橋岡大樹選手、シント=トロイデンVVへ期限付き移籍
・昨日(1/31)、橋岡大樹選手のシント=トロイデンVVへの期限付き移籍が公式発表されました。期限付き移籍期間は2021年1月30日から2022年6月30日までの約1年半。
・橋岡の海外移籍話は今年正月明けに再燃し、1/24にスポーツ各紙一斉に「複数の関係者によれば既に条件面、クラブ間交渉などで基本合意し、一両日中にも正式発表される。」と報じられていました。しかし意外にも続報がなく、ひょっとしてコロナ禍の影響か何かで土壇場で移籍話が流れたのかな?と思っていたところ、丸1週間経ってようやく正式発表の運びに。
・橋岡は昨シーズン限りでちょうど契約が切れていたようで、下手をすると「ゼロ円移籍」という最悪のシナリオもなくはなかったようですが、幸い原口先輩の「移籍金を残してから海外へ行くのがユース出身者の責任」という遺言(?)をちゃんと守って、浦和との契約を更新した上でのレンタル移籍となったようです。
・橋岡はガチガチの浦和育ちで2018年ユースからトップ昇格。同年大槻暫定監督就任と同時に早々と右WBでレギュラーの座を掴み、その後オリヴェイラ→大槻と監督が代わっても引き続き右WB/SBで重用されました。2019年第8節神戸戦で負傷交代を余儀なくされ、その後2ヶ月ほどチームを離脱した以外は両監督から酷使され続けたと言っても過言はないくらい。
・なにせ大槻監督からは「橋岡は足が攣っても走れる!!」と断言されるくらい、橋岡の運動量は驚嘆すべきものがありました。また空中戦にもやたら強く、西川のゴールキックのターゲットとして無類の強さを発揮しました(もっとも浦和のビルドアップ能力がお粗末すぎて、橋岡目掛けて蹴るしかボールを前進させられないことの裏返しでしたけど)。
・ただユースまではCBが本職で、トップに上がってチーム事情(要するに人材難)から右WB/SBをやらされたという事情から守備は無難以上にこなすものの攻撃面では課題が多く、対面の相手をスピード&スタミナでぶっちぎるところまでは良いのですが、往々にしてクロスが残念で興梠に遠い目をされることもしばしば。タイミングよくボックス内に入ってもシュートは枠に飛びません。さらに絞り気味にポジションを取り「偽ボランチ」みたいな形でビルドアップに寄与するみたいな器用なことも期待薄でした。
・また守備は強いといってもどちらかと言えば地上戦に力を発揮するタイプ。空中戦に強い割にはクロスへの対応に疑問符が付く場面がまま見受けられました。山中のサイドからファーへクロスを上げられ、橋岡の前で相手に飛び込まれるなんて場面をよく見たような・・・
・世代別代表での活躍で海外クラブから目を付けられ、移籍金を残しこそすれ肝心のクラブでたいして試合に出ないうちに海外へ行ってしまう若手選手が少なくない中、橋岡は3年も鉄板のレギュラーとして活躍した上での海外移籍ですし、おまけに何がしかの移籍金を残す可能性があっての移籍なので個人的にはかなり好意的に受け止めています。
・しかし、先述のように橋岡はWB/SBとしては未熟なところが多々あり、CBとしてはフィジカル的に、そしておそらくビルドアップ能力の低さで海外では評価されないかもしれません。
・そもそもシント=トロイデンは長居するクラブではなく、さらに大きなクラブへ飛躍するためのショーウインドウ的なクラブ。残念ながら冨安や遠藤のようにそこから上手くステップアップできた選手は僅少で、ショーウインドウで野ざらし状態の者、似たような位置付けのクラブをぐるぐる回っている者、そして関根のように何も出来ずに戻ってくる者とその後の道は様々です。橋岡はどのコースになるのかなぁ・・・
・そして西野SDが「この時期の移籍は、チームとしては決して理想的なタイミングではありませんでした。」と語る通り、浦和はただでさえ薄い右WB/SBの選手層がさらに薄くなる羽目に。昨年橋岡が東京五輪後に海外へ移籍する可能性を考えて「SBも出来るCB」という橋岡と似たスペックのデンを補強したはずですが、デンも案外故障がちで果たしてどうなることやら。
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