« まぜそばジャック@志村三丁目 ~ まぜそばジャック | トップページ | 明治亭 長野駅店@長野 ~ ソースかつ丼 »

2021.11.26

トーマス デン選手 契約満了等々

・先日(11/24)トーマス デン選手の契約満了が公式発表されました。

・デンは2020年にメルボルン・ビクトリーから完全移籍加入。U-23豪州代表、しかもキャプテンというキャリア。右CBが本職ながら右SBもでき、182cm/73kgとCBとしては大きくはない上に体格がえらく細いものの、高い最終ラインの背後をカバーできるスピード系のCBを求めた末の獲得のようでした。

・当時の浦和は基本フォーメーションを3-4-2-1から4-4-2に転換したばかりでCBは余り気味でしたが、スピード系のCBはいませんでしたし、それ以上に絶望的に人材不足だった右SBで橋岡のバックアップという意味合いを兼ねた獲得だったのかもしれません。

Deng

・デンはコロナ禍による長い中断期間を経て第2節から4バックの右CBでスタメン出場。その後もほぼコンスタントにスタメンで出場していましたが、第20節名古屋戦の終盤に一発レッドを食らったのを契機にめっきり出番が減ってしまいました。

・デンは12月に怪我の治療のため一時オーストラリアへ帰国したという話を最後に姿を消し、年が明け、監督が代わっても依然行方不明。しかも加入時とは一変して浦和はCBの頭数が足りなくなってルヴァン杯ではユースの工藤を学徒出陣させざるを得ない状態だっただけにデンの状態が案じられましたが、5月初のルヴァン杯第5節柏戦でついにベンチ入り。

・同時に長らくベンチ外だったのは「グロインペイン症候群という、恥骨にものすごく痛みが生じるような怪我」だったことが判明。しかも昨年3、4試合は痛み止めを飲みながら無理をしてプレーしたところ悪い方向に行ってしまったので一時帰国を余儀なくされたとのこと。

・デンはルヴァン杯第6節横浜C戦でついに実戦に復帰。その後も6月はルヴァン杯どころかリーグ戦でもスタメン出場を続け、東京五輪にも晴れてオーストラリアU-24代表のキャプテンとして出場。しかもアルゼンチンを撃破する活躍ぶりでしたが、五輪終了後はまたベンチ外に逆戻り。案の定グロインペイン症候群の再発だった模様で、トレーニングに復帰したのはなんと11月になってから。

・デンはいかにもプレースタイルが若いというか、CBとしては些かプレーが軽いと思われる場面も少なくないのですが、今の浦和にはいないスピードのあるCBで、しかもかなり自分で持ち運べる上に高精度の縦パスも撃ち込めるのでまともに稼働していればリカも大満足だったのではないかと思います。しかし、残念ながらあまりにも稼働率が低すぎました。しかも今後も再発のリスクを抱えながらとなると契約満了はやむを得ないでしょう。

・デンの浦和での最大の見せ場は何と言っても昨年第12節ホーム神戸戦で見せたスーペルゴラッソ。武藤FKのこぼれ玉をミドルレンジからボレーでぶち込んだものでドライブがかった弾丸シュートはポストを叩いてゴール。コースも良ければスピードも凄まじくてGK前川は一歩も動けず。デンはゴールパフォーマンス代わりにほぼ伸身のバク宙まで披露。浦和史上に残るレベルのスーペルゴラッソだっただけに、試合には負けたことをすっかり失念していました(苦笑)。

--------------------------------

・また同日大城蛍選手、池髙暢希選手、福島春樹選手、浜野征哉GKコーチ 、工藤輝央コーチとの契約満了も公式発表されました。

・大城と池髙は共に2019年に浦和ユースから昇格した同期。同年大城は出場なし、池髙は天皇杯に1試合出ただけという状態で翌年から大城は鳥取→Y横浜、池髙は富山→福島とJ3クラブと渡り歩く形でレンタル移籍を重ねていました。大城は今年主力級の扱いを受けていたようですが、やはり活躍の場がJ3となると浦和への復帰は難しいかった模様。共にプロ生活3年目が終わる今年一杯で浦和との契約は満了になってしまいました。

・福島は2016年に専修大から加入。同年夏に育成目的でJ3鳥取にレンタルされ、すぐに正GKとして活躍したものの10月末に大怪我。2017年浦和に復帰したものの長らくリハビリを余儀なくされ、第2GKとしてコンスタントにベンチ入りし始めたのは2018年に入ってから。そして2019年正GK西川の出場停止を受け、なんといきなりACL決勝第1戦の大舞台でゴールを守る大役を果たすことに。

・しかし、2020年はなんとはるかに年下の鈴木彩艶が第2GKに回る機会が増え、福島がベンチに入るのは主に彩艶が世代別代表等の関係でチームから離脱する際に限られるようになってしまいました。西川から福島への世代交代があっても不思議はなかったのですが、巡り合わせが悪いというかなんというか、一気に彩艶まで飛んでしまうシナリオが見え隠れするとなると福島も面白かろうはずがなく、京都からのオファーを受けて移籍するのはごく自然なことだと思います。

・京都へは一応期限付き移籍ですが、おそらく京都が即時買い取りを渋っただけの話で、移籍の経緯からすればもともと浦和復帰の可能性はないものと思われていましたから今年一杯での契約満了は既定路線でしょう。ただ驚いたのは今年福島は出場機会がないどころかベンチ入りすら出来なかったこと。なかなか思うようにいかないのがプロの世界。厳しいものです。

・デンを含め4選手の契約満了はともかく、浜野GKコーチと工藤コーチとの契約満了が合わせて報じられたのは驚きました。コーチは監督交代と共に「トップチームの体制のお知らせ」の形でひっそりと新任or退任が報じられるのが通例で、単体で契約満了のお知らせが出るのはちょっと記憶にありません。例えば上野コーチが今年1月に日本代表コーチに招聘された際にはスポーツ紙でその旨が取り上げられているにも関わらず、浦和フロントから単体で公式の「お知らせ」は出ませんでした。

・浜野コーチは2019年の頭から、工藤コーチは2019年大槻体制発足時からトップチームのコーチングスタッフに加わっており、共に3年目で契約満了。工藤コーチは基本的に浦和育成畑な一方、浜野コーチは日本代表GKコーチとしてのキャリアが長くて西川はむしろそちらで馴染みがあった風でした。

|

« まぜそばジャック@志村三丁目 ~ まぜそばジャック | トップページ | 明治亭 長野駅店@長野 ~ ソースかつ丼 »