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2021.04.19

【DAZN観戦記】21年第10節:C大阪 1-0 浦和 ~ シュート数も決定機も増えたことを前向きに捉えるべきか

 公式記録シュート数2本で勝ってしまう試合もあれば、数多の決定機を一つも決められずにセットプレー一発で負けてしまう試合もある。これまでボールを支配しているだけで決定機が少なかった浦和もそれなりに前進していることが伺えた悔しい敗戦でした。

《スタメン》

・浦和は前節から中6日なのに対し、C大阪は中3日とコンディションでは浦和が有利。

・浦和は前節負傷退場した武田に代え、前節コンディション不良でベンチスタートだった柴戸をスタメン起用。達也がリーグ戦では第6節川崎戦以来久しぶりにベンチ入り。先週末のエリートリーグ水戸戦でアピール出来たのは達也だけだったのかな?

・一方C大阪は前節と全く同じスタメン。なおC大阪は坂元、原川、高木が故障離脱中。

Osaka004

《試合展開》

・浦和の基本フォーメーションは柴戸アンカーで敦樹がIHに入った4-1-4-1と思われましたが、敦樹は柴戸と同じくらいの高さに並んでいることも多くて実質4-2-3-1に近いかも。まぁこの辺は数字遊びみたいなものなのであまり拘らない方向で。

・C大阪の布陣はいつもの4-4-2でしたが、前節徳島相手にホームで全く良いところなく敗れたことを受けて多少修正した模様。具体的には徳島戦では盛んに中途半端な前プレを仕掛けて悉く交わされ、大久保がイライラを募らせるだけに終わったことを反省してか、今節は前から追ってくる場面は激減し、しっかり守備ブロックを作って待ち構える方針に切り替えたように見受けられました。

・それゆえボールは立ち上がりから浦和がほぼ一方的に支配。序盤は山中のクロスが武藤に惜しくも合わなかったり、右サイド奥深くに侵入した関根のマイナスの折り返しがこれまた惜しくも合わなかったりとサイドから何度も良い形を作っていました。

・時間の経過と共に人数をかけて中央突破を試みる場面が増え始めたが、これまたC大阪の守備ブロックを崩しきれない場面だらけで実にもどかしい。麻雀で言えば「イーシャンテン」だらけ。ミシャ期の「KLMが繋がった!!!」みたいなスカッとする鮮やかな崩しには程遠く、この辺は練度の問題なのか、あるいは練度を増してもどうにもならない個人能力の問題なのか。

・シュートも相手にブロックされてしまう場面が多く、何だかんだと前半の浦和の決定機らしい決定機は45分小泉がアーク付近から切り返して放った一発だけかなぁ。でも、浦和の決定機は多くはないもののC大阪に何もやらせていなかったのも確かで、パーフェクトにはほど遠いがネガティブな要素は少ないという内容で試合は折り返しに。

・ロティーナが去ったC大阪はビルドアップ能力がガタ落ちなので、浦和の素早い攻守の切り替え&前プレに抗しきれず。やむなく早めに2トップへボールを入れる場面が目立ちましたが、そこは浦和両CBが難なく応対。C大阪のチャンスは藤田のロングスローを含むセットプレーか、浦和の凡ミスを突いたカウンターか、まぐれ当たりの一発しかなさげでした。

・リカは後半頭から敦樹に代えて興梠を投入して4-4-2に布陣を変更。試合後リカは「(前半は)ゴール前まで行けていましたけれども、最後のところで一つひとつがズレてしまいました」と見て、「少しリスクを冒して中盤の選手を外し、前線の選手を入れてゴール前での違いを作れる状況を狙って、交代も含めて行いました」と交代の狙いを明かしています。

・一方クルピなんと清武→山田、西川→中島と両SHを一挙に交代。こちらは「2人を投入した理由は、前への勢いをつけたかったからです。前半はフィニッシュまでいけておらず、勢いをつけたいと思いました」「清武選手に関しては、守備での強度が少し足りなかったこともあります。2人を投入した意図は、前にも後ろにも守備で戻れることもありました」とのこと。でもC大阪ではダントツに格が違う清武、しかも特に悪くは見えなかった清武を前半限りで外してしまうのには心底驚きました。下げるなら何の役にも立っていない大久保だろうに(苦笑)。

・リカが「ゴール前での違いを見せろ!!」とばかりに送り出した興梠の効果はてきめんで、後半立ち上がりはハッスルタイムとばかりに浦和が決定機を量産。49分小泉スルーパス→明本を皮切りに、51分槙野サイドチェンジ→関根単騎ボックス突入でシュート、56分カウンターから山中クロス→武藤(わずかにオフサイド)と良い形を作るもののいずれも決まらず。

・但し、興梠投入は良いことばかりではなく、興梠のコンディションが依然良くないのか浦和は前半とは一転して前プレがハマらなくなり、試合はややオープンな展開に。C大阪も2枚替え効果が表れてか、前半よりは明らかに前からのプレッシャーがきつくなり、65分浦和が自陣深い位置でボールを失ったことを契機に豊川のミドルシュートを浴びてヒヤリ。

・そのシュートこそ西川が防ぎましたが、結果的に決勝点になったのはそこで与えたCKから。ゴール前でパチンコ状態になった後のこぼれ玉を拾った丸橋のシュートがわずかに西に当たって軌道が変わったのが災いしてか、ゴールをカバーしていた岩波はクリアできず。丸橋には西と山中が詰めていてシュートコースなんて無きに等しく、運が悪かったとしか言いようがない失点でした。

・不運な形で失点したものの浦和はなおも決定機を量産。68分ボックス内で関根&武藤による壁パス突破、69分右サイドに抜け出した武藤がどフリーでクロス→興梠ヘッド、80分小泉から右サイドへ大きく振ってから西がクロス→関根ヘッドと良い形を作りに作りましたが、いずれも決まらず。

・その一方、オープンな展開はより一層顕著になり、77分には最前線で興梠がボールを収めきれなかったところからカウンターを食らって大久保クロス→中島でヒヤリ。

・コンディションが良いはずの浦和に疲労感が漂い始める中で、リカは84分になってようやく杉本を投入したが、これが全く役に立たず。最後に槙野を上げてパワープレーを試みるもロクにシュートすら撃てずに試合終了。杉本はポストプレーも満足にこなせず、試合終了間際にはボールロストから相手に決定的なカウンターチャンスを許してしまうテイタラク。

・7分もあったAT。小泉が得た敵陣でのFKに最後の望みを託そうと誰もが思っていたところで、小泉がなぜか独り合点なクイックリスタートをしてしまって試合終了。最後の最後までなんだかなぁ・・・

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《総評》

・内容的には負けて当然の試合ではなく、むしろ勝つ可能性のほうが高いくらいでしたが、あれだけ決定機を外しに外し、逆に懸念されたセットプレーで一発くらうとこうなってしまうのは「サッカーあるある」で仕方ないでしょう。

・クルピも「僕たちが勝利できたことは運が良かったこともあると思います」と認め、GKキム・ジンヒョンにいたっては「今日の終盤の守り方で良かったところは?」と聞かれて、「特にはないですね。(相手の決定力不足で)助かった部分もあります。CB、SBの動きも含めて修正しないといけないことも多くあります。今日に関しては運が良かったというか、そういう部分もあったと思います。」と率直に語っています。

・押し込まれる時間帯は長いが、最後の最後はやらせないロティーナ流の堅陣にはほど遠く、わずかにその残り香が漂っているだけ。浦和に山のように決定機を作られた以上、ジンヒョンの感想は謙遜でもなんでもなく、額面通りでしょう。

・ボールを支配している割にはシュート数が少なく、当然ながら決定機は僅少でお馴染みの今年の浦和ですが、この試合は珍しく二けた(12本)のシュートを放ち、しかも相手のシュート数(11本)を上回っています。決定機も山のように作りましたし、その上終盤カウンターを食らいまくるまではほとんど相手に何もやらせていなかったのですから、ここまでの9節と比べ内容は前進していると前向きに評価してもいいくらい。

・とはいえ、その数多の決定機を一つも決められずに敗戦。リカは「そういう決定的なところを最後に決められるかどうかです。逆に言うと、それを決められると、また違った展開になってくると思います。その質を今後さらに上げていければと思っています」と語っていますが、その質は練習を重ねてゆけば上がるものなのか。選手の個人能力に上限があって、練習したところでどうにもならないものなのか。

・この辺は試合を重ねないと判然としませんが、この試合を見るとチャンスはアホほど作るけれども決める人がいないという意味で、昨年までの大分みたいなのが今年の浦和の到達点になってしまうのかもという気が少々。興梠のコンディションが上がれば一気に解消されるのかもしれませんし、ユンカーが起爆剤になってくれるのかもしれませんが・・・ 昔は前目の個人能力だけで点を取っていた浦和が、今や前目のタレント不足に泣くようになるとはなぁ(遠い目)。

・そしてまたしても自分より上位のチームには勝てないという「中位チームあるある」の結果となってしまいましたが、自分より上位チームでもFC東京とC大阪には内容で上回っていたのも確か。共にビルドアップが上手くないチームなので、浦和が内容で上回ったのは偶然ではないでしょう、たぶん。ビルドアップが上手い徳島相手に大苦戦したことの裏返し。上位に行くには内容で上回っている試合を勝ち切らないと。でも、勝ち切るにはいかにも火力不足。

・火力不足が顕著すぎるので、やむなく万全には程遠い興梠を投入。清水戦といい、この試合といい、満足に動けない興梠を投入すると守備が怪しくなり、それまで何も出来なかった相手が息を吹き返す辺りは似ています。ただ清水戦と違ってこの試合は興梠投入後に決定機量産に成功しているので収支は合っており、これまた積極的に評価して良いでしょう。

・考えれば考えるほど前向きな評価しかできない試合でしたが、負けは負け。こういう試合を落とすから上位に行けないんだよなぁ・・・同じ話を繰り返す老人の如く。

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《選手評等》

・小泉の走行距離はチーム最長の12.763km。小泉は明本や柴戸のようなスタミナ無尽蔵系ではなく、むしろ終盤急速に消耗してしまうタイプ。ゆえに途中交代を命ぜられることがしばしばでしたが、運悪く金子と阿部が同時期に離脱しているので、ヘロヘロの小泉を代えるに代えられないのは辛かったかと。小泉はああいうプレースタイルなので、終盤はどうしてもプレー精度なり頭の回転なりが落ちてしまい、最後の不可解なクリックリスタートに繋がったのかも。

・ビハインドになってから投入されたのはなんと杉本だけで汰木も達也も出番なし。共にスペースが無い中で投入しても意味がないとの判断なのか、そもそもリカの信頼がガタ落ちなのか。いずれにしても浦和の駒不足を実感。

・試合に微妙な影響を及ぼしたかもしれなかったのが2度にわたるVARチェック。どちらもボックス内でのハンドを巡ってのものですが、DAZNで見ている限りはどちらもおよそハンドを取られそうにないものなのに、西村主審はご丁寧にオンフィールドレビューまでやって延々と試合が中断し、結果は当初判定通りお咎めなし。うーーん、VARの運営はまだまだ改善の余地大ですなぁ・・・ 長い中断の間でも西川や槙野は集中を切らさぬように何度も声を出してはいましたが。

Osaka003

-----武藤-----
明本-敦樹--小泉-関根
-----柴戸-----
山中-槙野--岩波--西
-----西川-----

(交代)
HT 伊藤敦→興梠
84分 武藤→杉本

---豊川--大久保--
清武--------西川
---藤田--奥埜---
丸橋-西尾-進藤-松田陸
-----ジンヒョン----

(得点)
66分 丸橋

(交代)
HT 清武→山田
HT 西川→中島
82分 大久保→加藤
87分 豊川→松本

※写真は試合に一切関係ありません。

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