・昨日チーム始動を前に催されたリカルド・ロドリゲス監督の就任会見に関する雑感をつらつらと。

・いやぁ、実に久しぶりですな、シーズン始動時に新監督を迎える高揚感なんて!! 既にJ2でそれなりに実績証明済の監督が浦和にやってきた!! おまけに補強もそれなりに上手く行った!! ああ、開幕が待ち遠しい!!
・そして会見の端々から迸るリカの情熱。「もちろん経験はないですが、自信はあります」なんて、今年から新しい職場、新しい環境でスタートを切る方々がすぐ使えそうなフレーズですな(そして筆おろしの際にも使える)。「相手をとにかく押し込んでいって攻撃的にいって、常に見てくれる方々が楽しんでくれるような、そういったサッカーを展開」「サッカーのアイデア、スタイルをしっかり確立する」「どういうサッカーをしていきたいかというアイデアを明確に持つことが大事」と、実に頼もしい言葉が並んでいます。
・また「浦和は本当にファン・サポーターの方々が熱くとても情熱がある、そういう彼らのためにぜひみなさんが楽しんでもらえるような戦い方をしていきたい」と会見の最初のほうで赤者を持ち上げる用意周到さも。さすがに南越谷の阿波踊りのことまでは知らなかったようですが(笑)。寿司好きだそうなので、武藤の出場機会がぐっと増えるかもしれません(謎)。
・何より嬉しいのは、西野TDが引き続き「監督が変わるたびにサッカーが右往左往変わることはよくないということで、しっかりと地に足を付けて、コンセプトを作って、それに沿ってサッカーを作っていこう、チームと作っていこう」という大方針を掲げ、その大方針のもとに監督を選任し、かつリカとも擦り合わせ、選手編成を含めてミシャ時代のような「監督丸投げ」からどうにかして脱しようと考えていること。どこまでその言葉通りに進捗しているかどうかはともかく、一般論としては浦和は極めて正しい道を歩んでいると思います。シーズンが進むにつれてその同床異夢ぶりが明らかになって行こうとも。

・ただ、どうしても「ちょっと待てぃ!!」と言いたくなるのが西野TDの「最低限の目標としてACLの出場権獲得」という言葉。
・昨年大槻監督続投という謎すぎる人事を敢行し、かつロクな補強もしなかったにも関わらず「ACLの出場権獲得」を掲げた手前、監督を代え、かつ補強もそれなりにして臨む今年もその旗を掲げ続けざるを得ないのは判らなくもありません。しかし、昨年10位で終わったチームが再出発しようとしている初年(西野TDは3年計画の2年目と強弁していますが(笑))なのに、ACLの出場権獲得を「最低限の目標として」掲げるのはいくらなんでも無理があるかと。
・浦和がコンスタントにACLに出られるチームになることを中長期的な目標に掲げることはなんら無理がなく、至極当然だと思います。しかしそれを、短期的な目標にまで掲げてしまうのはチーム作りの阻害要因になるだけ。昨年大槻監督がやることなすこと中途半端に終わったのは過剰にACL出場権を意識させられたことに主因があると大槻監督の記者会見からは察せられましたし。
・よってスポンサーの手前もあって「ACLの出場権獲得」をお題目に掲げるのは良しとしても、シーズン終了時にそれにカスリもしなくても、いやそれどころか夏頃にカスリそうもないことが判って来ても、出来上がりつつあるチームが西野TDの考える大方針に沿っているなら「可」として合格サインを出すというのが本来あるべき姿でしょう。
・「改めて目標を伺いたいが、先ほどACL出場とあったが、勝ち点なのか得点数なのか、具体的な部分も含めてお願いしたい」と聞かれてもリカはなんら具体的な数値を上げず「目的、目標というのは、我々は本当は良い試合をすること」と内容を見てくれ!と言わんばかりの回答をしていますが、これでなんら差し支えないと思います。この辺西野TDはフロントとしていかにも経験不足で、やらずもがなのコミットメントを発してしまったのではないかと。
・あとリカが「レッズは、本当にビルドアップをすることに、いい選手たちがいると思っています。」というのは京都的な言い回しなのかどうか・・・たぶんシーズン序盤は滅茶苦茶苦労するような気が・・・