く良いところなし。渡邉監督時代みたいな、相手にけが人が出てもお構いなし、ファウル上等みたいな守備じゃないと持ち味が出来ないのかも。 

・これで勝負ありとばかりに大槻監督は53分興梠と前半イエローをもらった宇賀神に代えて、レオナルド&山中を投入。

・レオナルドは投入直後の57分ロングカウンターのチャンスで武藤の縦パス一本で仙台最終ライン(ともはや呼べる状態ではないのですが)の裏に抜け出す絶好機があったものの、本人もゴールを確信したであろうGKを巧く外してのシュートは無常にもポストを叩いて得点ならず。しかし、67分山中CKからの流れでマルティノスがボックス内左側から深く抉っての折り返しをレオナルドが詰めて5点目。

・この場面、サイドを深く抉ってのアシストは前々節鳥栖戦の決勝点を髣髴させるもので、これぞマルティノスの真骨頂。しかもぐじゃぐじゃ人数だけはいる仙台守備陣に当てることなく正確にレオナルドへパスを出せるのもさすが。さらにいえばこのCKを得たのはショートカウンターからのマルティノスの際どいミドルシュートを辛うじてGKが弾いたところから。もはやサイコロとは呼ばせない!! 今こそマルティノスイヤー!!

・また巧くマークを外してパスを受けやすいところに立っているのもレオナルドの持ち味。というか、この時の棒立ち仙台守備陣はまるでちょっと前の浦和なんですが(苦笑)。

・大槻監督は中3日での3連戦最終日であることを考慮してか、69分エヴェルトン→柴戸、武藤→杉本、さらに77分 マルティノス→関根と順次交代。杉本とレオナルドの相性の悪さというか、レオナルドが杉本を全然信用していないのは相変わらずでしたが、レオナルドが汰木を信用していることがはっきりと判ったのがこの時間帯の収穫。

・そして86分仙台が前からハメようとして全くハマらないという、これまたちょっと前の浦和にありがちだった惨状をあざ笑うかのようにGK西川からきっちり繋いでのカウンターが炸裂。引いた杉本からボールが出てくることを信じて右サイドを激走する橋岡も見事なら、そのクロスを絶妙なポジション取りでほぼフリーで受け、かつ妙技過ぎるトラップで決定機を作るレオナルドもまた見事。ボックス内での仕事師ぶりを存分に見せて6点目。

・88分には関根が超高い位置で田中からボール奪取。あとは関根のクロスをレオナルドは流し込むだけというハットトリックの絶好機がありましたが、ここはGKの好守に阻まれました。仙台はスウォビィクのおかげで6失点で済んだという感じ。スウォビィクに敢闘賞。

・仙台は59分にクエンカに代えて長沢を投入してからようやく「浦和殺し」らしいクロス攻撃が形になり始め、79分にはバーを叩く場面もありましたが、その場面ですら一応槙野が長沢に競っており、ちょっと前までありがちだった完全にフリーで撃たれるような場面はついぞなかったような。傍目には最初から長沢がスタメン、また田中ではなく松下がスタメンならもうちょっとマシな試合になったような気がしてなりませんが。

・驚いたことに家本主審はATを1分しか取らず。あまりにもズタボロな仙台の姿に家本主審も憐憫の情を覚えたのか、とうとうタオルを投げいれたいうことなのかも。

《総評》

・柏戦で掴んだ手応えはどうやら本物だったようで、「ボールを奪ったら素早く攻める」形はアホほど作れましたし、しかもSHがガーーーッと縦に走ってその折り返しをFWが決めるような単純極まりない形だけではなく、先制点のように多くの選手が絡む形での得点が見られ始めたのは非常に良い兆候です。しかも多くの選手が敵守備陣を攪乱する動きをした結果で!

・またもうちょっと長い目で見れば「マルティノス、サイコロの旅」システムを始め、かつエヴェルトン&長澤のCHコンビを発見した点で名古屋戦がターニングポイントだったのかもしれません。あの試合の前半でマルティノスが吉田をタコ殴りにしたところから浦和は何かを掴んだのかも。そして長い長い試行錯誤を経て、ついに大槻監督は最適スタメンを発見して柏戦でプチブレイク。そして今日の圧勝劇に。

・ただこの試合は興梠が試合後のインタビューで思わず「相手がちょっと」と口をモゴモゴさせてしまうレベルだったのも確か。前からプレッシャーをかけに来る割りには、ビルドアップが巧いとは言い難い浦和相手にすら良い形でボールは奪えず。しかも前でプレッシャーがかかっていないのに最終ラインが高いのでその裏を狙われ放題。

・また6割以上ボールを支配しているのに攻撃の形が作れないので、攻めきれずにカウンターを食らうことが非常に多い。おまけにJ1レベルにない選手がCHにいて自爆ボタンを連打!! そしてカウンターを食らったら最後、最終ラインは全く粘りが無くて相手FWはやりたい放題。これじゃGKスウォビィクもたまらんわ・・・

・ゆえに何かを掴んだかもしれない浦和の真価が問われるのは次節守備が固いC大阪戦でしょう。ここで結果はともかく内容で互角に闘えたのであれば大槻株の評価もぐぐっと上方修正して良いと思います。宇賀神出場停止で山中スタメン濃厚という大ハンデ付きですが(つД`)

・ただ気になるのは今浦和が掴んだ「何か」は結局のところ興梠と武藤の相性の良さに全面的に依拠しているだけで、どちらかが欠けると元の木阿弥というオチになってはいないかということ。せめて片方が杉本でも機能すると良いのですが・・・ 両SHに守備不安がある以上、これまた守備にはあまり多くを期待できないレオナルドが使いにくくなっているようなので・・・ 柏木全権委任システム同様、世代交代を踏まえるとあまり持続性がないかも・・・


《選手評等》

・個人的なMOMは汰木。2得点の興梠でもマルティノスイヤーでも、中盤を駆け回って攻守両面で大活躍の長澤でも構いませんが、鳥栖戦のJ1初ゴールを契機に何かが変わった、明らかに一皮も二皮も剥けた汰木を推したいと思います。この大活躍を受けてたぶん山形から汰木宛に山のように新米やさくらんぼが送られてくるでしょう!! そして浦和営業は今こそ「汰木の抱き枕」を販売する絶好機!!!

・その反面関根は鳥栖戦での愚行が高くついたようで、鳥栖戦を契機にブレイクした汰木に完全にポジション取られた格好に。これが健全な競争というもので仕方ありません。

・マルティノスはとうとう「インチキサイコロ」と化してしまいましたが、もともと横浜Mになぜか大金叩いて獲得した選手なのでこれくらい働いて当たり前といえば当たり前。とにかく汰木の覚醒と同レベルで語るのがおこがましい話でしょう。

・先制点のようなボックス内突入は長澤は出来るけど柴戸は出来ない。この差で序列が入れ替わったのでしょう、たぶん。エヴェルトンと長澤のコンビだとどちらが前に出てもOKというのがCHの組み合わせとして理想的なのかも。

・今年の興梠はレオナルドの引き立て役になって点は全然取れない、二けた得点はとても無理と思っていましたが、ここに来てまさか主役に戻るとは・・・でも繰り返しになりますが世代交代の観点からは興梠依存&武藤とのコンビネーション依存)は本来良くないんだよなぁ・・・


---興梠--武藤---
汰木--------マル
--エヴェルトン--長澤---
宇賀神-槙野-岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
8分 長澤
36分 マルティノス
39分 興梠
51分 興梠
67分 レオナルド
86分 レオナルド

(交代)
53分 興梠→レオナルド
53分 宇賀神→山中
69分 エヴェルトン→柴戸
69分 武藤 雄樹→杉本
77分 マルティノス→関根


石原---デゲス---道渕
-----クエンカ-----
---田中--椎橋---
柳--シマオ--アビアタ-飯尾
-----スウォビク----

(交代)
40分 柳→蜂須賀
HT 椎橋→松下
59分 クエンカ→長沢
73分 道渕→関口
73分 ゲデス→山田

 

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