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2022.02.24

【観戦記】22年第9節:浦和 2-2 神戸 ~ 血がぁー、栃木のヤンキーの血がぁぁぁーーー

 今日も今日とて何だかよく判らない主審の笛に悩まされながらも前半のうちに逆転し、その後も優位に試合を進めていたにも関わらず、明本の愚行でいきなり暗転。必死の防戦も及ばず、勝ち点1を甘受せざるを得ない羽目に。
 
《スタメン》

・ACLの関係で第9節は前倒しで開催され、共に中3日の日程。

・相変わらず多数のコンディション不良者&コロナ禍で台所事情が苦しい浦和は前節から安居→松崎、酒井→大畑、犬飼→ショルツとスタメン3名入れ替え。酒井は前節終盤に負傷交代を余儀なくされたので大事を取ってベンチスタートにしたのでしょうが、代わって投入されたのが故障明けというか明けているのかどうか定かでない大畑というのはいかにも苦しい。

・また前節ベンチ外だった岩尾がいきなりベンチ入りしてるのにはびっくり!!

・神戸は出場停止の扇原に代えて郷家をスタメン起用した他、汰木→ボージャン、大崎→初瀬とこちらもスタメン3名入れ替え。前節ベンチ外だったイニエスタがベンチ入り。

Kobe2202005

《試合展開》

・浦和の基本フォーメーションは4-2-3-1というか江坂が下がり気味の4-4-2というか、まあそんな感じ。今年初めてサイドアタッカーが2枚揃い、関根が左SHへ。神戸は相変わらず中盤ダイヤモンド型の4-4-2。

・双方いきなりゴールに迫り合う随分とドタバタした立ち上がり。5分ボックス内で大迫と松崎が交錯し、大迫が傷んで長時間試合が止まったところでこんな時に限ってご丁寧にもVARが発動して神戸PKゲット。

・試合後松崎は「先にボールに触れられると思って足を出しましたが、大迫選手はすごく速くて、そこら辺は今まで体感できていなかったところなので、やってしまったとは思いました」と語っており、ファウルはファウルなのでしょうが・・・ しかもVAR介入までファウルを取る素振りすらなかった微妙なファウル判定だったにも関わらずなぜか木村主審は松崎にイエローカードまでご進呈。

・そしてこの武藤のPKを西川が阻止したところまでは良かったのですが、その直後の自陣深い位置でのスローインから山口に守備の人数は揃っているにも関わらず浦和右サイドを深々と抉られたのが痛恨事。最後は武藤の技ありループで早い時間帯に先制点を許してしまいました。

・しかし、ドタバタした展開は一向に収まる気配はなく、12分浦和がすかさず反撃。関根が江坂とのパス交換から左サイドを突破してボックス内突入→松崎のシュートはブロックに入った槙野にわずかに当たって軌道が変わったのが幸いしてか、前川の伸ばした手をわずかに交わしてゴール右に決まりました。

・さらに19分馬渡CK→ニアで明本が飛び蹴りのような恰好で繋いでファーで柴戸がヘッド!! スーパーカップでも今年の浦和はセットプレーでの得点を些かも疎かにしてない気配が感じられましたが、ここでいきなり結実。

・神戸は浦和ゴールキック時に2トップ&ボージャンでやたら前からプレッシャーをかけてきたことに象徴されるように、前回アウェーでの対戦時同様浦和に対して強く前からプレスをかけてきましたが、その時ほど強度はないこともあってか浦和はいとも簡単に神戸のプレスを剥がすというか、やたら食いついてくるのを逆用する感じで攻撃。

・30分には大畑が左サイドから中央へ低い横パス→明本スルー→江坂が右サイドへ展開して松崎がどフリーでGKと一対一になったものの、ここは前川がセーブ。そこで得たCKからの流れで江坂クロス→伊藤どフリーでヘッドはバーの上。さらに36分はショートカウンターから馬渡クロス→江坂ヘッドは枠を捉えきれず。

・ただ神戸がボールを握っている時間も案外長く、そうなると俊足の武藤が極めて厄介。42分酒井高が縦パス→武藤が大畑を振り切ってマイナスに折り返し→ボックス内で大迫がフリーになるという、京都戦の失点と似た形を作られましたが大迫のシュートははるか上空へ。

・45分にはボックス内でシュート体勢に入った武藤とブロックに入った岩波が交錯する場面がありましたが、ここはノーファウルでVAR介入もなし。ATにはサンペールスルーパス→ボックス内で山口折り返し→中で武藤がヒールで合わせるも枠外と武藤絡みで危ない場面が立て続けに発生しました。

・リカは後半頭から大畑→酒井宏と代えて馬渡を左SBへ配転。前半の終わり頃に左サイドを徹底的に狙われたことへの対応という意味合いよりも、もともと大畑が45分くらいしか持たないゆえの予定通りの交代でしょう。

・後半立ち上がりも51分センターサークル付近での競り合いからショートカウンター気味に攻撃を仕掛けて伊藤のフィニッシュで終わる場面があったり、55分サンペールの縦パスをカットしたところからのカウンターで関根のシュートが枠内を強襲するなど浦和が押し気味で試合が進んでいましたが、58分にこの試合を決定づける一大アクシデントが発生。

・岩波のロングボールを巡って明本とCB小林に小競り合いがあり、明本を止めようとした小林の行為は相当悪質でしたが、それにブチ切れた明本はなんと小林の喉を突き飛ばしてしまい、副審の目の前ということもあって言い逃れの余地は全くなく、当然ながら一発退場。

・これには伏線があり、55分に明本は酒井高に後方から削られているにも関わらずなぜかノーファウルで判定に不満を露わにしていました。スーパーカップでも大島の明本への決定機阻止をなぜかスルーされたばかりですし、明本は色々とフラストレーションが溜まりに溜まっていたことは容易に想像できます。しかし、その挙句に「のど輪一発」となるとさすがに擁護できません。

・すかさず神戸はイニエスタと汰木を投入。浦和はとりあえず松崎→岩尾と替え、関根を右に回すと同時にポジションをやや下げて4-4-1というより5-3-1気味にシフト。さらに76分江坂に代えて犬飼を投入(関根CFへ)してはっきりした5-3-1で専守防衛体制に移行しました。

・神戸は一方的にボールを支配するものの攻撃は左右からハイクロスを入れるだけの単調極まりないものに終始。これでは高さがある浦和守備陣を崩せるはずもありません。82分西川がなぜかゴールキック時にスリップして目の前の武藤にプレゼントパスしてしまう大ピンチもありましたが、岩波が必死に武藤に食らいついてカバー。

・このまま逃げ切れると思いましたが、87分ついに浦和守備陣が決壊。イニエスタをあれだけフリーにするとやられるわなあ・・・しかもイニエスタがクロスを出した先にはよりによって槙野。イニエスタに付き切れなかった酒井宏、槙野についていたはずなのになぜか肝心なところで槙野をフリーにしてしまったショルツ。うーーん、肝心なところでやられる要素が揃い踏み。

・でもこの失点の直前、カウンターに出ようとした関根を小林が露骨に手で止めているにも関わらず、なぜかノーファウル。そんなこんなで90分を通じて木村主審に悩まされ続けたような気が多々。

・やむなくリカは関根に代えて安居を投入したものの、安居CFはいくらなんでも無理があって反撃らしい反撃は出来ず、逆に終了間際にサンペールのシュートがポストを叩く一幕もあり、なんとか勝ち点1を確保したような幕切れに。

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《総評》

・神戸とは昨シーズン終盤にアウェーで対戦して1-5という衝撃的なスコアで惨敗。「フツー決まらんやろ??」と思えるようなシュートが悉く決まってしまうという神戸が札束で掻き集めた高額選手達の恐ろしさもさることながら、神戸の強烈なプレスに浦和の選手達はタジタジになって自陣でボールを失ってしまう場面が目立ちました。

・あれから半年近く経っての再戦。浦和はなんとか試合を成立させるのがやっというレベルの緊急事態に陥っている上に、初めて神戸と対峙する松崎&馬渡、そしてまともに稼働するかどうか定かでない大畑をスタメン起用せざるを得なかったため、あの惨状がまたも繰り返されるかもと案じていましたが、結果は意外なことに明本の愚行までは浦和が優勢でした。

・神戸のハイプレスにひとたまりもなく、ボールの出しどころに迷い、しまいにはガツンと当たられていとも簡単にボールを失ってしまったひ弱だったあの日の情けない姿はどこにもありませんでした。そしてボールを失わないどころかしばしば球際で競り勝ち、相手がやたら食いついて来るのを逆用するかのようにパスを繋いで相手の裏を突く。

・神戸が前からハメに来ても全然ハマらない。松崎はもちろんコンディションが万全には程遠いであろう大畑ですら的確なポジション取りで相手を交わしているのには驚きました。やむなく相手が汚いファウル紛いの行為で止めようとしても明本も関根も江坂も簡単には倒れずに前へ進もうとする。神戸の状態があまり良く無さげなことを割り引いたとしても、主力を多数欠いた浦和の出来は称賛に価すると思いました。

・開幕京都戦は敗戦、そしてこの試合はドローと2試合でわずか勝ち点1を積み上げるに留まり、浦和は開幕ロケット発射どころか逆噴射になってしまいましたが、試合内容は勝ち点1に留まっているのが不思議なくらいの出来。もちろん再三の決定機逸だとか愚かすぎる退場だとか勝ち点1で終わる原因もはっきりしており、前者は宿痾になってしまう可能性も無きにしも非ずですが、とりあえずリカ流のチームに仕上げるのに2、3ヶ月かかった昨年と比べるとチームの完成度は遥かに高いのは確か。これには自信は持っていい。大量に選手を入れ替え、さらに主力を多数欠いているにも関わらず。

・しかも期待の新加入選手が早速稼働し始めました。さらにコンディション不良の選手、隔離・療養中の選手が続々と復帰すれば、どんなに強いチームになることか!! 「もう浦和にはもう上がり目しかないんやで!!!」と無理やり前を向くことにします。

・控えめに言ってもこの試合は「これからもずっと応援したくなる試合内容だった!!」のは確か。プロスポーツは興業なのでそれだけでも十分なのかも。

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《選手評等》

・12分のゴールで場内アナウンスされたのはなんと柴戸。「俺の柴戸があんなに上手い訳がない!!」と思っていたら案の定本当の得点者は松崎でした。22番と27番は案外見分けづらいのかな??

・試合後の松崎「このクラブはちょっと通用したとか、正直いらない。いかに勝ちに貢献出来るかで、通用するしないを悠長に待ってくれるクラブじゃないので、もっとやらないといけない」とのコメントで赤者のハートを鷲掴み!! 浦和のツボがすぐに判る選手もいれば、10年在籍しても判らない選手もいる。松崎は前者で良かった。実に良かった。

・単なるサイドアタッカーではなく、ボックス内で仕事が出来ることを早々と実証した松崎。右SHを達也から松崎へ入れ替えたのは正解でした。達也の献身的なプレースタイルは個人的には好きでしたが、DFなりGKなりと対峙した時のしょぼさは目に余ったからなぁ(つД`)

・今日も今日とて主審のアレっぷりには悩まされましたが、審判の傾向を見抜く点ではやっぱ西はダントツに凄かった!! 危ない場面では「ここまでならOK」というファウル紛いを繰り出しまくり。その点犬飼はもう鹿島がたいして強くない時期にしか在籍してないから、そういうスキルはないかもしれんなぁ・・・

・今日の神戸で武藤はぶっちぎりに怖い選手と思いましたが、大迫は何で現役日本代表なのかさっぱり判らんかったなぁ。いとも簡単にコケまくりで、もはや単なるJ1レベルのFW。まぁそれでもFC東京のあの方よりはマシですが。

Kobe2202004

-----明本-----
関根---江坂---松崎
---柴戸--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-馬渡
-----西川-----

(得点)
12分 松崎
19分 柴戸

(交代)
HT 大畑→酒井
63分 松崎→岩尾
76分 江坂→犬飼
88分 関根→安居

Kobe2202003

---武藤--大迫---
-----ボジャン----
-山口-サンペール--郷家-
初瀬-小林--槙野-酒井
-----前川-----

(得点)
10分 武藤
87分 槙野

(交代)
63分 ボージャン→イニエスタ
63分 郷家→汰木
88分 初瀬→小田

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