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2021.11.21

【観戦記】21年第36節:浦和 2-1 横浜M ~ アウェーでボコボコにされた相手への見事なリベンジ

 シュート数の差ほど相手に決定機を数多く作られた訳ではなく、最後に1点取られて画竜点睛を欠いた感じの「ほぼ完勝」。前回対戦時では完膚なきまでにボコボコにされた相手に浦和が成長した姿を存分に見せつけました。

《スタメン》

・浦和は前節からユンカー→達也、汰木→大久保とスタメン2名入れ替え。週央の練習で別メニューが伝えられたユンカー、柴戸、明本が全てベンチ外なのはともかく小泉までベンチ外なのはびっくり!

・故障を抱えたまま代表に帯同してベトナム&オマーンと長距離遠征をこなした(但し出場なし)酒井はなんとかベンチ入り。

・横浜Mは前節と全く同じスタメン。長期離脱しているCB畠中を除けばこれが現有のベストメンバーなのかな? 酒井同様代表に帯同して出番なしに終わった前田は何のダメージもなく元気にスタメン出場。

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《試合展開》

・浦和の布陣は関根をトップ下に据えた4-2-3-1と思いきや、試合後の選手の弁では4-3-3だった模様。ただ浦和はあまりにも押し込まれている時間帯が長くて守備時は基本的に4-5-1、さらには攻撃参加してくる横浜MのSBに連れて浦和のSHが最終ラインまで下がってしまって5-4-1の守備ブロックで耐えている場面だらけで、現地では4-3-3であることに気づかず(^-^;

・立ち上がりからお互い前からハメに行く展開でしたが、プレス強度もプレスを回避する能力も残念ながら横浜Mが一枚上。特に前田の鬼気迫るプレッシングは圧巻で5分過ぎくらいから浦和は自陣に押し込まれてクロス攻撃を許し、8分には喜田→前田ヘッド、14分にはエウベル→前田ヘッドと危ない形を作られてしまいました。

・また9分には岩波から平野へのパスがずれて扇原にカットされてショートカウンターを食らいかかる場面も。ただショートカウンターを食らいそうになった場面は意外にもこれくらい。前回対戦時ではビルドアップの拙さからアホほど横浜Mのショートカウンターを食らってしまいましたが、この試合ではそんな場面は激減しました。

・そして徐々に横浜Mの強度マシマシのプレッシング&ビルドアップスタイルに慣れてくるに従い、浦和も中盤でパスを引っかけて逆襲に転じる場面が目立ち始めました。17分には江坂の喜田へのプレスバックが効いて大久保がボール奪取。そのまま江坂との壁パスで左サイドを抜け出しかかったところでたまらずCBチアゴ・マルチンスがファウルで阻止。

・18分浦和の先制点はそこで得た江坂FKから。江坂は意表を突いたような低いボールをゴール前に送り、西→ショルツと右に流してファーで敦樹が押し込んでゴール。最近の浦和は何の工夫もなく非常に淡白にセットプレーのチャンスを終えてしまうことが多いのを不満に思っていましたが、この場面は珍しくリカが事前に仕込んだ臭い形でした。敦樹は意外なことにリーグ戦ではこれが初ゴール。過去の2ゴールは共にルヴァン杯でした。

・その後も浦和の前ハメは機能し、かつ横浜Mの前ハメも上手く回避できるようになって非常に高い横浜Mの最終ラインの裏狙いを何度も敢行。22分にはロングカウンターから関根スルーパス→裏抜けに成功した達也がGKと一対一になりながらシュートを撃たずにGKを交わそうとして結局撃てずじまいという場面に象徴されるように良い形を何度も作りながらフィニッシュに結びつかないのが難。まぁとにかく得点能力に乏しいことでは定評がある浦和の二列目であり、最終ラインを破られても素早く駆け戻ってくるマルチンスがいかに面倒な存在であったかということでもあり。

・また相変わらず浦和が自陣深くに押し込まれる時間帯も少なくありませんが、なんだかんだと粘りを見せ、球際にも競り勝って横浜Mにも決定機を与えず。危なかったのは29分ティーラトンFKが枠内を急襲した場面だけかも。スピードがないショルツは前田に苦戦するかと思いきや、要所要所でシュートをブロックしまくり。

・共に選手交代はないまま迎えた後半、いきなり浦和のカウンターがついに炸裂!! 深い位置でボールを奪ってから敦樹が江坂へ縦パス。そしてそこからが敦樹の見せ場の連続。江坂の中央への折り返しをなんと敦樹がスルーして関根へ繋ぎ、関根のスルーパスで裏抜けに成功した敦樹がGKを誘き寄せてファーを疾走する達也へ横パス(敦樹的にはシュートだったらしいのですが)。どフリーの達也は難なくゴールへ流し込んで浦和が追加点!! ゴール時のリカの喜びようったら!!

・しかしその後は横浜Mが猛反撃。52分アーク付近からマルコス・ジュニオールの巻いて置きにいったようなシュートがポストを直撃。リカはたまらず57分達也に代えて汰木を投入して鎮火を試みるも、横浜Mは62分仲川→レオ・セアラ、ジュニオール→天野、扇原→渡辺と選手層の厚さを浦和に見せつけるような物量攻勢に。さらに74分に水沼を投入(布陣も前田&セアラの2トップ気味の4-4-2に変更?)して浦和を自陣に釘付けに。

・水沼が危険なクロスを連発し始めたのを見て、リカも78分敦樹→金子、大久保→酒井、江坂→興梠と一挙に3選手を交代して防戦に務めるものの、なんとも不可解だったのは酒井が大久保に代わってそのまま右SHに入ったこと。どういう意図があったのか皆目わかりませんでしたが、この選手交代は攻守とも奏功したとは言い難く、興梠が必死にボールキープして時間を稼ぐのが精一杯。

・これといった決定機は許していないものの、ボディーブローを食らいまくって足が止まり気味になった浦和は85分とうとう失点。ゴールキックを最前線で前田が収めたところからこの日にしては珍しく地上戦を敢行。前田のシュートは右サイドへ抜けたもののファーで水沼が折り返してセアラが詰めた形。

・全く攻め手を失った浦和はその後も押し込まれっぱなしで、いつ同点に追いつかれても不思議はない惨状に陥りましたが最後に宇賀神を投入し、ついでに酒井と西の位置も入れ替えてなんとか逃げ切り勝ち。

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《総評》

・シュート数3対12、CK1対11、DAZNのスタッツではボール支配率は横浜M75%と凄まじい数値が並んでいますが、横浜Mにアホほど決定機を作られ、西川のスーパーセーブ連発でなんとか凌ぎ切った訳ではなく、それどころか現地観戦している分には「ほぼ完勝」といった印象すら受けました。攻めては予め仕込んだ臭いセットプレーと、これまた事前の仕込み通りのカウンターが決まり、守っては集中を切らすことなくタイトな守備ブロックで横浜Mの攻勢を耐えに耐えてわずか1失点で凌ぎ切りましたし。

・リカは試合後「攻撃はやりたかったことがなかなか出せませんでした。(中略)ボールを持って試合の主導権を握りながらやっていきたい、それを相手陣内でやっていきたい、そこが今回の試合はなかなかできなかったと思います。」とこの試合内容が目指す姿ではないことを自認していますが、ボールが思うように持てない、持たせてもらえそうにない相手にはそれなりの闘い方をするのがリカ流。リカも試合後「この形は今回この相手に対してもうまくできると思いました」と自画自賛。

・浦和はハナからドン引きでカウンター狙いだった訳ではなく、むしろ前半は積極的に前に出てショートカウンターを狙う場面が何度も見受けられました。またカウンターも縦パス一本でCFなりWGなりに裏抜けを狙わせる単純なものではなく、きっちりボールを繋いで複数人で攻める形が数多く見られました。2点目がその典型。

・また浦和はユンカー・明本・小泉・柴戸と主力を4人も欠いている上に酒井がベンチスタートとスタメンのやり繰りには苦しみましたが、後半半ばまでの選手の躍動ぶりを見るとコンディションの良くない選手の無理使いを避け、とにかく動ける選手をずらずらっと中盤に並べたのがかえって良かったのかも。特に敦樹の出来は出色でした。

・一方横浜Mは監督変わったせいか、相手を押し込んでからの崩しが下手になった気が。サイド奥深くまでボールを運ぶのは相変わらず非常に巧いものの、なぜかそこから千本ノック状態に。あれはCFにレアンドロ・ダミアンがいたら鬼強いかもしれませんが・・・ 以前はむしろ地上戦に強いイメージだったのになぁ・・・ そして攻めきれずにカウンターを食らってはイージス艦チアゴ・マルチンスでなんとか凌ぐの繰り返し。

・ここ数年埼スタで横浜Mにボコボコにされ続けた記憶しかありませんが、それもそのはず埼スタで横浜Mに勝ったのは2015年以来。埼スタのこけら落としとなった2001年の一戦では解説長谷川健太に「幼稚園サッカー」とバカにされ、2004年CSではPK戦で敗れ、2008年最終節では既に解任が決まって求心力ゼロのゲルト監督の下で1-6という屈辱的な大敗を喫するなど、横浜Mとのホームゲームはとにかく良い思い出がほとんどありませんが、リカのもとでちょっとずつでも負債を返してゆきたいものです。

・なお横浜Mに勝ったことで今季の浦和はシーズンダブルを食らったチームが一つもないことが決定。上位相手には手も足も出ないのが通例と化していたここ数年の惨状からすれば快挙と言ってもいいでしょう。志が低すぎて何ですが(苦笑)。

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《選手評等》

・MOMは文句なしに敦樹。4-3-3のIHに配されていつもよりはやや前目のポジションを任されたのが見事にハマったようで、敦樹は実にBOXtoBOX系のCHらしいCHとして躍動しつづけました。効果的にゴール前に顔を出せる能力は柴戸や平野にはなく、敦樹の最適ポジションをついに発見した思い。この試合の敦樹は千葉時代の阿部、あるいは絶好調時の青木にも似ていました。とにかく敦樹のポテンシャルは凄い。

・ベテラン3選手が抜け、年齢はともかく昔から浦和に在籍している数少ない選手の一人になった関根にリーダーとしての責任なり自覚なりがはっきりと芽生えたのを感じました。最後まで走りまくる関根、しかも守備で。どちらかといえば無駄に「入れこみ」やすい選手なので、時に悪い方へ転ばなければ良いのですが、今後に期待したいものです。

・この日の興梠は「とにかくボールをキープして時間を稼いでくれ!!」というタスクに全力を尽くしていて、敵陣ではもちろん、押し込まれて苦しい時は自陣ですらボールキープに専念。興梠の鬼キープが復活したことはちょっと嬉しかった。

・この試合みたいにボールが持てない試合の場合は汰木より強くプレスをかけられる大久保のほうが断然良い。リーグ戦序盤はベンチにも入れず、ルヴァン杯でも良いところなしだったのに、一年で急成長。大卒なのでそれくらいやって当たり前かもしませんが、SHのポジション争いが激烈なのは実に喜ばしいこと(絶対レベルがアレなのはともかくとして)。

・達也は裏抜けしてGKと一対一っちゅーのはまるでダメですが、諦めずに走って逆サイドから詰めたご褒美としてのゴールが目立ちます。これが実に達也らしい。また達也は後ろが西の方が活きることをまたしても実証した感じに。

・金子は攻めることに慣れていないのかカウンターの好機でスルーパスを出すタイミングを失って、どう見てもオフサイドとなるタイミングで酒井にスルーパスを出していたのは物悲しかった。来年安居が来たら完全に出番なくなるかも(つД`)

・佐藤主審はやたらファウル取ることで一貫していると思ったら終盤全然ファウル取らなくなって、酒井が2回ブチ切れていました!! その傾向を見て取った西が後ろから手をかけて相手を止めていましたが、当然イエローなんて出ない。さすが鹿島育ちwww

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大久保--江坂---田中
--伊藤----関根--
-----平野-----
山中-ショルツ--岩波--西
-----西川-----

(得点)
18分 伊藤
48分 田中

(交代)
57分 田中→汰木(汰木が左SH、大久保が右SHへ)
78分 伊藤→金子
78分 大久保→酒井
78分 江坂→興梠
90+1分 山中→宇賀神


エウベル---前田---仲川
----ジュニオール-----
---扇原--喜田---
ティラトン-岩田-マルチンス-小池
-----高丘-----

(得点)
85分 レオ セアラ

(交代)
62分 仲川→レオ セアラ
62分 ジュニオール→天野
62分 扇原→渡辺
74分 喜田→水沼

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