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2020.11.23

【観戦記】20年第28節:浦和 1-2 G大阪 ~ 「浦和に期待した僕がバカだった」と言われるのかなぁ・・・

・内容は悪くはありませんでしたが、浦和は好機を活かしきれない場面があまりにも多くて痛恨の逆転負け。ACL圏入りが現実的なチームと空念仏に過ぎないチームとの差がゲーム終盤に如実に表れた気も。

《スタメン》

・前節から中3日の浦和は宇賀神→山中、武藤→レオナルドと2名入れ替え。ベンチメンバーを含めてまたまた新味一切なし。

・一方先週は平日に試合がなく中7日のG大阪は唐山・菅沼に代えて前節小破して欠場した宇佐美やキム・ヨングォンがスタメンに復帰した他、渡邊→パトリック、奧野→小野瀬とスタメン4名を入れ替え。G大阪は井手口・三浦・小野が故障離脱中のせいか、ベンチには渡邉以外は見慣れないメンバーがずらずらっと。

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《試合展開》

・フォーメーションが4-4-2同士のミラーゲーム、かつお互いにコンパクトな布陣を敷いているために、どちらもボールを持ったところでその後の展開に困っている風でしたが、相対的にいえばより困っていたのは浦和のほう。この日は思いのほか風が強くて風下からスタートした浦和は序盤ロングパス、ロングフィードが風に押し戻されてパスミスになってしまう場面が目立ちました。立ち上がりは7分に山中クロスがボックス内の興梠に通って、最後は長澤がゴールに迫った場面が惜しかったくらいでしょうか。

・9分東口のゴールキックを跳ね返したところからのカウンターでレオナルドのスルーパスが興梠に通る場面がありましたが、ここはCBキム・ヨングォンに阻まれてしまいました。このプレーで興梠が傷むもファウルもなし。

・G大阪は序盤から盛んに山中の裏を狙っていた小野瀬が故障してしまい、給水タイム後に福田投入を余儀なくされるアクシデントが。

・給水タイムを挟んで最初に決定機を掴んだのは浦和。27分珍しく青木→レオナルド→長澤と中盤の細かいパス交換でG大阪の守備網を突破して長澤のスルーパスがボックス内の興梠に通りましたが、興梠にキム・ヨングォンが寄せていることもあってシュートコースが狭く、興梠のシュートは東口が難なくセーブ。

・さらに29分レオナルドがマルティノスへ大きく振ったことを契機に左右から分厚い攻撃を仕掛けたものの、汰木のクロスはファーに飛び込んだ橋岡にわずかに合わず。

・ここまであまり良いところがなかったG大阪。小野瀬に続いて福田も盛んに山中の裏を狙うもクロスは簡単に浦和守備陣に弾き返され、パトリックへのロングボールも槙野やデンに阻まれ続けていましたが、35分くらいからようやく浦和を自陣深くに押し込みはじめました。そして40分宇佐美CKを興梠がニアで弾き切れずに、軌道が変わったボールがポストを直撃する一幕も。

・後半も最初に決定機を掴んだのは浦和。47分福田のバックパスを最前線で拾ったレオナルドが後方から走りこんだ長澤に折り返すも、長澤のシュートはバーを直撃!!

・さらに56分深い位置でのボール奪取からロングカウンターの好機を掴むもレオナルドのシュートはポストをわずかに掠めただけで枠を捉えきれず。神戸戦でもそうですが、レオナルドは好機を決められないと大金を払って獲得し、かつ運動量が少ないことに目を瞑ってまでスタメンで起用した甲斐がないんだよなぁ・・・相手の研究が進み、J1の壁にぶち当たったといえばそれまでですが。

・G大阪は相手を押し込みながらも浦和の守備ブロックを崩しきれず、浦和は何度もカウンターの好機を掴みかかりましたが、浦和も浦和で青木なり汰木なりのスルーパスがわずかに通らず。58分の逸機にはとうとうマルティノスがブチ切れて守備に戻らなくなってしまいました。しかしそのマルティノスもこの日はキレがなく、その割には個人での打開を図りまくってしまうという悪い時のマルティノスそのもので、他人を責められるほどでもなく。

・浦和の先制点は超意外な形から。62分CKでマルティノスが意表をついて後方の山中へボールを下げ、山中がすかさずクロス。ファーのデンが巧く相手のDFラインの裏へ飛び出して頭で押し返し、最後は槙野が押し込むという見事なサインプレーが決まりました!! 浦和は相手のサインプレーを食らって失点する場面は何度も見た覚えがありますが、浦和がサインプレーを仕掛けたのは全く記憶にありません。

・ところが66分にG大阪のクロス攻撃がついに結実。高岡から藤春へと大きく振って、どフリーの藤春がクロス。これは槙野がパトリックと競り合いながらもなんとか弾き返しましたが、こぼれ玉に福田が、続いて宇佐美が反応し、宇佐美のシュートが槙野の股間を抜けてゴール。

・後半早い時間に傷んだ藤春はこの直後にお役御免となり川﨑に交代。一方大槻監督は70分にレオナルド→武藤、興梠→杉本と一気に2枚替えを敢行しましたが、結果的にはこの2枚替えが仇となってそんなに悪くはなかった流れをぶち壊す結果に。レオナルド&杉本という「絶望2トップ」を避けたのかもしれませんが、武藤&杉本の組み合わせもあんまり見たことがないんだよなぁ・・・ 興梠&武藤の組み合わせが最善手のはずですが、これ以上興梠を引っ張るのも苦しかったのでしょうなぁ・・・

・73分に西川ロングフィードからマルティノスのクロスが杉本&汰木にわずかに合わなかった場面くらいかな、この時間帯で可能性があったのは。77分のカウンターはまたしても汰木のパスがマルティノスに合わず。

・オープンな展開になった中で79分宮本監督は一気に3選手を交代。大槻監督も同じタイミングで山中に代えて宇賀神を投入。

・そして決勝点となったのは81分のCK。宇佐美が下がったのでキッカーが山本に代わっていましたが、山本のボールはゾーンで守る浦和守備陣の選手間に上手く入り込んだ高尾にピンポイントで合って、高尾が楽々ヘッドでゴール。高尾はこれがJ1初ゴールなんだとか。

・大槻監督は85分に長澤→エヴェルトン、汰木→武富と代えたものの、どう見ても「代えれば代えるほど悪くなる」という典型的な「大槻監督あるある」に。AT+2分には槙野のロングフィードに対して昌子が目測を誤ったのか、ボールが昌子の頭を越えてDFラインの裏に抜けた杉本に通る絶好機がありましたが、杉本のシュートは東口ががっちりキャッチ。杉本はDF二人に挟まれかかってシュートコースが狭かったのでしょうが、こうも決定機を決められないとはなぁ・・・

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《総評》

・シュート数は6対13、CK数は4対8と倍の差を付けられましたが、生観戦していた限りでは決定機の数はそんなに差はなく、試合内容に全く悪い印象は受けませんでした。リーグ戦前半にありがちだった「勝つには勝ったがなんで勝ったのかよく判らない試合」よりは、ずっと帰り道の足取りが軽かったと言ってもいいくらい。

・しかし、結果は今季初の逆転負け。浦和はカウンターで好機を掴みかかる場面だけは多かった(それゆえ大槻監督は「こちらが表現しようと思った事も表現できました」とご満悦なのかも(苦笑))のですが、先述のようにラストパスがうまく通らない、またなんとか通ってもG大阪のDFに粘り強く対応され、シュートコースが限定されたがために東口を脅かすには至らない場面が目立ちました。

・そして結局のところ毎試合相手にボコボコにやられて顔は腫れて目も塞がっているけどなんだかんだと倒れないという不思議な堅守をベースにセットプレーなり、強力FWの一発で僅差の試合をモノにするというG大阪らしい試合結果に。いやいつもの試合とは違って、浦和にはそんなにパンチを撃たれてもいないので、G大阪にしてみれば楽勝の部類だったかも。

・一方浦和は頼みの綱である両SHと興梠の疲労が顕著で、これが逆転負けの遠因でしょう。汰木は神戸戦から明らかにパフォーマンスが落ちており、マルティノスもこの試合はキレがなくて、その割に個人で打開を図ろうとしてボールロストの連続。しかも関根が依然コンディション不良なのかベンチにもおらず、汰木もマルティノスも代えるに代えられないという惨状。

・縦に速い、独力でドリブル突破可能なSHが手元に少ない以上大槻監督がやれることは所詮限りがあるというべきか、そんなタイプのSHはもともと少ないにも関わらず大槻監督の試行錯誤の末にそんなSHを必要とする戦術に落ち着いてしまったというべきか、「鶏が先か卵が先か」みたいな話でモヤモヤしますが、いずれにしても浦和の現状は使える選手層は薄く、かつ戦術のオプションがほとんどないのは確か。

・まぁ「3年計画の1年目」のなので、それが当たり前といえば当たり前で、フロントは大槻流に見合う選手を揃え、大槻監督は戦術のオプションを増やすのが2年目の課題になります。もっとも横浜M戦のやられっぷりを見ると、個人的には後者にはあまり期待できないと思っていますが。

・SHの不足もさることながら、「脱興梠」の目途が全く立たない問題のほうがより深刻かも。興梠・レオナルド・杉本・武藤からなるFWの6通りの組み合わせで興梠&武藤>>興梠&レオナルド>興梠&杉本の順に機能しているように見えますが、興梠を絡めない組み合わせはレオナルド&杉本を筆頭にどれも機能せず。そしてSHを代え、興梠を下げると「代えれば代えるほど悪くなる」という「大槻監督あるある」に。

・昨年から続く「ベテラン興梠頼み」「FC興梠」を今年も引きづっているようでは、「3年計画の1年目」の内容としてはかなり寂しい気も。

・またこの試合について言えばG大阪が福田・川﨑・唐山ととにかく「元気だけはやたらある!」若手選手をバンバン投入してくるのに対して、浦和は代わり映えしない面子の中でオッサンをオッサンに代えるだけ。オッサンを酷使して戦術らしくものを辛うじて成り立たせているだけの浦和と比べると使える選手層の厚みの差は顕著で、この辺にACL圏入りが現実的なチームと所詮空念仏に過ぎないチームとの差がくっきりと。

・この試合で浦和が勝つか引き分けに終わると、この日試合がなかった川崎が自宅に居ながらにして優勝が決まる(=リモート優勝)というシチュエーションだったので、G大阪とACL入りを争うチームも含めて浦和を応援する他サポが少なからずいたようですが、「浦和に期待した僕がバカだった」と言われるのかなぁ(苦笑)。

《選手評等》

・柏戦以来、超久しぶりに埼スタで生観戦。致し方ないとはいえ、矢島にブーイングが無いのにめっちゃ違和感。

・行きしなは暑いくらいなのに陽が沈むと急激に気温が下がって、強風も相まって結構寒いのには参りましたが試合内容まで寒くはなかったのが救いと言えば救い。ただまたしてもホームで負け。ホームでの勝率が悪いどころか負けまくるというのは、さぞかしシーチケの売り上げに響くんだろうなぁ・・・

・長澤に敢闘賞。特に前半は攻守面で完全に中盤を制圧した感も。

・家本主審は「ファウルかな?」と思った場面でビックリするくらい流してしまう場面が目だちましたが、ゲームが切れた際に選手とコミュニケーションとしっかり取っていますし、ゲームの中でも「ワシはちゃんと観とったで!」と言わんばかりのアクションをするので、生観戦している分には全然ストレスなし。うっかり長澤の進路に入ってしまって、長澤に押し出されるのには笑いましたが

・最後に投入された唐山は「からやま」ではなく「とうやま」と読むのか! 「からやま」ならローストチキンコウロギのライバルになるんだがなぁ。

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---興梠--レオナルド--
汰木--------マル
---青木--長澤---
山中-槙野--デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
62分 槙野

(交代)
70分 レオナルド→武藤
70分 興梠→杉本
79分 山中→宇賀神
85分 長澤→エヴェルトン
85分 汰木→武富

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--宇佐美--パトリック--
倉田-------小野瀬
---矢島--山本---
藤春-ヨングォン-昌子-高尾
-----東口-----

(得点)
66分 宇佐美
81分 髙尾

(交代)
24分 小野瀬→福田(故障による交代)
68分 藤春→川﨑(故障による交代。川﨑が左SH、倉田が右SH、福田が左SBへ)
79分 矢島→奥野
79分 宇佐美→渡邉
79分 倉田→唐山

 

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