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2022.05.22

【観戦記】22年第14節:浦和 1-1 鹿島 ~ ホーム3連戦は全てドロー

 トータルでは相手GKをびびらせた回数では鹿島の方が若干多かったように感じましたが、浦和も試合終了間際に3度決定機があってどちらが勝っても不思議はない好ゲームでした。もっとも下位を彷徨う浦和としては「好ゲーム」止まりではいかんのですが・・・


《スタメン》

・前節横浜M戦から中2日と日程が厳しい浦和は馬渡→宮本、平野→岩尾、小泉→伊藤、シャルク→江坂とスタメン4名入れ替え。伊藤と江坂は前節メンバー外だったので、ここでスタメンに戻るのは予定通りでしょうが、前節ベンチスタートだったモーベルグがベンチ外だったのは意外でした。

・鹿島はルヴァン杯から中2日で形の上では日程面では浦和と同条件ですが、ルヴァン杯は既にグループステージ突破を決めていて消化試合だったのでそこではほぼフルターンオーバーしており、実質的には浦和よりずっと楽な日程。よって鹿島はリーグ戦前節札幌戦と全くスタメンで臨んできました。

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《試合展開》

・浦和はCHタイプがスタメンに3人いるので、鹿島の布陣に合わせて4-3-1-2にするのかも??と思ったのですが、そこまではっきりとした3ボランチではなく、基本4-2-3-1ないし4-4-2。ただ前半は宮本を前に押し出して伊藤が中に入り、浦和のボール保持時は事実上3-4-2-1っぽくなっている時間帯が長かったように見受けられました。

・浦和の立ち上がり自体は悪くなかったものの、6分鈴木サイドチェンジ→和泉からのパスを上田がショルツと岩波の間でフリーで受けたところで勝負あり。このシュートは西川がいったんセーブするもこぼれ球にカイキが反応して鹿島がいきなり先制。リカが試合後「あってはならない簡単な失点をしてしまいました」と悔やんでいますが、浦和の守備は人数こそ揃っているのに誰一人として肝心なところで仕事をしていないように見える残念な失点でした。

・鹿島が2トップを先頭にガンガンハイプレスをかけてくるのに気圧されて立ち上がりはドタバタした展開になりましたが、13分くらいからようやく浦和がボールを支配。ゲームこそ落ち着いたものの何も起こらないという浦和お馴染みの展開に。26分鹿島のハイプレスを上手く剥がして裏返し、伊藤が右の宮本へ展開して最後は関根のシュートがブロックされた場面に多少可能性があったくらいでしょうか。

・この試合右サイドで宮本にはそもそも攻撃面ではあまり多くを期待できず、前にいる伊藤も安西と対峙して守備重視という感じだったせいか、ショルツが業を煮やしたかのように攻撃参加(俗称「モーゼ攻撃」)する場面が目立ちましたが、これを浦和が活かしきれないのがなんとも残念。

・浦和の攻撃はしょぼいとはいえ、鹿島の反撃もロングボールを多用しては浦和両CBに淡々と弾き返され続けるという残念な試合展開で前半も終わろうとしていたところで突然VARが発動!

・柴戸縦パス→左サイドを疾走した明本のクロスをボックス内で不自然にバンザイしたCB関川の手に当たった形(札幌戦の福森とそっくり!)となり、ハンド=PKの判定。44分ショルツは鹿島の嫌がらせにもなんら怯むことなくきっちりゴールを決めて前半のうちに同点に。

・51分カウンターからユンカーのスルーパスに関根が飛び込むも惜しくも合わず等、後半に入っても浦和はカウンターで良い形を作りながらもシュートが打てないの繰り返し。

・61分西川の横パスを受けた明本が鈴木にガツンと当たられて深い位置でボールを失う大ピンチがありましたが、鈴木の折り返しを岩波がカットしてひと安心。「不死身の明本」もさすがに疲労は隠せないようで、この試合の後半は著しく精彩を欠いてしまいました。

・66分柴戸縦パス→宮本スルーパス→ユンカーとこの試合初めて流れの中で決定機らしい決定機を作りましたが、残念ながらユンカーは左足を切られてシュートはバーの上。シュートを外した直後にユンカーは宮本に何やら注文をつけていましたが、今の宮本はパスを出す方向とか細かい注文に応えられるレベルではないかと・・・

・68分浦和左サイドから常本クロス→上田ヘッドのピンチがありましたが、ここも西川がセーブ。この時間帯から両チームがゴールに迫り合うスリリングな展開に。

・70分左サイド深い位置で得た岩尾FK→ニアで明本ヘッドが綺麗に決まった!!ように見受けられましたが、ゴール前での競り合いの中で岩波が常本を押している=ファウルと判断されたのか、VARの介入もなくノーゴールに。岩波は前節に続いて厳しい判定に泣かされることに。

・日程が厳しい割にはリカの選手交代は遅くて、動いたのは74分になってから。関根→大久保、伊藤→シャルクと代えて大久保を横浜M戦とは逆の右SHに配しましたが、この辺はリカが試合前に「右サイドに右利きを置くか左利きを置くのかによって変わってくる」と語っていた拘りなんでしょう。

・しかしその直後にバイタルエリアで2人交わされて和泉に前を向かれたのが致命傷になり、アーク付近からカイキに決定的なシュートを撃たれてしましたが、ここもまたまた西川がセーブ。

・リカが81分江坂→松尾、明本→知念と代え、その勝利への執念がATになって決定機の山を演出。AT+2分には知念縦パスをシャルクがヘディングで落として松尾がボックス内に突入するもシュートは角度が無くてGKセーブ(ボックス内でどフリーのシャルクが見えてなくて残念)。さらにAT+5分相手を押し込んでの波状攻撃から岩尾のミドルがバーを直撃!!なおもボールを繋いでユンカーのシュートで終わる場面も作りましたが相手にブロックされて試合終了。

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《総評》

・またしてもドロー。浦和の7試合連続ドローは2021~22年の福岡に並んでJ1タイ記録で、同一シーズンでは最長なんだとか。福岡はボールを捨てるチームなのに対し浦和はボールを握りたがるチームとチームカラーは正反対ですが、昨年の福岡も今の浦和も失点は少ないが得点も少なく、結果はほぼ相似形。引き分けが多すぎるせいで、ボトムハーフでは浦和の得失点差が唯一プラスというのが笑うに笑えません。

・リカは「(勝って)うなぎをたくさんあげたいと思っています」と試合前に再三語っていますが、ここままでは浦和の鰻屋は壊滅してしまいます!!

・でもACLでの激闘で最終ラインに怪我人が続出という非常事態の中で中2~3日での4連戦。しかも相手は全部上位チームだったにも関わらずドローで凌ぎ切ったのは見ようによっては悪くない話だと思います。もちろん優勝云々を別にすればの話ですが。

・この4試合で浦和は上位チームと互角に戦える力があることは実証されただけに、シーズン序盤にG大阪・神戸・清水と下位チームに退場者を出して勝ち点を落としまくったのが甚だ残念でなりません。その残念さが祟って今は暫定14位。

・でも鹿島戦を見る限り、あの破れかぶれというか、死なば諸共っぽい無謀な賭けに出た横浜M戦後半で浦和は何か掴んだようにも見受けられました。リカも試合後「前回の横浜F・マリノス戦の後半でやれていたプレーの流れを継続して試合に入ろうと決断して、ああいう形になりました」と語っていますし。

・もっとも横浜M戦後半のようなリスクコントロールもへったくれもなく、遮二無二攻めに出た風では全くなく、ベースはあくまでもボールをしっかり握ってゲームを、そしてリスクをコントロールする今までのリカ風味。横浜M戦後には「良くも悪くも浦和の何かがぶち壊れた気がした」という感想を抱きましたが、幸いにもその感想は悪い意味では杞憂に終わり、ベースはしっかり維持・継続されているように見受けられました。ただ攻めに出る時は縦に速いパターンのウェイトがぐっと上がったような印象を受けました。この試合で66分ユンカーやAT+2分松尾の決定機は縦に速いパターンですし。

・また昨年アウェーでの対戦時では球際で負けまくって実質ボロ負けを喫しましたが、その辺は柴戸&伊藤を併用したことに象徴されるようにリカもそれなりに対応して、実質的に浦和の方が日程が厳しかった割には最後まで善戦しました。鹿島は前から追ってもボールが奪えず、相手にボールを握られ続ける展開はあまり得意ではないようにも伺え、終盤は何人か足が攣っていましたし。

・さらに鹿島は横浜Mと違って組織的に綺麗に崩すのではなく、強力2トップ頼みの力技に終始している印象。ただその2トップに加えカイキやらビドゥカやらがツボに入った時の決定力が凄まじく、そんなに難しいことはやっていないのだが一瞬の隙を逃さない辺りは恐れ入りました。先制点がその典型。こういうのは浦和にはないんだよなぁ・・・

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《選手評等》

・柴戸は川崎戦で脇坂にあっさり交わされたて失点したのを契機に絶不調に陥ったように見受けられましたが、ようやく復調した模様。およそ柴戸らしくない、小泉ばりにくるっと回って相手を剥がし、しかもその後縦パスを突きさすだけでなく、自分で持ち運ぶことも!! もっとも持ち込んだ後の判断がイマイチで何も起こらないことがしばしば(つД`)

・岩尾は平野にポジションを奪われてベンチ外で試合を見る機会が増え、そこで徳島よりはずっと縦に速い「浦和でのリカ流」に順応して行こうと決意した模様。実に良い感じでした(従来製品比)。

・大畑が復帰できない状況なのに馬渡もベンチ外になったが意外でしたが、リカが用意していたのは「秘密兵器左SB知念」。知念はとにかく試合に出ることが急務。事実上3バックになっている時間帯が長い形だと今後もこんな形での知念の出番はあると思います。


・左SB明本のビルドアップには少々難があって大畑不在が残念でなりませんが、もともとFWないし2列目の明本が左SBをやっていること自体が異様なのであって、そのビルドアップ能力を云々するのは少々筋違いかと。そもそも編成の無理が祟っている上に酒井・大畑とSBの怪我が重なった結果だからやむを得ないでしょう。それゆえ知念左SBという隠し技を試運転出来たのはこの試合の収穫。

・リカはシャルクの使い道に困り果てているのかな?この試合では左SHに途中投入されましたが、投入直後に一発芸で何かできるタイプではなさげ。うーん・・・

・浦和のクイックリスタートを逐一邪魔するどころか、PKにすら嫌がらせを入れるなど、鹿島のせこさや狡さは健在でした。ああいうカルチャーは監督が代わろうが、選手が入れ替わろうが綿々と受け継がれる。見習いたいとは全く思いませんが、あれでこそ鹿島(苦笑)。実にせこい、実に狡い。いつまでも、これからも。

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-----ユンカー-----
関根---江坂---伊藤
---柴戸--岩尾---
明本-岩波--ショルツ-宮本
-----西川-----

(得点)
44分 ショルツ(PK)

(交代)
74分 関根→大久保
74分 伊藤→シャルク(大久保が右SH、シャルクが左SHへ)
82分 江坂→松尾
82分 明本→知念

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---鈴木--上田---
-----ビトゥカ-----
-カイキ---樋口--和泉-
安西-三竿--関川-常本
-----スンテ------

(得点)
6分 カイキ

(交代)
80分 カイキ→土居
82分 ピトゥカ→中村
87分 和泉→キム・ミンテ

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