山中亮輔選手 セレッソ大阪へ完全移籍
・昨日(12/26)、山中亮輔選手のセレッソ大阪への完全移籍が公表されました。山中の移籍話は12/13にスポニチで「C大阪が来季新戦力として浦和の元日本代表DF山中亮輔獲得に動いている」と報じたのが嚆矢。12/20のデイリーによれば「山中は今季で浦和との契約が満了となるため移籍金は発生しない。」とのこと。
・山中は2019年に横浜Mから完全移籍加入。車屋獲得に失敗した後にシュータンが慌てて探した結果が山中だったのかもしれません。しかも2億円超と言われる違約金を気前よくバァーーーン!!と払ってしまうあたりがいかにもシュータン。
・ところが、当時のオリヴェイラ監督は基本3-3-2-2を採用していて、山中が最も得意とする左SBというポジションはありませんでした。加入当初は左WBでスタメン起用されていましたが、いかにも山中らしい豪快に裏を取られる失態が目だちました。監督が大槻氏に代わって「ミシャの残り香」システムを採用すると山中は宇賀神や関根にポジションを奪われてしまいました。
・ここまでの山中は「ネームヴァリュー先行の補強で、どこでどのように使うのかまるで考えていない」シュータンらしい無駄遣いの象徴のような存在でしたが、2020年に大槻監督が4-4-2を採用した辺りから左SB山中の出番は急増。左SH汰木との相性が非常に良く、共に守備に難があって「べニア板2枚重ね」的な左サイドの守備にクラクラさせられながらも、山中にはそんなに悪くはない年だったと思います。
・今年もリカが4-4-2を継続したので山中は開幕から左SBのレギュラーを確保。夏の天皇杯相模原戦での負傷による離脱が少々長引いたのは誤算でしたが、それが却って良い休養になったのか復帰後は持ち味の超高精度クロスを連発して浦和の攻撃の軸になっていた感さえありました。後ろはショルツが守ってくれるので文字通り「後顧の憂い」がなくなった山中は実にのびのびとプレー。浦和での3年間で今年の秋が山中が最も輝いていた時期だったのは間違いありません。
・ところが、リーグ最終節名古屋戦で山中は突如ベンチ外になり、続く天皇杯準決勝・決勝ともベンチに入れず。そしていきなりC大阪へ完全移籍の運びに。故障離脱していた時期を除けば今年の山中は完全に主力扱いなので「リカの構想から外れて放出」になったとは思えず、また山中はまだ28歳なので世代交代を見据えての放出でもないでしょう。
・ここからは完全に邪推になりますが、山中は今年一杯で契約が切れるので浦和フロントとしては契約更新を考えていたものの、旧契約は如何せんシュータンが提示したものなので年俸がバカ高かったのがネックになったような気がします。シュータン在籍時と違ってすっかり金がなくなった浦和フロントとしては今年の山中の活躍を考慮しても減俸提示せざるを得ず、それを山中が飲まなかったので最後はリカに干されて完全移籍の運びになったのではなかろうかと。
・山中は超高精度クロスやプレースキック、強烈なミドルシュートなど強烈な武器を持っている反面、守備時のポジショニングに往々にして難があり、集中力が切れやすいようにも見えるなど、非常に使い方が難しいSBです。汎用性がなく、ハマる時ハマらない時の落差が非常にデカい。
・小菊監督は「ロティーナの残り香」風の手堅いサッカーをやっているように見受けられましたが、そのサッカーで山中が活きるのかなぁ? C大阪は丸橋の後釜として山中を獲ったようですが、丸橋もまだ31歳なので来年も山中よりも攻守にバランスが良い丸橋がフツーに主力だと予想します(苦笑)。
・一方リカとしては山中の移籍は想定外のはず。左右ともこなせるSBとして宇賀神の代わりが馬渡だと考えると、山中の代わりは大畑になりますが、大畑は現在故障中で開幕に間に合わない可能性大。それではあんまりじゃないかと・・・このままではやむなく左SBで起用している明本を前目に戻す計画も頓挫を余儀なくされるかと。
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