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2021.05.17

【DAZN観戦記】21年第14節:G大阪 0-3 浦和 ~ 監督解任ブーストどころか監督解任バーストだったのか・・・

 G大阪は宮本監督更迭という大博打に打って出たものの、松波暫定監督には準備期間が無さすぎて「攻守とも個人能力頼み」という点ではなんら前監督と変わりなし。浦和はボール支配率で相手を下回るという「らしくない試合展開」になりながらも、カウンターで効率よく得点を重ねて完勝。

《スタメン》

・浦和は久しぶりに週央に試合がなかったのに対し、G大阪は水曜日に広島戦をこなして中3日とコンディションは浦和が有利。しかもG大阪はその広島戦に敗れた直後に宮本監督が成績不振のために更迭され、松波強化アカデミー部長が暫定的に監督に就任するという衝撃が走ったばかり。

・浦和は前節から関根→達也、敦樹→柴戸とスタメン2名入れ替え。すっかりルヴァン杯要員と化していた達也は第2節アウェー鳥栖戦以来のリーグ戦スタメン出場。柴戸は故障明けで待望の復帰。

・G大阪は前節からチュ・セジョン→チアゴ・アウベス、パトリック→宇佐美とこちらもスタメン2名入れ替え。なおG大阪はCBキム・ヨングォン、左SB藤春、右SB高尾、SH福田、SH小野瀬と故障者が多発している模様。

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《試合展開》

・浦和はスタメンを2名入れ替えた上に、布陣も前節仙台戦からマイナーチェンジして武藤左SH、小泉トップ下の4-2-3-1っぽい格好に。小泉は左SHに配されても結局えらく中に絞った位置にいることが多いので、最初からトップ下に置いたということなのかも。

・一方G大阪はFW一美の相方が宇佐美ではなく、どう見ても倉田だったのがサプライズ。試合を見ている最中は4-4-2なのか、倉田トップ下の4-2-3-1なのかは微妙でしたが試合後倉田自身は「ひさびさのトップ下だったので」と断言。

・さらに意外だったのはG大阪が前からガンガンプレッシャーをかけてきたこと。宮本監督時代はどちらかと言えばやや後ろが重い感じで、強力すぎるGK&CBを擁していることもあって「あまり点は取られそうにないが、全く点が入りそうにない」サッカーを繰り広げた挙句更迭の憂き目に。消化試合が少ないとはいえ降格圏にどっぷり浸かっている現状で、松波暫定監督はこのままでは拙すぎると思ったのか、かなり攻撃寄りにベクトルをふり直したように見受けられました。

・そんな相手に対して浦和はビルドアップに苦しみましたが、横浜M戦で頻発したような「自陣での危ない取られ方」もしていないのでショートカウンターを食らうこともなく、自陣で4-4-2の守備ブロックを作ってじっと我慢。

・こうなるともともと崩しのパターンを持っているわけではないG大阪は徹頭徹尾宇佐美の一発に賭けるだけに。7分、8分と宇佐美がシュートを放ちましたが、前者は彩艶がセーブ。後者は岩波がブロック。チアゴアウベスも一発がある選手ですが、こちらは全く攻撃に絡めず終始沈黙。

・浦和は3分にユンカーが右サイドからカットイン&横パス→武藤シュートの決定機を作った後は長い沈黙を強いられましたが、16分久しぶりに浦和が相手を押し込んだ形から反撃開始。左サイドからの武藤クロスに予想通り(苦笑)ユンカーは合わせ損ねましたが、右サイドに抜けたボールを拾った達也のクロスはユンカーがしっかりヘッドで捉えてゴール!!

・武藤のクロスに合わせ損ねたユンカーですが、そこで諦めずにすかさずポジションを取り直す辺りが生粋の点取り屋。一応CB三浦とCH井手口が寄せに来ている、かつ下がりながらの体勢でのヘッドだったので結構難易度は高いはずですが、ユンカーはゴールキックやハイクロスのような外野フライ系への対応が苦手なだけで内野フライなら問題ないのかも!!

・その後もG大阪がボールを握るという展開となりましたが、相変わらずG大阪は全く攻め手なく、文字通りボールを持たされている状態。18分自陣で巧く相手と入れ替わってぽっかり空いた左サイドをユンカーが独走→どフリーの小泉に預けたものの、小泉のシュートは東口の正面。うーん、小泉は得点能力だけはないのか・・・

・そして20分自陣右サイドでユンカーが大きくサイドチェンジ。左サイドを疾走する明本が拾って超高速クロス→逆サイドから達也が突っ込んで2点目。この場面、ユンカーのサイドチェンジがでかすぎてDAZNの画面では誰に目掛けて蹴っているのかさっぱり判らず。最後の最後でようやく明本が画面に登場するって、「ゴール板近くになって突然大外から画面に現れる差しウマ」みたいなもの。これには痺れました。

・2点ビハインドに陥ったG大阪は終始前がかりなもののハイプレスが嵌まっているとは言い難く、カウンターに対して極めて脆い。途中で何の役にも立っていないチアゴアウベスを前に出して倉田とポジションを入れ替えましたが全く奏功せず。そうこうしているうちにまたしても浦和のカウンターが炸裂!!

・40分矢島のサイドチェンジを西がカットして前方の達也へ。達也は自陣から昌子と併走しながら右サイドを駆け上がり、一度は昌子のスライディングでボールを失いそうになりながらもボックス内でこぼれ玉を拾ってクロス→ファーでユンカーが矢島の前に入ってゴール!! 矢島に始まって矢島に終わる見事なゴールでした。

・この場面では達也もユンカーもさることながら、ユンカーと並んでボックス内に突入した小泉の動きが秀逸。小泉が「俺に出せ!!」と言わんばかりの駆け引きをG大阪の守備陣と繰り広げた結果、ユンカーに付いているのがよりによって矢島だという惨状を引き起こしている辺りが天晴れでした。

・ただでさえ得点能力が極端に乏しいのに3点ビハインドとなったG大阪は後半頭から一美→レアンドロ・ペレイラ、チアゴアウベス→塚元と二枚替え。依然ボールを保持する時間こそやや長いものの戦局は全く変わらず。攻撃といえば徹頭徹尾個人能力頼みで、時折宇佐美がドリブルで仕掛けてきたり、ミドルを放ったりするだけ。

・勝利を確信したリカは中2日で控えるルヴァン杯を意識したかのように、56分小泉→山中、ユンカー→杉本、67分武藤→興梠、阿部→敦樹と早めに4選手を交代。浦和はもう無理をせずに相手にボールを持たせ、時々自分もボールを持って自陣で回しながら休むという省エネサッカーぶり。勝っている試合をそのまま寝かせて終わらせてしまうのはロティーナ監督の得意技ですが、この試合のリカからはそんなロティーナ臭が少々。

・とにかく攻め手が無いG大阪は71分宇佐美に代えてパトリックを投入したものの、パトリックに良い形でクロスを入れられないのでどうにもならず。長谷川監督時代に猛威を振るったパトリックの姿はどこへやら。

・浦和も浦和で露骨に興梠に点を取らせようとして好機をフイにする場面がチラホラ。終了間際に興梠がボックス内で反転シュートを放ったのが惜しかったくらいで後半の見せ場はありませんでしたが、相手にも好機を与えず楽々逃げ切り勝ち。普段は必要以上に浦和に厳しいDAZN解説福田ですら、今日の浦和にはケチのつけようがなかったという文字通りの完勝でした。

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《総評》

・この試合が非常に不思議だったのは浦和のボール支配率が相手を大きく下回ったこと。DAZNのスタッツだと浦和のボール支配率はわずか42%に留まっており、実際序盤から浦和は自陣で4-4-2の守備ブロックを敷いて耐える時間帯が長く続きました。

・とはいえ、どこからどう見てもG大阪はボールを持たされ、浦和の守備ブロックの外側でボールを回しているに過ぎず、宇佐美の「かいしんのいちげき」に賭けるしか点を取る術はありませんでした。

・G大阪はビルドアップが巧いとは言い難いチームなので、浦和は前からプレッシャーをかけて一気にG大阪を粉砕することも出来たはずですが、それとは真逆の試合運びをしたのがどうにも謎。

・リカは試合後「ガンバ大阪にボールを持たれて支配されてしまって、ボールを奪い返すのはなかなか簡単ではなかったです」「ただ理想を言うと、やはり我々としてはボールを握って試合を支配して進めていくことができればよかったです」「よりボールを持てればよかったのは事実で、そこはさらに改善すべき点だと思います」と語っており、こういう場で三味線を弾く系の監督ではないので、その言葉通り意図的にG大阪にボールを持たせた訳ではないのでしょう。

・相手チームの監督が急に代わってしまい、いままでのスカウティングデータがかなりの部分無駄になってしまって、相手の出方が読みづらい。もともとリカは相手の出方を見てからこちらの出方を決め、後半になって「スキル連発」で勝ちに行く「差しウマ」系の監督なので、一層序盤は様子見の構えが強くなり、さらに意外にもG大阪の前プレが厳しかったこともあって、そうこうしているうちに不本意ながら自陣で耐える展開になってしまったのかもしれません。

・言い換えれば仙台戦のような残念な試合の入りをしがちな浦和が、出方が判らない相手に立ち上がりに奇襲を食らって失点を重ねてしまう。そんな試合展開だけは避けようとしたのかもしれません。

・ただリカは理想的な試合展開ではなかったとしても「別の武器で試合をものにできたことは、また一ついい部分でもあると思います。そういうことでよりコンプリートなチームになると思いますし、ただボールを握るだけでなくて、苦しい時間でもそういうことができるのはいいことだと思います。」とも語っており、たとえ作為的でなかったとしても、ボールを支配できなくても勝てるパターンを作れた、勝ち筋が増えたことをリカは率直に喜んでいる風でもあり。

・サッカーは如何せん相手があるゲームなので、いつもいつも自分の得意な形に持ち込めるとは限らず、一つの勝ち方しかないと展開が向かずにバ群に沈んでしまうことがよくあります(ミシャがしばしば陥ったパターン)。浦和が「ボールを持って良し、持てなくてもそれなりに闘える」という「脚質自在型」になりつつあることを示した点で非常に有意義な試合でした。

・一方G大阪の監督交代の是非はともかく、松波暫定監督はあまりにも時間が無さすぎて気の毒でした。せめて浦和戦の後の監督交代なら週央に試合がないのでちょっとはマシになったのではないかと。またスタメンを大きく変更してチーム内の競争を煽るという、大槻流の「時間が無いなりの手立て」を打つ訳でもなく、さして代わり映えのない面子で「前からどーーーんと行ってみよう!!」的なアバウトな手しか打たなかったのも残念でした。

・安定していた守備ももともとGK&CBの個人能力に頼っている面が大だったので、ユンカーといい達也といい、個人能力で上回る相手が出てくるともう打つ手なし。

・この大敗を受けてG大阪は松波暫定監督の後釜探しに懸命にならざるを得ないでしょうが、果たしてどうなることやら。

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《選手評等》

・第2節アウェー鳥栖戦以来のリーグ戦スタメン出場だった達也が1ゴール2アシストと大暴れ。達也はこれまで基本的にルヴァン杯要員に留まっていましたが、リカはルヴァン杯柏戦やエリートリーグなどの出来を見て達也のスタメン抜擢を決めたとのこと。そしてその抜擢した選手が決定機に絡みまくっての完勝なのでさぞかし監督冥利に尽きることでしょう。

・この試合の得点場面のように、達也がクロスに対して逆サイドから突っ込んでくるのは大分時代からの練習の賜物。達也はスピードも馬力もあるので、この試合のように敵陣にアホほどスペースがあると非常に活きます。

・ただリカも認めるように最初からカウンター狙いで達也を起用した訳ではなさそうなので、相手を押し込んでしまって敵陣にスペースが無いという通常運転でも達也が活きるのかどうかが見もの。これまで達也が出場機会を与えられても基本的に空回りに終わり勝ちだったのは、キャンプでねん挫したこともあってコンディションがなかなか上がらなかったことにも一因があった模様で、これからが楽しみです。

・ノルウェーリーグはイスラエルリーグよりかなり格上という噂話は本当でした(苦笑)。ユンカーは「運動量でチームに貢献するタイプではなく、肝心な局面で肝心なところにいるタイプ」という意味では西とそっくり。そしてFWとして最も肝心なのは点を取ることで、そのポジショニングに全振り系。但し外野フライだけは(つД`)

・アウェー鳥栖戦で仙頭の岩波へのライダーキックをなぜかイエロー止まりにしたことで悪名高い笠原主審はこの試合も不可解な判定を連発。柴戸が黒川と交錯した場面は五分五分の競り合いにしか見えないのになぜか柴戸にイエローと出したかと思えば、チアゴアウベスの明本へのラリアットはなぜかスルー。ユンカーが後ろから削られてもスルーで、これにはさすがにユンカーも激怒。もっとも笠原裁きで損をしたのは浦和だけではなく、試合終了間際には杉本の肘打ちで昌子が負傷するもカード無し。うーん、これでは特別指定「あ行」主審と言わざるを得ないかと・・・

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-----ユンカー-----
武藤---小泉---達也
---阿部--柴戸---
明本-槙野--岩波--西
-----彩艶-----

(得点)
16分 ユンカー
20分 田中
40分 ユンカー

(交代)
56分 小泉→山中(山中左SB、武藤&ユンカーの2トップ気味に)
56分 ユンカー→杉本
67分 武藤→興梠
67分 阿部→伊藤敦
79分 田中→関根


-----一美-----
宇佐美--倉田---アウベス
---矢島--井手口--
黒川-昌子--三浦-奥野
-----東口-----

(交代)
HT 一美→ペレイラ
HT アウベス→塚元
71分 宇佐美→パトリック(パトリックFW、倉田左SH)
78分 井手口→チュ セジョン
78分 倉田→シウバ

※写真は試合とは全く関係がありません

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