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2021.11.28

【観戦記】21年第37節:浦和 0-1 清水 ~ キミはまだ本当の浦和レッズを知らない

 試合前は「スカッと勝って良い別れ、良い旅立ちの日にしたいものだ」と意気込んでいたのですが、残念ながら今季屈指のクソ試合に。しかも負けるとは思っていなかった相手に最後の最後でまさかの一発を食らう最悪の展開となり、「別れの日にウンコを踏んだ」ような塩梅に。

《スタメン》

・浦和のスタメンは前節から西→酒井と一人入れ替えのみ。小泉がベンチに復帰したため宇賀神がベンチ外に。

・清水は前節と全く同じスタメン。

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《試合展開》

・浦和のスタメンは前節と全く同じでしたが、前節と違ってどう見ても敦樹と平野はほぼ同じ高さにおり、かつどちらかが最終ラインに落ちるケースもままあったので基本フォーメーションは前節突如採用した4-1-2-3ではなく、従来通りの4-4-2ないし4-2-3-1だと思います。よって4-4-2の清水とはほぼミラーゲームの格好に。

・清水はさして前から追ってこず、ボールは早々と浦和が支配。しかし縦パスがほとんど入らず清水の守備ブロックの周りでボールを回し、思い出したように山中に展開して誰にも合わないクロスで終わるだけのクソ眠い展開に。浦和は再三平野が最終ラインに降りる代わりに両SBを高い位置に押し出す形を取っていましたが、ビルドアップに詰まりっぱなし。やむを得ず江坂が頻繁に中盤に降りて正真正銘のゼロトップ状態に。

・給水タイムを経て清水が前プレの強度を上げてきたかと思ったが5分と持たず、再び試合は浦和が清水の守備ブロックの前でぐるぐるボールを回すだけに。浦和の攻撃は34分大久保、36分敦樹が共にペナ前から放ったシュートに多少可能性があったくらいでしょうか。

・このまま前半はドン引きに陥った清水を浦和が攻めあぐねたまま終了と思いきや、前半終了間際に鈴木唯が突如右サイドからカットイン。あれよあれよという間に浦和守備陣が突き崩されてボックス内から決定的なシュートを撃たれてしまいましたが、ここは辛うじて西川がセーブ。

・達也はそもそもスペースがない状態では活きない上にサイドに張りがちでインサイドでのプレーは得意ではなく、これまたサイドに張りっぱなしの酒井との相性は最悪。清水相手ならボールを握る展開になるだろうとリカ自身も予想していたのに達也をスタメン起用したのが謎でしたが、案の定後半頭から達也に代えて小泉を投入する羽目に。

・小泉が入ったので江坂が無駄に中盤に下がる必要はなくなり、関根が右SHに回ったことで右サイドの糞詰まり感も幾分解消されましたが戦況は必ずしも好転せず、相手を深く押し込んではいるが守備ブロックを左右に振り回すだけで全く決定機が作れませんでした。たまに撃つミドルは大きく枠外へ。特に好機と思われた場面で放った山中のミドルシュートが明後日の方向へ飛んだのには心底がっかりしました。

・浦和は決定機を作れないどころか66分山中のボールロストを契機にロングカウンターを食らってサンタナに際どい一発を浴び、続くCKも直接枠内を襲ってヒヤリ。

・リカは71分大久保→汰木、78分山中→西、86分平野→興梠と投入してゴールに迫るもののやはり決定機は作れず。浦和がこの試合で最もゴールに迫ったのは88分江坂スルーパス→汰木ボックス内突入の場面だったかと思いますが、ここは飛び出した権田に汰木がシュートをぶつけてしまってどうにもならず。

・終盤酒井が肝心なところで一歩届かないorちょっと精度を欠くという場面が結構あって、しくじった本人がめっちゃ悔しそうでしたが、やっぱりコンディションがイマイチで本人は出来ると思ってたプレーが出来なかったのかも。

・平岡監督は「J1残留のためにはドローでも大満足」と言わんばかりにATになって2トップを一挙に交代。単なる時間稼ぎと見られても仕方がない交代で、これで観客どころか浦和の選手まで緩んでしまったのか、アーク付近から途中投入の中村の一発を食らってまさかの敗戦。小泉がなぜか酒井に加勢しにいって中村をフリーにしているのも謎でしたが、それ以前に清水のゴールキックをディサロがどフリーで受けているのが謎過ぎ。とにかく浦和が緩みすぎていて、あの一発は偶然ではないでしょう。

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《総評》

・皮肉というか何というか「ボールを持って試合の主導権を握りながらやっていきたい、それを相手陣内でやっていきたい、そこが今回の試合はなかなかできなかった」と嘆いた横浜M戦はほぼ完勝だったのに対し、試合を通じて敵陣でボールを握り続けていた清水戦では完敗。シュート数が多かったチームのほうが決定機はそんなに作れなかった点でこの2試合は非常に似ていました。

・リーグ戦終盤になって川崎や横浜Mのような明らかに格上のチームに対してチャレンジャーとしてぶつかっていった時は良い試合をし、神戸や鹿島のようなちょっと上のチームにははっきりと殴り倒され、残留争いに足首まで浸かっている清水には良いところなく負ける。今年の浦和は昨年より格段にマシになりましたが、やはりまだまだ未成熟なことを思い知らされた残念な試合でした。

・これで浦和のリーグ戦4位入りの可能性は完全に消滅。大昔は「ホーム最終戦だけはやたら強かった」のですが、いつの間にやら「ホーム最終戦は大抵ロクなことがない」という、ただいま絶賛発売中のシーチケの営業担当者がまたしても頭を抱える結果に。

・リカが試合後「ボールを持っているときの幅や外を使ったときの最後の質。クロスの質などが足りていなかったと思います。狭いスペースの中、コンビネーションでゴールに迫る場面でありましたが、そういった部分で幅や崩しだったりするところが足りませんでした」とボヤく通り、浦和は最後の最後まで清水の守備ブロックを崩しきれませんでした。

・浦和はこのところ手強い相手と対戦が続き、ドン引きのチームと対戦するのは久しぶりで勝手が違ったのかもしれませんが、それにしても練度不足が目に余りました。またリカ得意の選手交代や戦術変更にも冴えがなく、ドン引きチーム相手にゼロトップは意味がないことが露呈してもその修正、端的には興梠投入が遅れに遅れました。

・また依然ユンカーと明本を欠いており、故障明けの小泉や依然短時間の出場に留まっている興梠を含めて行き詰まった戦局に変化をもたらし、競った試合を勝ち切るためには攻撃陣の手駒が少なすぎた結果がこのクソ試合をもたらしたのかもしれません。特にドン引き相手にハイタワー型のCFがいないのが響きました。

・ショルツはMDPで「川崎との勝ち点差は20以上あって、その差は埋まるのは現実的には再来年かもな」と実に耳に痛いことを言っていましたが、このクソ試合を見ると相当補強しないと来年のリーグ優勝なんてとてもとても無理と思わざるを得ません。もちろんそれを念頭に西野TDはベテラン選手を大量に整理したのでしょうし。

・気になったのは試合後大久保が「やっぱり慎重になってしまったのが今日はあります。もっとミスを恐れずやるべきだったかなと思います」と語っていたこと。浦和はリーグ戦4位入りの可能性に賭けて闘ってはいましたが、タイトル争いほど強いプレッシャーはなかったはず。それでも慎重になりすぎさせる何があったとすれば「埼スタに3万人近い観客が戻って来たこと」なのかも。

・阿部らが再三口にしていた通り、今年浦和に加入した選手は満員に近い埼スタでファン・サポーターの圧倒的な声量に包まれながら闘う本当の浦和を知りません。それが来年再現されるかどうか判りませんが、良くも悪くも浦和特有、浦和ならではのプレッシャーに潰されることなくプレーできるのかどうか、このクソ試合を見て些か心配になりました。

・清水にホームで負けたのはなんと2013年以来。浦和の出来も酷すぎましたが、この試合の清水の守備は非常に堅くてまるでロティーナの亡霊と闘っているかのようでした。腹立たしいことに清水は土壇場での監督交代が見事に吉と出たようで、まるで浦和の大槻暫定監督時代みたいな感じに。そこで調子に乗って来年続投させると(モゴモゴ)

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《選手評等》

・宇賀神はもっと勉強しないと現状ではとてもとてもGMには向いてないと思いますが(苦笑)。また宇賀神がサポと揉めたことを最後まで気にしていたのも、まぁ宇賀神らしいといえば宇賀神らしかったかと。そして表立ってそのことを口に出来るようになったのも大したものだと思いました。

・別れではなく、記者会見では言えなかった関係各位への謝辞に圧倒的に言葉を費やしたのが実に阿部らしかった。まさに人格者。

・また阿部はただのファン感に4万人も来ることに驚いていましたが、こちらはそのファン感で「阿部はFCバカーズ不動のキャプテン」という噂は本当だったと悪い意味で感心してたんやで・・・

・ミシャ期からの生き残りはホンマ仲がいいなあ。ちょっと出来がいい選手はバンバン海外へ出てゆくし、今の浦和フロントはドライに選手を入れ替える傾向にあるから、まとまったセットが長く浦和にいることはもうないかも。そして昨日何度も名前が挙がった「ミシャ組」で関根だけがぶっちぎりに若いというのは浦和がミシャ後の世代交代に失敗した何よりの証拠。そのツケを西野TDが今年盛大に清算しています。

・最後の北ゴール裏のビジュアル。フルハウスどころか半分しか人がいないのに稠密なデザインにチャレンジしたのに感服!!!

・最後に登場したショル子。クマさんみたいなフードが可愛さ倍増で反則技w

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---江坂--関根---
大久保-------達也
---敦樹--平野---
山中-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(交代)
HT 田中→小泉(はっきりした4-2-3-1となり関根が右SH、小泉がトップ下に)
71分 大久保→汰木
78分 山中→西
86分 平野→興梠(江坂がトップ下、小泉がボランチに下がる。)

---サンタナ--鈴木唯--
後藤--------西澤
---竹内--松岡---
片山-井林--鈴木義-原
-----権田-----

(得点)
90+3分 中村

(交代)
18分 井林→ヴァウド(故障による交代。ヴァウドは右CBへ)
HT 後藤→中山
78分 西澤→中村
90+3分 サンタナ→ディサロ
90+3分 鈴木唯→山原

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