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2021.11.17

槙野智章選手 契約満了

・昨日(11/16)槙野智章選手の契約満了が公式発表されました。槙野退団は同日朝のスポニチが第一報で、浦和情報に関するスポニチの確度の高さを改めて実証した格好に。

・槙野は2012年1月に1FCケルンから広島時代の恩師であるミハイロ・ペトロヴィッチが監督に就任したばかりの浦和へ1年間の期限付き移籍の形で加入。早速3バックの左CBでがっちりスタメンを確保し、同年の最終節名古屋戦で豪快に直接FKをぶちこんでACL圏に滑り込むのに貢献すると同時に、興奮のあまり試合直後に浦和への完全移籍をフライングで公言してしまいました。今になって思えば、これが多くの赤者にとって槙野の評価のピークだったかも・・・

・槙野はミシャ在籍時はもちろんのこと、ミシャが去って目まぐるしく監督が代わり、4バックを採用するようになってもなおなんだかんだと「ミシャ専用機」に留まらない器用なところを見せてCBとしてスタメンの座を確保し続けました。一対一の強さは特筆すべきものがあり、特にACLでフッキを完封した試合は槙野のベストゲームと評していいくらい。あまり効果的でないのにやたら攻め上がりたがるのは困りものでしたがセットプレーのターゲットにもなって時々点も取る活躍も見せ、阿部同様、槙野もリーグタイトルだけがないのが残念でなりません。

Makino

・槙野は一対一で無類の強さを発揮する反面、相手に食いつき過ぎてその裏を取られる傾向があり、「最適な位置」に拘る監督とは相性が悪かったかと思います。またリカが就任した今年は自分で持ち上がって相手FWを剥がせない、高精度の縦パスを打ち込めないという難点が目立ち始めました。とはいえ、今年の浦和はデンが長期離脱していたこともあってCBが頭数不足。岩波の出来もリカの要求水準にはほど遠く、槙野は依然4バックの左CBとしてスタメンで出続けました。

・槙野の立場が暗転したのは今夏のショルツの加入。ショルツは第26節広島戦で左SB、次の湘南戦では右CBで試用された後、ルヴァン杯準々決勝第1戦以降左CBに定着。その試合で右CBに入った岩波とショルツの組み合わせにリカは余程手応えを感じたのか、その後槙野は勝っている試合で最後に3バックの一角に入るか、負けている試合のパワープレー要員として短時間出場するだけの立場となりました。

・槙野は浦和加入以降数々のタイトル獲得に貢献した主力中の主力であり、ピッチ上での活躍だけを取ってみれば浦和史上屈指の名CBだっと評してもなんら差し支えないでしょう。ただ極めて遺憾なことに槙野はピッチ外での言動があまりにも残念すぎました。

・槙野なりに浦和を盛り上げたい、もっともっと人気のあるチームにしたいと考えての言動なのでしょう。普段からタレントばりに積極的にテレビ番組に出演し、SNS等で(往々にしてあまり評判が良くない)有名人と絡みながらガンガン情報を発信し、試合後にはスポーツ紙のネタにしやすいようにあれこれ企画を立ち上げたりしました。

・しかし、やることなすことどうも浦和に流れるスピリッツとは違う。浦和はスタジアム内、特にピッチ内では基本的にイベントをやらないことに象徴されるように「シンプルに試合そのものを楽しませる」ことを是としてきたクラブ。それゆえファン・サポーターも「選手は試合に全力を尽くし、プレーそのもので感動を与えてくれればそれで良し」とする層が多いのが特徴で、そんな「浦和保守本流」から槙野は忌み嫌われました。また槙野がやっていることは浦和のためを思ってやっているのではなく、単に自分が目立ちたいだけだろうと勘ぐる向きも少なくありませんでした。

・もっとも「浦和保守本流」の考えが非常に古臭いという意見も少なくないでしょうし、「単に自分が目立ちたいだけ」という意見も単なる主観に過ぎません。しかし、槙野が「クラブのフィロソフィーを全く理解していない」ことが明るみになったのは致命的でした。

・具体的には先日「Jリーグがホームタウン制度の撤廃を検討している」との報が流れた際に、槙野はあろうことか「仕掛けたもん勝ち。このやり方こそ、アイデアを出し行動する事、チャレンジする事に意味がある。やらないクラブは置いてかれる」と賛辞を送るかのようなツイートを発信。浦和こそJリーグ発足時から地元に拘り続けたクラブであるというこれまでの歴史を踏みにじるかのような槙野の発言には心底呆れ果てました。

・「何事も今までどおりが良い」という伝統墨守というか頑固頑迷なのもどうかとは思いますが、槙野は浦和に10年も在籍しているのに浦和の伝統、浦和の歴史に無頓着過ぎました。槙野のアイデアを活かせるような、もうちょっと巧いやり方は無かったのか。とにかく槙野はピッチ外での言動があまりにも残念すぎました。

・槙野のコメントからは早くも次のチームが決まっている模様。次のクラブでは誰からも愛される選手になれるよう、ご活躍をお祈りしております。

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