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2021.05.06

【TV観戦記】21年ル杯GS第5節:柏 3-3 浦和 ~ 劇的な幕切れながらもぼんやりとした不安が・・・

 ユンカーでデビュー戦でいきなり先制ゴールという最高の立ち上がりだったにも関わらずその後の試合運びが芳しくなく、不運もあって一気に逆転されるという大分戦と似た展開に。ATに2点ぶち込んでなんとか同点に追いつくという劇的な結末でしたが、先々やや不安感が漂う試合内容でした。

《スタメン》

・共にリーグ戦から中3日。浦和はリーグ戦から槙野&岩波の両CBを除く9名を入れ替え。前回ルヴァン杯湘南戦と比べると涼太郎→ユンカー、福島→山中、敦樹→槙野、藤原→岩波の4名入れ替え。

・浦和は先月26日にチーム合流したばかりのユンカーがいきなりスタメン出場するのがビッグサプライズ!! さらにデンがついにサブに戻って来たのも朗報。一方この試合で負けてしまうとグループリーグ突破が難しくなるので、ここまでルヴァン杯で起用されていた福島や藤原はベンチ入りも見送られたものと思われます。

・柏はリーグ戦から全員入れ替え。前回ルヴァン杯横浜C戦と比べてもアンジェロッティ→細谷、ヒシャルジソン→三原、北爪→サヴィオ、川口→サントスと4名も入れ替え。柏は浦和以上にルヴァン杯を出場機会に恵まれなかった選手たちのコンディションを上げるという狙いを持って臨んでいるようです。

《試合展開》

・いつの間にか基本フォーメーションを4-4-2から3-4-2-1に転換した柏は快勝した徳島戦のように前から激しくプレッシャーをかけてくると予想したものの、そのような素振りはなくて拍子抜け。ネルシーニョ監督は試合後「序盤から自分たちのテンポでボールを動かせて、非常に良い入りができたと思うんですが」と語っていますが、全然そのようには見えず。

・立ち上がり厳しく前から追ってくるわけでもなく、かといって福岡のようにしっかり守備ブロックを敷くわけでもない柏に対して、浦和は汰木を使って左サイドからチャンスメーク。3分山中の縦パスを受け左サイドを抜け出した汰木クロス→ファーの杉本がダイレクトボレーでいきなり決定機。

・そして9分、自陣深い位置で槙野がボールを弾き返したところから杉本ポストプレー→汰木が左サイドを疾走して突破してユンカーへパス。ユンカーはチラチラ見張っているCBの眼を巧みに掻い潜って肝心なところでCBの前に出て、やや角度のないところから正確にゴールマウスをぶち抜くというストライカーらしい技をいきなり披露!!

・ところが柏は先制されたことで目が覚めたのか、やおら前がかりになってプレッシャーを強め始めました。こうなると戦前から懸念された通り浦和はたちまちビルドアップが怪しくなってユンカーまでボールを運ぶどころかボール保持すら怪しくなってしまいました。この試合は強風に見舞われてサイドチェンジが使いづらい上に、清水主審がフィジカルコンタクトに非常に寛容だったのも災いして浦和のビルドアップは簡単にぶつ切りにされ、自陣に押し込まれて度々柏の波状攻撃を浴びる羽目に。

・しかしここは守備陣が踏ん張って柏のクロスを悉く跳ね返し、危ない場面ではシュートブロックなどで最後の最後で相手にやらせず。内容は良くはないものの、リカが試合後「前半に関してはいい時間帯に点も取ることができましたし、相手に決定的な場面を作らせることなく、試合を展開できたと思います」と評するのは妥当だと思います。

・清水主審がフィジカルコンタクトに非常に寛容なので怪我人が出かねないと思っていたところ、案の定柏に故障者が発生。もっともCFハウルが槙野の交錯した後に手のつき方が悪かったことによる故障(脱臼)で、この件については主審も槙野も悪くはないのですが。ただ45+2分にネルシーニョがやむを得ず投入したアンジェロッティがその後大活躍し、この交代が結果的に文字通り「怪我の功名」に。

・あまりにもビルドアップ出来ないことに業を煮やしたのかリカは後半頭から阿部に代えて小泉を投入。これがいきなり奏功して48分小泉の縦パスをフリーで受けた汰木がそのままアーク付近までドリブル進出して達也へ展開→達也クロス→どフリーで汰木ヘッドの決定機を作りましたが、汰木はヘディングシュートなんてやり慣れてないようで、ただスラしてしまっただけに・・・

・さらに49分柏のロングボールを槙野が跳ね返したところから左サイドを汰木→山中→杉本と繋ぎ、杉本→金子→達也と左から右へ繋いで達也がフリーでクロスという良い形も。

・小泉一人でこんなに変わるのか!!!と感心しましたが、残念ながら良かったのはこの5分間だけ。また浦和はボール保持が安定しない状態に逆戻りし、それどころか柏得意のオープンな展開になり始めました。浦和は概して攻→守の切替が遅く、山中CKからカウンターを食らうこと2度。攻→守の切替が遅いので高い位置でのボール奪回が出来ず、それゆえボール保持も安定しないのでしょう。

・そして59分柏FK→アンジェロッティのヘッドが杉本に当たって角度が変わってしまうというやや不運な形で失点。ここは失点そのものよりも、むしろFKを与えてしまった失態(サヴィオへの縦パスに対して後ろから迫った岩波が簡単に反転を許してしまい、その尻ぬぐいのために宇賀神が後方からサヴィオを引っかけてイエロー)のほうが後半の苦戦を象徴しているような。槙野は長身のアンジェロッティに当たりにいって一発で交わされてしまう場面が2度もありましたし。

・同点に追いつかれた直後にリカは達也→関根、杉本→興梠と投入するもさしたる効果はなく、67分小泉が自陣ボックス内で途中投入の仲間から無理にボールを奪いに行ったところで相手の足を踏んでしまうような恰好になってしまい、当然ながらPKに。アンジェロッティが彩艶の逆を突いてPK成功。この失態を気に病んだのか、小泉はしばらくガチ凹み状態に。

・浦和は73分明本→汰木→明本のワンツーで明本に好機がありながらも、なぜか明本はシュートを撃たずに横パスを選択。そこでリカは80分山中に代えて敦樹を投入し、明本左SB、小泉トップ下と配転するもこれまた奏功せず。それどころか84分押し込まれた状態から途中投入の古賀に3点目を取られてしまいました。

・この失点も古賀のシュートが敦樹に当たって角度が変わるという不運なものでしたが、それ以前に守備の人数はいるのにアンジェロッティやシノヅカに自由にやらせすぎている緩さがいやはや何とも。

・88分敦樹とのワンツーで上手く右サイドを抜け出した関根からのクロスがファーでどフリーの汰木に合う決定機がありましたが、汰木は得点意欲を絶望的に欠いているのかダイレクトにシュートを撃たずに中へ折り返して決定機をフイに。

・戦況は極めて絶望的で、大入りの埼スタでこの状況だったらATにはゾロゾロ客が帰っていたと思いましたが、オープンな展開が好みでしっかり守備ブロックを作れない今の柏の弱さが最後の最後で露呈。

・90+2分CKを槙野→興梠と折り返して最後は敦樹ボレーで1点返し、さらに90+3分槙野が柏のゴールキックを跳ね返したところから浦和がロングカウンター。跳ね返した先で汰木が潰れているのが効いて小泉に繋がり、小泉の縦パスを受けた関根が柏最終ラインの裏を取って土壇場で同点ゴール!!!

・最後の場面、勝っている柏がなんでATにスカスカの陣形で最終ラインを上げているのか謎過ぎました。ネルシーニョは今後外国人選手のコンディションが上がってくれば闘えると考えているようですが、なんかオルンガ麻薬が切れて、次の麻薬を打ちたがっている廃人みたいな状態じゃないかと。もっともそんなチーム相手に苦戦する浦和のチーム状態もそんなに良くはないということなのでしょう。

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《総評》

・ユンカーがデビュー戦、しかも9分でいきなりゴールを決めるというこれ以上ない形で先制しながら、その後の試合内容は芳しくなく、ビルドアップに苦しんで安定的にボールを保持できず。ルヴァン杯組では前からプレッシャーをかけられるとビルドアップに難があるのは湘南戦でも明らかだったので、ここまではある意味諦めが付きました。

・問題はむしろ続々とリーグ戦組を投入した後半。なぜかやたらオープンな展開になり、そうなると浦和守備陣の脆弱性が露わになって一気に逆転されてしまいました。浦和は槙野・岩波とリーグ戦組をスタメンで起用し、さらに後半から小泉・明本・興梠・関根まで注ぎ込んでこの試合内容なので、この試合負けていればフィジカル的にもメンタル的にもリーグ戦まで悪影響を及ぼしかねなかったと思います。

・開幕から続く連戦で浦和は層の薄さがここにきて露呈したのかな? 代えが効かない両CBは疲労困憊なようで、この試合では軽い、軽すぎる守備を連発。明本や小泉も酷使が祟ってすっかりキレを失ってしまったかのよう。福岡戦でも顕著でしたが、入国規制明け等で続々と外国人選手が稼働しだしたチームと比べると選手層でこの時期浦和が劣っているのは否めないかと。この試合では前半終了間際に投入されたCFアンジェロッティに槙野が悩まされ続けました。ゆえに、浦和はユンカーに続いてデンが稼働しだすと嬉しいのですが。

・内容はともかく、それでも浦和は負けなかった。リカは試合後「最初のころは点を取られたり逆転されたりすると気持ちの面で沈んでしまって、そこからズルズルと負けてしまうことがありましたが、だんだんとそういったところの悪い癖はなくなってきました。点を取られてもまだやれるというふうに良くなっていると思っています」とメンタル面での成長を高く評価しています。

・4月に入って結果が出たため自分たちがやっていることに自信がつき、その自信=メンタル面での成長がまた勝ち点に繋がるという好循環。

・試合後にリカが「追いつくまでの点の取り方も適当にロングボールを放り込んで拾って攻撃ということではなくて、チームとしてしっかりやること、基準を持ちながら攻撃できました。そこはC大阪戦とは違い、自分たちのやるべきことをブレずにやり続けられ、そして2得点できたことはすごくポジティブなところです」と語っているのがそのメンタル面での成長の具体的な表れでしょう。

・C大阪戦では最後に槙野を前線に上げてパワープレーを試みたものの決定機を作れないどころか、カウンターであわや!という場面を作られる羽目になったことを率直に反省し、この試合は徹底してリカらしくボールをしっかり繋いで闘い続けた結果が2点目に繋がりました。あのCKをもたらしたのは槙野の攻撃参加でしたが、それも地上戦でしたし。

・この結果を受けて「最終節勝てば無条件にグループステージ突破だがそれ以外は敗退」という、難しい計算が出来ない赤者にはおあつらえ向きな向きな状況に。最終節横浜C戦は「まん防」のためまたしても5000人制限試合になってしまいましたが、ユンカーみたさに平日にも関わらずワラワラやって来た赤者で沸き返るのかなぁ?(歓声が沸いてはいかんのだが)。

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《選手評等》

・ユンカーは先月26日にチーム合流したばかり。しかも西野TDが「今シーズンに関しては時間が掛かると思っています」と断言していたのでもっとも早くても試運転は5/19のルヴァン杯横浜C戦だろうと予想していたのですが、その予想を良い意味で大きく裏切って随分と早い時期、しかも途中出場ではなくいきなりスタメンでのデビューとなりました。

・そして西野TDが「得点を取るためには得点を取る場所にボールを運ぶ、正確なボールを入れるということも併せて必要になってきます。そうした態勢が整ったときにはリーグのトップスコアラーになってくれる可能性がある選手」と評していた通り、ユンカーはボックス内での点取り屋っぽい仕事をいきなりやってのけました。

・ただ今のコンディションでは「一番前の選手から守備のスイッチを入れる」ことまで求めるのはかなり無理があるかな? ゆえにリーグ戦では当面ビハインド時の切り札として起用されることになろうかと思います。そんな切り札なんて今の浦和には無いも同然でしたから、今のところはそれだけで十分でしょう。

・ユンカー合流でたちまち立場が怪しくなると思われた杉本ですが、この試合を見る限り「ユンカーを活かす人」と割り切って見れば結構頑張ってたと思います。最後尾からのビルドアップがさっぱりなので盛んに中盤に下がってボールを引き出そうとしていましたし、しかも守備もしっかりやってたような。その手の仕事は武藤のほうがさらに巧いとは思いますが、今の興梠ではコンディション的に難しいでしょう。

・阿部が小破から戻ってきて以来あまり状態が良くないような。ルヴァン杯湘南戦で槙野を休ませるべく阿部をCBで起用したらこれがさっぱり。この試合ではCHで起用しましたが、これまた可もなく不可もなしという出来で前半だけでお役御免。キャンプ時からリカの信頼を掴み、開幕時はCHで絶対的な存在だったのに、いきなり酷使されたのが仇になったのかなぁ・・・

・一方すっかりルヴァン杯要員になってしまった金子ですが、プレッシャーをかけられても安易に後方に下げずになんとかプレッシャーを交わし、場合によってはくるっと反転して前にパスを出そうとしてる意欲は伝わってきました。それは柴戸も通ってきた道。頑張れ!!

・山中は前節福岡戦でとうとうスタメン落ちの憂き目に遭いましたが、あれは戦術的な意味合いではなく、どうも山中の調子が落ちているだけなのかも。この試合は強風で難しい面もあったかと思いましたが、後半立て続けに低いCKが相手に引っかかってカウンターの引き金になってしまったのが気になりました。得意のFKも枠に飛ばず。

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---ユンカー--杉本---
汰木--------達也
---金子--阿部---
山中-槙野-岩波-宇賀神
-----彩艶-----

(得点)
9分 ユンカー
90+2分 伊藤敦
90+4分 関根

(交代)
HT 阿部→小泉
58分 ユンカー→明本
64分 杉本→興梠
64分 田中→関根
79分 山中→伊藤敦

-----ハウル------
--サヴィオ----細谷--
大嶽-ドッジ-三原-シノヅカ
-田中--上島--サントス-
-----佐々木----

(得点)
59分 アンジェロッティ
67分 アンジェロッティ
84分 古賀

(交代)
45+2分 ハウル→アンジェロッティ(故障による交代)
58分 サヴィオ→仲間
77分 大嶽→古賀
77分 三原→椎橋

※写真は試合とは全く関係ありません。

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