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2020.11.19

【DAZN観戦記】20年第31節:神戸 0-1 浦和 ~ 前節が前節だっただけに「勝てば良かろう」なのだ

・ありていに言って「ぱっとしないチーム同士の一戦らしい塩試合」でしたが、前節あんまりな無為無策、あんまりな内容で横浜M相手に惨敗を喫した浦和にとって、相手のしょぼさも手伝って勝ってアウェー4連戦を締めくくったのは悪い話ではないでしょう。

《スタメン》

・神戸がACLへ出場する関係で前倒し開催となった第31節。浦和は前節横浜M戦から中3日ですが、失態続きだった岩波をついに諦めてデンをスタメンに戻した他、コンディションが良くないのか前節前半だけで交代を命ぜられたエヴェルトンに代えて青木をスタメンに。

・前節あれだけの大敗を喫したのでベンチ入りメンバーに大幅な変化があっても不思議はないと思ったのですが、スタメンはわずか2名の入れ替えのみでサブも含めて全く新味なく、柴戸&関根は依然ベンチ外。あの惨敗の後でもスタメンは2人しか変わらないとなるとベンチ組やベンチにも入れない組のモチベーションがダダ下がりになるのはやむを得ないでしょうし、おそらく少なからずオフに影響が出ると思います。

・だからといって岩波以外は面子を入れ替えたところでチームが良くなる気がたいしてしないというのが辛いところ。コンディションが良くない選手、明らかに実力不足の選手、チームコンセプトに合わない選手を無理やり出しても「入れ替えのための入れ替え」にしかなりませんし。

・一方神戸は前節湘南戦から中2日と浦和より厳しい日程ゆえ、山口・藤本・古橋以外のGKを含めて8人もスタメン入れ替えで、しかも全員国内産馬。外国人選手はサブにイニエスタがいるだけ。なお神戸は大崎が出場停止。

Kobe003

《試合展開》

・日程が厳しく、かつACLを目前に控えた神戸がスタメンを大きく弄ってくるのは想定内でしたが、意外だったのは布陣がいつもの4-1-2-3ではなく、4-4-2だったこと。

・試合後三浦監督は「浦和対策としてやってきたもの」と語っていますが、浦和はミラーゲームなら案外強く(C大阪戦が典型)、ここ3試合のようにフォーメーション上ミスマッチが生じやすい相手には弱いのが明白なだけに、神戸がわざわざ浦和に合わせるかのように4-4-2の布陣を敷いたのが最大の謎でした。神戸は目下4連敗なので、三浦監督としてはとにかくマークをはっきりさせて極力失点を避けたかったのかもしれませんが、・・・

・前半はミラーゲームで共に前からプレッシャーをかけあって中盤で潰し合う時間が続きましたが、曲がりなりにも最初に突破口を見出したのは神戸。10分自陣深い位置でのスローインから宇賀神の裏を取った古橋がそのまま右サイドを疾走して田中へ低いクロス(田中のシュートは力なく枠外)。さらに17分宇賀神がスリップした隙に乗じてボールを奪った古橋がそのまま右サイドを疾走してクロスを送るも橋岡がなんとかクリア。

・その後も浦和は古橋のスピードに手を焼き続けると同時に、ノエスタのやたら滑るピッチ(不思議なことに浦和だけでなく神戸の選手も滑る!!)におっかなびっくりに悩まさせ続けたという二つの意味でこの試合を象徴したような場面だったと思います。

・共にビルドアップに苦労しつつも神戸のほうがややマシという印象で、それゆえ序盤は神戸が浦和を自陣に押し込んでいる時間帯がやや長かったかと思います。浦和はエヴェルトン不在が響いてボールがなかなか前に進まず、仕方なく西川がマルティノスや橋岡目掛けてポーンと蹴ってそのまま相手ボールになってしまうことがしばしば。

・飲水タイムを挟んでようやく浦和が反撃。30分デンが中へ絞ったマルティノスへビシっと縦パスを入れたのを契機に珍しく敵陣深い位置でパスが繋がり、最後はいち早くこぼれ玉に反応してボックス内に突入した橋岡がシュートを放ちましたが、GK前川のポジショニングが良くて難なくセーブ。

・逆に神戸は36分前川の縦パスが古橋に通り、前に出たデンが古橋を潰せなかったがためにそのまま古橋→藤本→佐々木と急襲を受けて佐々木に決定機を許すも、ここはシュートコースが限定されていたためか西川が難なくセーブ。ただこれは前節でも良く見られたやられパターン。さらに44分にはバイタルエリアに進出した郷家への浦和守備陣の寄せがいかにも甘くてポスト直撃のシュートを撃たれる一幕も。

・浦和は前半終了間際に橋岡クロスの跳ね返りを拾った汰木がシュート、その跳ね返りを青木が拾って武藤がボックス内からシュートを放つ場面がありましたが、やや角度が厳しくてシュートは枠を捉えきれず。

・浦和は後半頭から武藤に代えてレオナルド投入。

・後半開始早々佐々木の縦パスを橋岡の裏、デンとの間という絶妙な位置で受けた田中が低いクロスを入れて藤本が詰めるも西川がセーブ。終わってみればこれがもっとも往年の神戸らしい決定機だったかも。

・浦和は55分山川のバックパスを受けた菊池が足を滑らせたのに乗じて興梠→レオナルドとたった二人でシンプルにカウンターを仕掛けましたが、渡部と対峙したレオナルドは好機を活かせず。リーグ戦序盤のレオナルドなら間違いなくゴールを決めていたであろう場面でしたが、如何せんいつも後半からの途中出場だらけで試合勘なり得点感覚なりを失っているのかも。

・前半に続いて後半も相変わらず神戸が押し込んでいる時間帯がやや長いものの、浦和は4-4-2の守備ブロックを敷いて粘り強く対応し、神戸の単調なクロス攻撃を淡々と跳ね返し続けました。試合後郷家が「レッズがサイドを空けてくれたのがあったので、山川くん、初瀬くんだったりで仕掛けてクロスが一番手っ取り早い攻撃なのかなと思っていましたけど」と語っていましたが、浦和が何度も何度もクロス攻撃で失点を重ねまくった頃のイメージが強すぎたのかなぁ?

・膠着した戦局を打開すべく、浦和は59分宇賀神→山中、79分青木→エヴェルトン、神戸は72分田中→イニエスタ、佐々木→小川と交代。オープンな展開になったところで76分カウンターから単騎古橋が浦和ゴールに迫りましたが、シュートはやや力なく西川のもとへ。

・神戸以上に浦和には攻め手がありませんでしたが、なんだかんだと均衡を破ったのは浦和。83分神戸のスローインをハーフライン付近で山中&汰木で挟み込んで奪取し、山中がレオナルドとの壁パスで密集を抜けてそのままドリブルで前進しながらクロス→ファーにマルティノスが飛び込んで利き足ではな右足でゴールをぶち抜いて浦和が先制!! 高い位置でのボール奪取、そしてそこからの速攻という今の浦和らしい素晴らしい得点場面でした。

・しかし、その直後にカウンターを浴びてイニエスタのシュートが枠を掠めたり、ATにはFKから菊池のオーバーヘッドシュートが枠を襲う場面もあって盤石とは言い難いものの、なんとか浦和は逃げ切って勝ち点3を奪取。

・試合終了間際、最後に投入された杉本&武富を含めて全員が敵陣で時間を潰してそのまま逃げ切りを図ろうとしているのに、なぜか張り切って後方から上がって来てシュートを撃ち、しかもあろうことか相手に当たってカウンターを浴びる契機を作ってしまう橋岡には参りましたが(苦笑)。

Kobe004

《総評》

・公式記録のシュート数は神戸13、浦和12と共にそこそこ放っていますが、共にGKを脅かした場面は少なかったせいか双方とも攻め手に乏しい典型的な塩試合だった印象は否めず。ゆえに数少ない決定機を一つ決めたほうが勝ちという判りやすい試合で、スコアレスドローでもなんら不思議はない内容でした。

・しかし前節大敗を喫した浦和にとってはどんな内容であれ勝利は嬉しいものでしょう。いや「どんな内容であれ」といっても浦和のそんなに内容が悪かった訳ではなく、得点場面は浦和の得意パターンがハマったものでしたから、やっていることに自信を取り戻すためには有意義な勝利だと思います。ただ相手のしょぼさに助けられた面も否めないだけで。

・冒頭に記したように神戸は失点が多いので浦和とマッチアップのかみ合わせを良くすべくわざわざ4-4-2を組んだのでしょうし、実際守備はそんなに悪いとは思わなかった(というか浦和の攻めがしょぼい)ですが、自分の攻め手も失ってしまって塩試合と化し、結局決定機を一つ決めたほうが勝ちというトホホな結果に。

・神戸は相手を押し込んでからの攻め手が非常に乏しくなったようが気が。イニエスタもサンペールもいなかったせいかもしれませんが、大外から回ってSBの裏を取るとか、CBとSBの間を駆け抜けるとか、横浜Mっぽい攻めがすっかりなくなってしまいました。天皇杯決勝の試合内容はすっかり夢幻の如くなり・・・ だいたい途中投入のイニエスタがサイドで守備に回ってマルティノスと対峙する羽目になった時点で神戸の勝ちはないわなぁ・・・

・神戸は実にしょぼい試合内容&リーグ戦5連敗という悲惨な状況でACLを迎える羽目になりましたが、リーグ戦の結果&内容とACLの成績は一切関係ないことはACL実績十分の浦和が太鼓判を押しまくりますので、とにかく頑張ってくださーーーーい(朝井さん風)。

《選手評等》

・MOMはもうマルティノスで文句なし。あの時間帯で初瀬の視界から完全に消えたところから絶妙なタイミングで走りこんで来ただけでもスーペルなのに、利き足ではない右足でゴールを決めるとは!! 守っても途中電池切れになりかかりながらもかつてのようにあからさまにサボっているようには見えず、ピッチにコロコロ転がりもしない。審判に執拗に文句を言ったりもしない。

・しかも試合毎の出来のムラなんてすっかり影を潜めて、コンスタントに相手に脅威を与え続けています。もう今の大槻監督のやり方はマルティノス抜きでは成り立たないレベル。昨年の「FC興梠」になぞらえて言えば、今年終盤の浦和は完全に「FCマルティノス」に。そんな属人的な戦術で良いのかという気もしますが(苦笑)。

・試合後のインタビューでマルティノスはつい契約について触れてしまい、通訳が誤魔化してた感じでしたが、とにかく金がない浦和はそれなりにお高いであろうマルティノスをどうするか。おそらく単年契約のオファーに留まる気がしてなりませんが、それをマルティノスが受け入れないかもしれませんし、複数年契約を結んだら結んだでマルティノスが元の木阿弥ならぬ元のマルティノスに戻ってしまう気もしなくはないので、難しいところです。

Kobe002


---興梠--武藤---
汰木--------マル
---青木--長澤---
宇賀神-槙野-デン-橋岡
-----西川-----

(得点)
3分 マルティノス

(交代)
HT 武藤→レオナルド
59分 宇賀神→山中
79分 青木→エヴェルトン
86分 興梠→杉本
86分 マルティノス→武富

Kobe001


---田中--藤本---
佐々木-------古橋
---山口--郷家---
初瀬-渡部--菊池-山川
-----前川-----

(交代)
72分 田中→イニエスタ
72分 佐々木→小川
89分 藤本→小田
89分 初瀬→酒井

※写真は試合とは一切関係がありません

 

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