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2021.05.31

【観戦記】21年第17節:浦和 0-0 名古屋 ~ 難攻不落名古屋城に手も足も出ず

 前半は一方的な名古屋ペース。後半立て直して相手に何もさせなかったものの、こちらも何も出来ず、名古屋の堅陣を前に90分間文字通り手も足も出ませんでした。勝ち点1で満足すべき試合でしょう。

《スタメン》

・共に前節から中3日。浦和は汰木→山中、達也→関根、敦樹→武田と前節からスタメン3人入れ替え。武田は負傷退場を余儀なくされた第9節徳島戦以来のリーグ戦スタメン。

・名古屋は齋藤→山崎、長澤→相馬と前節からスタメン2人入れ替え。なお名古屋はFW金崎&CB丸山が長期離脱中。

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《試合展開》

・武田をスタメン起用したことで丸判りなように、浦和の布陣は4-1-4-1。ただ小泉が結構下がってくるので4-2-3-1っぽく見える時間帯も結構長かったかと。名古屋はお馴染みの4-2-3-1。

・立ち上がりは悪くはなく、久しぶりに浦和がしっかりとボールを保持しながら相手の隙を伺い続けましたが、中盤で待ち構えるCH米本&稲垣が非常に難儀なのか浦和はボールを持っても縦パスをほとんど入れられず、サイド攻撃なり、深い位置からの縦ポンによる裏狙いくらいしか攻め手無し。また前プレもハマらず、ロングボールを多用しながらシンプルに縦にボールを動かす相手に脆弱な守備陣が脅かされる始末。

・フィッカデンティ監督は試合後「相手に前からプレスに来られて、どうしてもロングボールを蹴らざるを得ないという時間帯」と語っているので意図的にロングボールを多用して浦和の前プレを空転させた訳ではなさそうですが、ロングボールのターゲット=CF山崎が結構厄介で一対一がそんなに強くない岩波はもちろん槙野も苦戦。

・そうこうしているうちに浦和はボール保持すら怪しくなって浦和右サイドが炎上気味に。15分マテウスのクロスが山崎→柿谷へと渡って柿谷がアクロバティックな体勢でシュート。

・そして18分中谷のロングボール→山崎が岩波に競り勝って柿谷へ。柿谷の折り返しを受けた山崎が岩波を振り切って彩艶と一対一になるも、慌ててシュートを撃ってくれたのが幸いして彩艶がセーブ。とにかくでかくて厄介な山崎でしたが、シュートはどうも巧くないようで助かりました。

・浦和は20分深い位置でボールを奪ってからのロングカウンター。小泉→武田→ユンカーと手数をかけずに縦へ運びましたが、ユンカーが単騎カットインしてミドルシュートを放った辺りにボールが全然回ってこない苛立ちが見え隠れ。

・給水タイムを挟んでも戦局は好転せず、26分浦和左サイドからマテウスのクロス性のシュートを浴びてヒヤリとしましたが、ここも彩艶が山崎との交錯を恐れずに飛び出してパンチングで難を逃れました。

・浦和は35分くらいからハマらない前プレをとうとう諦めてリトリート主体の守備に切り替え。こうなると名古屋もどちらかといえばボールを持たされると困るタイプなせいか、試合は低レベルで拮抗状態に。43分明本が左サイドを疾走→山中のクロスはなんとかユンカーに届いたものの、ユンカーはそういうのはあんまり得意じゃないんで・・・

・米本&稲垣に対峙するにはあまりにもフィジカルが弱すぎて全く何の役にも立っていなかった武田をリカは前半限りで諦めて、後半頭から敦樹を投入してはっきりした4-2-3-1へ布陣変更。これで浦和は再びボールを握れるようになり、かつ小泉がズルズル下がって来なくても良くなったせいか前半よりは幾分ボールが前に進むようになりましたが、それでもユンカーまでボールは渡らず、当然ながら決定機は作れず。

・49分吉田と交錯して転倒した際に運悪くユンカーが右肩を痛めてしまい、これがその後のパフォーマンスに影響したかも。

・リカはさらに62分山中に代えて汰木を投入(明本左SB、汰木左SHへ)。67分相手が浦和の横パスをカットし損ねたボールが関根のもとへ転がる幸運から関根がボックス内へ突入する好機がありましたが、中谷にシュートコースを消されていて強引に放ったシュートは枠外。もっともサポートはユンカーしかいなかったのでシュートで終わる気持ちは判らなくもないのですが、結果を出しまくっている達也に対抗して関根はちょっと焦っている気がしないでもなく。

・71分明本のスルーパスで左サイドから汰木が裏抜けに成功。汰木の低いクロスはユンカーに渡る直前で中谷にカットされてしまいました。結局これがこの試合を通じて浦和が作った唯一のいい形だったかも。

・名古屋は74分相馬→長澤、山﨑→齋藤と代えて4-3-3へシフト。一方リカは79分関根→達也、小泉→武藤と代えて戦局打開を図るものの、非常に不思議だったのは汰木を中央、武藤を左SHに配したこと。これについて試合後質疑がなかったので意図は不明のままですが、正直全く機能しませんでした。がってん寿司様は怒り心頭で閉店ガラガラでしょう、たぶん。それどころか80分名古屋が久しぶりに相手を押し込んだ状態から齋藤がボックス内から放ったコントロールショットがポストを直撃!!

・後半の名古屋の決定機はこれ一回きりで、それ以外浦和のパス回しを眺め続けるだけで全く何も出来なかったと思いますが、それでもこの一回の決定機で浦和以上にゴールに迫っていたのも確か。リカが試合後「どちらかというと大きなチャンスは相手の方がより多かったと思います」と語るのも無理はありません。

・見るからにヘロヘロのユンカーに代えて興梠を投入したのはなんと87分になってから。ここで武藤を前に上げて汰木を左SHに戻したものの、やはり何も出来ずにそのまま試合終了。

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《総評》

・浦和のシュートはたった3本で決定機らしい決定機はゼロ。しかもあろうことか前半のボール支配率は4割前後に留まってしまう始末。文字通り難攻不落名古屋城を前に何も出来なかった試合でした。フィッカデンティ監督が「すごく良いゲームが出来た」と自画自賛するのも納得。

・とはいえ、名古屋はシュート数こそ10本と浦和を大きく上回っているものの、決めて然るべき決定機は18分の山崎と80分の齋藤くらいしかなかったような気も。「とにかくゴールが足りないだけ」とフィッカデンティ監督はボヤくものの、もともとボコボコ点を取るチームではなく、あんまり点は入らない、塩試合上等なのがフィッカデンティ名古屋の仕様なのでスコアレスドローはしょっちゅう発生しうる、双方納得の結果ではないかとも思います。

・妥当な結果だったとはいえ、浦和が何も出来なかった試合という印象が強く残ったのは確か。リカは試合前の記者会見で「直接対決」「ACL出場を目指していくのであれば、こういう試合をしっかりものにして上に進んでいくことが大事」と鼻息を荒げてきましたが、残念ながら名古屋との実力差はまだかなりあるようです。それでも昨年アウェーで6失点も喫し、完膚なきまでにタコ殴りされたことを思えば名古屋の背中が見えるところまで追いついてきたのかなという気も少々。

・名古屋はCHが強力すぎて中央から攻められないのでサイドから攻めるしかない。でもそれは相手にも読まれているというなかなか辛い展開が続きました。名古屋相手に手も足も出なかった要因についてリカは試合後も「相手チームや他のチームのヒントになるようなことは言えないのであまり多くは話せない」と口を濁していますが、最終節でその解を見せてくれることでしょう、たぶん。

・武田を久しぶりにスタメン起用しての4-1-4-1はものの見事に失敗。「前半定番スタイルで臨んで後半修正」というスタイルなら判りやすいのですが、リカは前半もそれなりに相手を研究した形で打って出るのに大抵それはあまり機能せず、でも致命傷を負わないうちに後半修正するという、試合運びという観点からは結構変わったスタイルの監督で、この一戦もその例に漏れず。

・名古屋は今の浦和みたいな理詰めで攻めてくるチームには滅法強くて、昨年ホームゲームで名古屋を苦しめた「マルティノスサイコロの旅」みたいなカオス系には案外弱いのかも。フィッカデンティ監督が試合後「相手の特長であるスピードに乗ったカウンターをさせないために、まず前から人をぶつけていくところ、ボールを失ったとしてもボールを持った相手選手の出しどころがなくなるよう、すぐに塞ぐことができました」と浦和のカウンターを巧く潰せたことを評価しているのがその傍証。

・だからといってそのカオスを産み出せる選手をわざわざ飼っておくのは、今の浦和にはコストパフォーマンスが悪すぎて無理なんだよなぁ・・・

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《選手評等》

・柴戸の劇的な成長スピードには驚くばかり。柴戸って限りなくガットゥーゾだと思ってのですが、知らん間にピルロになろうとしているようで!! 「相手を引き付けてからパスを出す」のは小泉の得意技ですが、まさか中盤の低い位置で柴戸がそれにチャレンジし出すとは。もっとも名古屋相手だと危うく掴まりそうになったり、なんとか前を向いてパスを出してもあまり有効打にならなかったりとブレイクにはもう一歩という感じでしたが、出来なかったことにトライしつづけている選手の成長過程を見守るのは楽しいものです。

・前節広島戦でハイネルのCKを被ってしまうミスを犯した彩艶をリカは引き続きスタメン起用。リカは彩艶に対してビルドアップへの関与を強く求めているようで、確かにこの試合ではビシっと柴戸へ付ける場面が目立ちました。これまた成長過程を見守るのが楽しい選手の一人。

・ATに柴戸が両CBに「前に出ろ!」と言わんばかりに怒っていましたが、あれは前が空いているのに持ち運ぼうとしない両CBへの苛立ちなのかなぁ?特に岩波。槙野はまだ多少その意識があるようですが。

・とにかくボールが来ない。ユンカーには気の毒な試合でした。昨年のチームにユンカーがいたらずっとこんな感じだったかも(遠い目)。

・浦和の中で最も走っている柴戸より米本&稲垣のほうがさらに走っているとは!! そりゃ難攻不落のはずですわ・・・

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-----ユンカー-----
明本-小泉--武田-関根
-----柴戸-----
山中-槙野--岩波--西
-----彩艶-----

(交代)
HT 武田→伊藤敦(敦樹がCHへ入って、4-2-3-1へシフト)
62分 山中→汰木(明本左SB、汰木左SHへ)
79分 関根→田中
79分 小泉→武藤 (汰木がトップ下、武藤左SH)
87分 ユンカー→興梠(汰木左SH、武藤がFWへ上がって4-4-2気味に)

-----山崎-----
相馬---柿谷---マテウス
---米本--稲垣---
吉田-中谷--木本-成瀬
-----ランゲラック----

(交代)
74分 相馬→長澤
74分 山﨑→齋藤(柿谷CF、齋藤左WG、長澤トップ下のの4-3-3へシフト)

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