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2021.07.04

【DAZN観戦記】21年第21節:仙台 0-0 浦和 ~ ユンカー梅雨入りのお知らせ

 決定機の数で仙台を圧倒しながらも、悉くGKスウォビィクに阻まれて得点ならず。頼みのユンカーはこれで3試合連続ノーゴールとなり、どうやら梅雨入り模様・・・

《スタメン》

・浦和は前節福岡戦から大久保→汰木、岩波→デンとスタメン2枚入れ替え。前節なぜかベンチ外だった興梠がベンチに戻り、代わって大久保がベンチ外に。また宇賀神に代わって山中がベンチ入り。

・先週末に試合がなかった仙台は前節清水戦から、氣田→赤崎、蜂須賀→関口、中原→松下、上原→富田、照山→石原とスタメン5名入れ替え。。もっとも清水戦のスタメンがターンオーバー色が強いもので、これが本来のレギュラーメンバーに近い形。マルティノスは小破でもしたのかベンチ外。

・なお仙台はルヴァン杯グループステージ敗退の関係で6月はたった3試合しかないという超楽々日程。

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《試合展開》

・仙台は前節清水戦で珍しく3-4-2-1の布陣を組みましたが、どうもそれは対清水スペシャルだったようで(しかも失敗)、この試合はいつもの4-4-2に回帰。立ち上がりこそ前回対戦時同様、西村を筆頭に前からハメに来ましたが、3分に一度上手く行きそうになっただけでその後は悉く空回り。従ってボールは序盤から浦和がほぼ一方的に保持する試合展開になりました。

・6分槙野がハーフライン付近からサイドチェンジ→右サイドでボールを受けた西が高精度クロスを繰り出し、その先ではユンカーが相手DFの間に入ってどフリーでヘディングシュートを放つもGK正面!! うーん、クロスに合わせるところまでは完璧だったのに・・・

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・12分仙台の攻撃を寸断してのカウンター。小泉の縦パスを受けたユンカーがドリブルで4人も相手を引きつけて、左前方へどフリーの汰木へ浮き球パス。汰木はボックス内でシュートを撃ちましたが角度がなくてスウォビィク楽々セーブ。ユンカーは「俺に折り返せ!!」と言わんばかり。

・さらに25分柴戸のサイドチェンジを右サイドで西→達也と繋いで達也が高精度クロス。しかしユンカーのヘディングシュートは力なくGKの正面へ。うーん、ここも相手DFの間に入るところまでは完璧なのですが、ユンカーはヘッドがあまり上手くない疑惑がががが・・・ 6分とほぼ同じ形、再現性のある攻撃の形が出来ている辺りは練習の賜物なのでしょうが、フィニッシュだけが残念。興梠がいたらどちらかは決まっていたような・・・

・劣勢の仙台に追い打ちをかけるようにアクシデント発生。西村が故障して22分やむなくカルドーソ投入を余儀なくされました。ろくにアップも出来ないまま投入されたせいか、カルドーソはいかにも身体が重そうで前プレは全く出来なくなりましたが、ある意味「怪我の功名」で仙台は中途半端な前プレを止めて完全にリトリート主体と割り切ってしまったせいか、浦和は次第に攻め倦みの様相に。

・とはいえ、攻めきれずに危険な形でボールを失うこともなく、ボールを失っても素早い攻→守の切り替えで高い位置でのボール奪回が出来ていたので仙台のカウンターチャンスは皆無。ただ31分ボール奪回を焦った小泉が赤崎を後方から削ってしまってイエローをもらったのは余計で、その後関口に絡まれて激昂するのはさらに余計でした。

・後半立ち上がりにデンのロングボールを吉野?が跳ね返して富田へ繋ごうとしたところで小泉がボール奪取。小泉、ユンカーと立て続けに決定機がありましたが共にGKの好守連発で得点ならず。

・逆にここまで全くいいところがなかった仙台は50分珍しく浦和を押し込んで赤崎ポストプレーから松下がシュートを放つも西川の正面。さらに53分浦和は右サイドを完全に破られて石原クロス→後方から走りこんだ加藤のシュートがポストを直撃!! さらにこぼれ玉を拾った赤崎の枠内シュートは西川横っ飛びでキャッチ。この試合唯一危なかった場面でしたが、加藤のシュートは西川がわずかに触ったのが効いてポストを直撃した模様。この辺りは正GKに返り咲いた西川の面目躍如。

・攻め倦みの様相が濃くなったところでリカは67分達也→興梠、デン→岩波と二枚替えで小泉が右SHへ(但し小泉は中へ専ら絞った位置に)。この交代は一定の効果があり、興梠がちょろちょろ相手最終ラインの裏を狙うせいか仙台の守備ブロックは下がらざるを得なくなって、仙台を自陣深くに押し込むのに成功。ただそれでも76分小泉浮き球パスがわずかに興梠に合わなかったのが惜しかったくらいで決定機には至らず。

・リカはさらに84分に汰木に代えて関根を投入し、89分関根→ボックス内で興梠の決定機を作ったもののシュートはまたまたGK正面。VARによる長い中断があった割にはATは6分しかなく、リカは最後に山中の一発に賭ける勝負手を繰り出すも時間切れ引き分け。

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《総評》

・公式記録ではシュート数浦和14、仙台10とそれほど差はありませんが、DAZNのスタッツでは枠内シュート浦和11、仙台5と大差がついており、決定機の数では浦和が仙台を圧倒。リカが試合後「勝利にふさわしい内容はできていたと思います。ただ、最後のゴールを決めきるところが達成できませんでした。我々としては1-0、2-0、それくらいの結果になっていてもおかしくない内容だったのではないかと思います。」とボヤくのも当然で、正直勝ち点2を取りこぼしたと言っても過言はない試合でした。

・そもそも流れの中から全然点が取れなかったシーズン序盤、点は取れるようになったがシュート数は大抵相手より少なかった5月頃と比べると最近はシュート数でも優に相手を上回って勝つ試合が見られ始め、リカが「チームはだんだん改善されていっていると思いますし、やれるところは広がっていると思います・・・このままやるべきことを続けていければと思っています」と手応えを口にするのも当然でしょう。でも1点が遠い試合でした。

・この試合は珍しいことに攻撃時にSBが両サイドとも高い位置を取り、SHが中へ絞る形が多く見受けられました。特に達也が中へ絞ることは非常に珍しい形だったかと。この形からのサイド攻撃は立ち上がりから機能しました。

・手倉森監督も試合後「サイドバックを上げてサイドハーフが中に入ってきたときに、それに対してセンターバックがスライドするのかボランチがスライドするのか、そうしたときにサイドハーフ、前半でいえばセキ(関口訓充)と(加藤)千尋を本当は前に押し上げたかったのですが、それがなかなかできないくらい、彼らのサイドバックがの取る位置がいやらしい位置でした。」と語っています。

・ただそうやって何回か良い形を作りながらも残念ながらユンカーが梅雨入り。またこの形だと小泉のタスクがあいまいになり勝ちで(=小泉は下がり勝ちで攻撃のターゲットが足りない)、興梠を投入した後の形が最善手だったような気が。達也も中へ絞ってのプレーはそんなに得意ではなさげ、というかサイドに張っているほうが活きるタイプですし。

・また半ば以上お気持ち論になってしまいますが、「ラフプレー上等、試合をブチブチ切りながら泥臭く守って何が何でも勝ち点を掴み取る」という手倉森監督が前回監督就任時以来仕込みに仕込んだ仙台流儀に浦和が付き合ってしまった印象も。特に厳しいマークに遭った小泉は再三の関口の挑発を受けて無駄にヒートアップ。この辺はまだまだ若いというか何というか・・・ ACLでその手合いに慣れている槙野は逆にカルドーゾを陥れようとしている気配ムンムンでしたが(苦笑)。

・これで湘南戦は自爆ボタン連打による逆転負け(しかもその後「彩艶申請漏れ事件」に対する謎裁定で0-3の負け扱いに)。仙台戦はスコアレスドローと立て続けに残留争い組に勝ち点を取りこぼしてしまい誠に無念ですが、ACL圏入りは最終節アウェー名古屋戦で勝って3位に滑りこむ形で十分ではないかと。2012年と似た感じで。焦らず、焦らず、一歩一歩前へ。

・一方「上手く守った」と言いきってしまうにはあまりにもGKスウォビィクの好守に助けられすぎだろうという感じの仙台。この出来だと勝ち点1はなんとか掴めるかもしれませんが、勝ち点3を取るのは大変かも。「勝ち点3を取りに行こうとすると勝ち点1すら掴めない」という下位チームにありがちなジレンマに陥ったままシーズンを終えそう。仙台の頼みの綱=「絆ジャッジ」もVARの前に無力化されたっぽい感じですし(苦笑)。

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《選手評等》

・故障でもないのに67分に交代を命ぜられたデン。故障した西村に代わって前半途中に投入されたカルドーゾはあんまり動かないものの、大柄でボールキープは得意そうで、そういうフィジカルやたら強い系FWはデンは苦手なので代えられたのかな? 50分、52分のピンチでも対応はちょっと怪しげでしたし。

・53分にデンが赤崎に絡まれてボールロスト。しかも赤崎が抜け出そうとしたところで手でボールを掻き出しているようにも見えるプレーを犯してしまい、DOGSOの疑いで今村主審はオンフィールドレビューを実施。結局そもそも赤崎がデンに絡んだプレー自体がファウルなので事なきを得ましたが、この辺りでリカはデンを見切ったかも。

・この試合のMOMは個人的にはGKスウォビィクではなく、解説田村直也氏。仙台OBですが、その後東京Vでのキャリアも長いせいか極端に仙台寄りではないどころか、浦和のスタイルをちゃんと勉強している節がありあり。「距離感がー」みたいな何とでも解釈できるパワーワードを連発せず、選手個々人、あるいはチーム全体の意図を上手く解説していました。

・また2回あったVARによる長い中断も何で揉めているかちゃんと解説していて、しかもその結果もきっちり予測。もちろん結果はその予測通り。これが出来る解説ってあんまりいないかも。仙台戦専用の解説にしておくのはあまりにももったいないレベル。内容激薄の柱谷氏や、往々にして浦和に対する批判のための批判にしかなっていない福田氏とかと即刻リプレースして欲しいくらい。

・関口はもともとガラが悪く、頭もアレなせいかSNSでの不用意な書き込みで荒れることもままありましたが、年取っても丸くならないどころか、ますますガラの悪さに磨きがかかっているみたいな。これには参りました。手癖、足癖の悪い石原直と双璧かなぁ、残念な浦和OBの現役選手としては。ああ、もう一人湘南にいるか。

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-----ユンカー-----
汰木---小泉---達也
---敦樹--柴戸---
明本-槙野--デン--西
-----西川-----

(交代)
67分 田中→興梠(はっきりした4-4-2にシフト。小泉が右SHへ)
67分 デン→岩波
84分 汰木→関根
90+2分 明本→山中
90+2分 ユンカー→武藤

---赤崎--西村---
加藤--------関口
---松下--富田---
石原-平岡--吉野-真瀬
-----スウォビク----

(交代)
22分 西村→カルドーゾ(故障による交代)
80分 関口→氣田
87分 赤﨑→上原
87分 加藤→オッティ

※写真は試合とは全く関係ありません。

 

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