« 辛出汁チキンカツ定食@かつや | トップページ | 喜来登@すすきの ~ みそラーメン »

2022.04.19

【DAZN観戦記】ACL2022 GS MD2:浦和 5-0 山東泰山 ~ ロケット2段目点火成功!!

 ショルツ以外は普段のベンチメンバーをゾロゾロ起用して臨みましたが、先制点を取るまでにやや時間がかかった嫌いがあったくらいで、終わってみれば文句なしの結果に。

《スタメン》

・浦和はショルツと彩艶以外の9名を入れ替え。大邱相手に0-7を大敗を喫して、力が落ちることが判っている山東泰山相手にリカは大胆なターンオーバーを敢行しました。第3節・第4節での大邱との連戦がグループステージ勝ち抜けをかけての大一番になることは明々白々なので、そこにベストメンバーを持って行くべく、ここでターンオーバーするのは当然でしょう。

・シャルクのベンチ入りに伴い、外国人選手でベンチ外になったのは前節フル出場だったユンカーではなくモーベルグだったのが意外でした。

・また前節ベンチ外だった宮本がいきなりスタメン入りした一方、江坂がいきなりベンチ外。普段なかなか休む機会がない江坂に珍しい配慮です。

・山東泰山は2021シーズンでリーグ優勝&カップ戦優勝の2冠を達成し、本来であれば中国勢最強と目されてしかるべきクラブ。しかしながら、今大会も前大会に続いて中国政府が厳しいコロナ対策を取っている(=今大会に出場すると新型コロナウイルスの影響で国内リーグ開幕までに帰国できない可能性がある)ので中国勢はACLには非常に消極的。

・従って出場を辞退した上海海港よりはマシとはいえ、山東もフェライニなど主力をごっそり欠いているどころか最年長が2000年生まれという若手だらけのチームでACLに臨むことに(監督もU-21の監督!)。

・ちなみに山東泰山は昔の山東魯能。クラブ名に会社名を入れないようにするサッカー協会の方針を受けて、2021年シーズンからクラブ名が山東泰山に変わっています。

・浦和とは山東魯能時代の2007年に「A3アジアチャンピオンズカップ」という今となっては謎の大会で対戦したことがあり、その際は3対4の敗戦。

・開催地山東省済南は当時「空気が見える」と岡野に評されるくらい大気汚染が酷かったとか城南一和との大乱闘とかはともかく、最終節で食らったワシントンのレッドカードがその後どこで消化されたのか判らないとか、3位になった浦和への賞金が未払いだとか、とにかく滅茶苦茶な大会で、その後大会自体が有耶無耶になったようです・・・

Acl2022_20220419093601

《試合展開》

・山東はハナから5-4-1の布陣で自陣にドン引きの構え。全くプレッシャーをかけてこないので前半を通じて浦和が敵陣で一方的にボールを保持している状態。そこで浦和はCHの一枚を最終ライン左に落とす一方両SBを上げ、さらにショルツを高く押し出してショルツの縦パスを起点に攻撃を仕掛けました。

・右サイドでは関根と宮本が内・外のレーンを変えながらショルツの縦パスを受けて山東の左サイドを破る形は何度も作れていましたが、残念ながらこの面子だといかにもフィニッシャー不足。

・11分ショルツ縦パス→関根マイナスの折り返し→ボックス内で小泉シュートはバーの上。12分宮本クロスに対して珍しく柴戸が飛び込むも合わせきれずに枠外、15分大久保が左サイドから深く抉ってボックス内に突入するも小泉がヒールでの流し込めずと、「ボールは良く回るが点は入らない」という「J2オールスターズ」による浦和お馴染みの光景が広がることに。

・解説坪井の見立てではこれでも山東の守備は大邱戦よりずっと良くなっているそうで、見方によっては「外を少々破られても中で跳ね返せれば無問題」と割り切っている風でもあり、時間の経過と共に浦和右サイドで相手最終ラインの裏に抜ける場面も減って来て、ショルツが業を煮やしたかのように「モーゼ攻撃」を仕掛ける場面もしばしば。

・上手く行ってはいないものの妙に焦ることもなかったのが奏功したのか、26分ついに浦和が先制。関根が右サイドからカットイン→ボックス内に大久保との壁パスからシュートを放ち、そのこぼれ玉に反応した明本が泥臭く押し込んでゴール!!

・浦和はボールを失っても素早く攻守を切り替えていとも簡単に敵陣でボールを回収していましたし、山東がなんとか自陣を抜け出してもそこにはショルツが立ちはだかっているので全く得点の気配なし。よって先制点さえ取ってしまえば浦和は極めて楽チン。

・30分関根のクロスをボックス内で受けようとした明本を山東の13番がボールに全くチャレンジすることなく背後から押してしまいPKに。この試合のPKキッカーはショルツ。GKの飛んだ方向は合っていたものの、ショルツはGKの届かないところにスピードのあるボールを蹴り込んでおり、全く危なげなくゴール。

・その後も33分馬渡クロス→明本ヘッド、36分ショルツのモーゼ攻撃からの折り返しを大久保シュートと良い形を作りながらも追加点はならず。浦和は前半を通じて攻撃の全権をショルツに依存している状態。とにかくショルツが万能の神過ぎるせいか、この面子なら本来ゲームをコントロールして然るべき小泉がやや消え気味で、中央で相手に圧力をかけるにはショルツのモーゼ攻撃が最も可能性があるという笑うに笑えない状態で前半終了。

・そこでリカは後半頭からショルツ→岩波、小泉→シャルクと交代。犬飼長期離脱のためCBで計算が立つのは知念を含めた3枚しかいないので前者は試合展開には何の関係もない、グループステージでの総出場時間を睨んだ予定通りの交代でしょう。また後者は加入間もないシャルクの試運転的な意味合いが強いものと目されます。そしてシャルクが左SHに入って大久保がトップ下に。

・そして53分CKからの流れで大久保クロス→ファーで岩波が折り返したところにシャルクが詰めて3点目。シャルクはACLデビュー戦でいきなりゴール!!

・これでますます試運転なり主力に近い選手の早期交代がやりやすくなったのか、リカは57分大久保→松崎と早々と3枚目のカードを切ったのはともかく、66分馬渡に代えて前節フル出場しているユンカーを投入したのにはびっくり!!ユンカーとシャルクとの連携を深めたい趣旨なのか、バンバン試合に出してユンカーのコンディションを上げたいのか、ちょっと意図を図りかねる交代でした。

・ユンカー&シャルクとフィニッシャーが前目に揃った時にはズバッと縦パスを出せる選手が誰もいないというややチグハグな構成になってしまいましたが、山東も前半よりはやや前に出てきたこともあって守備網が明らかに緩んでしまい、浦和の攻撃は案外停滞せず。岩波も蛮勇を振るって「プチモーゼ攻撃」を仕掛けていましたし(苦笑)。

・そして遠目の位置からシャルクが豪快に直接FKを決めて4点目。絵に描いたような「名刺代わりの一発」でした。2点目ですが(笑)。

・最後に関根に代わってトップ下に投入された松尾が前節に引きつづいてキレキレで何度も決定機を演出。

・82分シャルク→ボックス内中央で松尾→ユンカー、86分松尾高速クロス→ユンカーヘッドと決定機がありながらも、わざわざ投入したユンカーのゴールがなかったのが残念でしたが、試合終了間際に右サイドから宮本の横パスを受けた安居がアーク手前から地を這うようなシュートをぶちこんで5点目!!ちょっとDFに当たってディフレクトしたのが幸いした感じでしたが、流経大新人コンビによる絵になるゴールでした。

Santou

《総評》

・第1節でこの組は「2強2弱」なのが明白となり、とにかく2弱からしっかり勝てればそれだけでミッション達成。1位2位は大邱との直接対戦の結果で決まる可能性が高く、2弱からの得失点差はあまり関係がないので大量得点を狙って焦る必要なんてまるでありません。それよりも大邱との決戦へ向けて主力を極力休ませることが2番目に重要なタスクで、出来れば普段ベンチ組の底上げを図るのがおまけ的なタスクと言っていいでしょう。

・そしてこの試合は山東からちゃんと勝ち点3をゲットし、しかも普段のベンチ組を大量に起用しての勝利なので2番目のタスクまで見事達成。シャルクの試運転こそ大成功だったがベンチ組の底上げになったかどうかはやや微妙という印象こそ残りましたが、それはあくまでも余禄。総じて100点満点の出来と評して差し支えないでしょう。

・2弱相手にきっちり勝ち点6を積み上げて大邱との決戦に臨もうとしたら、なんと直前の試合で大邱がライオンシティ相手に0-3の大敗!! しかも初戦の山東戦と同じメンバー(=おそらく主力)でライオンシティ戦に臨んだ上でのまさかの大敗なので、結果もさることながら浦和との決戦を前にコンディション面でもダメージ大でしょう。次節が楽しみです。

《選手評等》

・日本人選手間でのSHのポジション争いは松尾が頭二つくらい抜けだした感じ。関根は格下の相手と1対1になっても明らかな格の違いを見せつけるまでには至らず、ライオンシティ戦で無双状態だった松尾にかなり差を付けられたかなぁ?

・またCHの三番手は柴戸と安居でそんなに差はない感じ。悪く言えば今季の柴戸の停滞が著しい印象。

・途中投入のシャルクが左SHに入ったにも関わらず交代を命ぜられたのが大久保ではなく小泉だったのが驚き。ライオンシティ戦の出来とこの試合の前半の出来を合わせ、今の小泉にリカは満足していないかも?

・JリーグではなぜかほとんどPKを取ってもらえない明本がACLではちゃんとPKを取ってもらえるのは何かの巡り合わせでしょうか(苦笑)。でもこの試合の主審はどう見てもイエロー相当のファウルに対しても全然イエローを出さない、結構ヤバ目の主審だったのが皮肉と言えば皮肉でした。

・解説坪井がA3で浦和が山東魯能と対戦していることに触れなかったのが不思議でしたが、坪井はA3に出場していないので失念したのかなぁ???


-----明本-----
大久保--小泉---関根
---安居--柴戸---
馬渡-知念--ショルツ-宮本
-----彩艶-----

(得点)
26分 明本
31分 ショルツ
53分 シャルク
76分 シャルク
90+3分 安居

(交代)
HT 小泉→シャルク
HT ショルツ→岩波
57分 大久保→松崎
66分 馬渡→ユンカー
79分 関根→松尾

|

« 辛出汁チキンカツ定食@かつや | トップページ | 喜来登@すすきの ~ みそラーメン »