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2021.10.11

【TV観戦記】21年ル杯準決勝第2戦:C大阪 1-0(計2-1) 浦和 ~ あえて茨の道を進んで一歩届かず

 第1戦、第2戦とも結局あまり良いところなく準決勝勝ち抜けならず。ただ神戸戦大敗を契機にルヴァン杯で試行錯誤した結果という節もあり、この敗戦がACL圏入りないし天皇杯優勝というより大きな結果に繋がればそれで良いと思います。

《スタメン》

・浦和は第1戦から山中→明本、槙野→岩波、平野→柴戸、大久保→関根、汰木→小泉とスタメン5名入れ替え。

・リカはこの試合前の記者会見で第1戦のスタメン大幅入れ替えについて「11人、12人でシーズンの残りを戦うことはできません。より多くの選手に準備させるためにも先発メンバーを入れ替えました。」と語っており、第1戦では少し違和感を抱えていたとリカが明言していた柴戸以外は、最初から第2戦でこの面子の入れ替えを予定していたものと思われます。

・C大阪は第1戦と全く同じスタメン。但し、故障明けの清武がベンチ入り。

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《試合展開》

・試合開始当初は双方テンション高いプレッシャーの掛け合いの様相を呈しましたが、10月なのに30度近い気温下では無理があったと見えて、C大阪は第1戦後半ほど前からプレスはかけられず、基本的に高めの位置に4-4-2の守備ブロックを敷く構えに移行。ただメリハリをつけて一気にプレスをかけてきた時の強度は高くて厄介でした。特に球離れの悪い小泉がボールの狩りどころとして狙われている感じがありあり。

・よって浦和はボールを保持している時間こそ長いものの、小泉が機能しない上に平野不在が祟ってか縦パスがなかなか入らず、サイドにボールを運んでは詰まって後ろへ戻す展開が多く、少なくとも1点を取らないといけない立場としては苦しい試合の入りになってしまいました。

・それでも給水タイムを挟んで27分小泉の横バス→アーク付近からの敦樹ミドルシュートが枠内を急襲!! 31分関根→小泉→江坂とボックス周辺で右から左へ繋ぎ、江坂の折り返しを敦樹が再度ミドルを放つものの、DFがブロックして枠外へ。そこで得たCKから明本がミドルシュートを放つもGK正面。

・45分敦樹のサイドチェンジから西クロスと左サイドからファーへのクロスの形も何度か出来ており、滅茶苦茶悪い内容ではないが相手を崩しきれずに前半終了。C大阪も4分に原川CK→山田ヘッドが惜しかったくらいで浦和以上に点が入る感じはしませんでしたが、こちらはスコアレスドローで終わっても良い立場なので、前半はややC大阪ペースだったと評価していいでしょう。

・後半に入ると再びC大阪が強く前プレを仕掛けてきて、試合はややオープンな展開に。49分明本スルーパス→ユンカーの決定機は惜しくもサイドネット。

・53分奥埜→左サイドから丸橋クロス→加藤のシュートはいったん彩艶が弾いたものの、こぼれ玉を拾った加藤が角度のないところから彩艶を弾き飛ばすかのようにねじ込んでC大阪が先制。彩艶は最初のシュートこそ上手く防ぎましたが、2発目は態勢を立て直していただけにシュートの勢いに抗しきれずにセーブし損ねたのはかなり残念。その下でまな板の上の鯉のようにバタバタしているだけの岩波はさらに残念。

・幸か不幸かC大阪に先制されたところで浦和は致命的な打撃を被ったわけではなく、1点を取ればゲームは振り出しに戻るだけの話なので落ち着いて試合を進めればいいはずですが、先制された直後の浦和の守備はなぜか急激に不安定になり、58分原川にミドルシュートを撃たれたり、60分坂元クロス→ファーで加藤がどフリーでシュートとヒヤヒヤの連続。

・リカは62分不振の小泉をとうとう諦めて山中を投入し、明本&ユンカーの2トップへ変更。これは一定の効果があり、明本が高い位置でボールを受けてユンカーをサポートし、左右からも可能性が感じられるクロスが入るようになり始めました。

・さらに72分関根→達也、西→平野と代えて攻勢を強め、74分山中が左サイドからクロス→明本が頭で落とし、平野がミドルシュートと早速良い形。77分ショルツ縦パス→最前線で明本が相手と競り合って潰れたこぼれたボールをユンカーがダイレクトボレーを放つもGKジンヒョンがわずかに触れて枠外へ。さらに81分右サイドから達也がドリブル突進&クロス→ファーで江坂が頭で落とし、ユンカーがシュートを放ったもののDFが辛うじてシュートブロック。

・最後は槙野を最前線へ投入したものの、大久保&清武を投入して前目の運動量を補充して前プレを強めたC大阪の前にボールを前進させられず、最前線へボールを放り込むことすら出来ずに試合終了。

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《総評》

・直近のリーグ戦でボコボコにしたはずのC大阪相手にルヴァン杯では第1戦、第2戦ともあまり良いところがないまままさかの敗戦。埼スタ決勝進出の夢は儚いものになってしまいました。

・C大阪は既に降格の恐れも、ACL圏入りの可能性もほとんどなく、カップ戦に全力集中しやすい立場。そこでリーグ戦での惨敗を糧に浦和対策を練りに練ったのが上手く行ったというべき試合なのかもしれません。でも、それはこの試合を半分程度しか説明していないように思います。

・リカは単にルヴァン杯でC大阪に勝つだけならリーグ戦のやり方(江坂ゼロトップ)を踏襲するのが早道で、それならC大阪が少々対策を講じて来ようとも良いところなく負けることはなかったでしょう。リーグ戦ではC大阪が必死に前プレを仕掛けてきてもあっさり交わされまくりで、そのせいか第1戦の前半はむしろリトリート主体で構えましたし。

・ところが運が悪いというかなんというか、ルヴァン杯準決勝の直前の神戸戦で江坂ゼロトップシステムがズタズタに破壊されて大敗。これを契機にリカはユンカー1トップ、槙野右CB、ユンカー・江坂・小泉の豪華3点セット等、最もプライオリティーの低いルヴァン杯を利用して新たなオプションの構築を試みたのだと思います。ところが残念ながらいずれもあまり上手く行きませんでした。

・布陣変更の結果浦和のビルドアップ精度がガタ落ちで、リーグ戦では簡単に交わせたはずのC大阪の前プレに苦しむようになってしまいました。特に小泉が絶不調で、複数人に囲まれてもなおボールを離さないので後ろからドスンと当たられてはボールロストの繰り返しだったのがリカには大誤算だったでしょう。

・試合後に「ヴィッセル神戸戦からの3試合ぐらいで、レッズの選手たちがボールを受けるところを狙われてボールを失う場面が見られるが、それは個々の頑張りに期待するか、立ち位置を工夫するなどの必要を感じているか?」と厳しい質問が飛んでいましたが、小泉の再覚醒もさることながら小泉を囮にした形でのビルドアップ等、浦和はもうひと工夫が必要な時期に差し掛かっているようです。

・よってC大阪が強かったというより、C大阪がリーグ戦でボコボコにされたのを踏まえて対策を練って来た一方、浦和はあえて試行錯誤の道に踏み込んだので精度がガタ落ちになって相手を上回れなかったという試合といったほうがより正鵠を得ていると思います。端的に言えば「相手が強いというより浦和が弱かった試合」みたいな感じでしょうか。

・この試合での収穫は「ユンカー&明本の2トップ」が結構機能することが判ったこと。とにかくユンカーをフォローでき、最前線でボールが持てる選手がいることが必要不可欠で、おそらくユンカー&江坂でも可。本当は鬼キープ出来る興梠との2トップが一番良さげで、興梠の復活が待たれるところ。

・とにかくビルドアップ精度ガタ落ちの状態でユンカー1トップだと孤立状態が永続しがち。あれならユンカー加入当初の縦ポン攻撃のほうがはるかにマシで、それだけに後半早い時間帯のカウンターで江坂が変にこねてユンカーをパスを出さなかったのが謎過ぎました。「ユンカーにお任せ期」なら絶対ユンカーに出していた場面でしょうが、「お任せ期」に江坂はいなかったんだよなぁ・・・(つД`)

・1年足らずという短い期間ですが、今年の浦和は既に「流れから点取れず→武藤ゼロトップの発見→武田故障で瓦解→ユンカー頼みの○サッカー→ユンカー夏バテ→江坂ゼロトップの発見→キーマン小泉絶不調」とまぁ実に再構築中のチームらしい、壁にぶつかっては打開策を見出すという見事なまでの一進一退を繰り返しています。ルヴァン杯奪回は雲散霧消してしまいましたが、きっとリカは何がしか打開策を見出してくれることでしょう。

・C大阪はリーグ戦でボコられたのがルヴァン杯決勝進出に繋がったと喜んでるみたいですし、浦和はルヴァン杯での試行錯誤の結果としての負けがACL圏入りないし天皇杯優勝というより大きな結果に繋がればそれで良いと思います。

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《選手評等》

・ヨドコウで不自然に黙り込んでいたり、不自然に肩を落としていた方々、酷暑の中お疲れさまでした。

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-----ユンカー-----
江坂---小泉---関根
---敦樹--柴戸---
明本-ショルツ--岩波--西
-----彩艶-----

(交代)
62分 小泉→山中
72分 西→平野
72分 関根→田中
87分 柴戸→槙野


---加藤--山田---
乾---------坂元
---原川--奥埜---
丸橋-瀬古-西尾-松田陸
-----ジンヒョン----

(得点)
53分 加藤

(交代)
79分 山田→大久保
83分 加藤→清武
90+3分 乾→松田


※写真は試合とは全く関係ありません。

 

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