【観戦記】ACL2022 R16:ジョホール 0-5 浦和 ~ ACLの審判団がまともすぎて眩しい!!1
事実上ホーム開催という地の利を受けて早い時間帯に2点先制し、後半は次戦を見据えて選手を順次休ませる余裕も見せて、全くケチのつけようがない大勝でした。
《スタメン》
・浦和のスタメンは大勝した磐田戦と全く同じ。磐田戦から中5日空いているので大勝したメンバーそのまんまで挑むのは当然といえば当然。今年のACLノックアウトステージは中2日でR16・準々決勝・準決勝と続きますし、今の浦和はACL経験がある選手が少ないので、その辺を考慮した入れ替えがあるかも?と思ったのですが、リカの判断は至極真っ当なものでした。少なくともジョホールを組みやすしとばかりに面子を落とすようなことはしませんでした。
・ACLのサブの頭数(10人)はJリーグ(7人)より多いことをすっかり忘れてましたσ(^_^;) よって怪我人や試合に全然絡めていない選手以外はほぼ全員連れてきた格好で、宮本だけが漏れた感じでしょうか。
・ACL外国人枠は3人+アジア枠1なので、今の浦和ではショルツ・モーベルグ・ユンカーと迷いようがありません。2019年のマルティノスのように文句をいう選手もいませんし(苦笑)
《試合展開》
・前から強くプレスをかけてくるジョホールに対して浦和の試合の入りは芳しくなく、2分小泉のパスミスでボールが直接右SH42番アイマンに渡ってしまい、アイマンにいきなり枠内シュートを撃たれてヒヤリ。
・しかし、6分浦和最初のCKからの流れで酒井ボレーで高く上がったボールに松尾が反応。そこでジョホールGKが完全に遅れたタイミングで松尾の頭を叩いてしまい、当然ながらPK&イエローカードのおまけつき。8分ショルツがGKの動きを見て完全に逆を突いた格好で早々と先制。
・ジョホールの基本フォーメーションは3-4-1-2で入ったものの、早い時間帯に4-3-1-2に変わったのかな?前3人ははっきりしていますが、後方の構成は割とぐちゃぐちゃ。そして立ち上がり同様その後も最終ラインを高く押し上げて果敢に前からプレスをかけてきましたが、これが笑ってしまうレベルでハマらず、浦和のパス回しに翻弄されまくり。
・浦和はジョホールの高い最終ライン裏をサイドから突く攻撃パターンが頻出。またジョホールは良い形でボールが取れないので自陣深い位置でのファウルも多く、17分には小泉スルーパスに反応した大久保が裏抜けしようとしたところを無理やり倒した2番CBにイエロー。アーク付近で得たFKを19分モーベルグが直接叩き込んで2点目。
・その後も浦和はサイド攻撃から良い形を作りまくり、39分相手を自陣深くに押し込んだ状態で右サイドから松尾クロス→ファーで小泉折り返し→中央でモーベルグが詰めて3点目。
・ジョホールの攻撃は2トップ、特に9番ベルグソンにロングボールを当てて、そこからFWが独力で打開するか、あるいはこぼれ玉を拾って何とかしようという単純な形に終始。まぁそれはそれでACLに出てくるチームにありがちなもので、ACL慣れしていないJリーグのチームがそんな攻撃にやられてしまうのもよく見た光景ですが、経験豊富はショルツ&岩波&酒井が控える浦和守備陣がそんな単純極まりない手口で揺るぐ訳がありません。
・唯一危なかったのは16分に大畑が42番アイマンに競り負けて左サイドを抉られ、45番フォレスティエリのシュートを許した場面。この試合を通じて俊敏なアイマンだけは結構厄介な印象を受けました。
・前半のうちに3点リードしたところでリカは中2日で控える準々決勝を睨んだかのうように、後半頭から大久保→江坂、大畑→明本、伊藤→安居の三枚替え。
・49分西川のロングキックを契機に松尾→明本の決定機は決められず、というかお約束のようにGKにぶつけてしまう明本・・・
・また思うようにボールが奪えないジョホールは苛立ちを露わにする選手も少なくなく、前半途中からラフプレーもちらほら。後半途中投入の4番は結構ヤバイ奴で、こういう手合いに主審が早速イエローを出した辺りは非常に好感が持てましたが、53分に岩尾が傷んだ辺りから浦和は怪我をしてはつまらぬとばかりに急激にペースダウン。ジョホールにボールを持たせてからのカウンター狙いに切り替えた風。
・56分酒井縦パス→右サイド安居クロス→松尾シュートはしっかりミートできず。63分小泉→明本→小泉のパス交換でボックス内に突入するも小泉のシュートは枠を捉えきれず。64分小泉→関根と替えても、67分明本縦パスで松尾が上手く相手DFと入れ替わって裏抜けしたにも関わらず、ラストパスが僅かに江坂に合わず。さらに76分モーベルグの放ったシュートのこぼれ玉を関根が撃ち切れずと、浦和はアホほど好機を作りながら決めきれず。
・そこで76分松尾→ユンカーと代えてようやく本格的に死体蹴りの態勢に。84分右サイドでモーベルグの浮き球パスで裏抜けに成功した江坂→ユンカーでようやく4点目。さらに90+1分西川パントキック→江坂胸トラップ&左サイドの関根に展開→江坂→ユンカーと流れるような展開で5点目を取って試合終了。
・ジョホールは後半も良いところなく、浦和がヒヤリとしたのは61分小泉の西川へのバックパスが緩くて、プレッシャーをかけられた西川のキックが直接30番に渡ってしまった場面。30番のループ気味のシュートを西川が弾き切れず、こぼれ玉を45番にヘッドで押し込まれそうになりましたが、ゴールカバーに入った岩波がクリアして事なきを得ました。終盤は無理目なミドルシュートを撃ちまくっていましたが、いずれも枠外。
《総評》
・ジョホールはグループリーグを首位通過したとはいえ、過去ACLでは全く実績がないマレーシアのチーム。しかもノックアウトステージは埼スタ開催で事実上のホームゲーム。こうなると戦前はどうしても楽勝ムードが支配しがち。
・チームもそれに流されて相手を舐めたような面子、舐めたようなプレーの連続で試合に入ってまさかまさかの大失態を犯しはしないかと気が気でなりませんでしたが、選手も監督もその辺はしっかり心得ていたようで、相手をリスペクトして真っ向勝負でジョホールを完膚なきまでに粉砕。無事準々決勝に駒を進めました。
・ジョホールは結局ほとんど良いところなしで終わってしまいましたが、このチームはやっぱりホームとアウェーで全然別のチームになってしまう東南アジアにありがちなチームで、アウェーで対戦してみないと本当の実力はよく判らないかと。グループステージ首位通過は多分に事実上のホーム開催だった地の利が大きかったのでしょうし。H&Aで対戦したら全く別の印象を持ったかもしれません。
・Jリーグでの現状でのベストメンバーはACLでもそのまんま使えることが実証された感。大久保や小泉といったフィジカルに難があってACLには向いてなさそうな選手を明本や江坂といった「当たりに強い選手」に代えるかも?と思ったのですが、この試合に関してみれば特にACLには不向きという印象を受けた選手は見当たらず。
・前からの強いプレッシング、素早い攻守の切り替え、適切なポジショニング、連携の良し悪し、攻撃の緩急や守備態勢に関する意思疎通如何等々、総合的に見て最もパフォーマンスが良いと目されるのが磐田戦&この試合のスタメン。そしてチームバランスの良さを遺憾なく発揮して2試合とも爆勝!!
・それだけに後半江坂が投入されてから少々機能不全に陥り勝ちだったのは気になりました。すっかりベンチスタートが当たり前になった江坂もユンカーも2得点を上げたにも関わらず笑顔なし。まぁ、チーム内の競争が厳しくてスタメン落ちの選手が出てくるのはプロなら当たり前の話なので、リカが上手くマネジメントするとは思いますが・・・
《選手評等》
・事実上のホーム開催で、ゴール裏もいつもと同じ北側を割り当てられているにも関わらず、試合自体では浦和はビジター扱い。それゆえベンチは南側で、試合開始前は西川や彩艶が南側で練習しているという珍光景も。コイントスは相手が勝ってボールを取ったので西川はコートチェンジしていつも通りのスタートポジションにしたのは細かいながらもGJと思いました。
・いつも「あ行」を中心とするJリーグ審判団の謎笛に悩まされている身としては、この試合のVARを含めて審判団の出来は神そのもの。イエローであって然るべきファウルにはちゃんとイエローを出し、ラフプレーにもちゃんとイエローを出す。試合の流れを阻害するような「念のためVAR」みたいなものもなく、明らかなオフサイドにはサクサク旗を上げて無駄にオフサイドディレイしない。いやはや、Jリーグもこうあって欲しいものです。
・65分ボックス内で酒井が45番を後方から削ったように見える場面。幸いPKにはなりません(VARも介入せず)でしたが、磐田戦でもあわやPKという場面もあって、酒井はまだまだ本調子には程遠いのかも。
・「頭がおかしい方しか来ない」と言われる平日ACL。とにかくゴール裏のみならずメイン&バックスタンドを含めて頭がおかしい方しかいないので、リーグ戦の4万人よりACLの2万人のほうがやたら盛り上がります。そしてこの試合の観客数は20,691人。
・2019年のR16第1戦(vs蔚山現代)の観客数は20,741人で今日の観客数とほぼ同じ。どうしても注目度が落ちる第1戦なのは割り引かないといけませんが、それでも頭のおかしい方は全員戻って来た勘定に。これが声出し応援効果なのかも!!
・青島麦酒賞はどこにいったんや・・・青島ねーちゃんも・・・と思っていたら、青島麦酒はACLのスポンサーから撤退していたのか・・・(´・ω・`)ショボーン
-----松尾-----
大久保--小泉--モーベルグ
---岩尾--伊藤---
大畑-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----
(得点)
8分 ショルツ(PK)
19分 モーベルグ
39分 モーベルグ
84分 ユンカー
90+1分 ユンカー
(交代)
HT 伊藤→安居
HT 大久保→江坂(江坂トップ下、小泉が左SHへ)
HT 大畑→明本
65分 小泉→関根
76分 松尾→ユンカー
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