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2021.11.08

【DAZN観戦記】21年第35節:鹿島 1-0 浦和 ~ 基本的にアウェー神戸戦の繰り返しで「点差以上の完敗」

 怪我人多発の不運があったとはいえ、フィジカルの強い相手、プレス強度の高い相手には手も足も出なかったという意味では神戸戦とほぼ同じ試合内容。浦和が来年リーグ優勝を目指すなら中盤のテコ入れは必須でしょう、この負けっぷりを見ると。

《スタメン》

・共に中3日の一戦。浦和は前節川崎戦で負傷交代を余儀なくされた柴戸どころか終盤に傷んだ酒井までも欠場した一方(試合後の会見では共に重傷ではないとの話)、試合前の監督記者会見で「違和感は抱えていますがそんなに重傷ではなく、良くなってきている」と伝えられたユンカーがいきなりスタメン復帰。よって柴戸→敦樹、酒井→西、小泉→ユンカーとスタメン3人入れ替え。金子が久しぶりにベンチ入り。

・鹿島は前節と全く同じスタメン。

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《試合展開》

・試合開始早々、浦和に大ピンチ。三竿がアバウトに蹴ったボールを拾った岩波がショルツへ繋ごうとしたパスがわずかにズレて上田にカットされ、上田→ゴール正面でどフリーの土居に絶好機を許してしまいましたが、ここは西川がセーブ。

・その後前半を通じて浦和は全くいいところなし。4-4-2の布陣で高い位置にコンパクトな布陣を敷く鹿島のプレス強度が高いこともあって、浦和は高い位置にいるSBに出しては詰まって後ろへ戻るの繰り返しで全くボールが前進せず。縦ポン一発でユンカーに鹿島最終ラインを裏を狙わせようにも楽にボールを蹴らせてもらえないせいか全くタイミングが合わず。たまに縦パスを入れたかと思えば鹿島の守備網に引っかかってカウンターを浴びるの繰り返し。

・ボール支配率自体は前半イーブンでしたが、浦和は後方でボールを回しているだけで敵陣には全く踏み込めないのに対し、鹿島はボールを持っている時は往々にして浦和を自陣に押し込んでいると内容には大差がありました。当然ながら決定機の山を作ったのは鹿島のほう。

・7分浦和CKからのカウンターでピトゥカが左から右のカイキへ大きく展開。最後は上田がシュートを放つものここはなんとか西?がブロック。11分安西がアバウトにスペースへ蹴ったボールに対してショルツが自分の背後にアラーノがいることに気づかずにアラーノに裏を取られてしまう失態。15分サイドチェンジから安西→カイキの決定機は岩波がなんとかブロック。

・この時間帯辺りから浦和の右サイドの守備はズタボロになり、21分安西クロス→アラーノがフリーでヘッドを放つも幸いにもバーの上。22分にも安西に鋭いクロスを送られてしまいましたが、これまた幸いにも誰にも合わず。

・給水タイムを挟んでも戦況は全く好転せず。相変わらずビルドアップは不安定なままで、27分には西川がアーク付近にいた平野へ繋ごうとしたパスが短くて相手に掻っ攫われる大失態も。

・大量失点を喫していてもなんら不思議はない戦況にも関わらず浦和はなぜか無失点で過ごしてきましたが、やはり良いことは長くは続かないようで、36分にはCKからのこぼれ玉を土居が押し込んでついに鹿島先制。こぼれ玉をファーで押し込まれる形は奇しくも前節川崎戦の失点と全く同じ。

・40分には西川へのバックパスが短くて相手に攫われる失態を犯した西がボックス内でカイキを倒してしまう場面があったものの、飯田主審はファウルを取らず。この日の飯田主審は選手同士の交錯については非常に寛容で、正直浦和が得をした場面のほうが多かったように感じましたが、これが後々浦和に祟ることに。

・なんと前半シュートゼロに終わった浦和は後半頭からユンカー→小泉、汰木→大久保と2枚替え。ユンカーまでボールが届かない惨状なので小泉を入れてビルドアップを立て直すのは至極当然ですし、フィジカル面で甚だ脆弱な浦和の中盤の中でも際立って弱い汰木が代えられるのも致し方ないでしょう。

・ただ投入された大久保もフィジカルに難があるのは明々白々で、47分大久保が自陣深い位置でボールを失ったことを契機にアラーノに絶好機を許してしまいましたが、ここもなんとか西川がセーブ。

・55分関根が敵陣深い位置でボールを奪ってボックスに迫ったところで相手に囲まれ、しかも倒れた際に右肩を負傷したものの、ここも飯田主審はノーファウルの判定。妙に流しまくりの「いいだのふえ」でおいおい怪我人が出るだろうな思っていたら案の定・・・ しかし、リカはなぜか交代を逡巡した挙句そのまま関根続投。

・いかにもフィジカル任せ、体力頼みなサッカーで消耗が激しそうなサッカーをやっているせいか、相馬監督は57分カイキを早々と下げて和泉を投入。そして59分FKから関川ヘッドの決定機を得るも、またまた西川がセーブ。

・浦和は小泉を投入した甲斐があってようやく敵陣でボールが回り始め、サイドチェンジから山中クロスという得意な形も出来始めましたが依然シュートは撃てず、逆に69分にはショルツが持ち上がって縦パスを入れたところから強烈なカウンターを食らって関川の縦パス一本で上田に決定機を許してしまいましたが、またまたまた西川がセーブ。

・リカは72分に再度傷んで自ら交代を要求した関根に代えて宇賀神、さらに平野に代えて興梠を投入するも、好位置でFKを得るのが精一杯で決定機は作れず。しかもそのFKも壁を叩くばかり。

・87分西に代えて槙野を入れてパワープレーに転じ、投入直後に宇賀神クロス→槙野ヘッド、90+3分に岩波フィード→槙野ヘッドで折り返して興梠ボレー(但し槙野がオフサイド)など槙野へのハイクロスは一定の効果があったものの、結局最後の最後で山中クロス→興梠ヘッドがようやくGKを脅かしただけであえなく試合終了。

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《総評》

・同じ勝ち点でACL圏入りを目指すチーム同士のビッグマッチでしたが、結果は絵に描いたような「点差以上の完敗」で大量失点していてもなんら不思議はないくらいの酷い試合内容でした。基本的には神戸戦の繰り返しでフィジカルの強い相手、プレス強度の高い相手には手も足も出ず。こんな時によりによって比較的フィジカルが強い柴戸・酒井・明本が揃って怪我で不在なのも響きました。

・神戸や鹿島とやると浦和の中盤のひ弱さがいやでも目につきます。これでは今の浦和は「J2オールスターズ」と言われても仕方がないでしょう。「巧いが強さはないチーム」が「巧くはないが強いチーム」と対戦して完敗みたいな試合の連続になるでしょうな、このままACLに行っても。

・試合後会見では当然ながら監督・選手とも強度の高い相手、フィジカルの強い相手に苦戦し続けていることを盛んに問われいました。アウェーで鳥栖や福岡に負けたのも根っこは一緒。「球際や速いプレスで簡単にボールを奪われてしまう場面が何度かありました。そこはチームとしての課題でもある」とリカも問題点は把握していますが、おそらくこれはリカの力ではどうにもならず、西野TDの出番でしょう。

・浦和はこれで自力では4位入りもなくなってしまいました。天皇杯優勝でACLの可能性は残っていますが、この試合見たらACL云々なんておこがましくてとてもとても。西野TDも来年はリーグ優勝を目指すと公言している以上、ACL出場の有無に関わらず補強に動くことでしょう、きっと。

・故障明けのユンカースタメン起用は縦横斜めどこから見ても大失敗。ユンカー個人のせいではないだけにハーフタイムで下げられるのは誠に気の毒。リカは試合中の修正は得意ですが、試合の入りに失敗して序盤に殴られてそのまま試合が終わってしまう癖があるのは何なのか???

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《選手評等》

・最後の槙野大作戦、えらく評判が悪いようですがどう見ても浦和がゴールに近づいたのは槙野投入後。もはや負けたらリーグ戦はほぼ終わりという状況だったのでカップ戦っぽい手段を取るのは当たり前と思うけどなぁ。槙野大作戦より槙野の評判が良くないんでしょう、たぶん(苦笑)

・酒井不在という好機に良いところなしどころか致命的なミスさえ散見された西は来年どうするかなぁ。平野が来たのでボランチ転用も難しくなったし、層が薄いSHに活路を見出すかも。

・今年も無冠が確定した鹿島は相馬監督をどうするのかな? 大負けはしないが全くのびしろがなさそうなサッカーでしたが・・・もっともそんなサッカーに事実上のボロ負けを喫しておいていうのもなんですが(´・ω・`)ショボーン

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-----ユンカー-----
汰木---江坂---関根
---伊藤--平野---
山中-ショルツ--岩波--西
-----西川-----

(交代)
HT ユンカー→小泉(小泉トップ下、江坂CFへ)
HT 汰木→大久保
72分 関根→宇賀神(西が右SH、宇賀神が右SBへ)
72分 平野→興梠(小泉がCHへ下がって、江坂&興梠の2トップに)
87分 西→槙野(江坂が右SHへ)

---土居--上田---
カイキ---------アラーノ
--ビドゥカ--三竿---
安西-町田--関川-常本
-----スンテ------

(得点)
36分 土居

(交代)
57分 カイキ→和泉
72分 土居→荒木
72分 上田→エヴェラウド
88分 アラーノ→犬飼(犬飼がCB中央へ入って5-4-1へ)

※写真は試合とは全く関係がありません。

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