鶏めし@大館・花善(秋田駅中央口改札横の売店で購入)
大館の有名駅弁「鶏めし」を5年ぶりに賞味。全国的に駅弁業者が衰退する中で「花善」は大館駅前で今なお健在ですが、「鶏めし」は非常に行きづらい大館まで行かなくても秋田の主要駅や秋田空港、新青森駅等でも売っていて非常に入手しやすくなりました。今回購入したのも秋田駅中央口改札脇の売店。コロナ禍でも売れ行きが良いののか、秋田駅地元駅弁業者のものより数を揃えているような。
醤油味の鶏肉の煮汁で炊いたご飯を主とするシンプルな駅弁。駅弁は冷えても美味いように味を濃い目に作るのが通例ですが、鶏めし自体は甘味こそ強いもののそれほど味が濃いという感じはせず、乗せものの鶏肉を濃い目に煮込むことで補っている感じ。従ってシンプルな造りの割には飽きが来ないし、しつこくもない。鶏からほんのりにじみ出る脂が鶏めしの旨みを増している気も。
ただ副食の枝豆入り蒲鉾はまだしも、がんもどきは鶏めしに合わせるにはちょっとしつこいかと。山菜があると良いのですが。また胡瓜漬やしば漬はかなりしょっぱくてこの辺は東北仕様かも。
花善の公式サイトによると、
「戦後間もない頃、物資不足から大館市により『米・砂糖・醤油・ゴボウ』が配給され、それらをまとめて炊いたことから『鶏めし』のご飯の原型が誕生しました。また、昭和10年代に花善では『きりたんぽ弁当』を売っていましたが、評判が悪くいつも売れ残り、もったいないので残った弁当から鶏肉だけ取り出し、甘く煮付けて従業員の賄い食として食べていました。そのことを思い出し、このご飯と鶏肉で『鶏めし弁当』として売り出そうと、昭和22年に販売をスタートしました(当時の販売価格80銭)」
とあり、しかもその後パッケージや容器等は変遷したものの、頑に味付けだけは守り通しているとのこと。なんかめちゃ原価安そうな気がしますが(苦笑)、有名駅弁なのに今でも1000円未満で頑張れる所以でしょうなぁ。副食は微妙に変わっていて、以前あった鶏のつくねがなくなっていましたが、依然としてコストパフォーマンスから観れば全国トップクラスの駅弁なのは間違いありません。
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