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2021.09.12

【DAZN観戦記】21年第28節:横浜C 0-2 浦和 ~ 見所は乏しいものの危なげない完勝

 ルヴァン杯準々決勝を劇的すぎる形で勝ち抜いた後だけに、「浦和がやらかしてきた暗黒の数々」を思い出して気の抜けたような試合になりかねないと危惧する向きもあったようですが、相手のしょぼさにも助けられて杞憂に終わりました。

《スタメン》

・浦和はルヴァン杯から彩艶→西川、宇賀神→酒井、平野→敦樹とスタメン3名入れ替え。

・マルセイユ→東京五輪代表→浦和と夏季に休みなく酷使され続けた酒井は疲労困憊でコンディションズタボロ。とうとうドーハでの中国戦には帯同せずに日本代表から途中離脱を余儀なくされ、今週央に一応大原に戻って来たもののさすがに横浜C戦はお休みだろうと思い込んでいたところ、なんとリカはいきなり酒井をスタメン起用!! これには心底驚きましたし、酒井に代わって出場が見込まれた西がベンチにもいないのにも驚かされました。

・夏に獲得したばかりなのにリーグ戦・カップ戦を問わずずっとスタメン起用され続けた平野はようやくお休みをもらってベンチ外になり、金子がベンチ入り。

・なおリカは試合前の記者会見で「山中選手はカップ戦の後に少し問題を抱えていて、興梠選手もメディカル的な問題を少し抱えています」「メンバーに入るにはまだ少し待たなければいけないと思います」と明言しており、共に大原にはいるものの苦しい台所事情は相変わらず。

・ルヴァン杯がなくて日程スカスカの横浜Cは出場停止の瀬古に代えてヴィゼウを起用した他、渡邉→ミネイロ、シウバ→高橋、マギーニョ→前嶋とスタメン4名入れ替え。横浜Cは中断期間中になんと外国人選手を5人も獲得したため、ピッチには見覚えのない顔がゾロゾロ。

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《試合展開》

・横浜Cの基本フォーメーションは布陣は前回対戦時は4-4-2だったはずですが、6月あたりから3-4-2-1に布陣を変更した模様。

・立ち上がりはいきなり忙しい展開に。2分江坂CK→ファーで岩波ヘッドで折り返し→中で酒井ボレーシュートがクロスバーを直撃したかと思えば、3分右サイドを疾走するヴィゼウが明本を吹き飛ばしてクロスの良い形。4分汰木がカットインしてシュートを放つもGK正面。

・横浜Cはさほど前からプレッシャーをかけに来ず、浦和は明本を高い位置に上げた「左肩上がり」の格好で楽々ビルドアップ。早い時間帯から横浜Cを自陣に押し込むことに成功。立ち上がりの忙しい時間帯を過ぎた後は決定機こそ掴めませんでしたが、盛んにポジションを変える浦和攻撃陣を横浜C守備陣が巧く掴まえているようにも見えず。いわば「ボールを持たされる状態」には陥っていない上、ボールを失っても高い位置でのボール奪回に成功しているのでので浦和優勢のままゲームは推移。

・それでも横浜Cはカウンターで反撃(試合後の会見では「引いてカウンター」を当初から狙ってたわけではなさそうですが))。16分高木が対面の関根をぶっちぎって単騎左サイドから切り込んでシュート(角度が無くて西川セーブ)。さらに30分小泉のバックパスが松尾に渡ってしまう大惨事で松尾→ミネイロの決定機(シュートは西川正面)。

・ゲーム自体は優勢に進めながらシュートを撃てなかった浦和は34分ついに先制。小泉がキックフェイント一発で対面の高木を交わして左足で鋭いクロス→汰木が極めて珍しいことにヘッドで合わせてゴール!!!

・優勢のまま前半を終えた浦和は後半頭から小泉に代えてユンカー投入。リカは試合後「後半にキャスパー ユンカーを入れたのですが、小泉に関しては45分のコンディションというところがあり、ケガのリスクも少しあったので、そこでリスクを冒さず交代しました。」と語っており、やむを得ない交代だったようですが、平野がいない上に小泉まで下げたせいか浦和のビルドアップは急激に不安定になり、相手を押し込むどころかボール支配もままならない惨状に。

・浦和の決定機は59分に柴戸スルーパス→裏抜けに成功した酒井クロス→江坂くらい。山のようにCKをもらいましたが、これも決定機になったのは60分CKからの流れで江坂の一回だけ。しかも角度が無くてGK正面。

・勢いづいた横浜Cは61分ヴィゼウ→ジャーメイン、前嶋→岩武の2枚替えで終始前がかり気味に。その裏を突いて66分関根(?)の縦パスを受けて右サイドを酒井が単騎激走してボックス内に突入したかと思えば、67分には西川が何でもないクロスをファンブルし、ジャーメインのシュートを身を挺して防ぐというドタバタ劇も。

・後半は横浜Cがボールを支配する時間は長くなって攻撃の手数も増えましたが、肝心なところで横浜Cのクロスが悉く精度を欠く上に、危ない場面はショルツや酒井が辛うじて対応して決定機は与えず。

・リカは78分江坂→大久保、伊藤敦→金子の2枚替え。これは「江坂、伊藤敦樹がすごく疲労を感じていて、その中でフレッシュな大久保と金子を投入しました。」という判りやすい意図。およそ点が入りそうにない展開になったためか、87分に関根→槙野、汰木→達也と2枚替えを敢行して3バックに移行。

・そのまま逃げ切りかと思いきや、88分相手FKからボックス内で槙野が、さらに明本がシュートブロック。明本のブロックからこぼれたボールを大久保が拾ってカウンター炸裂。大久保→ユンカーへのスルーパスはスピード&精度を欠いてユンカーのシュートはGKに弾かれてしまうもすかさず大久保が拾って石橋を叩くかのように慎重に慎重を重ねてゴールを決めて勝負あり。

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《総評》

・シュートを13本も打ち、CKにいたっては15本もあったというスタッツとは裏腹に見所に乏しい試合でしたが、相手もさしたるチャンスはなく、危なかったのは西川まさかのポロリだけ。完勝といって差し支えないでしょう。

・「川崎フロンターレとの試合の後で、こういったところでふと切れてしまうことはサッカーではよくあること」とリカは試合後語っていましたが、リカに言われなくても古参の赤者なら誰しも浦和がやらかして来た数々のあれやこれやを思い出しながらこの試合を見ていたでしょうから、どんな内容であっても勝って終われば万々歳。暫定ながら順位は一つ上がって6位&3位との勝ち点差を2に詰めました。

・ただ上位チームの中では浦和は圧倒的に得点力が低いのが難。名古屋は「守備的に闘ってウノゼロで勝ちまくる」のを旨としているので得点力が低くても大きな問題はありませんが、浦和は積極的な試合運びを理想としているのに結果は守備的になっている辺りが実に歯がゆい。特に中断明け後はショルツ&酒井の補強が絶大すぎて超安定した最終ラインをベースにしょっぱい試合を僅差で拾い続けているせいか、なおさら「結果的に守備的」なイメージが強くなった気も。

・この試合で気になったのは前半と後半でやっているサッカーが完全に別物のように見えたこと。前半は江坂・汰木・明本が左サイドで盛んにポジションを変え、甚だしい時は明本が最前線で江坂がSBっぽく後方に構えている時すらあって、それでいて全体のバランスは崩れない。役割が被ったりしない面白いサッカーをやっていました。

・一方後半小泉が下がってユンカーが入るとそんな動きはぱったりと止んでしまい、しかもビルドアップはガタガタに。でも前半はボールは回っているが決定機はそんなに作れていないし、後半は見ている側には面白くはないがカウンターで決定機を作れているので滅茶苦茶悪いわけでもない。

・ミシャのような「誰が出ても同じサッカー(但しレギュラー以外は完成度がダダ下がり)」ではなく、リカは「出ている選手の特徴を活かすように芸風を変えるサッカー」を志向しており、それはそれで面白いのですが、現状どの芸も完成度が低いのでなかなか点は入らず、もどかしさだけが残る。そんなところでしょうか。

・リカは事実上チーム再建初年度にも関わらず予想以上に良くやっているとは思いますが、「ACL圏内に入って然るべき!!」と思えるだけの強さを備えているかと言えばまだまだかなぁ。来週のC大阪戦はともかく、その次のF東京&神戸との連戦で浦和の真価が問われることになるでしょう。

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《選手評等》

・汰木は「イケメン&高身長だがハイボールはからしきダメなドリブラー」という絵に描いたような永井の後継者ですが(苦笑)、極めて珍しいことにヘッドでゴール。試合後汰木は「ここ1ヵ月くらいコーチの平川さんがヘディングのトレーニングに付き合ってくれていました。トレーニングでは1本も入らなかったのですが」と衝撃の告白!! でも往年の平川のクロス精度を思うと、平川コーチとヘッドの練習をするのは滅茶苦茶効率が悪い気が・・・山中に付き合ってもらえないのか・・・山中が呆れて辞退した可能性・・・

・今日の大久保はSHではなく、かなりはっきりした2トップの一角としての起用でした。そしてコンディションが依然良くないのか全然動けないユンカーに代わって大久保がよく走っていました。ゴールはそのご褒美でしょう。慎重にトラップしている間にDFに詰められる大惨事にならなくて良かった!! 前目の選手なのにとうとう1点も取れずに浦和を去らざるを得なかった選手は山ほどいるだけに、とにかくおめでとう!!

・また最後に投入された達也も守備によく走っていて、勝っている試合で途中投入される選手の役割を十分果たしていました。酒井と相性が悪いこともあって達也の出番は減っているけど、ちょっとしかない出番での頑張りをリカはちゃんと見てるから!!

・平野なし小泉なしだとたちまちビルドアップに詰まるのには参りました。夏にJ2から採ったばかりの選手が、たったひと月で「いないと心配だ!!」級の主力扱いになってしまうってどんなチームやねん(笑)

・今日の西川の何でもないクロスをポロリとかロングキックが直接タッチ割りまくりを見ると、ルヴァン杯で残念だった彩艶との差はそんなにないのかかも。現状あんまり高いレベルでの争いでなくなったようで残念至極。

・酒井はパスミスが多くてやはりコンディションはあまり良くないのでしょうが、とにかく守備が鉄壁すぎてリカも外すに外せないのかも。あるいは西が90分使える状態ではないのかも。

・とにかく池内主審が邪魔でした。両足を使ってくるくる回る小泉の動きを全く読めないのか、小泉の進路やパスコースに悉く立ち塞がる池内主審。11分には相手のカウンターの芽を摘もうとした敦樹を池内主審がブロックしてしまい、やむなく敦樹が後方から手で相手を止めてイエローに。イエローをもらうハメになった原因が主審のポジションの悪さなので当然ながら浦和は主審を取り囲んで猛抗議!! そんな池内主審相手に怪我人なし、退場者なしで試合を終えたから良しとせざるを得ないのか・・・ 恐るべしJリーグの「あ行主審」の数々。

・「横浜Cはセットプレーに弱い」という話でしたが、GKブローダーセンとCBガブリエウの加入で激減しそうな感じ。来年へ向けての朗報かと。

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-----江坂-----
汰木---小泉---関根
---柴戸--敦樹---
明本-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
34分 汰木
89分 大久保

(交代)
HT 小泉→ユンカー
78分 江坂→大久保
78分 伊藤敦→金子
87分 関根→槙野
87分 汰木→田中


-----ミネイロ-----
--松尾----ヴィゼウ-
高木-高橋--安永-前嶋
-ガブリ--韓--伊野波-
-----ブロダセン----

(交代)
61分 ヴィゼウ→ジャーメイン
61分 前嶋→岩武
82分 高橋→シルバ
86分 ミネイロ→渡邉

※写真は試合とは全く関係がありません。

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