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2021.09.06

【TV観戦記】21年ル杯準々決勝第2戦:川崎 1-1(計4-4) 浦和 ~ これが最後まで諦めない浦和の執念の力か!!

 終盤にCKから立て続けに失点して2点ビハインドになったものの、浦和の選手・監督・スタッフ達は誰一人として諦めていなかった。諦めさえしなければサッカーはとにかく何が起こるかわからない。いやはや恐れ入りました。

《スタメン》

・リカは第1戦の内容に相当手応えを得たのか、浦和のスタメンは第1戦と全く同じ。但し、ユンカーと西がベンチに復帰し、木下と金子がベンチ外に。そして明本は絶対に疲れない。明本はボールと同じ(笑)

・川崎は第1戦からジェジェウ→山村、車屋→田邉、イサカ→小林、遠野→宮城とスタメン4名入れ替え。第1戦で故障交代したはずのジェジェウがベンチ入りしているのはびっくり!!

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《試合展開》

・両CBが故障交代を余儀なくされた第1戦では終盤小柄の登里がなんとCBに起用されましたが、さすがに無理がありすぎたと見えて第2戦では高卒新人の田邉をCBに、登里を左SBへ起用。しかし最終ラインが急造であることには変わりなく、浦和は第1戦同様2トップ&SHで積極的に前からハメにいったのが奏功しました。

・4分小林への横パスを明本が左サイド高い位置でカットしたのを契機に汰木クロス→相手がクリアしたこぼれ球に関根がボレーシュートを放つもここはGKチョン・ソンリョンがセーブ。

・なおも浦和が川崎の脆弱な最終ラインを脅かし続けて優勢な中、9分岩波ロングフィード→江坂が胸トラップ一発で右SB橘田とCB山村の間を上手くすり抜けてシュート!ボールはGKの股間を抜けて、浦和が早々と貴重なアウェーゴールを挙げて2戦合計で優位に立ちました。

・18分にも平野が高い位置で脇坂からボールを奪取し、平野→汰木→関根が右サイド深い位置まで切り込んでグラウンダーでマイナスのクロス→ボックス内に突入した汰木が決定機を掴むものの、ここもGKが好セーブ。そのプレーで得たCK→明本ヘッドはわずかに枠の外。

・給水タイムあたりまでは浦和の優勢は明らかで、川崎は平野や小泉を上手く掴まえきれずにボールを回され放題になってしまう場面すらありましたが、浦和の前プレは徐々に減衰してリトリート気味に。この辺の機微についてリカは試合後の記者会見で「あれを90分間続けるのは難しいところがあります」「1点取ったから引いたというより、彼らのうまさもあって、押し込まれる時間が増えてしまったのかなと思います」と意図的に引いたわけではないと説明。

・川崎も序盤まるでダメだったわけではなく、「ボールを保持してサイドを抉ってもラストパスがダミアンに合わなかっただけ」という印象でしたが、30分過ぎに布陣を4-4-2に変更(ダミアン&小林の2トップ、家長右SH、宮城左SH)にしたのが妙手。これでダミアンの孤立状態が解消して浦和を自陣深く押し込むのに成功しました。ただ、試合後の鬼木監督会見だとこの布陣変更は浦和の両CBを自由にやらせないことに主眼があった模様。

・浦和も4-4-2の守備ブロックで粘り強く守っていましたが、自陣深く押し込まれてしまうと川崎の超強力な攻撃には抗しきれず、40分左サイドから宮城→家長スルーパス→小林の横パスをダミアンが仕上げて同点。宮城のパスを受けた家長がノールックみたいな格好で叩いて小林にスルーパスを繰り出したのが凄すぎ!!

・2戦合計で完全に五分五分になったところで、川崎は後半頭から田邉に代えてジェジェウを投入。ジェジェウの怪我は極めて軽傷だったようで、これで川崎最終ラインは一気に安定。それどころか随所でジェジェウが浦和の攻勢を断ち切る活躍ぶり。

・さらに川崎は58分宮城に代えて長谷川を投入して反転攻勢を仕掛けるも決定機は作れず。浦和もサイドから何度か良い形を作りながらもフィニッシャーだけがいない状態に陥っていたので、63分汰木に代わってユンカーを投入。

・これはこれで一理あると思ったのですが、膠着状態を打開したのは川崎。77分脇坂CKを山村がヘッドで叩きこんで逆転に成功。彩艶は飛び出してパンチングを試みるも触れずに山村の高い打点でのヘッドを許してしまい、リーグ戦で正GKの座を失う契機となった湘南戦での失態の繰り返しに。

・ここでリカは80分宇賀神→西、関根→達也、平野→敦樹の3枚替えで大勝負に出るも、83分脇坂CKをニアのシミッチヘッドで決められてしまいました。シミッチの位置には岩波がいることはいるのですが、態勢が全然競る形になっていない・・・ 「内容が良いとは言い難い試合でもセットプレーで勝ち切るのが強いチームだよなぁ」と少なからずの赤者の心が折れてしまったであろう、終盤での致命的と思われる3失点目でした。

・ところが、ATを含めてまだ10分以上あった中で先の3枚替えが奏功。87分小泉がセンターサークル付近から右サイドへ展開→西がトラップしながら前に出てクロス→ソンリョンが弾いたボールがジェジェウに当たってしまう大失態。さらにジェジェウに当たったボールがユンカーに当たってボールがゴールへ転がり込むような形で1点差に。

・川崎は「今日は勝ったな、風呂でも入るか!!」とばかりに84分ダミアン→知念、90分小林→遠野と主力を下げたものの、これが却って良くなかったのか、結果的に試合後鬼木監督が「もう少しボールをしっかりと握って時間を使いたかったです」と反省する羽目に。

・一方もう1点取ればアウェーゴール差で勝ち抜けが決まる浦和は一気に息を吹き返し、リカはATには槙野を最前線へ投入してパワープレーに。さらにCKのチャンスでは彩艶も前に上げて捨て身の大攻勢。そして90+4分江坂CK→槙野が競り合ったこぼれたボールをファーでショルツが折り返し→ユンカーヘッドはソンリョンの正面へ飛んだものの、ソンリョンはキャッチ出来ずにこぼれたボールを槙野が押し込んでまさかまさかの同点弾!!

・スタメンはすっかり新戦力だらけになってしまった浦和ですが、最後の最後で決定的な仕事をしたのは前回ルヴァン杯優勝を知っている槙野でした。興奮した槙野はベンチへ向かって疾走しながらユニフォームを脱ごうとしていましたが、NIKEのピチピチ仕様が災いして脱ぐに脱げず(苦笑)

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《総評》

・トーナメント方式のカップ戦なので結果が全て。カウンターだろうが、セットプレー一発だろうが、あるいは胡散臭いPKだろうが、プロセスはなんでも良いから勝てば全く問題なし。それにしても劇的すぎる幕切れでした。こんなのを現地でこっそり観戦していたら最後は正体バレバレで後日揉め事に発展していたでしょう(苦笑)。さらにビジター席があった日には間違いなく等々力のアッパーは崩壊してたでしょうな。危ない、危ない。あそこで飛び跳ねちゃダメ、ゼッタイ!!

・事実上チーム再建初年度のチームなので、カップ戦準々決勝で「内容は良かったが勝負には負けた」という結果であっても正直許されると思ったのですが、まさかこんなタイトル常連みたいな勝負強い勝ち方をするとは!!

・準々決勝勝ち抜けが決まった以上内容に難癖をつけてもあまり意味はありませんが、あえて言えば怪我人だらけの川崎相手に2試合とも勝てず。この試合は序盤の優勢だった時間帯に2点目が取れなかったのが残念。端的にいえば「浦和の2点目の得点力のしょぼさが際立つ」のは今年の課題として最後まで残りそうです。

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《選手評等》

・槙野のFW起用について試合後の会見では、

 リカ「槙野個人に『今回はメンバーは同じでいく。ただもしかしたら、何かのタイミングでゴールを取らなければいけないとなったときにはFWで使うから』と話していたら、本当に彼が点を取ってくれました」

 槙野「昨日監督と『今日の試合は出ない』と話をしていた中で、『点差を含めて、内容によってはもしかしたら出る』と言われたときに、冗談で『FWで準備しています』という話はしていました。」

と微妙にニュアンスが違う話をしていますが、実際のところは

 キャンプ時のリカ「できるポジションを3つ挙げてくれ」
 槙野「CBと左SBとFWです」
 リカ「FW(笑)」
  ↓
 今日のリカ「FWで行くぞ!!」
 槙野「」

みたいな感じではなかったかと(笑)。

・でもスタメン復帰はならなかった槙野。ショルツとの相性は槙野より岩波のほうが良いという判断なのかな?あるいはショルツは左のほうが活きるので必然的に相方が岩波になるのかも。ショルツはどういうわけか後半はちょろちょろ左サイドで攻撃参加していましたし。

・さらに言えば3点目に繋がるCKを得た角度のないところから枠内シュートだとか、決勝点に繋がったショルツ折り返しなんかを見るとショルツの攻撃力は只者ではなく、それを活かすべくショルツ左の3バック採用もありうると思いました。

・決定的なミスを犯してリーグ戦での正GK奪回が遠のいた彩艶。危ない場面もありましたが、CHにうまくパスを付ける能力は概して西川より高いように見えますし、そもそも若いのでまだまだこれからが勝負。出番をもらったらとにかくガンバレ!

・この日の中継は「喋ってないと死ぬ青嶋&愚痴ってないと死ぬ清水」という地獄絵。青嶋アナってうるさすぎるけど選手名を間違えないのが取り柄で「さすが競馬中継やってるだけあるなぁ」と思っていたですが、家長と家本をしょっちゅう間違えたのは老化なのかなぁ・・・ そして実は競馬中継でも結構やらかしているとの話も・・・

・一方劣勢な方を愚痴り始めると止まらない解説清水。平野を「難しいことをしない」と表現するのがめっちゃ不思議。本当に両サイドに叩くだけだった内舘CHならともかく、平野のやっていることは難しいと思いますが・・・ パスを受ける前に出せる先を予め探しているから、いざボールが来たときに瞬時に正確に出したいところへ出せる。だから川崎は平野を潰すのに苦労していたんじゃないかと。

・この日の主審は安心安定の家本さん。ATにボックス内で山村がハイキックで岩波を蹴っているのは不可抗力でファウルなしは妥当だと思いますが、第1戦で柴戸がわずかに脇坂を踏んでいるPKを取った西村主審ならPKだったんじゃないかと。それより家本主審がシミッチに「繰り返しのファウルでイエロー」を出さないのが不思議でした。

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---江坂--小泉---
汰木--------関根
---柴戸--平野---
明本-ショルツ-岩波-宇賀神
-----彩艶-----

(得点)
8分 江坂
87分 ユンカー
90+4分 槙野

(交代)
63分 汰木→ユンカー(ユンカーがFW、小泉が左SHへ)
80分 平野→伊藤敦
80分 関根→田中
80分 宇賀神→西
90+2分 柴戸→槙野(槙野をFW起用してパワープレー)


宮城---ダミアン---小林
--家長----脇坂--
-----シミッチ-----
登里-田邉--山村-橘田
-----ソンリョン-----

(得点)
40分 ダミアン
77分 山村
83分 シミッチ

(交代)
HT 田邉→ジェジエウ
58分 宮城→長谷川
84分 ダミアン→知念
90分 小林→遠野

※写真は試合とは全く関係がありません。

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