武藤雄樹選手 柏レイソルへ完全移籍
本日(7/12)武藤雄樹選手の柏レイソルへの完全移籍が公表されました。
武藤の移籍話は今朝になってスポニチが単独で報じたばかり。しかもそれから半日も経たないうちに公式発表されるスピード決着で、スポニチの浦和への喰いこみぶりを改めて確認させられた次第。まぁスポニチは浦和の"FAMILY PARTNER"様なので、決定した話を横流しさせてもらっている可能性は極めて高いと思いますが。
今年の武藤はリカ流への適応に苦しんで、怪我でもないのに開幕当初はなかなかベンチにすら入れず。ところが第7節鹿島戦で4-1-4-1の1トップというか、しょっちゅう中盤に下がってボールを受ける「ゼロトップ」に活路を見出して突如復活し、武藤らしい器用さをもってリカの下でも主力になりうるかと思われました。FWなのに得点をあまり期待されない「ゼロトップ」という役割に武藤も忸怩たる思いがあったようですが、それでも武藤はプロフェッショナルらしく自分の仕事を全うしました。
ところがIH武田の故障を契機に機能しなくなった4-1-4-1をリカ将は封印。それでもリカは武藤を諦めず、2トップの一角、トップ下、左SHといろいろ試し、なんだかんだとリーグ戦で16試合も武藤を使いつづけました。しかし、どうにもこうにも武藤はしっくりハマらず、消えている時間がやたら長くなってしまいました。
CFに前でボールを収めてもらい、自分が前を向いた状態でボールを受ける、あるいはCFを追い越してボックス内に飛び込んでゆくシャドー的、セカンドストライカー的な仕事こそ武藤が一番活きる形。
しかし、今年は如何せん最良の相方=興梠が絶不調。またユンカーも最前線でボールを収めるタイプではないので、武藤が輝く形を作れないというやや不運な側面もなくはないのですが、結果的に浦和での最後の出場となった天皇杯相模原戦での消えっぷりを見ると、それ以前にリカ流では居場所を見出しづらかったとの評価がより妥当なのかも。そしてポジション丸かぶりの江坂が加入することが決まって、いよいよ武藤も進退窮まる格好に。
一方、柏は江坂と呉屋が今夏に相次いで流出し、前線でハードワークができ、計算のできるFWの補強が急務となったところで武藤に白羽の矢。戦術的にはみるべきものはなく、ただの「ブラジル人ガチャ」と化している柏で良いのか???という気はなくもないのですが、まもなく33歳になろうかという選手にJ1クラブから誘いがあっただけでも武藤には悪くない話なのかも。しかも首都圏のクラブなので家族に迷惑をかけることもなさそうですし。
スタッツを見れば一目瞭然なように武藤が二桁ゴールを叩き出したのはミシャ式がハマリにハマった2015~16年だけ。つまり武藤が浦和に加入した最初の2年だけで、いわば典型的なミシャチルドレンなのは間違いありません。ただ武藤が多くの方に愛され、賞賛されたのはプレースタイル云々以前にその献身的な働きぶりゆえでしょう。
コロコロと監督が代わり、もっとも得意なシャドーというポジションがなくなっても武藤はチームのために走り続けました。特に守備意識の高さを評価されてSHを任されることもしばしば。堀監督時代に4-1-4-1のSHとか、4-3-3のWGといったゴールから非常に遠いポジションをやらされている武藤の姿には涙を禁じえませんでしたが、その甲斐あってACLのタイトルを手中に。
2018年天皇杯決勝では青木や興梠と共に負傷をおして無理やり出場してこれまた見事に戴冠。ただその結果翌シーズンは出遅れ、この辺から武藤の歯車が少しずつ狂い始めたような気もします。そして武藤のゴールでもたらされるはずだった寿司は今後どうなってしまうのでしょうか。
とにかく6年半にも及ぶ長い間ありがとうございました。
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