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2022.04.16

【DAZN観戦記】ACL2022 GS MD1:ライオンシティ 1-4 浦和 ~ まずは上々の船出

 3年ぶりにACLの舞台に帰って来た浦和。グループリーグ初戦でやや力が劣ると思われる相手に対してどんな形であれ勝つことが最大かつ唯一の目標でしたが、難なくそのタスクを果たしてますはひと安心。

《スタメン》

・浦和は直近のFC東京戦から小泉→松尾、柴戸→伊藤、明本→大畑、西川→彩艶とスタメン4名入れ替え。

・ACLはベンチに10人も入れられるのでリーグ戦でベンチ入り経験のある面子はおしなべてベンチ入りしており、強いて言えば宮本がベンチにもいないくらい。故障中の平野は練習に参加している姿こそ確認できたものの、ベンチ入りはならず。

・なお今大会からACLの外国人枠は若干緩和され、前大会までは3人+アジア枠1人しか登録できなかったのが、今大会からは登録自体は制限がなく、試合に出場出来るのが3人+アジア枠1という形に。浦和はアジア枠に相当する選手がいないので外国人は3名のみ出場可能で、この試合ではシャルクがベンチ外に。

・ライオンシティはシンガポールプレミアリーグの優勝チームでACL初挑戦。監督キム・ドフンとかつて蔚山現代や全北現代にいた長身FWキム・シンウクくらいしか馴染みのある選手はいませんでした。

Acl2022

《試合展開》

・ライオンシティの基本布陣は4-4-2。立ち上がりこそ長身FWキム・シンウク目掛けてロングボールを多用して、結構面倒臭い相手という感じがしましたが、3分大畑の縦パスを左サイドタッチ際で松尾がどフリーで受けたことに象徴されるように、ライオンシティの右サイドの守備がお話にならないことが早々と露呈。前半の浦和は主に左サイドからの攻撃で決定機を量産しました。

・8分左サイドで松尾のパスを受けた江坂クロス→ニアサイドに走り込んだユンカーが得意ではないはずのヘディングで合わせていきなり先制!! さらに15分左サイドで松尾からのゴロパスをボックス内で受けた江坂がワンタッチで合わせて2点目。

・ライオンシティは右SBがなぜか随分中へ絞るので対面の松尾はしょっちゅうフリーになりがち。ライオンシティの右SHが仕方なく松尾に対応していたものの、往々にして対応が後手に回っていましたし、やむなく右SHが早めに下がって松尾をケアすると、右SH前のスペースを大畑や江坂に使われてしまう。前半を通じてずっとそんな感じでした。

・浦和の左サイドは江坂・松尾・大畑のコンビネーションがとにかく秀麗。松尾は清水戦では中へ絞ったポジションを盛んに取っていたものの有効とは言い難い状態でしたが、この試合では松尾は基本タッチ際にいて大畑が中へ絞る形に変更。これが上手くハマりました。

・右サイドが大炎上したためか、ライオンシティは怪我でもないのに24分という極めて早い時間帯に右SHを代えましたが、右SBがやたら中へ絞るがために構造的に松尾にやられているという問題は人を代えてどうなる問題でもなく、しかも投入された11番が松尾を後方から削っていきなりイエローをもらってしまって火に油を注ぐ結果に。

・左サイドと比べると右サイドのモーベルグ&酒井のコンビネーションはいかにも「個人能力だけでゴリゴリやっています!!」という感じでさほど有効でもなかったのですが、何だかんだとその個人能力はとんでもない脅威であることを示したのがモーベルグのゴール。

・36分高い位置でのボール奪取からモーベルグがカットイン&アーク付近から強烈なシュートを放つもここはGKがセーブ。39分岩尾の縦パスをモーベルグが右サイドタッチ際で受けて遠目から巻いたシュートはわずかに枠外。そして43分酒井の縦パスを受けたモーベルグがいきなり反転して強烈なミドルシュート。これがGKのニアをぶち抜いて3点目。シュートもさることながら酒井の強い縦パスをびしっと止めて反転したのがとにかく凄い!!

・モーベルグショーはこれで終わらない。43分右サイド深い位置にいたモーベルグのバックパスはやたら強く、角度のないところから自ゴールに突き刺してしまう大椿事が発生。モーベルグはほぼノープレッシャーだったので、なんでこんなオウンゴールが生まれたのか全く意味不明。

・とはいえ、浦和がほぼ一方的にボールを支配しているのでライオンシティが狙いとするFWキム・シンウクへの放り込みもままならずに前半終了。

・ライオンシティは右サイドをボコボコにされたのを気に病んでか、後半頭から5バックへ変更。しかし、その効果が表れる暇もなく47分酒井のロングパスを右サイド高い位置受けたモーベルグがなぜかボックス内へ突入していた伊藤へパス→伊藤がファーへ送ったパスを松尾が押し込んで4点目。松尾はどう見てもオフサイド臭いのですが、ACLグループステージではVARは採用されていないので判定は覆りようがありません。

・後半はライオンシティも多少反撃を見せ、51分浦和右サイドの裏を取られて危険なクロスを入れられる場面がありましたが、ショルツが戻って辛うじてインターセプト。54分にはキム・シンウクにどフリーでミドルシュートを撃たれる一幕あありましたが、ここはGK彩艶が難なくセーブ。

・56分左サイドを大畑が深く抉って松尾に折り返すも、ニアを突いた松尾のシュートはGKセーブ。

・3点差がついたためか、リカは中2日での6連戦に備えて主力を休ませるべく64分に伊藤→柴戸、江坂→小泉、モーベルグ→関根と3枚替え。関根は投入直後に酒井の縦パスを受けて右サイドから単騎カットインして積極的にシュートを放つものの惜しくもポストを直撃。

・68分につまらないイエローをもらった岩尾を71分に下げて明本を投入した辺りは、リーグ戦で突然の退場者発生に泣かされまくった経験から来るものでしょう。

・キックオフ時には気温30度以上もあり、湿度も高くて過酷な環境だったはずなのになぜか給水タイムはなし。双方選手を入れ替えたとはいえ消耗は免れずに試合内容は急速にグダグダに。

・81分小泉浮き玉パスに反応して左サイドから裏抜けに成功した松尾が5点目を決めたか!!と思いきや、これはオフサイドの判定。こちらはオンサイドのように見えるのですが・・・VARの登場で失われた「帳尻合わせ」という懐かしい言葉が脳裏にチラチラ。


・最後は松尾に代えて大久保を投入。そして浦和の交代選手数を数えられない実況&解説・・・見るからにヘロヘロのユンカーを最後まで使ったのは、次節シャルクがスタメンでユンカーお休みという腹積もりなのでしょう。

Lioncity

《総評》

・2019年以来3年ぶりのACL。浦和はこの2年間で選手が劇的に入れ替わったのでACL経験者が激減しており、ACL経験者よりEL経験者のほうが多いのではないかという噂が出るくらい。またACLどころかそもそも海外での公式戦自体が初めてという選手すらいるかも。大畑のような世代別代表経験者はともかくとして。

・また浦和はクラブとしてはACL経験が豊富と言っても、グループステージ全試合を同じ会場で戦うセントラル開催方式は初めて。しかも高温多湿という過酷な環境下で半月で中2日で6試合をこなす超過密スケジュールを強いられるので、コンディション調整が非常に難しいことは容易に想像できます。リカがタイのクラブで3年間やった経験があるのは多少救いでしょうが。

・さらに厄介なことに今大会のグループステージ勝ち抜け条件は少々複雑、ACL参加チームが東西合計32チームから40チームに増えており、東西各グループステージも4組から5組に増えたので、グループ1位が無条件突破のは当然としてもグループ2位は無条件突破ではなく各組2位の中で上位3チームしか突破できなくなりました。

・そしてややこしいことに、今大会はJ組の上海海港が出場辞退したためこの組だけ3チームでの争いに。他の4チームで争う組との公平を期すために、4チームの組では最終的に最下位になったチームとの対戦成績を除外して2位チーム同士の成績を比較します。

・「最終的に」というのがミソで最終節までどのチームが最下位になるのか判らない状態だと結果的にノーカウントになってしまう勝ち点の数も最後まで判らないので、2位通過!!と思っていたら他会場の結果で突然3位と4位が入れ替わって4位から稼いだ勝ち点がパーになって他の組との比較で及ばないという笑うに笑えない事態も起こりえます。

・いろいろと面倒な大会ですが、リカが試合後会見で強調したように「最初のゲームは勝つことが非常に大事」で、その最大かつ唯一のタスクを完遂できた以上、この試合は100点満点!! 

・また早い時間帯に点差もついて、主力選手を早めに交代できたことを考えれば120点を上げても良いくらい。相手の守備の欠陥を執拗に突いて、人数をかけ相手を押し込んでから再現性のある攻撃をアホほど仕掛けたは実にリカ保守本流でしたし(その割に左サイド攻撃で2点しか取れなかったのはさておき)。

・しいて言えばCKを山のように得たにも関わらず、3分その流れから松尾クロス→ファーで酒井ヘッド、11分江坂のヘッドがいずれもGKの好セーブに阻まれたのが惜しかったくらいで、しかも時間の経過と共に決定機から遠ざかっていったのがこの試合の反省材料でしょうか。徹底してファーに蹴っていましたが・・・

・なお先に行われた試合で大邱は山東を7-0と軽く一蹴しており、この組は「2強2弱」なことは確実。従って2弱から確実に勝ち点6ずつを取っておけばどちらが最下位になっても最低勝ち点6を確保できるので、どう見ても神戸1強のJ組や混戦になりそうな組よりは2位争いで有利で勝ち抜けの可能性が高いような気がします。もちろん大邱にも直接対戦で勝ち越して首位通過となれば文句なしですが。

《選手評等》

・彩艶がACLの舞台でいきなり今季初スタメン!! その意図は図りかねますが、キム・シンウクの高さを警戒したのかなぁ? 守備機会がほとんどないので彩艶は集中を保つのが大変だったと思いますが、前半目測を誤って、あるいはバウンドを読み損ねてオウンゴールになりかかる一幕もあれば、後半強烈なFKを安易にパンチングで逃れずに見事にキャッチする場面もあって、その辺を監督なりGKコーチなりがどう評価するか。

・MOMは松尾だった模様。誰が見ても妥当な評価ですが、DAZNの中継は試合が終了するとすぐに終わってしまうので青島ビールのねーちゃんorオッサンが出てくるのかどうか確認できず(苦笑)。

・個人的には松尾と絶妙のコンビネーションを見せた大畑が次点。ただ大畑はいかにも鳥栖育ちらしい荒っぽさも散見され、主審によっては早々とイエローをもらってしまう可能性が無きにしも非ず。

・ブリーラムに響き渡る赤者の声援とチャントの数々!! これぞ精鋭中の精鋭!!そしてどう見ても頭数と釣り合わない、サイドスタンドを埋め尽くしたダンマク&ビッグフラッグ。いやはや、お疲れ様でした。

-----ユンカー-----
松尾---江坂--モベルグ
---伊藤--岩尾---
大畑-岩波--ショルツ-酒井
-----彩艶-----

(得点)
8分 ユンカー
15分 江坂
42分 モーベルグ
47分 松尾

(失点)
43分 OWN GOAL(モーベルグ)

(交代)
65分 伊藤→柴戸
65分 江坂→小泉
65分 モーベルグ→関根
71分 岩尾→明本
86分 松尾→大久保

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