杉本健勇選手 横浜F・マリノスへ期限付き移籍
本日(7/23)杉本健勇選手の横浜F・マリノスへの期限付き移籍が公表されました。
杉本の移籍話については7/21の朝に事実上の浦和機関紙と化しているスポニチが「決定的」「交渉は順調に進んでいる」と報じたばかりで、幾日も経たないうちにその記事を追認した格好です。そういえば昨日の平川引退試合の時には杉本は早くも影も形もなかったような・・・
杉本は2019年にC大阪から完全移籍加入。当時の浦和はファブリシオが長期離脱中な上にズラタンの退団も決まっていて、FWの頭数は不足気味。世代交代の意味合いも兼ねて当時26歳だった杉本に目を付けたのでしょう。12年ロンドン五輪代表で、A代表経験もあってネームバリューはかなり高いという、いかにもシュータン好みの補強です。チームに合う合わないとは何の関係もなしに。
そして残念ながら杉本はこの2年半浦和の期待を徹頭徹尾裏切り続けました。C大阪へ莫大な移籍金を払った話は出ていない(=たぶん契約切れに伴うゼロ円移籍)のでシュータンの「負の遺産」としてはまだマシなほうかもしれませんが・・・
浦和のFWでは唯一高さのある選手でハイボールをある程度収めてくれはしますが、ハイクロスをヘッドで合わせてバンバン点を取るタイプではありません。ポストプレーも出来なくはないのですが、武藤よりはマシといった程度で興梠には遠く及ばず、従ってCFにはあまり向いていません。守備もある程度真面目にこなしますし、フォアチェックもさぼらずやってくれるのですが、献身性という点では武藤に遠く及ばず。
何より致命的だったのはあんまりな決定力。2017年にFWへコンバートされた山村のポスト能力を活かしての2トップ体制がハマリにハマってリーグ戦22ゴールを決めており、それが正しい杉本の使い方なのだろうと思いますが、2020年大槻体制下で度々2トップの一角を任されながらも杉本はとうとう覚醒することはありませんでした。特にレオナルドには露骨に無視されて非常に気の毒なことに。
また杉本は全く空気を読めない性格なのか、不振を極めているにも関わらず月額2980円の会員制SNS、オンラインサロンサービスを始めて浦和サポの怒りの炎に油を注ぐことに。さらに今冬の沖縄キャンプでは柏木共々規律違反(=飲食店貸切っての外食)を犯してしまいました。
柏木と違って杉本は初犯だったせいかチーム追放は免れ、しかも興梠が故障離脱中だったこともあって開幕戦にはスタメンで起用されるなどリカも杉本を諦めずに何度も出場機会を与えましたが、最後の最後まで杉本は眠ったまま。興梠の復帰と共にベンチスタート&途中投入が基本となり、ユンカー加入後はベンチ入りさえも難しくなりました。
杉本はよく言えばある程度なんでもこなしてくれる、悪く言えばこれといった特徴がないFWと化しており、しかも「いろんなタスクを負わされて可哀そう」という庇いだてが虚しく聞こえるくらいFWとしては致命的なくらい得点を期待できない。その割りに高年棒というとんでもなくコストパフォーマンスが悪い選手なので、西野TDの目線では放出対象になってしまうのは至極当然でしょう。杉本の契約がどこまで残っているのか判りませんが、浦和が売却に拘らずにレンタルでも可としたのは戦力外と見做されいることの表れでしょう、たぶん。
また浦和のCFはユンカーが鉄板中の鉄板。控えに興梠がいるとはいえ、興梠が高齢かつ絶不調なので超過密日程を前に欲をいえば世代交代を意識して若いCFタイプが欲しいところ。西野TDが杉本のレンタルを認めたからにはおそらく今夏にそれなりの補強があると思われます。
横浜Mはオナイウが今夏フランス2部トゥールーズへ移籍したためCFの補強に動いたものと思われますが、先述のように杉本はCF向きではないので頭数の補充にしかならないような気が・・・ 杉本のツボをマスカット新監督が見出して大化けしてしまうと難儀ですが。
2年半もの間に何一つ良いところはなかったと断言できる、あんまりな出来に終始した杉本でしたが、今年4月の日本平で決めたスーペルゴラッソだけは眼福モノでした。ありがとうございました。
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